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身長差20センチ

3日になると、流石に年末に買いだめしていた食料が尽きてくる。娘と一緒にスーパーへ歩いて行くことにした。娘は甘えん坊なので、手を繋いだり腕を組んだりしながら2人で歩く。

いつの間にか背の高さが同じくらい。娘は甘えることに慣れている。まだまだ精神的には幼いであろう、娘が言った。

「お母さんと私、同じくらいの背の高さだから手繋ぎ歩きは大丈夫なんだけど、腕をギュッとした時の高さが合わなくなった。お父さんと歩く時はちょうどいいのに、お母さんとは高さが合わないね」

「へっ?」

バカな声しか出ない。どういう意味なんだ。意味がわからないから、試してみることにした。同じ身長どうし。娘と手を繋いでみる。確かに手を繋いだ状態は友達感覚でちょうどいい。手を握ったり、恋人繋ぎをしてみたけど、歩きやすい。でも、娘が私にしていたように、腕をギュッとして歩くと、寄りかかり具合がしっくりこない。しかも、体格的に華奢だから安定感がない。うーん…確かに同じ身長どうしだと、イマイチだ。

帰宅して、夫に実験したいから腕を貸してほしいと頼んだ。娘が夫と腕を組む。あー、なるほどね。身長差20センチだとこうなるのか…。並んだ時のバランスがいい。娘が夫の腕を組み、寄りかかる。片腕を組んで、胸元に顔をスリスリして甘える。

「ほらねー、しっくりくるでしょう!?」

いや…わからないから。

「お母さんもやってみて!」

「……」

娘が夫の腕を離し、代わりに私が腕を組む。なるほどねー。確かに寄りかかりやすい気がする。安定感もある。スリスリとかはできないけどね。恥ずかしいから。

深く考えたことはないけど、この腕を組んで甘え歩きするって、10代、20代の時の特権なんだろうか。これをしている40代の自分を思い浮かべてみる。

「……」

ムリだ!!

そういえば、信号待ちの恋人どうしを見かけた時、恋人繋ぎをしながら、彼の腕に寄りかかりギュッとしている女の子を見かけたことがある。ああ…なんて可愛いんだろうって思う。こういう甘えって、その時にしか出来ないわけで、全然気づいていなかったけど、若い時にしか出来ないことってたくさんあるんだなぁと思う。娘には10代、20代を思いっきり堪能してもらいたい。

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