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リボンとプチ・インフルエンサーの愉悦

※この記事は、マイキーさん が企画された「#エッセイしりとり」コンテストで、庭未満さんからバトンを受け取り書かせていただいたものです。

詳細は目次の「■ エッセイしりとりの概要」へ。


■ リボンとプチ・インフルエンサーの愉悦


情報コミュニケーションにおいて、私は本来受信専門の人間で、自ら何かを発信するタイプではかった。
子供の頃から自分は何かがズレていることを自覚しており、自分が興味のあることや重要だと思うものは大抵の人にとってはさほど面白くもないし価値もないのだということも分かっていた。
だから積極的に自己開示はせず、代わりにまとった無難な「対外用の価値観」で外界と接するようにしていた。


長じるにつれて人間関係が広がったりインターネットに触れるようになり、自分と同じような価値観の人間もいるのだと分かってきたが、それでも積極的にコミュニティに参加することもなく、私はいつも情報を「受信」するだけだった。
長年の習慣のせいか元々の性質なのかは不明だが、私は他人に自分のことを理解してもらいたいという欲求が希薄だった。
そのため、文章であれ物であれ、創作することは好きでもそれを他者と共有することはせず、ひたすら情報を吸収して自分だけの世界で遊び、完結することを長年続けていた。
それで十分満ち足りていた。


しかし、私は思うところがあり、数年前から少しずつ何かしらの情報を発信し始めている。
そのきっかけの一つになったのが、あるショッピングサイトでの商品レビュー投稿だった。
それまで私はクーポンなどのリターンがない限り自発的にレビューを書くことはなかったのだが、ずっと前から気になっていたその商品がとても良かったので、販売終了してほしくないという思いで絶賛レビューを投稿した。
そして数ヶ月が経ったある日、また購入しようと再びそのページを訪れると、私の1件だけだったレビューの数が何件にも増えていたのである。
もちろん偶然という可能性もあるが、私と同様にその商品が気になっていた人が私のレビューを見て購入したかもしれないと思うと嬉しくなった。


自分の行いがひそかに他人へ影響を与えている、という快感。
この快感に私は覚えがあった。
はるか昔の子供の頃のことである。
私には歳の離れた姉がおり、おしゃれな姉は私に可愛いバッグやアクセサリーを作ってくれたり、髪型をいじったりして私を「プロデュース」するのが好きだった(歳の離れた姉妹によくある現象)。
まともな姉と違って私はファッションに疎くあまり関心もなかったが、他人の力で勝手に可愛い格好になれる分には満更でもなかったので、そこそこwin-winの関係であった。


ある日その「姉プロデュース」の一環として、私は「リボン」をカチューシャのようにしたヘアスタイルで登校した。
その日の正確な記憶はないが、仲の良い友人たちの間ではわりと好評だったような気がする。
そして、数日、1週間と日が経つにつれて、クラスに同じリボンヘアの女子がポツポツと増えていき、さらにはクラスを超えて学校内に広まっていったのである。


小中学校の女子のファッション界では、このように誰かを起点として髪型や服装がウイルスのように広まるのはよくあることだった。
そこにパクリパクられの概念はなく、お互い様の精神で模倣し合うことも一種のコミュニケーションであり、また自分が起源だと主張するのも野暮なことなのである。
しかしこの「リボンヘア」の流行においては、確実に自分(姉プロデュース)が起点であり、いわばプチ・インフルエンサーとしての愉悦を覚えた初めての体験であった。


これをきっかけにおしゃれに目覚めてファッションリーダーを目指すようになりました!みたいな展開になっていたら、私はもう少しまともな人間になれていたかもしれない。
しかし私は元々目立つことが嫌いだったので、残念ながらそっちの方向には進めなかった。
ファッションよりも「他人にひそかに影響を与える」という事象そのものの方に興味を引かれ、「影の支配者」みたいな中二病的な概念に憧れるような残念な方向に進んでしまったのだが……それはまた別のお話である。

終わり。

■ バトンパス

文を書くのは楽しかったのですが、バトンを送る相手はかなり迷いました。
お忙しくて迷惑じゃないかなとか、そもそも送っても許されるほど交流があるのか?とか😅
あえて送らずにここで止めるのも手だと思いましたが、せっかくの機会なのでバトンというよりご紹介の気持ちで……。
紹介だけなら載せたい方はたくさんいるのですが、私がnoteを始めた初期から読ませていただいている中で文章の創作活動を積極的にされている(と私が勝手に思っている)方、また私が把握している範囲で今回のような企画に直近で参加されていない方の記事をリンクさせていただきます。

(あいうえお順)


Kagaya.plantsさん。
猫の山本さんの可愛いイラストで園芸について分かりやすく解説してくれます。あと虫に強い。
(この記事は本の紹介ですが、ちょうど今買って読んでいる最中なので(面白いです!))


タエコさん。
noteを始めた時に最初にコメントやフォローをしてくださったお優しい方。改めてありがとうございます。
普段エンタメ小説しか読まない私が絶対に出会わないであろう本や作家の書評がとても興味深いです。
【追記 :】タエコさんは諸般の事情により、今回はパスというメッセージをいただきました。お忙しい中すみません、ご連絡ありがとうございます!


冬山迷子さん。
美しいハオルチアの写真が満載でいつも目の保養にさせていただいています。
この記事にコメントした時に教えていただいた「食べられるハオルチアがある」という衝撃の事実が、今でも頭の片隅から離れません(笑)。



リンクさせていただいた3名の方へ、突然のバトンでもしご負担になってしまったらすみません。
紹介なので、スルーでもまったく構いません
もし書いていただける場合は、「つ」から始まるタイトルでお願いします。
詳細は以下の概要をご確認ください。
また、もしバトンが複数来ていた場合はこちらはノーカンで

■ エッセイしりとりの概要

「#エッセイしりとり」コンテスト2026夏の陣

・2026年8月12日〜8月31日23時59分まで
・前の人のタイトルの最後の一文字から始まるタイトルでエッセイを書く
・「 #エッセイしりとり 」のハッシュタグをつける
・次の人にバトンを回す(回さなくてもOK)


最後に、このイベントを企画されたマイキーさん、記事を紹介してくださった庭未満さん、ありがとうございました😊

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