コミュニケーションは組織最大の課題
会社や組織の課題は何かと聞かれると、多くの人は次のような答えを思い浮かべるかもしれません。
人材不足
売上低下
業務効率
システムの老朽化
DX推進
AI活用
どれも重要な課題です。
しかし、私は40年以上にわたり様々な組織や現場を見てきた中で、これらの課題の根底には別の問題が存在すると感じてきました。
それが「コミュニケーション」です。
人は事実ではなく印象で他人を評価する
職場では、自分が直接評価する立場にない人と一緒に仕事をする機会が数多くあります。
その人が本当に優秀なのか。
どのような成果を上げているのか。
実際には詳しく知らないことも少なくありません。
そのため、人は無意識のうちに印象から相手を判断します。
言っていることがころころ変わる
何を考えているかわからない
信頼できそうだ
なんとなく苦手だ
しかし、その判断材料は本当に正しいのでしょうか。
私は必ずしもそうではないと思っています。
組織は伝言ゲームから逃れられない
組織では情報が人から人へ伝わります。
その過程で、
「たぶんこういう意味だろう」
「きっとこういうことだ」
「忙しいから細かい部分は省略しよう」
という解釈が加わります。
そして最終的には、最初に伝えた内容とは異なるものが組織の中を流れ始めます。
これは伝言ゲームそのものです。
私自身、多くの現場で、
「そもそも最初の話は何だったのか」
という場面を何度も見てきました。
高価なシステムが失敗する理由
システム開発や業務改革の世界では、
「良いシステムを導入すれば解決する」
という考え方がよくあります。
もちろんシステムは重要です。
しかし、どれほど優れたシステムを導入しても、利用する人々の認識が揃っていなければ期待した効果は得られません。
私はこれまで、高価なシステムが十分に活用されず、形だけ残ってしまうケースを数多く見てきました。
技術の問題ではありません。
組織の認識が揃っていなかったのです。
AI時代だからこそ考えたいこと
最近はAIの話題を目にしない日がありません。
AIで何ができるのか。
どの業務を自動化するのか。
そうした議論も重要です。
しかし私は少し違うことを考えています。
AIは人間の代わりになるのかではなく、
「人間同士の認識のズレを減らすことはできないのか」
ということです。
例えば、
事実と推測を分離する
曖昧な表現を指摘する
認識の違いを可視化する
そんな役割をAIが担うことができれば、組織にとって大きな力になるかもしれません。
私が考える組織最大の課題
私は長年、
人材、技術、制度、システム。
様々な課題を見てきました。
しかし最終的に行き着くのはいつも同じ場所でした。
それは、
「人と人が同じ意味を共有できているか」
という問題です。
どれほど優秀な人材がいても。
どれほど優れたシステムがあっても。
どれほど立派な戦略があっても。
意味が正しく伝わらなければ、組織は期待した力を発揮できません。
だから私は、コミュニケーションこそが組織最大の課題だと思っています。
そしてAI時代だからこそ、この課題に改めて向き合う価値があるのではないかと考えています。
