「草原の中のMisty」
イリスの地図シリーズ
|第10回|時間の残る場所

先日、知人から招かれ煉瓦造りの
オーディオルームへ出かけました。
以前から話は聞いていましたが、
もしかしたら、その建物は手放すことになるかもしれないと。
そんな話を聞けば、行かなわけには行きません。
その建物は、
醤油蔵として明治・大正の時代に建てられ、
その後、知人の叔父が日本画のギャラリーとして使っていたそうです。
今では、そこを「おとこの隠れ家」として、コツコツ整え、
そして、あくまでの個人的なオーディオ専用の部屋
「Misty」と名付けられていました。
初めて訪れた「Misty」は、
ひっそりとした草原の中に佇んでいました。
その建物を見た瞬間、
まるで時間から切り離された場所の
ように感じました。
優しく迎えられ、建物の中に入ると、
そこには静かな熱量が満ちていました。
丁寧に使い込まれた貴重なオーディオ機器。
古くて味わい深い家具。
数えきれないほどのレコード。
そして使い込まれたカメラたち。
まさしく、
「おとこの隠れ家」と言う言葉が似合う
空間でした。
私も毎日好きな曲を、
オーディオで聴きながら作品制作をしている話をしながら
素敵な機材を触らせていただきました。
どれも綺麗に手入れがされていて、その空間がもはや芸術でした。
また、奥様の手作りのクッキーをいただき、
ご夫婦共にこだわって暮らしているのがとても素敵でした。
そして私がギフトに持って行った小さな絵も、
その場所にそっと飾って
くださいました。

煉瓦の壁と音楽のある空間の中に、
自分の絵が静かに置かれているのを見て、
不思議と、その場所に受け入れて
もらえたような気がしました。
あの煉瓦の建物は、
家に帰ってきたあとも、
ずっと心の中に残り続けています。
もしかすると、
イリスの地図の中にも、
こうした”誰かが大切に守り続けて
いる場所”が
必要なのかもしれません。
そしていつの日か、
絵として残してみたい風景です。

https://www.instagram.com/jazz.audio.misty?igsh=MTQ2ZzM2bDk1Mnh5MA==
