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滑り出した私の人生は変わるのか?

 このお話しは繰り返すルーティンの第11話です。
⬇️こちらが第1話です。宜しかったら是非お読みください。

  私はもう一度読み返した。『これを、おすと、さいしょ、から、はじめられます』

 意味が飲み込められず再度ゆっくりと読んでみた。

 タグに書かれている文字は薄暗くても読みやすく、眺めるだけでも目に焼き付く感じがする。

 これを押す? 拾い上げたモノを見返すと確かにボタンの様なスイッチの形だ。

 このスイッチを押すと『最初から……』最初って? 最初? 元に戻れる? ホント?

 疑惑が疑問に、そして確信が希望へと跳ね上がる。

 おいおい、そんな仕組みなら始めに言ってよ。

 戻るに決まってるでしょ。

 先程まで暗かった気持ちがいっきに薄れ、晴れ晴れして行くのを私は実感した。

 そして何も考えず私はそのボタンをその場で押した。

 はぁ〜良かった良かった。
 次の瞬間。

 まったく予想だにしなかった光景が、私の目の前に出現した。

 それはあの穴の石段に足を踏み込んだ瞬間だった。

 その時、すでに私の重心は石段に移り、立て直す事は不可能な状態で、否応なしに下る状況を回避できるどころではなかった。

 「えっ?」すぐさま、石段は滑り台に変形し私の身体は下降し始める。

 「いっ、嫌、イヤイヤ。駄目駄目。行かない行かない。やめなさい。止めて! 止めてぇーとめろー。止めろ! バカヤロー! ふざけんな!」何振り構わず悪口雑言を吐いたが、滑り出した者は止まらない。ひぃ〜。眼の前の扉も前回同様、正確に開き始める。そして私を見送るワンコの笑顔が前より余計に笑った様に、私には感じた。


 なすすべが無いと言うのはこの事だろう。開かれた扉の向こうは前回同様に空間色が変わる突飛な世界だった。2回も同じ仕掛けに引っ掛かるとは思わなかった。その悔しさで頭に亀裂が走り出そうである。あと一歩手前に戻っていたらどうなっていたんだろう。うーん。一歩手前では同じ結果になっていたかも知れない。最初とはアソコだったんだ。想定外の始まりに私は落胆した。

 そんな気落ちしていた私は2回目のジャンプで空中へ飛ばされる。

 ハッとしながらも前回と同じく両足を着いて着地。そしてつんのめる。

 「バシャ」この屈辱は何なんだ。起こることが解っていて防げなかった自分が残念で悔しい。池なのか水溜りなのか解らないその場からビジョンビジョンになった身体を起こすと周りを見渡す。

 やはり同じ場所だ。始めからやり直せるってこう言うこと? 元の世界に戻れても結果的に繰り返すことになってしまった。うーん。石段に踏み込む最初の一歩をどうにか出来れば何とかなりそうな気がするんだが。
 そうだ! 
 ボタンを押した瞬間後ろに倒れるって言うのはどうだろう。やってみる価値は有る。そう決めた私は落ちている金属バットを再度探しだし、見付けると宝箱が有った方角に歩き出す。しばらくすると宝箱を発見。躊躇することなく開けた。
⬇️⬇️続く

 





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