【ルミマガ編集部】LUMIX S 40mm F2使ってみた
こんにちは。ルミマガ編集部です。
こちらの連載では、編集部員がLUMIXのレンズで撮影した作例や、その使用感をインプレッション記事としてお届けします!
今回のレンズは「LUMIX S 40mm F2(以下、本レンズ)」です。
■ファーストインプレッション

LUMIX純正にして、「待ちに待ったサイズ感」の単焦点レンズが遂に誕生しました。
ご覧の通り、LUMIX S9にジャストフィットなレンズです。
筆者はこれまで、S9に単焦点レンズをつける際にはF1.8シリーズを選択していました。
ただ、F1.8シリーズも十分小型軽量だとは思いつつも、「S9につけるなら、もう少し短い単焦点があったらな…」と思っていたのも本音。
サイズ感としては、キットレンズのS 18-40mm F4.5-6.3(以下、18-40mm)がベストだと感じていました。
でも、そのサイズの明るい単焦点レンズってこれまでは他社製のものしかなかったんです。
私のように、純正でこのサイズ感の単焦点レンズを待っていた方は多いのではないでしょうか。

18-40mmと40mm F2を比較すると、こんな感じ。ほぼ同じですね。
公式サイトでも、以下のように紹介されています。
ズームレンズS-R1840の沈胴時とサイズ感を揃え、フィルター径もΦ62mmで統一しました。柔軟に画角調整したいときにはズームレンズ、より表現にこだわりたいときには単焦点レンズ。撮影の自由度を高める、軽快なフルサイズシステムを実現します。
18-40mmと同様、これだけ小さいと「とりあえずカバンの中に入れておこう」とか「とりあえずこれつけて肩からかけておこう」とか、撮影するまでの気持ちまで軽くなれるのが嬉しいです。
18-40mmは広角から標準域までを一本でカバーできる、旅行にも最適な万能小型レンズ。
そこに40mm F2が加わると、撮れる写真の「表現」がぐっと広がるでしょう。
サイズがほぼ同じなら、気になるのは「写りはどう変わるの?」というところですよね。
絵としてわかりやすいのが「ボケ」の違いでしょう。

S1RII,S 40 F2 / 40mm,1/250sec,F2,ISO200

S1RII,S 18-40 F4.5-6.3 / 40mm,1/30sec,F6.3,ISO200
18-40mmでも撮り方によって背景はやわらかくボケますが、40mm F2の方がボケがより大きく、なめらかに広がって、主役がふわっと浮かび上がります。
「ここを見せたい」という一点を引き立てたいときに、このボケはとても頼りになります。
▼「F値」はボケの他に、明るく撮影するためにも重要な要素です。「F値」について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
■LUMIX S 40mm F2で撮ってみた
ということで、本記事ではS9とLUMIX S 40mm F2の組み合わせで撮影してみました。
■街中で浴衣ポートレート

model:春日久瑠実
街中でモデルの友人と遭遇したので軽く撮影させてもらいました。
実は筆者、40mmの単焦点を使うのが初めてだったので、この時点ではあまり「好きな距離感」が掴めていなかったんです。
普段は35mmや50mmを好んで使用しているのですが、いざ40mmを使ってみると、(当たり前なのですが)ちょうど35mmと50mmの中間くらい。
適度な広さとボケが扱いやすいレンズだと感じました。

40mm、縦構図でも横構図でも撮りやすいですね。
個人的に、35mmは縦だと少し広く感じ、50mmは自然な距離感を表現するにはまとまりすぎる、と感じることもあるのですが、その辺りも「良いとこどり」な印象。
ボケを活用しながら構図を作りやすく、距離感も自然な写真が撮影できました。

レンズが小さいと、小回りも利きますね。
単焦点なので寄り引きは足で稼ぐ必要がありますが、軽く短いレンズなので、むしろ積極的に動きながら撮影したくなります。

MFで瞳にピントを合わせました。レンズ側にAF/MFスイッチがあるので、すぐに切り替えられるのも使いやすいです。
逆光で透けた瞳が瑞々しく、前後のボケもなめらかに表現されています。
ちなみに、本レンズにはフォーカスボタン(Fnボタン)が搭載されています。筆者はタッチパネル操作よりもボタン・ダイヤル操作の方が慣れているので、こちらのボタンに「フォーカスエリア選択」を割り当て、ピント位置をダイヤルで調整しています。

■暮らしの記録
小さいレンズは、シャッターボタンを押す心理的な負担も軽くしてくれるため、日常を記録するのにも最適です。

最近よく通っている珈琲屋さんで初めて豆を購入しました。パッケージが可愛く、紙袋の質感も好きで記念に撮影。

朝は浴室に日が差します。庭に生えている木が風に揺られ、葉っぱ越しに差し込む光がキラキラと輝く様子が印象的でした。

これはただのしゃもじ。柔らかい光に透けた質感が綺麗に感じたので撮ってみました。
本当にそれ以上でも以下でもないのですが、気に入っている写真です。それなりに寄って撮れるのも嬉しいですね。

夏が近づくとキッチンに西日が差し込んできます。
これもただの調味料に光が当たっているだけなのですが、いつの日か「この年は、この調味料にハマっていたな」と思い出す日が来るのかもしれません。
「誰に見せるでもない特に意味のない写真」も綺麗に、そして気軽に撮れるレンズは、「誰かに見せるための写真」ばかり撮っていた私に「何気ない日常を記録する大切さと喜び」を再認識させてくれました。
■雨上がりの紫陽花
梅雨の始まりを感じさせる紫陽花が近所で咲き始めたので、雨上がりに撮影してみました。

まずはボケ感がわかりやすいこちらの写真から。花が密集し丸くなっている紫陽花が立体的に表現されています。
このサイズでこれだけボケるなら、日常使いには十分ですね。

F8まで絞ってみました。花びらの模様や水滴がシャープに描写されていて綺麗です。

開放から一段絞り、寄って撮影。葉脈はキリッと、雨に濡れた質感はしっとりと表現されています。

開放で撮影。前ボケから後ろボケまで立体感があり、画面の奥へと続く紫陽花を、やわらかく描いてくれました。
ちなみに紫陽花の写真はフォトスタイル「風景」で撮影しています。花や葉っぱの色の移ろいも美しいですね。
「軽くてボケるレンズと、小さくて色が綺麗なカメラで身軽に撮影。アプリを使って撮って出しのデータをすぐにスマホでシェアできる。」という理想のムーブが、ようやく完成しそうです。
■友人と歩きながら
友人と自然の中を散歩しました。
キメキメのポージングのお願い等はせず、喋りながら歩いたり、たまに呼びかけたりしながら撮った写真で、「ポートレート」というよりは「お散歩スナップ」みたいな写真です。
小さく軽く、短いレンズなので、歩きながらでも難なく振り回せるし、話しながらレンズを向けても威圧感を与えない。
何気ない一瞬も、自然な表情も、これ一本で撮影できました。







■水族館でいきもの観察
水族館に行ってきました。

ペンギンって可愛いですよね。
まるで目の前にいるような距離感の写真。でもしっかりガラス越しです。
水族館では、レンズをガラスに近づけると、ガラスの反射を抑えられ、より鮮明にいきものを撮影できます。
ただし、ガラスにレンズをぶつけるとガラスに傷をつけてしまうので、勢いよくレンズを近づけるのは禁物です。
でも、大きく重く長いレンズだと、本体をコントロールしづらいので、ズームしている間にぶつけてしまう恐れもありますよね。
そういった点でも、本レンズは小さく軽く短いのが利点です。
誤ってガラスにぶつけないようレンズに手を添えながら、そっと近づけるので、マナーを守りながらリアルないきものの一面を撮影できました。

フォトスタイル「LEICAモノクローム」でオオサンショウウオを撮影しました。ゴツゴツして見える皮膚の質感がカッコいい。実際に触ったらブヨブヨしてるんですかね。カメラ越しにいきものを観察するのは楽しいです。

暗闇の中に浮かぶクラゲ。傘から触手までピントを合わせたかったので少しだけ絞りました。

小さいお魚の目にピントを合わせるのは筆者の技量的に難しく、同じ場所に長居するのも悪いのでサクッと撮って退散。よく見るとちょっとピントが甘い気もしますが、思い出写真としては十分な一枚です。イソギンチャクの前ボケも相まって、臨場感がある写真が撮れました。
■その他
さて、ここからは移動中や旅先で撮影したスナップ等をご紹介します。特に解説することがない写真も多くありますが、「こんな写真も撮れるのか〜」程度にご覧ください。

視野に近い画角のレンズなので、「なんとなく好きだな」と思ったシーンを、目で見た感動そのままに記録してくれます。

お気に入りの機材との散歩だと、自分の影が写り込むのも、なんだか嬉しいですね。

道端でひっそり咲く小さな花。何でもない場所でも、ふと足を止めたくなります。


筆者はテーブルフォトが得意ではないのですが、ロケーションとレンズが良いと、なんとなくそれらしく撮れるものですね。

こう見えてかなり暗い部屋で撮影しています。
小さく軽いぶん取り回しがよく、構えが安定するので多少シャッタースピードを遅くしてもブレを抑えやすく、LUMIXの強力な手ブレ補正も相まって、シャッタースピードで明るさを稼ぎながらノイズを抑えた写真が撮れました。




編集ソフトでシネマスコープ(2.35:1)にトリミングした一枚。シネスコらしいダイナミックな絵を楽しむにはもう少し広さが欲しいところですが、これはこれで絵になりますね。

被写界深度が浅いため、水面に反射した風景にだけピントが合っています。

AFの自動認識で「動物」の「瞳・体」モードを活用し、ローアングルから撮影。移動しながら撮ったのでモニターはほとんど見えていませんが、認識AFのおかげでピントもしっかり合っています。
機動力があるぶん、アクティブな撮影も楽にできて楽しいです。

川沿いで座って休憩していたら、隣で子鹿の授乳タイムが始まりました。普段は刺激しないように自分から子鹿に近づくことはしませんが、お隣で始まったのでそっと撮らせてもらいました。
カメラもレンズも小さかったからか、特に警戒もされず、動物の自然な交流を記録できました。

食事会の帰りにスナップをしました。F2の明るさが頼りになります。繰り返しになりますが、これだけ小さいとプライベートでも持ち運びしやすいのが良いですね。


レンズを金属製の手すりに近づけて、光の反射を前景にして撮影。
小さなレンズだからこそ、こんな遊び方も気軽に試せます。

終電間際の信号待ち。靴が一足だけ落ちていました。焦って落としたのでしょうか。理由はないけどパッと撮り、私も小走りで駅に向かいました。
■日々、「撮る喜び」が続いていく一本

半月ほど、このレンズを連れて出かけてみました。
人を撮り、花を撮り、空を撮り、街を撮り、いきものを撮り、旅先の思い出を撮り、生活を撮る。
被写体もシーンもバラバラなのに、どれも気負わずシャッターボタンを押せたのは、このレンズがいつも手元にあったからだと思います。

視線そのままの自然な写りは、構図に迷う時間も減らしてくれました。背景はやわらかく整い、光が少ない時でも明るく、無理なく手持ちで撮影できる。

日常使いのカバンに収まり、肩にかけていても負担が少ない軽さ。そして、レンズを向けられた相手も身構えないほどの小ささは、その場の空気をそのままに記録してくれました。

何より、「撮るほどのことでもないかな」と通り過ぎていた景色に、もう一度カメラを向けたくなる。
そんな、小さくとも、日々抱いていた「撮る喜び」を思い出させてくれたレンズだと感じています。
特別な日も、ありふれた一日も、同じ気軽さで、ワクワクしながらシャッターボタンを押したくなる。
その感覚こそが、このレンズと過ごして得られた一番の収穫かもしれません。

毎日のお供にしたくなるレンズをお求めの方は、ぜひ一度お試しください。
今回の記事はここまで。それではまた次回お会いしましょう。
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【撮影協力】
■京都水族館様
