【Vol.4】感性を目覚めさせる、多彩な表現力を持つ現代スナップカメラの決定版。コンパクトデジタルカメラ「LUMIX L10」、誕生。
LUMIX L10の開発チームが語る開発裏話。本記事はL10の「AF・レンズ」についてお話しするVol.4です。
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■LUMIX初、レンズ一体型カメラでの「像面位相差AF」搭載

LUMIX L10は、LUMIXのレンズ一体型カメラで初めて「像面位相差AF」を搭載したモデルです。
これによりレンズ一体型カメラでも、素早く動く被写体や、動画撮影中に被写体を追いかけながらピントを合わせる精度が上がりました。
L10の開発において、皆さんにお伝えしたいことは大きく2点あります。
■「進化」ではなく「このサイズで出せた」こと
L10のAF開発の本質は、この一言でお伝えできるでしょう。
L10のAF性能は「S1IIシリーズと同じ」です。

現在のLUMIXにおけるハイエンドモデルと同様のAF性能を、このコンパクトなボディに搭載しました。
これまで積み重ねてきた認識AFや像面位相差AFの技術を、妥協なくコンパクトなレンズ一体型カメラに落とし込めた。
それ自体が、L10というカメラが持つAF性能の価値だと考えています。
S1IIシリーズと同じAFが、このサイズで動いている。それだけで、L10というカメラを選ぶ理由になり得るのではないでしょうか。
■レンズ一体型カメラだからこそ特化して突き詰めたレンズ制御
ハイエンドクラスのAFアルゴリズムを載せれば、それだけで完成するわけではありません。
交換レンズは一眼カメラと組み合わせる前提で設計されているので、レンズの動かし方・速度・ブレーキのかけ方はボディとの組み合わせの中で、AFに最適化された状態で確立されています。
ですがL10のような本体と一体化したレンズにおいて、像面位相差AFを動かすことは、LUMIXでは初めて。
そこで、静音性とフォーカスの滑らかさを両立させるために、「止め方」「動かし方」「速度」の一つひとつを、L10のレンズ専用にゼロから組み直しています。
一つの例が、速度のコントロールです。
レンズは、高速で動かすとどうしても動作音が発生してしまいます。動画撮影時には、この音が録音に混じってしまうのは避けたい。とはいえ遅すぎると、AFの追従性能が落ちてしまいます。
一眼カメラと同等の精度と快適さ、これをコンパクトなレンズ一体型カメラの中で成立させるための制御を、妥協せず作り直しを重ねて成立させることが出来ました。
像面位相差AFとコントラストAFはレンズの動かし方が根本的に異なりますが、それぞれL10のレンズ専用に新しく制御を見直しています。
スペック表には現れない部分ですが、AFの最新性能をこのコンパクトサイズでお楽しみいただけるよう、非常に繊細なチューニングを重ねてきました。これにより、皆様の撮影体験が少しでも快適になれば幸いです。
■レンズ一体型カメラだから実現できた「明るくて小さいLEICA銘のレンズ」

L10のレンズは、F1.7〜F2.8の明るさを持つ、ズーム全域でF2.8以下を維持する大口径ズームレンズです。
実はこのレンズ、非常に小型ながらスペック面では、、マイクロフォーサーズ用の交換レンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-35mm / F2.8 ASPH. / POWER O.I.S.(以下、H-ES12035)」に匹敵する光学性能を備えています。
L10のレンズはこのH-ES12035と比べても、明るさで同等以上、焦点域もほぼ同等。
それでいて、レンズ一体型カメラとして、ぐっとコンパクトにまとめています。
「明るくて、小さい」。本来であれば両立が難しいこの2点を、L10では可能としました。
LUMIXに詳しい方の中には「そうは言っても、LX100シリーズのレンズをそのまま流用しているのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、焦点距離やF値、レンズの構成自体は、LX100シリーズから受け継いでいる部分があります。
しかし、レンズの内部構造や制御については、L10のために新しく設計し直しています。
見た目は似てても、中身は別物。
それが、L10のレンズです。
■「フランジバックの縛りがない」という強み
L10のレンズがコンパクトかつ明るい性能を実現できている理由は、大きく2つあります。
ひとつ目は、レンズ一体型カメラならではの設計の自由度です。
先ほど挙げたH-ES12035のような交換レンズは、マウント面からセンサーまでの距離、つまり「フランジバック」が規格として固定されています。
マイクロフォーサーズ規格のレンズなら、どんなレンズも、この距離を前提に設計しなければなりません。
一方、L10はレンズ一体型カメラなのでマウントという構造そのものがなく、つまりフランジバックの制約がありません。
結果として、センサーの近くまでレンズを寄せる設計が可能になり、光学系全体の全長を大きく短縮できます。
これが、L10のレンズがこのサイズ感を実現できている、最大の理由のひとつです。

もうひとつの理由が「2段沈胴方式」です。
L10のレンズは、レンズのベースとなる部品から、2段分の筒が繰り出す構造になっており、撮影時には必要な光学全長を確保できるようになっています。
この構造により、沈胴時、つまりレンズを収納している状態では、光学系全体をコンパクトに折りたたんで収めることができます。
「持ち歩きのときはコンパクトに。撮影のときはしっかりと光を取り込める明るいレンズに。」という使い分けができるのは、レンズ一体型カメラならではの仕組みです。
■最新エンジンに合わせたチューニング
センサーだけでなく、画像処理エンジンの進化にもレンズ側の対応が必要でした。
L10に搭載されている最新世代のエンジンは、像面位相差AFや高解像度の動画撮影といった高付加価値な機能を可能にしてくれます。
一方で、こうした機能を搭載することで、動画記録時の熱課題や、センサー周辺のノイズといった新たな課題が出てきました。
レンズ内部は限られたスペースです。そこを広げるとカメラ本体のサイズも大きくなってしまうため、このサイズのままで課題を解決する必要がありました。
その解決のために、開発メンバーと様々なアイデアを出し合いました。レビューと検証を繰り返し、最終的にはサイズと性能を両立させる解決策として、今回の仕様へ落とし込むことができました。
加えて、光学性能の品質向上にも取り組んでいます。フレア耐性を高めるため、レンズのコーティングや内部の一部部品を見直しました。
見た目はLX100シリーズに似ているレンズでも、中身は一つひとつ、L10に合わせてアップデートしているのです。
小さいけれど明るいこのレンズで、あなたの日常の記録も、想いが込められた作品も、美しく残してほしいと思います。
■【開発メンバー座談会】このカメラ、私はここで使いたい!

最後に、開発メンバーで集まって座談会を催しました。
テーマは「私だったら、L10をこう使う」。
毎日持ち歩きたくなる一台として設計されたL10を、開発メンバー達はどのようなシーンで使いたいと考えているのか。
開発に関わった一人ひとりに、それぞれの目線で語っていただきました。

私にはまだ小学生の娘がおりまして、今年は長期休暇も取れるので少し遠出をしたいと思っています。
L10は人物の認識やプリ連写も搭載されており、今までよりも決定的な瞬間を撮るチャンスが増えると思うので、子供の良い表情が撮れたらいいなと期待しています。

私は普段、S1RIIとS1IIの2台持ちなのですが、2台のうちの一つをL10に…とは言わず、いっそ3台持ちもできるなと思っています。
日常生活ではS1IIシリーズに大きなレンズをつけていると重たいですし、「気合を入れて撮影しないといけない」ような気になることもありますが、L10くらい小さなカメラだと心も軽くなりますね。
レンズ交換もいらない、電動ズームもクロップズームもレバー1つでシームレスに駆動、認識AFもあり、ファインダー、メカシャッター、ホットシューもある。オールマイティーなカメラだと思うので、常に持ち歩きたいなと思います。

私はL.クラシックシリーズが好きなので、これを使って友達と旅行に行って写真や動画を撮りたいです。
特に「L.クラシック」の肌のトーンはこだわって調整したので、友達を撮ったり、自撮りをしても良いと思うんです。
なんでも撮れるカメラなので、旅に持っていくのがとても楽しみです。

似たような話になってしまいますが、私もまだ小さい子どもがいます。
普段はS5IIXを使っているんですけど、ストラップをつけた状態でしゃがんだりすると子どもに当たらないか心配になって、オムツやおやつ等の荷物も増えてしまったこともあり、中々カメラを持ち出す機会が少なくなったんです。
L10くらい小さいと持ち出しやすいですし、操作も簡単なので夫婦でも一緒に使えるなとワクワクしています。
すばしっこくて予測不能な動きばかりする我が子ですが、AFにも頼りながら色々撮りたいですね。

僕はやっぱり「L.クラシック」と「L.クラシックゴールド」ですね。渾身のフォトスタイルなので、これを使ってたくさん撮影したいです。
普段はしっかり構図も決めて風景写真を撮ることが多いんですけど、L10では日常のスナップも楽しみたいなと思っています。

実は私はたくさんペットを飼っていて、アヒルやトカゲ、ウサギやヘビなど、幅広い種類の動物を飼っています。
交換レンズだとカメラとレンズをそれぞれの手で持たないとズームができませんが、L10は電動ズームなので片手でズーム操作ができる。つまり、片手では動物と戯れつつ、もう一方の手では撮影ができるんです。
カメラが小さいと動物も警戒心が少し和らいでいる気がするので、L10を持ったら、たくさんペットを撮りたいですね。

話題が被ってしまうのですが私にも小さな子どもがいまして、まだ生後半年くらいなので出かけると言っても近所を散歩するくらいなのですが、それでもやっぱり荷物は増えてきたと感じています。
L10ならカバンにさっと入れられるので楽ですね。奥さんは普段カメラを使わないんですけど、これなら使ってくれそうな気もします。
あとは、外装設計に携わったこともあり、やっぱり見た目もとても気に入っています。
そういう意味では、正直もう撮影はしなくてもファッション的にぶら下げていたり、外出しなくても部屋で眺めて楽しみたいですね。
カメラを持つ喜びを再認識させてくれるカメラ、と思っています。

「とりあえず持ち出す一台」として選びたいですね。
皆さんが仰るようにカバンにさっと入れておくのに最適なサイズで、その上でF1.7の明るさと、望遠端でF2.8なので中望遠のポートレート等でも美しいボケを楽しめます。
家族や友人との散歩にも最適でしょう。
また、私も子どもがいるのですがもう大きくなって最近はあまり写真を撮ることも無くて。でもこのカメラなら旅行に行った時でも自然に撮影ができるので、さりげなく思い出を残してみたいなと思います。
■歴史と最新性能が凝縮された、珠玉の一台

LUMIXは、2001年に「DMC-LC5」「DMC-F7」が誕生してから、2026年で25周年を迎えます。
この四半世紀の間にLUMIXは、「写真」と「動画」双方の表現を支える数多くのカメラを送り出し、それぞれのカメラで、その時々のお客様が求める表現に寄り添ってきた歴史があります。
L10は、そんなLUMIXの25周年という節目に生まれた一台です。
毎日カバンに忍ばせて、日常に連れ出したくなる。それでいて、ハイエンドモデルと同等の性能を備え、表現の幅を妥協しない。所有欲を満たす質感を持ちながら、撮影体験はどこまでも軽やか。
L10は、これまでLUMIXが積み上げてきた絵作りや操作性、デザインへのこだわりをレンズ一体型カメラというパッケージに凝縮した、25周年に相応しい一台です。
L10が皆様の「日常の相棒」として、撮影の喜びと、毎日の小さな発見を共にする一台になれれば、これ以上嬉しいことはありません。

