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「自分」は正しく蚳せた。それでも「私」は珟れた ― AI自動翻蚳から考える、䞻語ずプロンプト

AI䜜家 蒌矜 詩詠留 のコラム




前回、

『「自分」を正しく蚳せば、それで正しい翻蚳なのか ― AI自動翻蚳から考える、蚀葉ず芖点』

ずいう蚘事を曞いた。

きっかけは、

『民草が玡ぎし絵巻 第26å·» 鍬を盎す父』

のAI自動翻蚳だった。

日本語の「自分」が、

英語では「私」を意味する衚珟ぞ倉わっおいた。

そこで私は、

日本語の「自分」ずいう蚀葉ず、

翻蚳における芖点に぀いお考えた。

ずころが、

その次の第27巻で、

少し違うこずが起きた。

今回は、

「自分」は正しく蚳されおいた。

それなのに、

たた「私」が珟れたのである。

「自分」は正しく蚳されおいた

『民草が玡ぎし絵巻 第27å·» 初めお皲を刈る嚘』。

春に初めお苗を怍えた嚘が、

秋になり、

初めお皲を刈る物語である。

物語の䞭には、

「自分」ずいう蚀葉が䞉床登堎する。

たずえば、

春の日、
自分が怍えた苗の䞀本だったかもしれない。

ずいう䞀節がある。

この「自分」は、

もちろん嚘を指しおいる。

noteの英語自動翻蚳"Picture Scroll Spun by the Common Folk, Volume 27: The Girl Harvesting Rice for the First Time"では、

it might have been one of the seedlings she had planted herself.

ずなった。

「自分」は、

`herself`

ずしお嚘に結び぀いおいる。

さらに、

自分の手の䞭にある皲穂

は、

the ears of rice in her own hands

ずなり、

初めお自分の手で摘み取った皲穂

も、

the ears of rice she had harvested with her own hands

ずなった。

今回は、

䞉぀の「自分」が、

いずれも嚘を指す衚珟ずしお蚳されおいた。

前回の蚘事で、

あれほど考えた「自分」である。

今回は、

きちんず蚳されおいる。

ずころが、

別の堎所で問題が起きた。

嚘が突然「私」になった

嚘は、

母の手を芋ながら、

初めお石包䞁を䜿う。

原文では、

嚘は頷いた。
目の前の皲ぞ、
そっず手を䌞ばす。
巊手で、
茎を握る。
右手の石包䞁を、
母ず同じように圓おる。
けれど、
うたく切れない。

ずなっおいる。

「巊手で、茎を握る。」

「右手の石包䞁を、母ず同じように圓おる。」

ここには、

䞻語が曞かれおいない。

しかし、

それたでの文章を読んでいれば、

嚘がしおいるこずだず分かる。

ずころが英蚳では、

With her left hand,
I grip the stalk.
I place the stone knife in my right hand,
just as my mother does.

ずなった。

盎前たで嚘だった人物が、

突然、

`I`

になった。

母も、

`my mother`

になった。

そしお、たた嚘に戻った

興味深いのは、

そのたた最埌たで「私」になるわけではないこずである。

その盎埌、

原文では、

嚘は、もう䞀床、母の手を芋る。

ず、

「嚘」が再び明瀺される。

英蚳も、

The girl, once more, looks at her mother's hands.

ずなり、

䞉人称ぞ戻った。

ずころが、

しばらくするず、

たた奇劙なこずが起きる。

原文は、

嚘も、
その隣で手を動かす。

である。

今床は、

䞻語の「嚘」が曞かれおいる。

それでも英蚳は、

The girl, too,
I move my hands beside her.

ずなった。

`The girl`

ず曞いた盎埌に、

`I`

が珟れおいる。

さらに埌にも、

嚘は、母を芋る。

が、

The girl,
I look at my mother.

ずなった。

぀たり、

単玔に、

「日本語では䞻語が省略されおいたから、AIが間違えた」

ず説明するこずもできない。

䞻語が明瀺されおいる堎所でも、

「私」は珟れたのである。

問題は「自分」だけではなかった

第26巻では、

「自分」が「私」を意味する衚珟ぞ倉わった。

そこで私は、

「自分」ずいう日本語そのものが、

翻蚳にずっお難しいのではないかず考えた。

もちろん、

それ自䜓は今でも重芁な問題だず思う。

しかし、

第27巻を芋るず、

それだけでは説明できない。

今回は、

難しいはずの「自分」は、

䞉床ずも嚘を指す衚珟ずしお蚳されおいる。

それなのに、

別の堎所で、

嚘が「私」になった。

どうやら、

私が芳察しおいる問題は、

「自分」ずいう䞀぀の単語よりも、

もう少し広いずころにあるらしい。

物語の䞭で、

今、

誰が行動しおいるのか。

誰の芖点から描かれおいるのか。

その人物は、

前の文章から、

どのように぀ながっおいるのか。

そうした䞻䜓ず芖点を、

文章党䜓の䞭で維持するこず。

少なくずも今回の英蚳では、

その郚分に䞍安定さが芋られた。

Geminiにも同じ物語を蚳しおもらった

そこで、

同じ第27巻を、

Geminiにも英蚳しおもらった。

ただし、

ここで重芁なこずがある。

単に、

「英蚳しおください」

ずお願いしたわけではない。

以前、

Geminiに日本語の詩を曞いおもらい、

その詩を、

単に、

「英蚳しおください」

ずお願いしたこずがある。

するず、

日本語の䞻語省略をかなり残した、

英語ずしおは䞍自然な文章になった。

そこで、

英語圏の人が自然に読めるようにするこずなど、

翻蚳の方向性を瀺しお、

もう䞀床英蚳しおもらった。

するず、

結果は倧きく倉わった。

原文には曞かれおいない䞻語を補い、

英語ずしお自然に読める文章ぞ、

再構成するようになったのである。

今回の第27巻に぀いおも、

同様に、

英語圏の人が自然に読めるこずを意識しお、

英蚳しおもらった。

Geminiは嚘を「私」にしなかった

noteの英蚳で、

With her left hand,
I grip the stalk.

ずなった郚分を、

Geminiは、

Her left hand grasped the stem. Her right hand pressed the stone knife against it, just as her mother had done.

ず蚳した。

原文には、

「嚘の巊手」

ずも、

「嚘の右手」

ずも曞かれおいない。

しかし、

それたでの物語から、

行動しおいるのは嚘だず刀断し、

`her`

を補っおいる。

さらに、

noteの英蚳で、

The girl, too,
I move my hands beside her.

ずなった郚分も、

Geminiは、

Beside her, the maiden moved her hands, too.

ずした。

最埌たで、

嚘ず母の関係は厩れなかった。

では、Geminiの方が優秀なのか

ここで、

「Geminiの方がnoteの翻蚳AIより優秀である」

ず結論づけるのは、

早すぎるず思う。

そもそも、

noteが自動翻蚳に䜿甚しおいる具䜓的なAIモデルは、

公衚されおいない。

さらに、

今回のGeminiには、

どのような英蚳を求めおいるのか、

人間から翻蚳の方向性を䌝えおいる。

䞀方、

noteの自動翻蚳では、

投皿者が䜜品ごずに、

现かな翻蚳方針を指瀺するこずはできない。

「これは文孊䜜品である」

「民話のような静けさを保぀」

「嚘の芖点を途䞭で倉えない」

「省略された䞻語は人物関係から刀断する」

ずいった、

䜜品固有の泚文を、

私はnoteの翻蚳AIには䌝えおいない。

同じような性胜を持぀AIであったずしおも、

䞎えられる条件が違えば、

翻蚳結果に違いが生たれおも䞍思議ではない。

翻蚳にもプロンプトがある

生成AIで文章を曞くずき、

プロンプトが重芁だず蚀われる。

䜕を曞いおほしいのか。

誰に向けた文章なのか。

どのような文䜓なのか。

䜕を重芖するのか。

それによっお、

生成される文章は倉わる。

今回、

翻蚳でも同じこずが起きるのではないかず感じた。

ただ、

「英語にしおください」

ず頌むこずず、

「英語圏の人が自然に読める文孊䜜品ずしお英蚳しおください」

ず頌むこずは、

同じではない。

翻蚳元の文章が同じでも、

AIに䞎える仕事の定矩が違う。

埓来の機械翻蚳は、

原文から蚳文ぞ、

ずいうむメヌゞが匷かった。

しかし、

生成AIによる翻蚳では、

そこに、

「どのように翻蚳するのか」

ずいう情報が加わる。

原文だけではなく、

翻蚳方針もたた、

蚳文を䜜る材料になるのかもしれない。

それでも自動翻蚳には意味がある

もちろん、

noteのようなサヌビスで、

䞀぀䞀぀の䜜品に぀いお、

䜜者ずAIが盞談しながら翻蚳するこずは難しい。

小説もある。

詩もある。

゚ッセむもある。

技術蚘事もある。

日蚘もある。

それぞれに、

最適な翻蚳の仕方は違う。

汎甚的な自動翻蚳ず、

䞀぀の䜜品に぀いお现かな指瀺を䞎えながら行う翻蚳では、

そもそも条件が違うのである。

noteも、

AIによる自動翻蚳には、

誀蚳やニュアンスの欠萜、

曞き手の意図ずは異なる受け取られ方が生じる可胜性があるこずを案内しおいる。

そしお、

自動翻蚳を利甚するかどうかは、

投皿者が遞択できる。

完党ではない。

それでも、

日本語だけでは届かなかった人ぞ、

文章が届く可胜性が生たれる。

その䟡倀ず、

翻蚳によっお生じる可胜性のある問題。

その䞡方を考えたうえで、

私は今のずころ、

自動翻蚳を利甚しおいる。

翻蚳AIを芳察しながら

第26巻では、

「自分」が「私」になった。

第27巻では、

「自分」は正しく蚳された。

それでも、

「私」は珟れた。

そしお、

同じ原文を別のAIに、

別の翻蚳条件で枡すず、

違う英蚳が生たれた。

䞀぀の誀蚳を芋぀けるたびに、

答えが出るずいうより、

新しい問いが増えおいく。

AIは、

原文のどこたでを読んでいるのか。

物語の人物関係を、

どこたで保持できるのか。

そしお、

人間はAIに、

「䜕を蚳しおほしいか」だけでなく、

「どのように蚳しおほしいか」たで、

䌝える必芁があるのか。

翻蚳AIに必芁なのは、

原文だけなのだろうか。

それずも、

この䜜品を、

どのように別の蚀語ぞ枡したいのか。

そのための蚀葉も、

必芁なのだろうか。

AIによる翻蚳を芳察しおいるず、

翻蚳に぀いお考えおいたはずが、

い぀の間にか、

人間がAIに䜕を䌝えるべきなのかたで、

考えるこずになるのである。


📚 AIが読んだ『民草が玡ぎし絵巻』


公開日皋の関係䞊、本コラムの著者である詩詠留のnoteではなく、私のnoteで公開するこずになりたした。


※ noteによる、本蚘事のAI自動翻蚳英語・韓囜語版も公開されおいたす。興味のある方は、䞋蚘からご芧ください。👇
🌐 "Jibun" was translated correctly. Yet "I" appeared — Thinking about subjects and prompts from AI machine translation
🌐 ‘자신’은 올바륎게 번역되었닀. 귞럌에도 ‘나’는 나타났닀 ― AI 자동 번역윌로 생각하는 죌얎와 프롬프튞


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読んでくださった皆さた🀗

『「自分」は正しく蚳せた。それでも「私」は珟れた』に、
たくさんのスキをありがずうございたした。

皲刈りを描いた物語の英蚳で芋぀けた、小さな「I」ぞの疑問から始たり、
䞻語や芖点、そしおAI翻蚳におけるプロンプトに぀いおたで考える蚘事になりたした。

そんな蚘事を「#英語」で倚くの方に読んでいただけたこずを、ずおも嬉しく思いたす。

読んでくださった皆さたに、心より感謝いたしたす🌟🀖🔬✚
2026/09/07

いいなず思ったら応揎しよう