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私たちの心理支援 ー心理支援加算導入から2ヶ月の現状と課題ー


以前の記事でもまとめましたが、

2026年6月1日から、
精神科・心療内科で
カウンセリングの対象が広がり、

これまでより多くの方が、
公認心理師によるカウンセリングを
保険診療として受けられるようになりました。

正式名称は
「カウンセリング」
ではなく、

「心理支援加算」
(以下、心理支援)

と呼ばれています。

前回の記事↓


心理支援の適用条件


心理支援が保険適用となるには、
以下のような条件があります。

①病院内に、精神保健指定医の資格を
持つ専任の常勤医師が少なくとも1人いること。

②精神科の医師が「この患者には
心理支援が必要である」と判断し、
必要と考えた理由などをカルテに
記録していること。

③心理支援を担当するのは、
精神科医の指示を受けた
公認心理師であること。

④その公認心理師は、
精神科を掲げる医療機関で
週1日以上の勤務を継続しながら、
週22時間以上働いた期間が
通算1年以上あること。

⑤当該患者さんは診療報酬上の

「神経症性障害、
ストレス関連障害、
身体表現性障害」

に該当していること。

具体的には、
PTSD、
不安障害、
パニック障害、
強迫性障害、
適応障害、
解離性障害など
の診断になっている
ことが必要です。

⑥心理支援は
対面で30分以上実施
されていること。

⑦回数は月2回まで、
初回実施月から最大2年を
限度とすること。

診療報酬は280点なので、

全額自己負担だと2800円。
3割負担だと840円。

自立支援医療を
使っている方なら、

280円で心理支援を
受けられます。

(ただし、実際の窓口負担には
再診料や通院・在宅精神療法などの
費用が別に加わります。)



私が勤めている病院では、
6月中の周知期間を経て、

7月1日から
心理支援へと移行しました。

とりあえず
現在までの2ヶ月弱で

50人余りの患者さんが
心理支援を利用しており、

なかにはすでに複数回
利用されている
方も一定数おられます。

カルテを見ていると、

心理支援を希望している
患者さんは
もう少しいらっしゃる
印象ですが、

心理士が
一人しかいない
病院のため

対応できる
人数に限りが
あるのが難点です。


そんな現状ですが、

2ヶ月ほど実施してみて
課題も色々と見えてきました。

1.診察との日程調整が必要になること



今まで診察と分けて考えられてきた
「カウンセリング」ですが、

心理支援加算では
心理支援を受ける月に
診察を受ける必要が
あります。

このため、
毎月一度は診察と仕事との
調整をする必要が生じました。

経済的な負担は
かなり減少しましたが、

逆に
忙しい人にとっては
心理師につながるまでの
ハードルが上がったように感じます。


2.対象者が限定されていること


診断名によって
心理支援が受けられる人と
受けられない人が生じています。

残念ながら

「希望すれば、
誰でも受けられる心理支援」

になってはいません。

例えば、
統合失調症や
自閉スペクトラム症などの
診断名だけでは

この心理支援加算の
対象にはなりません。

また、
心理支援は本人に実施することになるため、
例えば不登校や引きこもりで
ご家族だけ来院されての

「当事者不在カウンセリング」

のような家族だけを対象とした相談は、
この心理支援加算として
算定することができません。


3.心理支援を受けられる限度が決まっていること


この心理支援加算を
使った支援には

月2回、最大2年という
上限があります。

このため、心理支援を受けられる
最大回数は48回(24ヶ月×2回)
となっています。

制度上は、この期間を過ぎると、
この心理支援加算を使った支援は
利用できなくなります。

その時点でも支援を必要としている
患者さんを、どこに、どのように
つないでいくのか。

その答えはまだ見えていません。


今後に向けて


現場では
日々患者さんから
色々な声を聞きますが、

正直僕自身もやりにくさを
感じている部分もあります。

でも、
新しい体制に切り替わる際は、

心理支援に限らず
いつもこうしたことが
あったのだと思います。


手探りにはなりますが、

置かれた状況の中で
目の前の患者さんと一緒に

「私たちの心理支援」

を考えていきたいと思っています。

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