見出し画像

「プリンを食べながら、人生について考えた。三口目でどうでもよくなった。」

どうも、しゃくたにしゃくおです。

今回は「しりとり企画」に参加させていただきました。

バトンをくださったのは、まるさん。
「サングリアbyストレイシープ」から「ぷ」を受け取りました↓

ということで今回は、 初のエッセイです。

たぶん。

たぶんエッセイ

それでは。


「プリンを食べながら、人生について考えた。三口目でどうでもよくなった。」


冷蔵庫を開けた。

そこにプリンがあった。

黄色くて、丸くて、腹が立つほど堂々としていた。

「俺を食え」

そう言っている。

絶対に言っていない。

プリンなので。

でも、そう見えた。

疲れている証拠だ。

俺は四十代だ。

人生の折り返し地点は、とっくに通過したらしい。

しかも誰も「ここから後半戦です」と教えてくれなかった。

気づけば、仕事、家族、老後、健康、金、そして書くこと。

考えなければならないことだけは、やたらと多い。

頭の中で、毎日それらが渋滞している。

しかも全車、クラクションを鳴らしている。

考えているうちに夜になる。

夜になると脳が勝手にシャッターを下ろす。

「もう明日でいいか」

そうやって思考を翌日に押しつける。

これが俺の生き様である。

たぶん。

スプーンを突き立てる。

第一口。

うまい。

人生について考えていたことが、一瞬だけどうでもよくなった。

人間という生き物はゲンキンだ。

もっと金が欲しい。

もっと読まれたい。

もっと自由になりたい。

もっと自分らしく生きたい。

「もっと」という言葉は便利だ。

何かが足りないとき、とりあえず前につければいい。

もっと頑張る。

もっと書く。

もっと稼ぐ。

もっと寝る。

最後のやつだけは、たぶん努力の方向が違う。

第二口。

うまい。

俺は思った。

そもそも、何のためにこんなに考えているのだろう。

この先どう生きるのか。

何を残すのか。

何者になるのか。

そんなことを考えながら、俺はプリンを食べている。

人生の重大な問いを抱えた人間が、百円そこらの甘いものをスプーンですくっている。

絵として弱い。

第三口。

うまい。

……もう、どうでもよくなった。

さっきまで真剣に悩んでいた。

この先どうする。

何を残せる。

書くことに意味はあるのか。

そんな問いが、プリン三口で吹き飛んだ。

すごい。

すごいぞ

プリン。

哲学を三口で倒した。

しかも無言で。

少なくともプリンは、

「お前の人生には意味がある」

とは言ってくれない。

「努力は必ず報われる」

とも言わない。

「夢を諦めるな」

なんて、無責任な励ましもしない。

ただ、そこにある。

そして甘い。

それだけだ。

それが、なんだか救いだった。

……。

今、ちょっといい話にしようとした。

危ない。

こういうところで俺はすぐ調子に乗る。

「人生とはプリンなのだ」

とか言い出しかねない。

違う。

プリンはプリンだ。

人生を背負わせるな。

プリン側にも迷惑だ。

食べ終えた。

容器の底が見える。

さっきまでそこにあったものが、もうない。

時間も、たぶん同じだ。

一年減る。

また一年減る。

気づけば五十代になる。

そのうち、もっと先になる。

そしていつか、人生そのものが空になる。

……。

また話がデカくなってきた。

やめよう。

プリン一個で人生を完結させるな。

俺は空になった容器をゴミ箱へ投げた。

入った。

今日の俺の成果だ。

人生の意味は分からなかった。

何を残すべきなのかも分からない。

この先、何者になれるのかも分からない。

でも、プリンはうまかった。

それで今日は十分なのかもしれない。

……いや。

これも、ちょっとカッコつけている。

たぶん俺は、ただ甘いものを食べて満足しただけだ。

人間なんて、案外そんなものである。

俺は冷蔵庫をもう一度開けた。

プリンは、もうない。

そこで気づいた。

人生の意義より重大な問題が残っている。

明日のプリンがない。

これは困る。

人生はどうでもいい。

老後も、とりあえず明日考える。

書くことも、明日書けばいい。

でもプリンは違う。

明日のプリンは、今日の俺が用意しなければならない。

俺は財布を確認した。

そして思った。

人生とは、もしかするとこういうことなのかもしれない。

大きな答えなんて分からなくてもいい。

とりあえず明日の自分が困らないように、今日の自分がプリンを一個買っておく。

それくらいでいい。

……。

いや。

やっぱり人生について語るのはやめよう。

コンビニに行ってくる。

明日の俺のために。

プリンを買うために。

俺の人生は、たぶん今のところ、

その程度でちょうどいい。



まあ全部嘘なんだけどね。




プリンより肉!

プリンより肉!

プリンより肉!


うおーーーーーー!!!!




※バトンは破壊してしまったので次の人に渡せませんでした。

ごめんなさい

ごめんなさい

ごめんなさい

ご⋯

うるせーーーーーーーーーー!!!!!

いいなと思ったら応援しよう!