普通じゃなくていいよ。きみと同じなら。
ねぇ。
「普通」って、だれが決めたの?
毎日話したいって言ったら、重いんだって。
ずっと一緒にいたいって言ったら、依存なんだって。
ちょっと返信が遅いだけで寂しくなるのも、
いま何してるかなって考えちゃうのも、
好きな人のことばっかり考えてるのも、
ぜんぶ、あんまよくないんだって。
へんなの。
だって、僕は君のこといっぱい考えたいよ。
朝起きたときも、
ごはん食べてるときも、
仕事してるときも、
眠る前も。
「あ、これ君に見せたいな」とか、
「これ君好きそうだな」とか、
そんなくだらないことまで、いっぱい。
君の一日の中にも、
僕がいっぱい落ちてたらいいなって思う。
冷蔵庫を開けたときとか。
信号待ちしてるときとか。
布団に入って、まだちょっと眠れないときとか。
なんでもない瞬間に、
「あ」って思い出してほしい。
それってそんなに変かな。
でもね。
ほんとは「思い出してほしい」だけじゃ、ちょっと足りない。
できれば、
思い出さない時の方が少なくなってほしい。
ぼくの好きな曲を聴いたら、ぼくを思い出して。
ぼくが好きだった飲み物を見つけたら、ぼくを思い出して。
ぼくがよく使ってた言葉を誰かが言ったら、ぼくを思い出して。
いつのまにか、
君の生活のいろんなところに、
僕がくっついてたらいい。
取ろうとしても、
ちょっとだけ残るシールの跡みたいに。
……気持ち悪い?
僕もちょっとそう思う。
でも、
好きな人に対してくらい、
ちょっと気持ち悪くてもよくない?
誰にでも同じくらい優しくて、
誰にでも同じくらい会いたくて、
誰がいなくなっても同じくらい平気な恋より、
僕は、
「君じゃないとやだ」って言われたい。
ちゃんと、僕がいいって言ってほしい。
世界中から選ばれたいわけじゃないんだよ。
君だけでいい。
君にだけ、
ちょっと贔屓されたい。
他の人には見せない顔を見せてほしいし、
誰にも言ってないことを教えてほしいし、
寂しい夜に思い出す名前もぼくがいい。
楽しいときだけじゃなくて、
しんどいときにも呼んでほしい。
「どうしたの?」って聞いたら、
「なんでもない」じゃなくて、
「ちょっとだけそばにいて」
って言ってほしい。
それでぼくも、
「うん」って言いたい。
ほんとはね。
好きな人には自由でいてほしい。
好きなものを好きでいて、
行きたいところに行って、
会いたい人に会って、
いっぱい笑っててほしい。
でも。
その自由の中で、
何回でもぼくを選んでほしい。
どこに行ってもいいよ。
でも帰ってきてね。
誰と話してもいいよ。
でも一番くだらない話は僕にしてね。
ひとりでもちゃんと生きられる人でいていいよ。
でも、
「ひとりでも生きられるけど、君といたい」
って言って。
それがいい。
「いないと生きられない」より、
多分そっちの方がずっと重たい。
だって、
生きられるのに選んでくれるんでしょ。
毎日。
何回でも。
僕を。
……ほら。
こういうこと言うと、
また「重い」って言われる。
だからさ。
君も重たかったらいいのになって思う。
僕がちょっと返信遅かったら寂しくなって。
僕が誰かと楽しそうにしてたら、ほんのちょっとだけ妬いて。
会ったばっかなのに、帰り道でもう会いたくなって。
僕と同じくらい、
僕のこと考えててほしい。
そしたらもう、
誰にも「重い」なんて言わせなくていいじゃん。
だって、ふたりとも重たいんだもん。
ちょうどいいじゃん。
もし世界中の人に、
「その恋愛、普通じゃないよ」って言われたらさ。
顔を見合わせて笑おうよ。
「そうなんだって」って。
「ぼくたち、おかしいらしいよ」って。
それで、
きみが笑ってくれたら、ぼくも笑うから。
普通じゃなくていい。
ちゃんとしてなくてもいい。
他の誰かが見たら、
ちょっと気持ち悪いくらいでもいい。
ただ、
ぼくの重たいところをきみが好きで、
きみの重たいところをぼくが好きなら、
それでいいよ。
ふたりだけの普通を作ろう。
毎日好きって言ってもいい普通。
寂しいって言っても怒られない普通。
会いたいって何回言ってもいい普通。
「もっと好きでいて」って、
素直に言っていい普通。
ちょっと妬いて、
ちょっと拗ねて、
でも最後にはちゃんと抱きしめる普通。
世界の普通から、
ちょっとだけはみ出した場所に、
ふたりで小さい家を作ろうよ。
鍵はふたつだけ。
ぼくのと、きみの。
誰にも入れなくていい。
誰にも理解されなくていい。
外から見たら、
ちょっと変な家でもいい。
きみがいて、
ぼくがいて、
「ここ、落ち着くね」
って言えたら、それでいい。
ねぇ。
ふたりともおかしいなら、
おそろいだね。
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