【6月30日生まれ限定】心を軽くするお守り絵本『こんとあき』~あなたの誕生日に生まれた物語~
こんにちは。毎日、その日に生まれた絵本をたった一冊だけ選んでお届けする「誕生絵本ソムリエ」、たけゴリラです。
この記事は、今日6月30日にお誕生日という人生の節目を迎えたあなたへ。
そして、6月30日生まれの大切な誰かを思い浮かべながら、そっとこのページを開いてくれたあなたへ贈る、ささやかなお祝いのエッセイです。

6月30日、一年のちょうど真ん中で生まれたあなたへ
雨上がりの夕暮れ、アスファルトからふわりと立ちのぼる土の匂い。
窓辺の緑が梅雨のしずくを吸って、いつもよりずっと濃く、つやつやと光っている。
そんな、しっとりとした生命力に満ちた6月30日。特別な今日を迎えたあなたへ、心からのお祝いを申し上げます。
実はこの日は、一年の前半を静かに閉じる、最後の一日。
1月からここまで、あなたはちょうど半年という道のりを歩ききってきました。
そして明日からは、後半の半年がまた新しく始まります。
あなたは、一年がふっと息をつぎ、そっと向きを変える——その節目の日に生まれてきた人なのです。

そんなあなたは、一見するととても軽やかで社交的。
初めての場所でも、その場の空気をふっとやわらげてしまう、不思議なあたたかさを持っています。
けれど、にぎやかな時間が終わって一人になった帰り道、ふと「今日、私、がんばりすぎたかな」と立ち止まってしまうことはありませんか。
あなたの内側には、いちばん近い人にさえ見せない秘密の箱と、とても繊細で深い思索の引き出しが、そっとしまわれています。
人の表情のわずかな曇りには誰より早く気づくのに、自分の弱音だけは、なかなか口に出せない。
いつも「大丈夫?」と誰かに声をかける側にいて、自分が「大丈夫?」と聞かれることには、少しだけ不慣れ。
そんな優しさと脆さを両手に抱えているのが、6月30日生まれの、あなたという人なのだと思います。
6月30日の誕生絵本: 『こんとあき』
作:林明子
福音館書店
1989年6月30日 初版
そんな、半年の道のりを歩ききったあなたへ。
今日贈りたい誕生絵本は、林明子さんの『こんとあき』です。
実はこの絵本が初めて世に生まれたのは、1989年の6月30日。
あなたと同じ日に、この世界へ産声をあげた一冊なのです。
物語の主人公は、きつねのぬいぐるみの「こん」。
こんは、女の子の「あき」が生まれてくるその日に合わせて、おばあちゃんが心をこめて縫い上げた、たった一つのお守りでした。
赤ちゃんの頃からいつも一緒。
けれど、あきがすくすくと大きくなっていくのと引き換えに、こんは少しずつ古び、とうとう腕の縫い目がほころんでしまいます。
そこで二人は、その腕を直してもらうため、おばあちゃんの住む「さきゅうまち」を目指して、電車に乗りこみます。
小さなあきと、年老いたぬいぐるみだけの、初めての二人旅。
旅は、はらはらするトラブルの連続でした。
駅のホームでお弁当を買ったこんが、電車のドアにしっぽを挟まれてしまったり。
ようやくたどり着いた砂丘で、こんが犬にくわえて連れ去られてしまったり。
それでも、どんなに絶体絶命のピンチの中でも。
ぼろぼろになったこんは、あきに向かって、ただ静かに繰り返すのです。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」——と。
半年を歩いてきたあなたの隣にも、きっとそっと寄り添ってくれる。
6月30日に生まれたこの物語は、そういう一冊です。
ページをめくるたび、大人の心に深く染みわたる理由
誕生絵本ソムリエとして、私は何度この絵本を開いたかわかりません。
それでも開くたびに、林明子さんの並外れた観察眼と描写のすばらしさに、あらためて息をのみます。
こんの毛のやわらかな質感。
不安に揺れるあきの目もと。
ふと安心したときの、肩の力の抜け方。
それは「絵」というより、もう体温そのものです。
ページの中に手を伸ばせば、こんのふさふさのしっぽに触れられそうな気さえしてきます。
林明子さんの絵本には、画面のどこかにこっそり隠された遊び心が潜んでいることでも知られています。
たとえばこの一冊にも、駅でお弁当を待つ行列の中に、思わずクスッと笑ってしまう小さな仕掛けが隠れている。
そんな宝探しの楽しみもまた、大人の読者へのご褒美です。
けれど、この絵本が大人の胸を締めつける本当の理由は、もっと奥にあります。
それは、こんの「だいじょうぶ」に込められた、深い愛に気づいてしまうから。
腕がほころび、犬にくわえられ、もう自分では歩くことさえできなくなったこん。
彼は、自分がいちばん無力であることを、誰よりわかっています。
それでも「だいじょうぶ」と繰り返すのは、自分のためではありません。
これから暗い砂丘を、自分の足で歩き出さなければならないあきへ向けた、*「きみなら、ぜったいに大丈夫」という、無条件のまるごとの肯定なのです。
一番無力なこんがこの言葉を言うことで、言われる側のあきをいちばん無敵にしてしまう。
子どもの頃は、ただはらはらして読んでいたページが、大人になってめくると、まるで違って見えてきます。
かつて誰かに守られていた自分の記憶。
そして今、自分が守りたいと思う、大切な誰かの顔。
それらが静かに重なって、気づけば、目の奥がじんと熱くなっているのです。
この絵本が、あなたへ手渡してくれるお守り
最後のページを閉じたとき、あなたの胸には、きっと、ふわりとあたたかな毛布に包まれたような安心感が、静かに広がっているはずです。
毎日、社会の中で気を張りつめて。
ときに孤独を感じながらも、それでも前へ進もうとしているあなた。
いつも誰かに「だいじょうぶ?」と声をかける側にいるあなたへ。
今日くらいは、どうか、こんがあきにそうしたように——
自分自身に向かって、そっと「だいじょうぶ」と、声をかけてあげてください。
『こんとあき』が教えてくれるのは、たった一つのこと。
どんなに傷ついても、ぼろぼろになっても、あなたをまるごと肯定し、ありのまま受け入れてくれる存在は、必ずいるということです。
それはもしかしたら、子どもの頃のあなたを抱きしめてくれた、誰かの手かもしれません。
あるいは、あなた自身の心の中に、ずっと前から住んでいる「こん」かもしれません。
不安で眠れない夜には、その「こん」が、枕もとにそっと寄り添ってくれる。
新しい一歩を踏み出す朝には、まるくなった背中を、やさしく押してくれる。
半年を歩ききった今日、6月30日。
この一冊は、あなたが忘れかけていた純粋な気持ちをふっと呼び覚まし、もう一度あなたらしく歩き出すための、かけがえのないお守りになってくれるはずです。
「誕生絵本365」は、毎朝、その日の空気や季節のうつろいにそっと寄り添う、お守りのような絵本を、たった一冊だけ選んでお届けしています。
忙しい大人の一日の中で、ほんの数分でいい。
心をごろんと横たえて、自分自身をいたわる時間を持ってほしい。
夜のデスクにランプを灯し、あたたかい飲み物をそっと差し出すような気持ちで。
そんな想いで、毎日ひとつひとつ、言葉を紡いでいます。
もし今日のこの記事が、半年をがんばって歩いてきたあなたの心に、少しでも届いたなら。
お祝いの言葉の代わりに、どうか下の「スキ」を、そっと押して教えてください。
あなたが画面を指先でタップする、その小さな小さなひと押しが、
私にとっては、何よりうれしい、最高の誕生日プレゼントになります。
そしてそれは、明日からもまた、誰かの心にひとつ灯りをともす文章を書き続けるための、いちばん力強い魔法になるのです。
お誕生日おめでとうございます。最後にあなたへ
あらためて——
今日という、一年の前半を歩ききった特別な日に。
お誕生日を迎えられたこと、本当に、おめでとうございます。
今日あなたが出会った『こんとあき』は、これから先の人生で、ふと足が止まりそうになったとき。
いつでも本棚からそっと顔を出して、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、あなたを励ましてくれる相棒になるはずです。
もし、あなたのまわりに。
今日お誕生日を迎える大切な人や、少し疲れた顔で、やさしい言葉を必要としている人がいたら。
よかったら、この記事をそっとシェアして、届けてみませんか。
あなたからの思いがけない贈りものが、その人の心を、ふっと軽くするかもしれません。
明日の朝も、また新しい一冊で、あなたに会えますように。
よければアカウントの「フォロー」で、明日の誕生絵本を見逃さないようにしてもらえたら、うれしいです。
あなたの後半の半年が、笑顔と、心穏やかな時間で満たされますように。
それでは、また明日の誕生絵本で、お会いしましょう。
また、明日の誕生絵本でお会いしましょう。

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