見出し画像

【杉本すぎて滅】 杉本博司 絶滅写真  東京国立近代美術館

だいぶ昔に彼の個展をみたことがあった。 東京都写真美術館だっただろうか。

その時はひたすらずっと劇場の写真が淡々と続く展覧会で その写真の面白みもあまり見いだせないままうーんと唸りながら見ていた。 河原温の日付絵画をひたすら見つづけるような、そんな感覚。

こんな感じの展示がずっと続いていた個展を見た事があった
こちらはコレクション展示室の風景

そしてある程度の大きさを「知っていた」ので枚数が多いのかな、若い頃見たところより自分の視力や鑑賞体力が落ちている今、大丈夫だろうか?と思って恐る恐る国立近代に足を踏み入れた。

結果としては大満足。そう来たか、という展示だった。

概要

様々な領域で活動する現代美術作家、杉本博司(1948-)。小田原文化財団 江之浦測候所をはじめ建築分野でも活躍し、日本の古典芸能など舞台芸術の演出では国内のみならずヨーロッパ数都市やニューヨークにも進出。その活動分野は書、陶芸、和歌、料理と多岐にわたっています。 そんな多才な杉本の芸術の原点は銀塩写真にあります。確たるコンセプトに基づく、独自の表現による作品はまた、銀塩写真の技術としても頂点を極めるものであり、写真がデジタルに置き換わった今、その技法は今やまさに「絶滅が危惧される」ものと言えます。 本展では杉本の初期(1970 年代後半)から現在に至る銀塩写真約60点を展観します。 写真作品で構成する美術館での個展は、国内では2005年の森美術館以来の開催となります。 さらに、所蔵品ギャラリー3階にて当館所蔵杉本作品全点、また制作の秘密を明かす未公開資料「スギモトノート」をサテライト展示します。

東京国立近代美術館公式サイトより引用

写真の大きさ


今回驚いたことは、私が知っていた、今まで見てきた彼の写真作品の大きさが全く違ったことだ。 (先程のコレクション展示室の写真を参照にして欲しい)
展覧会で杉本博司の写真をみるなら、これくらい、というサイズのイメージが先に脳内で想定されていた。 ところが今回、写真のサイズがだいぶ大きめに引きのばされていて、何度か見てきたシリーズ写真もとても新鮮だった。

既存のサイズ感でのイメージとぜんぜん違う。

お、大きいな?

特に海景シリーズの展示室はとても気持ちが良く、ややインスタレーション寄りの展示方法ではあるけれど、過去とは全く別の魅力を感じた。

海景シリーズ(大)
何となく揃っている水平線
窓みたいだ。

最初はキャプションでどこの撮影場所であるかも確認せず、「うわー海景シリーズだからこの水平線は全部一つの水でつながっているのか!」と感激したのだが、よくよく撮影場所を確認すると湖を写したものもあり、全てが海の作品ではなかったのでちょっとスンっとなった。

キャプションと短歌の妙

解説に短歌が添えてある。それが妙にダジャレっぽかったりするので笑ってしまった。スタイリッシュとかかっこよさ、に収めない、ちょっとした滑稽さに隙がある。

展覧会タイトル


滅!


展覧会タイトルからなにやら重い雰囲気なのかな、と構えていたけれどそんなこともなく。ただ衰退や後退が悪いことのようにも思えず。 なんとも言えない侘び寂びを感じることができるのも、古来から続くDNAのなす技なのか。
そんなことを考えて展示室を後にした。

パレスサイドビルのエレベーターホールが好き
この早押しクイズ解答ボタンみたいなのは
いつも押したくなってしまう。

いいなと思ったら応援しよう!