管理職研修を任される人が、いま考えておきたいこと
皆さん、こんにちは。
BHLインターナショナルの東谷紳一です。
管理職育成や人材開発に関わっていると、あらためて感じることがあります。
それは、管理職研修の重要性が、以前にも増して高まっているということです。
人が採れない。
若手が定着しない。
現場の主体性が育たない。
方針が現場まで届かない。
評価制度を変えても、面談や育成がうまく機能しない。
こうした課題の多くは、最終的に現場のマネジメントに影響してきます。
もちろん、経営戦略や人事制度も重要です。
しかし、それらを現場の日々の行動に変えていくのは管理職です。
だからこそ、多くの企業で管理職育成への関心が高まっています。
一方で、管理職研修を任される人にも、これまで以上に難しい役割が求められていると感じます。
外部講師であっても、社内講師であっても、人材開発担当者であっても、単に知識を伝えるだけでは十分ではありません。
大切なのは、研修後に管理職の行動が変わること。
そして、その行動が現場の会話や部下との関わり方に表れることです。
1. 管理職研修は、知識提供だけでは終わらない
管理職研修では、さまざまなテーマを扱います。
役割認識。
目標管理。
部下育成。
評価面談。
フィードバック。
チームづくり。
コミュニケーション。
組織方針の浸透。
どれも大切な内容です。
しかし、これらを一通り説明しただけで、受講者の行動が変わるわけではありません。
管理職の方々は、日々多くの仕事を抱えています。
研修で学んだことを大切だと思っても、現場に戻れば、すぐに目の前の業務に追われます。
部下への関わり方を変えたいと思っても、忙しさの中で以前のやり方に戻ってしまう。
面談を変えたいと思っても、結局シートの確認だけで終わってしまう。
任せ方を変えたいと思っても、自分で巻き取った方が早いと感じてしまう。
こうしたことは、珍しくありません。
だからこそ、管理職研修を担う人には、知識を伝える力だけではなく、受講者が自分の現場に置き換えて考えられるようにする力が必要になります。
「それは、自分の職場ではどういうことか」
「自分の部下との関わりでは、何を変える必要があるのか」
「明日から、どの場面で試せるのか」
ここまで考えられる場にしなければ、研修は受講して終わりになってしまいます。
2. 管理職の現実を理解しているか
管理職研修を任される人にとって大切なのは、管理職の現実を理解することです。
管理職は、きれいな理論だけで動いているわけではありません。
成果を求められる。
部下を育てなければならない。
上からは方針が降りてくる。
現場からは不満や相談が上がってくる。
自分自身もプレイヤー業務を抱えている。
その中で、日々判断し、調整し、前に進めています。
だからこそ、管理職研修では、理想論だけを語っても届きません。
「部下に任せましょう」
「対話を増やしましょう」
「フィードバックしましょう」
「主体性を引き出しましょう」
どれも大切です。
しかし、受講者の中にはこう感じる人もいます。
「それはわかるが、現場では簡単ではない」
「任せたいが、失敗したら自分が責められる」
「対話したいが、時間が取れない」
「部下の成長も大切だが、目の前の成果も求められている」
この葛藤を理解したうえで関わることが必要です。
管理職研修を担う人は、正しいことを伝えるだけではなく、受講者の現実に寄り添いながら、現場で試せる一歩に落とし込む必要があります。
3. 研修後の行動まで設計する
管理職研修で大切なのは、研修当日だけではありません。
むしろ、研修後に何を実践するかが重要です。
学んだことを、どの仕事で試すのか。
どの部下との関わりで使うのか。
どの会議で問いかけを変えるのか。
どの面談で、仕事の意味を伝えるのか。
どの場面で、任せ方を変えるのか。
ここまで具体化されているかどうかで、研修後の行動は大きく変わります。
また、実践した後に振り返ることも欠かせません。
何がうまくいったのか。
どこでつまずいたのか。
部下の反応はどうだったのか。
自分はどこで以前の癖に戻ったのか。
次に試すなら、何を変えるのか。
この振り返りがあることで、学びは少しずつ現場に根づいていきます。
管理職研修を任される人には、研修の中身だけでなく、研修後の行動変容まで見据える視点が求められます。
4. 管理職育成を担う人自身も、学び続ける
管理職を育てることは、簡単な仕事ではありません。
管理職の役割は、以前よりも複雑になっています。
成果を出す。
人を育てる。
多様な価値観に向き合う。
会社の方針を現場に落とし込む。
現場の声を上位者に返す。
チームの状態を整える。
これらを支援するためには、管理職育成を担う人自身も学び続ける必要があります。
管理職は、どこでつまずくのか。
どのような言葉なら現場に届くのか。
どのような設計なら行動変容につながるのか。
受講者が自分ごととして考えるためには、どのような問いが必要なのか。
こうしたことを考え続けることが、管理職育成に関わる人に求められているのだと思います。
弊社が運営してる、MTC(マネジメントトレーナーキャンプ)は、こうした問題意識から生まれました。
管理職研修を単なる知識提供で終わらせず、現場の行動変容につなげていくために。
講師や人材開発担当者が、マネジメントをより深く理解し、現場を動かせる存在になるために。
管理職育成に関わる人が学び合い、実践を深める場として、MTCを運営しています。
これからの時代、管理職育成の重要性はさらに高まっていくはずです。
だからこそ、それを担う人の力も問われていきます。
「教える人」にとどまるのではなく、現場を動かせるトレーナーへ。
その視点を持つことが、これからの管理職育成において、とても大切になるのだと思います。

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