見出し画像

中小企業診断士が地域支援機関とつながると何が変わる?動いて分かったこと


はじめに

会社員をしながら中小企業診断士として独立を目指しているわたしが、最近「動き出した」と実感した出来事があったので書いておきます。

今の自分の状況

わたしはIT系の会社に長年勤めながら、中小企業診断士の資格を取りました。資格を取ることそのものが目標だったわけではなく、いずれは地域の中小企業の経営支援に関わりたいという思いが出発点です。

ITエンジニアとしての現場経験、業務プロセス改善やRPA導入の実務、製造業向けのシステム支援。こうした積み上げを「資格」と組み合わせることで、地域の事業者に対して何か具体的なお役に立てないかと考え続けてきました。

ただ、資格を持っているだけでは何も起きない。これは診断士を取った人なら多くの方が感じることだと思います。

自分の最大の弱点:「人脈」の構造的な差

正直に言います。わたしの最大の弱点は人脈の薄さです。そしてそれは、単なる「努力不足」ではなく、キャリアの構造的な問題だと感じています。

診断士として独立して活躍している先輩方の話を聞くと、前職が金融機関や公的支援機関だったという方が少なくありません。銀行・信用金庫・商工会議所・中小企業支援センターなど、地域の中小企業と日常的に接点を持つ組織に長年いた人たちです。

そういった方々は、独立した瞬間から前職の人脈がフル活用できます。「あの銀行にいた○○さんが独立した」という文脈で、経営者・支援機関・行政との信頼関係がそのまま持ち越せる。スタートラインからして全く違う。

一方、わたしの現職はIT系の民間企業です。社内ではそれなりに評価される仕事をしてきた自負はありますが、地域の中小企業経営者や支援機関との接点はゼロでした。「前職の人脈を活かす」という王道ルートが、構造的に使えない状態でのスタートです。

これは正直、焦りと劣等感の両方を感じるポイントです。ただ同時に、同じ境遇の診断士も少なくないはずだとも思っています。IT・製造業・サービス業など、民間企業出身の診断士にとっては、人脈の「ゼロベース構築」は共通の課題なのではないでしょうか。

「人脈なし」でも入れる構造を使う

人脈がない状態から信頼を積む最も現実的な方法は、公的機関という「場」を使うことだと考えています。

紹介や口コミは人間関係の蓄積があってこそ機能しますが、産業支援センターや商工会議所の専門家派遣制度は、「登録」という形で入口が開かれています。個人の人脈がなくても、公的な仕組みを経由することで、支援の現場に立てる可能性があります。

言い換えれば、人脈がないからこそ、制度や仕組みを最大限に活用するという発想の転換です。

① 公的機関の専門家登録:信頼の担保を「仕組み」で補う

個人としての知名度がなくても、公的機関に登録された専門家という肩書きは対外的な信頼の代替になります。「○○センターの登録専門家として伺いました」という一言があるだけで、初対面の経営者に受け入れてもらいやすくなる。人脈がない分、公的な信用を借りるという発想です。

② 商工会議所の相談員やセミナー講師:「場」に繰り返し顔を出す

人脈の正体は突き詰めると「顔を見た回数」だと思っています。金融機関出身の先輩が地域で顔を知られているのは、長年にわたって同じ人たちと接してきたからです。であれば、定期的に同じ場に顔を出し続けることで、後天的にその状態を作れるはずです。商工会議所の定例相談やセミナーに継続的に関わることで、経営指導員や地域の経営者と「顔が見える関係」を積み上げていく。一朝一夕には無理でも、続けることで必ず積み上がると考えています。

③ 診断士協会・研究会への参加:同業者ネットワークを仕事につなげる

同業の診断士とのつながりも、実は重要な人脈源です。大手コンサルファームや金融機関系の診断士が持っている案件を、専門性が合う仲間に回すという形は業界内では珍しくありません。「IT・DX・製造業改善ができる診断士」として仲間内での認知を作っておくことで、紹介という形で仕事が回ってくる構造を狙えます。地域の診断士協会への参加や、テーマ別の研究会への顔出しは、そのための投資だと位置づけています。

④ Note・SNSでの情報発信:「検索される人」になる

そもそも人脈とは「誰かに思い出してもらえる状態」です。リアルの場で顔を作る努力と並行して、ネット上でも見つけてもらえる存在になることを考えています。この記事を書いているのも、その一環です。「DX支援」「製造業の業務改善」「中小企業診断士」といったキーワードで検索したときに自分の名前や考えが出てくる状態を作ることで、人脈がなくても入口を増やせる可能性があります。人脈は「持っている人から広がる」ものですが、発信は**「持っていない人でもゼロから広げられる」手段**です。

この4つは、正直まだどれも途中です。でも「人脈がないから動けない」ではなく、「人脈がないなりにできることを全方位でやる」という方針は固まってきた気がしています。

最初の一手:県の産業支援センターへの専門家登録

まず動いたのは、県の産業支援センターへの専門家登録です。

都道府県には中小企業支援を担う公的機関があり、そこに専門家として登録することで、中小企業からの経営相談に専門家として派遣される仕組みがあります。資格や実務経験をもとに審査があり、登録が完了すると「公的な支援の担い手」として名前が載ります。

これを済ませたことで、「資格保有者」から「公的機関に認められた専門家」に一歩進めた感覚があります。対外的な信頼性が上がるとともに、自分の中でも「これで動いていい」という心理的な踏み台ができました。

次の一手:商工会議所へのアプローチ

産業支援センターへの登録を終えたいま、次に考えているのが地域の商工会議所とのコネクション構築です。

商工会議所は、地域の中小企業・小規模事業者にとって身近な相談窓口です。専門家派遣制度・定例相談・セミナー・創業塾など、専門家が関わる機会が多く、ここでの人脈が仕事に直結することも多いと聞きます。

わたしがまず取ったアクションはメールでの自己紹介と面談アポ打診です。産業支援センターの専門家登録済みであること、得意分野(IT活用・DX推進・業務改善・製造業支援)、どのような形で貢献できるかを簡潔にまとめ、担当窓口に送りました。

正直なところ:人脈なしでも「場」は作れる

「人脈がないと独立できない」は半分本当で、半分は思い込みだと考えるようにしています。

金融機関や公的支援機関出身の先輩診断士と同じスタートラインには立てません。でも、後天的に場を作ることは誰にでもできる。公的機関の支援の現場に立ち続けることで、経営指導員との信頼関係が生まれ、それがやがて「次の仕事」につながっていく。人脈を「先に持っている人」と戦うのではなく、自分なりの積み上げ方で差別化するしかないと開き直っています。

これからやること

  • 商工会議所の担当者との初回面談

  • 自己紹介シートの作成(A4・1枚で、得意分野と支援実績を整理)

  • 相談員・セミナー講師としての登録打診

  • 実際の支援を通じた実績の積み上げ

今は「地域に顔を出して信頼を積む」フェーズだと割り切っています。

もし同じように「診断士を取ったけど次の一手がわからない」「人脈がなくて踏み出せない」と思っている方がいれば、まず公的機関への専門家登録と、地域支援機関への自己紹介メール一通を送ることをおすすめします。
それだけで世界が少し動きます。きっと。(笑)


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集