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コンビーノ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポーランド・ポズナン市電の「コンビーノ」

コンビーノ」(Combino) は、シーメンスが製造する低床路面電車である。

それまでも低床型路面電車を開発していたデュワグ社が、1996年に新設計の「コンビーノ」試作車を発表した。その後デュワグがシーメンス傘下に入ったため、現在はシーメンスから販売されている。ドイツを中心に500編成以上が納入されており、低床路面電車としては最大の勢力となっている。3車体連接車に関しては「バンビーノ」(Bambino) という愛称もある。

仕様

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コンビーノの編成

さまざまな仕様に対応可能なモジュール構造をとっている。車体はアルミニウム製で、台車を持つ短車体と台車のない長車体(フローティング車体)を交互に連結し、3車体連接(約19 m)、5車体連接(約30 m)、7車体連接(約42 m)、9車体連接(約53 m)の編成が組め、車体幅も2,300 mm、2,400 mm、2,450 mm、2,650 mmの4種類の製作実績がある。2000年のエアフルト投入車から車体デザインが変更され、先頭部モジュールの長さが5,840 mmから6,320 mmに、車体高さが3,200 mmから3,300 mmに変更された。軌間はメーターゲージから標準軌まで対応、また一方向のみ運行の仕様(片運転台、一方の側面に客用扉)と、両方向運行の仕様(両運転台、両側面に客用扉)のいずれにも対応可能となっている。完全低床を実現するため、車輪は左右独立とし、両軸の主電動機を軸間の台車外側に配置し、ベベルギア直角中空軸積層ゴム駆動方式で前後の車輪を駆動している。左右の主電動機は1台のインバータで駆動される。台車には撒砂機・フランジ塗油機の取り付けが可能。電気部品の大半は屋根上に装備している。動力は全台車に搭載可能だが、要求される性能次第で付随台車にする場合も多い。ノルトハウゼンに導入された「コンビーノデュオ」(CombinoDuo) はディーゼル発電機を搭載し、非電化区間では電気式気動車として走行できるようになっている。

諸元

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以下の諸元は過去の実績に基づく標準的な数値。

  • 車体幅:2,300 mm / 2,400 mm / 2,450 mm / 2,650 mm
  • 全長
    • 先頭部モジュール:5,840 mm / 6,320 mm
    • 中間部台車付モジュール:4,040 mm
    • 中間部台車なしモジュール:5,770 mm / 7,400 mm
  • 車体高:3,200 mm / 3,300 mm
  • 全高(パンタグラフ降下時):3,510 mm
  • 床面高さ:300 mm
  • ドア
    • 幅:1,300 mm(両開き) / 650 mm(片開き)
    • ドア高さ:2,100 mm
  • 軌間:1,000 mm / 1,435 mm
  • 架線電圧:600 V / 750 V
  • 最高速度:70 km/h
  • 制御装置:2ステップ制御空冷式IGBTインバータ(1C2M制御、トラクションコントロールはSIBAS32
  • ブレーキ:油圧ブレーキ・電力回生ブレーキ発電ブレーキ電磁吸着ブレーキ
  • 台車
    • 形式:SF30-TF
    • 軸距:1,800 mm
  • 動力ユニット
  • 主電動機
    • 定格出力:100 kW
    • 定格回転数:1,580 rpm
    • 最大回転数:4,000 rpm
    • 定格電圧:380 V
    • 最大電圧:702 V
    • 定格電流:221 A
    • 最大電流:259 A
    • 定格周波数:80 Hz
    • 最大周波数:200 Hz
  • 車輪径(磨耗時):600 mm (520 mm)
  • 最大軸重:10.0 t
  • 最小通過可能横曲線半径:15 - 18 m
  • 最小通過可能縦曲線半径:125 m
  • 設計耐用年数:少なくとも30年

導入都市

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都市事業者形式投入時期全長空車重量着席定員編成数(受注数)備考
デュッセルドルフ1996年5/7車体99編成
ポツダム1998年5車体16編成当初48編成の予定だったが32編成はキャンセル
アウクスブルク1999年41,960 mm(7車体)43.7 t101人41編成
フライブルク1999年41,960 mm(7車体)44.0 t82人9編成(18編成)
広島広島電鉄5000形1999年30,520 mm(5車体)35.0t52人12編成 宮島線ホーム高さにあわせ床面高さを330 mmとしている。
先頭部デザインをカスタマイズ。
パンタグラフを2基装備。
車掌乗務に対応。
バーゼル2000年42,860 mm(7車体)47.468 t99人28編成 パンタグラフをポイントの制御に使用しているため、パンタグラフを先頭車体に装備。
エアフルト2000年20,040 mm(3車体)
31,480 mm(5車体)
23 t / 34 t37人 / 60人31編成備考
ノルトハウゼン2000年8 (10) 編成
アムステルダムアムステルダム市営交通会社2001年29,200 mm(5車体)34.5 t60人120編成(155編成) 先頭部デザインをカスタマイズ。
中間車体に7,400 mmと5,770 mmを使用しており、前後非対称。
車掌乗務に対応。5,770 mmの中間車体に車掌スペースを設置している。
メルボルン2002年20,040 mm(3車体)
29,850 mm(5車体)
25.8 t / 35.3 t36人 / 64人59編成 5車体連接車は中間車体に7,400 mmと5,770 mmを使用しており、前後非対称。
スル・ド・テージョ
(Sul do Tejo、リスボン南郊)
24編成
ウルム2003年8編成
ベルン2003年5車体15編成
ポズナニ2003年14編成
ヴェローナ2004年全長空車重量22編成
バレンシア2005年10編成
ブダペストコンビーノ・プラス2005年約54 m(6車体)空車重量着席定員(40編成) 貫通編成の路面電車としては世界最長。

リコール

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2004年3月12日、シーメンスは「コンビーノ」の車体強度に問題があることを明らかにした。衝突時に天井が抜け落ちる可能性があり、120,000 km以上を走行した「コンビーノ」を営業運転から外すように運営各事業者に要請した。実際、古い「コンビーノ」からはアルミ車体の継ぎ目にヘアークラックが見つかっている。そのためシーメンスは補強工事を行った。これに伴い、ポツダムは32編成の導入予定を取り消した。

コンビーノ・プラス

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前述のリコール以降、シーメンスは全くの新設計となる「コンビーノ・プラス」を開発した。これは従来のフローティング構造を採用したデュワグ社以来の客室モジュール設計を廃し、各車輌に台車を設ける構造に改め、車輌鋼体の強度を高めた設計である。なおこれは旧ADtranz社(現ボンバルディア社)のブレーメン形に近い設計となる。2006年以降、ブダペストハンガリー)、アルマダポルトガル)などで採用されている。

関連商品

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シーメンスが製造する他の路面電車車両として、部分低床で高速運転(最高速度105 km/h)を可能とした「S70」(ヨーロッパ市場向け)、「アヴァント」(Avanto、その他市場向け)やウィーンに1995年に登場した世界最低床(客用扉部はレール面上197 mm)の「ULF」がある。

また、「コンビーノ」に代わるシーメンスの超低床電車として、コンビーノ・プラスを発展させた「アヴェニオ」(Avenio) が存在する。

関連項目

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外部リンク

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