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asaichi_kato
【詩】語り
動けないかもしれない
五体満足ではないかもしれないが
それでも確かに存在する
ひとつのいのち
消え残った 幽かないのちは
なにかを語ろうとしている
その語りに込められた魂を
わたしは両耳でしっかりと受け止める
さらには 両手で触りさえする
先人の記憶が
わたしの脳内で甦る
季節が 日常が 戦争が
わたしの脳を 硬い咀嚼に導く
簡単にいのちが捨てられてゆく
その光景は どんな痛みでも敵わないだろう
歴史は繰り返す
人間は繰り返す だが
いのちは繰り返さない
決して 繰り返さないのだ
