やさしい味の大学いも風のおやつはこうすると簡単につくれる
はじめに
初めて作る料理の味付けは、どうにも控えめになりがち。甘さも辛さも、いつも「ちょっと足りないかな」というところで手を止めてしまう。こんなところに慎重すぎる性格が出てしまうもの。 本来なら「薄味すぎたかな」と後悔するところ。けれど今回ばかりは、その慎重さが吉と出た。奮発して手に入れた“あるもの”が、見事に功を奏したから。
きょうはそんな話。
たいていは
振り返ると、初めて挑む料理はどれもこれも塩気を大幅に抑えたものばかり。たとえばカレーを一から作るとき、塩は一切入れない。スパイスの香りと野菜、肉から出るうまみだけ。トマトをしっかり効かせると、驚くほど良い出汁が出る。市販のカレー粉を使う際も、規定量の4分の1から6分の1程度で十分。それ以上入れると塩辛さが勝ってしまい、せっかくの素材の味の満足をだいなしにするから。
ネット上には塩を使わないカレーのレシピも散見されるので、どうやら私の感覚もあながち邪道ではないらしい。試行錯誤の末にたどり着いたのだから、今では「なんだ、カレーに塩は最初からいらなかったのか」と一人納得している。
最近は
何も塩を目の敵にしているわけではなく、減塩を楽しみつつ目指すに過ぎない。最近は塩分1グラム以下のラーメン作りにチャレンジ中。袋麺は麺を一度茹でこぼして塩分を落とし、付属のスープはほんの8分の1程度しか使わない。
市販品の多くは、私にとってしょっぱさが勝ってしまう。スープの素ですら所定の濃度では舐めると塩辛いばかりに感じる。ここまで来ると自分で一から出汁を引いたほうが手軽でずっとおいしい。だから一般的な袋麺は買わず、無塩の製法の乾麺を選びがち。
市販のめんつゆも同様で、今年久しぶりに少しは進化したかなと使ってみたが、やはり塩気が強く使いづらく感じた。結局、ズボラな私でも昆布や鰹節でさっと出汁を取るほうを選びがち。そのほうが面倒もなく、素直においしく仕上がるから。
大学いも風
さて、やっと本題。そんな薄味派の私ゆえ、おやつ作りも自ずと控えめな味付けに。
ある日、無性に大学いもが食べたくなり、さつまいもを買ってきた。細めの「くずいも」が袋にぎっしり詰まり100円台。片手にずっしりと心地よい重み。それを細長く切り、フライパンで炒める。本来ならたっぷりの油で揚げるのだろうけれど、あとの処理を考えると億劫。うっすらと油をひくだけで済ませた。
ここからが、私のアレンジ。
先日、商品券をいただいた。この手のものは引き出しの隅で眠らせがちなので、記憶にあるうちに使うに限る。最近はすっかりキャッシュレス生活で現金を使わないのでなおさら。そこで普段なら手が出ない「ちょっと贅沢なもの」を買おうと決めた。
そうして手に入れたのが、コープの100%メープルシロップ。原材料は文字通りカエデ樹液のみ。最近パンケーキをよく焼くので気になっていた一品。さっそく試すと驚くほどあっさりしている。余計な香料が入っていない本来のメープルシロップとは、こんなにも上品な味なのかと深く感心した。
さて、カリカリになるまでじっくり火を通したさつまいもに、このシロップを回しかけ、一晩置いて味を落ち着かせた。
おわりに
翌日、期待を込めて口に運んでみる。
さつまいもが持つ本来の素朴な甘みと、シロップのやさしい甘さが馴染んでいた。白砂糖を使うと感じる、舌の奥に残るくどい後味が一切ない。どこまでもすっきりと澄んだ甘さ。
やさしいシロップの味わいにさつまいもの香ばしさが重なり、まるで最初から一つの素材だったかのように調和している。「これは砂糖で作るより、ずっといい」
私の中の「大学いも」の概念が、ガラリと音を立てて上書きされた瞬間だった。
よし、近いうちにまた、あの「くずいも」の袋を買ってくるとしよう。
こちらの記事もどうぞ
広告
