夏の終わりと、新しい季節の波を乗り越えるために
楽しかった夏休みが終わり、いよいよ2学期が始まります。
行事も多く、1年の中で最も長い2学期。
子どもたちの大きな成長を感じられる楽しみな時期である一方、心と身体には一年で一番負担がかかりやすい季節でもあります。
連休明けの月曜日、大人だって仕事に行くのが少し憂鬱になることがありますよね。
子どもたちもまったく同じです。
どこかブルーな気持ちを抱えているのは、ごく自然なこと。
だからこそ、子どもの一番近くにいる保護者と教員のみなさんが、どんな心構えで2学期を迎えればいいのかを考えてみました。
「学校に行くだけで満点」と割り切る
長い休みのあと、日常のペースを取り戻すのは想像以上にエネルギーがいります。
「早く生活リズムを戻させなきゃ」 「勉強に遅れをとらないようにさせなきゃ」
そうやって大人が焦ってしまうと、そのプレッシャーは真っ直ぐ子どもに伝わってしまいます。
2学期のスタートは、とにかくハードルを下げることが大切です。
朝、起きて、服を着替えて、学校の門をくぐった。
それだけで、まずは200点満点です。
教員のみなさんも、初日から完璧な授業を目指す必要はありません。
まずは教室に子どもたちが集まり、お互いの顔を見て、無事に1日を終えられたこと。
それだけで大成功だと、自分自身を褒めてあげてください。
最初から100%の力で走り出すと、途中でスタミナ切れを起こしてしまいます。
省エネ運転で、ゆっくり慣らしていけばいいのです。
小さなSOSを見逃さない、温かな余白を
2学期の始まりは、子どもたちの心が最も揺れ動きやすい時期でもあります。
夏休み中の生活とのギャップや、人間関係の悩み、行事へのプレッシャーなど、理由は様々です。
「なんだか最近、元気がなさそうだな」 「いつもより口数が減った気がする」 「朝になるとお腹が痛いと言う」
そんな小さな違和感に気づいたら、決して無理に理由を聞き出そうとしないでください。
ただ「あなたのことを見ているよ」「いつでも味方だよ」という姿勢で、そっと寄り添ってあげることが大切です。
無理に頑張らせることよりも、まずは心と身体の安全を守ること。
家庭も教室も、子どもがいつでも羽を休められる「安全基地」でありたいものです。
大人たちが逃げ場を用意してあげるだけで、子どもは大きな安心感を抱くことができます。
肩の力を抜いて、チームで支え合う
2学期は運動会や文化祭、音楽会など、学校行事が目白押しです。
行事を成功させようとするあまり、保護者も教員も知らず知らずのうちに肩に力が入ってしまいがちです。
けれど、一番大切なのは「行事を完璧にこなすこと」ではなく、「子どもたちが笑顔で過ごすこと」はず。
保護者と教員は、子どもの健やかな成長を願う大切なパートナーです。
対立するのではなく、同じ方向を向いて手をつなぐ存在です。
家庭での様子や学校での変化など、気になったことは抱え込まずに共有し合いましょう。
「最近少し疲れが見えますね」 「家ではこんな風に過ごしていますよ」
そんなちょっとした言葉のドッチボールが、双方の不安を和らげてくれます。
完璧な親である必要も、完璧な先生である必要もありません。
一人の肩に重荷を乗せるのではなく、みんなで分かち合う姿勢を持ち続けましょう。
焦らず、ゆっくり波に乗っていこう
2学期という長い航海は、まだ始まったばかりです。
まだ残暑も厳しく、気候の変化だけでも体力が削られる時期です。
だからこそ、焦る必要はどこにもありません。
波風が立つ日があれば、少し休んで風が止むのを待てばいいのです。
大人たちがどっしりと構え、温かい笑顔で迎えてくれれば、子どもたちは自分のペースで少しずつ前を向いて歩き出します。
ほかの誰かと比べることなく、昨日のその子と比べて成長を喜んでいきましょう。
大人も子どもも、深呼吸をひとつ。
焦らず、比べず、ゆっくりと。
子どもたちと一緒に、実り多き秋を歩んでいきましょう。
