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【Vol.3】感性を目覚めさせる、多彩な表現力を持つ現代スナップカメラの決定版。コンパクトデジタルカメラ「LUMIX L10」、誕生。

LUMIX L10の開発チームが語る開発裏話。本記事はL10の「外装デザイン・UI設計」についてお話しするVol.3です。

▼前回の記事はこちらから!


■本格志向の「オーセンティックデザイン」

デザイン:山下

LUMIX L10のデザインコンセプトは「オーセンティックデザイン」。

LUMIXがこれまで突き詰めてきた「道具としての機能性」に加えて、「持つ人の所有欲を満たすデザイン」を目指しました。

持ち主の感性に寄り添い、
愛着が深まっていく一台。

スペックや機能の充実だけでなく「見た目の質感、手触り、持ったときの満足感」まで、全てにこだわりを持ってデザインしました。

造形においては、金属筐体に革を一周巻いたような、カメラの本質的な構成を意識しています。

左:ブラック
右:シルバー

こちらの記事では、L10のデザインにおける細かなこだわりをご紹介します。

■新採用のサフィアーノレザー調エクステリア

L10のデザインを語るうえで欠かせないのが、ボディの側面に巻かれている合皮のレザー模様です。

素材の選定にあたっては、「オーセンティックデザイン」というコンセプトに沿い「愛着を感じられる新しい表現として、繊細で美しい質感を持ったレザー模様を採用したい」と考えました。

これまでLUMIXが採用してきたのは、牛革風のシボを型押しした合皮やエラストマーでしたが、L10では、高級感と実用性を両立できる、より特別感のある素材を選定しました。

選定の過程では10種類ほどのレザー模様を候補に挙げ、実際のサンプルを手に取りながら議論を重ねました。

最終的に採用したのがサフィアーノレザー調のエクステリアです。

斜めに入った細かな型押しが特徴で、手に持ったときのグリップ感と、傷がついたときに目立ちにくい実用性も兼ね備えています。

決定したサンプルは、設計側でも量産工程を想定した検証を実施。コーティングの状態や色の出方に問題がないかを一通り確認した上で、最終仕様としてまとめています。

デイリーユースでも使われるカメラだからこそ、毎日触れるグリップの質感には、こだわっています。

■アルミとマグネシウムが両立させる、デザインと強度

機構設計:和田

今回、特にこだわったのが製品の天面と底面、鏡筒に採用した「アルミ」です。

金属そのものの質感を生かした、ひんやりとした手触りと、凛としたエッジ。これは塗装では再現が難しい、アルミならではの魅力です。

一方、合皮に包まれた見えない部分には、より強度が高いマグネシウムを採用しました。

異なる素材を適材適所で使い分け、互いに補完し合うことで、デザイン性と強度を両立したボディとしてまとめ上げています。

■オーセンティックデザインの要となる「ボトムケース」

L10のデザインを実現するためのキーとなったのが、底面部品の「ボトムケース」です。

ボトムケースにもアルミを採用することで、金属感が全周にわたって統一された、質感の高いボディを実現しています。

ボトムケースを採用すると部品点数が増えるため「小さくて薄いボディを目指す」という想いとは逆行することになり、設計の難易度は上がります。

しかし、見た目だけではなく手触りからも愛着を感じてほしいという想いから、SDカードスロットの位置をはじめとした内部構造やボトムケース自体の形状等、サイズに影響が出ないよう妥協せず設計に取り組み、L10での実装へと至りました。


■SDカードとバッテリーをあえて分けた理由

L10の底面を見ていただくと、バッテリーとSDカードの収納スペースがそれぞれ独立していることに気づかれるでしょう。

他の小さなLUMIX機では、バッテリーの真横にSDカードスロットが配置されていることが一般的です。

しかしL10では、あえてこの二つを離れた位置に分けています。

理由は、ボディの薄さを優先するため。

バッテリー自体の厚みは、そう簡単には変えられません。そのバッテリーの隣にSDカードも並べてしまうと、その分だけグリップが厚くなり、全体のサイズ感にも影響します。

L10では「手に馴染む薄いグリップ」を優先したかったため、カードスロットを別の場所に配置し、厚みを極限まで詰めました。

S9より薄く仕上がっているのも、この設計判断の結果です。

■0.1mm単位でチューニングされた、操作配置

操作系の基本的な考え方は「誰が持っても、右手で主要な操作ができる」こと。ここはSシリーズから続く、LUMIXが大切にしている思想です。

その上で、L10のボディサイズに合わせて、ボタンやダイヤルの配置は0.1mm単位で調整しています。

「0.1mmなんて、使う人にはわからないのでは」と思われるかもしれません。ですが、一箇所で0.1mmのズレを許容してしまうと、他の部分も巻き込んで0.5mm、1mm、というズレにつながっていきます。結果として、ボタン同士のバランスや、指が自然に届く位置関係が、少しずつ崩れてしまうのです。

「全員にとって100点の操作性」を提供することは、どのようなプロダクトにおいても難しいです。

それでも「誰が使っても80点以上の操作性」になるよう、細部のチューニングを積み重ねています。

こちらの記事では、その一部をご紹介します。

まずはボタン。従来のLUMIXも、本体サイズに合わせてボタンの高さを調整していますが、L10でも同様にボタンそれぞれの凹凸具合を細かに調整しています。

これは、合皮の厚みやボディの厚みがS9等のボディと異なるため、従来の高さのままでは指の動きに応じて誤操作を発生させるリスクがあったためです。

例えば、押す頻度が多いボタンは指が自然に触れる高さ・位置に配置し、誤操作を避けたいLVFボタン等は少し低めに設計。

また、写真/動画/S&Q切り換えスイッチ等、カバンやポケットの中で勝手に切り替わっていては困るスイッチは誤操作が発生しないように少し硬めに調整する等、それぞれのボタンの役割に応じた最適な高さ・硬さを、一つひとつ細かに設定しています。

一部の部品も、L10から刷新されています。

例えば、背面ダイヤルはこれまではS9やG100等、小型軽量のカメラでは共通の部品を使用していましたが、L10からはローレット形状を変更しました。

ダイヤルを回したときの適度な抵抗感も見直し、こちらも誤操作の発生を軽減させるように調整しました。

細部のこだわりとして、もう一つご紹介させてください。

L10のストラップホルダーは「ボディ側面の帯状の部品」と、幅・角度が揃うように配置されています。

正面から見たときに、合皮とアルミの境目に入る1本のラインが、ストラップホルダーを含めて同じ幅で水平に通る。

気づきにくい部分ではありますが、このような細部のこだわりの積み重ねが、カメラ全体の品格を高めているのです。

■LUMIX25周年を祝う、特別仕様「チタンゴールド」

プロダクトマーケティング:菅原

L10は「ブラック」「シルバー」の2色に加えて、Panasonic Store Plusモデルとして、特別仕様の「チタンゴールド」が同時に登場します。

Vol.1でも少しだけ触れましたが、このチタンゴールドは、LUMIX 25周年を記念した特別なモデルです。

チタンゴールド

特別仕様なのは本体のカラーだけではなく、ロゴを正面ではなく裏側にさりげなく配置したり、シャッターボタンを金属削り出しのソフトレリーズボタンにしたり、メニューのGUIまで専用の配色にしたりと、随所にこだわりが散りばめられています。

ソフトレリーズボタンは、「レリーズボタンをカスタマイズして、自分だけのL10を楽しんでいただきたい」という想いから採用しました。見るたび、指先に触れるたび、所有する喜びを感じていただけるはずです。

■「統一感」へのこだわり

ぱっと見では一色のように見える「チタンゴールド」ですが、実はパーツによって微調整したチタンゴールドを組み合わせて構成されています。

というのも、同じ染料や塗料を使用しても、ケース部の平面や鏡筒のラウンド形状によっては、色の見え方が異なるのです。

そこで、見え方を統一するために、例えばトップケースとレンズ部分では、実際の見え方に合わせて染色工程を調整しています。

チタンゴールドはブラックやシルバーと比較しても色調整が難しく、「材質」や「加工方法の差」への工夫・配慮も必要です。それぞれの加工条件を満たせるよう地道に調整を重ねることで、現在の色、統一感を実現しました。

また、文字の印字部分は、キラキラと反射するチタンゴールドでは読みづらくなるため、マット仕上げの別のチタンゴールドを採用。

色の統一感やそれぞれの部位の見え方・見えやすさ等を含めたクオリティを上げるためにも、設計やデザインのメンバーが実際に工場への立ち会いに伺い、理想とする色の確認や調整を続けてきました。

このように「人の目に同じ色として見える」ことを優先して、異なるチタンゴールドを使い分けているのです。

■チタンゴールドだけの、特別な付属品

チタンゴールドが特別なのは、本体の仕上げだけではありません。同梱される付属品まで、このモデルのために用意した特別仕様となっています。

まずは、専用のロープストラップ。シンプルかつ実用的なデザインで、紐を通して簡単に着脱できる仕様としました。さらに本革のショルダーパッドを組み合わせ、ロープの頑丈さとレザーの上質感が調和する仕上がりとなっています。使い込むほどに味わいが増し、革ならではの経年変化をお楽しみいただけます。

レンズキャップは、自動開閉キャップを標準で付属。レンズの繰り出しに合わせて自動的に開閉するため、撮影のたびにキャップを外す手間がありません。デイリーユースで気軽に撮影を楽しみたいときに、さりげなく撮影体験を変えてくれるアイテムです。

加えて、専用のクロスもセットになっています。こちらも、日々のお手入れに欠かせないアイテムです。

なお、チタンゴールドをご購入いただくと、自動で3年の特別延長保証サービスが付帯されます。

外観の細部や付属品に至るまで、LUMIXとしてのこだわりを散りばめたチタンゴールド。長年LUMIXをご愛用いただく皆様にこそ気づいていただける、小さな変化の数々を込めました。

LUMIX 25周年という節目を、ファンの皆様と一緒にお祝いしたい。

そんな想いを形にした一台。ぜひ、ご検討いただけますと幸いです。

■時代に合わせて刷新された「UI」

ソフト仕様:山崎

L10のコンセプトやユースケースを想定して、従来のUIから進化した点がいくつかありますので、こちらで簡単にご紹介させていただきます。

■スマホ世代にもマッチした「縦型UI」

L10のUIで大きく進化したのが「縦位置撮影時のUI表示」です。

LUMIXとして、縦位置UIに本格対応するのはL10が初めてになります。

近年、スマホでの動画撮影が一般的になり、写真・動画ともに縦構図で撮影するニーズが高まっています。

L10は、そうしたユーザーの撮影スタイルに寄り添うカメラとして、縦位置時のUIを一から設計し直しました。

ただ、表示を単純に回転させれば済むという話ではありません。

横位置では1行で表示していた情報を、縦位置では2行に振り分ける必要があります。

どの情報を上段に、どの情報を下段に配置するのか。優先度を決めるために、様々なカメラも参考に、ヒアリングを重ねながら最適解を探っていきました。

さらに、メッセージ類の改行位置、多言語対応、ヒストグラムや録音レベルメーターの回転、タッチタブの挙動。UIの細部すべてに縦位置対応を施しています。

例えば、AFモード設定のアイコンの画面構成を横と縦で見比べていただけたら苦労の一端が垣間見えるかもしれません。

特に苦労したのが「ギリシャ語・スペイン語」です。LUMIXはグローバルに、多言語展開をしているため、ギリシャ語など、表記が長くなりがちな言語でも破綻しないよう、改行位置の調整や省略形の利用等を踏まえて設計しました。

■「フォトスタイル」と「LUT」の世界を、ワンタッチで行き来する

左:LUTボタン
右:フォトスタイルボタン

S9ではLUTライブラリにアクセスするための「LUTボタン」を搭載しました。

L10では、S9同様にLUTライブラリへアクセスできる「LUTボタン」を搭載しつつ、機能面で2つの進化を加えました。

1つ目は、LUTを選ぶだけでなく、画質調整までこのボタンから行えるようになったこと。

2つ目は、画質調整パラメータの記憶方法です。S9では全LUTで共通のパラメータが適用されていましたが、L10では40個全てのLUTで個別に画質調整値を記憶できるようになりました。これにより、世界観はそのままに、自分好みの微調整を加えたLUTとして保存しておけます。

また、後ダイヤル上部のFnボタンに「フォトスタイル」を初期設定しており、LUTとフォトスタイルをワンタッチで切り替えられるようにしています。

ここを押すと、フォトスタイルをダイヤル操作でサッと切り替えられます。

LUTボタン・フォトスタイルボタンのどちらを押した場合でも、「Qボタン」を押すことでLUTの世界とフォトスタイルの世界を自由に行き来できるようにしました。

LUMIXが提案したい「色で遊ぶ」体験を、最短の動線で実現する。それがL10のUI設計における柱の一つです。

■業界初の「4ポジション・Fnスイッチ」

L10には、もう一つ新しい仕掛けがあります。ボディ正面のレンズ基部に設けられた、4ポジションのFnスイッチです。

実は4ポジションのスイッチ自体は、LX100シリーズにも存在していました。ただし、そちらは「3:2/16:9/1:1/4:3」のアスペクト比を切り替える専用スイッチとして設計されたもの。

L10では、このスイッチをさらに進化させ、複数の機能を割り当てられる汎用の「Fnスイッチ」として再設計しました。

このような多機能割り当てが可能な4ポジション・Fnスイッチは、他社のカメラを含めても例がなく、業界初(※当社調べ)の搭載となります。

このスイッチには、以下の5つの機能のいずれかを割り当てられます。

・ステップズーム
・フォトスタイル
・リアルタイムLUT
・アスペクト比
・自動認識の対象

例えば「ステップズーム」に割り当てた場合、「・」のポジションではレバー操作のズームレンズとして使用でき、スイッチの「1」「2」「3」のポジションでは「24mm」「35mm」「50mm」といった焦点距離を割り当てられ、ワンタッチで焦点距離を切り替えられます。

単焦点レンズのように、決めた画角で撮る楽しみと、自由にズームする便利さ。両方を一台で行き来できる設計です。

Fnスイッチは様々な活用方法があるのですが、詳細は別途更新する「もっと、LUMIX」でお話しさせていただきますので、こちらもお楽しみにお待ちください。

L10の外装デザイン、操作配置、そしてUIには、使う方に長く愛用していただくための、細やかな工夫が数多く込められています。

お店で手に取っていただく機会があれば、ボタンの高さやダイヤルのクリック感、レザーの模様や金属の質感まで、ぜひじっくり確かめてください。

「毎日連れ出したくなる一台」として、L10をご検討いただけますと幸いです。

(続きます)


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