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駿馬-D

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
駿馬-D
種類 装甲兵員輸送車
原開発国 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
運用史
配備先 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
開発史
製造数 100両以下(推定)[1]
諸元
重量 20 t(推定)[1]
全長 7.63 m[1]
全幅 3.1 m[1]
全高 2.8 m[1]

主兵装 KPV 14.5mm重機関銃×2基[1][2]
副兵装 7.62mm機関銃×1基[2]
エンジン KHD-BF8L-413F[1]
8気筒空冷ターボチャージドディーゼルエンジン[1]
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駿馬-D(チュンマ-D、Chunma-D)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が開発した装甲兵員輸送車[3][4]。アメリカ軍による識別名称はM-2009[1]。

開発

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朝鮮人民軍は、1970年代前半から323式(別名VTT-323)と呼ばれる装軌式の装甲兵員輸送車(APC)を量産・配備していたが、その後は長らく新型の装軌式APCは開発されてこなかった[3]。2009年になって、実に約40年ぶりに開発されたのが駿馬-Dである[3]。

2010年に初めて存在が確認されたことから、アメリカ軍では当初本車にM-2010の識別名称を付与していたが、のちにM-2009に変更している[1]。

設計

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車体は北朝鮮製のシンフン水陸両用軽戦車(別名PT-85)のものがベースとなっており、シンフンの生産終了後に製造設備を流用しようとした可能性があると指摘されている[1][2][注釈 1]。85ミリ戦車砲を装備したシンフンの砲塔に代えて、M-2010装輪式APCのものに似た機関銃塔を搭載しており、14.5ミリ口径のKPV重機関銃を2丁と、7.62ミリ口径の同軸機関銃を1丁装備している[2][注釈 2]。また一部の車両には、携帯式地対空ミサイルを搭載するための架台がある[1]。このほか、車体側面にBTR-80装甲車のものに似た形状のガンポートが片側2か所ずつ設けられており、兵員室内から小火器で射撃することが可能である[2]。

駿馬-Dは兵員輸送や偵察用として開発されたとみられ、車体中央部の兵員室に4から6名程度の兵員を搭乗させることができる[1][2]。車体後部に乗降用ドアがあった323式APCと違い、駿馬-Dでは車体後部にエンジンを搭載しているため出入口を設けることができず、兵員の乗降は車体中央の側面にあるハッチから行う設計だが、このハッチはキャタピラの上側に配置されているうえ、車体側面と上面に2分割された形状で乗降には不便である[3]。

軽戦車をベースにした関係から、機甲部隊に随伴可能な機動性があり、またAPCとしては比較的優れた装甲を持つ[2]。しかし、上述のドアのような欠点もあり、全体的にみれば1970年代の車両である323式APCと比べてさえ明確に優れているとも言えず、21世紀に開発された装甲戦闘車両としては見劣りのするものでしかなかった[1][2]。さらに仮想敵である大韓民国陸軍では、同時期に40ミリ機関砲を備えたK21歩兵戦闘車の配備が進んでいた[1]。

運用

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2012年の金日成生誕100周年パレードなどで一般公開も行われたが、生産は100両以下にとどまったものとみられており、一度限りの小規模生産に終わった可能性が高いとされる[1][2]。国際戦略研究所が発行している「ミリタリー・バランス」2025年版では、北朝鮮軍の保有装備としては計上されていない[6]。

脚注

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注釈

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  1. ↑ ベース車両は旧ソ連製のPT-76だとする資料もある[5]。
  2. ↑ 7.62ミリ機関銃については記載がない資料もある[1][5]。

出典

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  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 荒木 2024, p. 27.
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ミッツァー & オリマンス 2021, pp. 43–44.
  3. 1 2 3 4 ミッツァー & オリマンス 2021, pp. 39–44.
  4. ↑ “A Visual Guide To North Korea’s Fighting Vehicles”. oryxspioenkop.com (2023年3月6日). 2025年11月15日閲覧。
  5. 1 2 古是 2012, p. 28.
  6. ↑ IISS 2025, p. 268.

参考文献

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  • The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2025) (英語). The Military Balance 2025. Routledge. ISBN 978-1-041-04967-8 
  • 荒木雅也「北朝鮮兵器カタログ」『月刊PANZER』、アルゴノート社、2024年8月、19-41頁。 
  • 古是三春「北朝鮮地上軍の最近の装備」『月刊PANZER』、アルゴノート社、2012年9月、28-41頁。 
  • ステイン・ミッツァー、ヨースト・オリマンス『朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍』大日本絵画、2021年9月30日。ISBN 978-4-499-23327-9。 

関連項目

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