Photo by
yuuki_kaito
グラウンドから見た風景
中学3年になる時
父の転勤でこの土地に
引っ越してきた
中学校のグラウンド越しに
市営住宅が近くに見える
私は何となく
こんなアパートに住んでみたいなぁと
漠然と思っていた
それから何年も経ち
結婚が決まり
市営住宅を申し込んだ
当時は申し込みする世帯が割といて
どこの市営住宅になるのかも
分からなかったが
入居許可通知に記載されていたのは
私が中学校のグラウンドから眺めた
あのアパートだった
ここにで5人家族になり
長男が中学生になるまで住んだ
引っ越す前日
がらんとしたリビングで
カップラーメンをすすりながら
夫と二人で泣いた
沢山の思い出がありすぎて
このアパートと離れる寂しさと
感謝の気持ちでいっぱいだった
いつだったか
そのアパートの前を通った時
夫が言った
中学の時、結婚したら
こんなアパートに住みたいなと
思っていた
と
彼は同じ教室で1年を過ごした
クラスメイトであった
話した事もなく
接点もなかった
私はただの転校生だった
縁とは不思議なものだ
