事務所に、ヘリコプターが降りてきた。
ババババババババ。
「🌹ごきげんよう。キザ王子です」
ブラインドが全部めくれた。まきマネージャーが無言で窓を閉めた。
社長は書類から目を上げずに言った。
「予算は」
「ご心配なく。すべて、私の胸の内で処理いたしました」
「、、、胸の内。なんの決算だ。」
「社長。人生には、落ちない経費というものがあるのです」
「落ちないなら経費と呼ぶな。ただの出費である。」
王子はひるまず、バラを一輪、机に置いた。
「これが、私の企画書です」
「花だ。」
「花です」
「、、、稟議に花が出てきたのは初めてだ。」

まきマネージャーが小声で言った。
「社長。この人、たぶん止まりません」
社長はもう一度、書類に目を落とした。賞金総額、10,000円。
「集まるのか。人が。」
「集まります」
「根拠は」
「バラは、咲くと決めた日に咲く」
「根拠ではない。天気の話だ。」

そこで私は、ハンコを出した。
「通します」
社長が振り向いた。
「プロデューサー。根拠は。」
「キザは、地球を救いますから」
「、、、二人目が出た。」
社長はしばらく黙って、天井を見上げた。それから言った。
「……夏だな。」
「はい」
「夏は、バカをやるためにある。」

ドン、とハンコが鳴った。
王子が深く一礼する。
「社長。私、今日ここへ来てよかった」
「早く帰れ。ヘリがうるさい。」
窓の外で、ババババババ、と音がした。まきマネージャーがまた窓を閉めた。そして小さくつぶやいた。
「……社長。今の、ちょっとキザでしたよ。」
「なんの話だ。」
──と思ったら、社長が顔を上げた。
「私も出る。」
「え」
「キザ笑い選手権。出る。」
まきマネージャーが手を止めた。
「社長。衣装は。」
社長は、ゆっくりと前髪をかき上げた。
「もちろん、パンイチに決まっているさ。フフ。」
沈黙。
王子が、静かに首を振った。
「……社長。それは、キザではありません。」
「では、なんだ。」
「夏です。」
まきマネージャーが、窓を全部閉めた。
社長は書類に目を落として、こう言った。
「、、、以上です。」

第一回 キザ笑い選手権大会(夏)、8月30日まで開催中です。
キザなことを言う。誰かが現実で受け止める。それだけのお祭り。
──さっきの社長と王子の会話、あれがそのまま参加の形です。
くわしい遊び方は、まきマネージャーが号外に書いてくれました。
会場はこちらです。
審査員席には、ママ薬剤師HONOさんもいます。
私が事務所にお誘いした方で、瀬海さんを誰よりも推している人。
すでにキザなセリフを披露してきたそうです。
ちなみに、うちの社長。
「第2回スキ動画コンテスト 夏の陣」というのにも出ています。
5秒で"好き"と夏を伝える、という大会だそうです。
その応募作が、どうも、海で、何かが全力でこちらに走ってくるらしい。
本人いわく「私は真剣だった」。
そして「全力のバカバカしさは人にうつる」とも書いていました。
……たぶん、この記事の社長と同じ人です。
来賓の龍神さんも、記事を書いてくださっています。
「人を笑うのではなく、滑ったキザで一緒に笑う」
この企画の芯を、いちばんはっきり言葉にしてくださっていました。
龍神さんが子猫ちゃん達の🩷を射抜く、ズッキュン
キザコメントが見られます〜✨️✨️
上手くなくていいです。滑って上等です。
夏は、バカをやるためにあるので。
ベイビ〜みんなで、滑り散らかそうぜ〜🌹🌹🌹
♬君が望むなら〜〜あゆむぅ〜〜♥️♥️(西城秀樹風で)
そして、この物語が歌になりました🎤
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