三題噺ショートショートvol.70_昔話
落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。
企画もの、大の苦手なのである。
どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。
私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。
いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。
え?落語?三題噺?ヤスシさん?

今週の三題
1.週刊誌
2.往復2時間
3.ロミオとジュリエット
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、別名、天の邪鬼志朗だろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?
なんのはなしですか。

わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?
ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。
さて。では、三題噺ショートショート「昔話」まいりましょうか。

彼は県の東の強豪校、我が校のエースで4番。
ある日、宿敵、西の強豪校の女子マネージャーの噂が流れてきた。
絶世の美女。そのうえ性格は控えめで大人しいと。
俺達はオフの日、敵陣視察に出かけた。彼女をひと目見るためだけに、往復2時間の道のりを電車で小旅行だ。
噂は、本物だった。
3年生のとき、その宿敵に勝利。彼女の号泣を見た。我が校は結果的には甲子園ベスト4まで駒を進めた。
5年後、彼は新人王になり。彼女はテレビドラマでよく見かける女優になった。
ある日、外回りの昼食で街中華に入り、週刊誌を広げて驚いた。
2人の電撃婚約の記事だ。
いつも一緒にいたのに、思い返しても怪しげな行動は、全く思い当たらない。
「ステルスのロミオとジュリエットか…」
月日は流れ。今やSNSもネットもある。何でも瞬時に伝わる。そう考えると昔は、良い時代だったのだろう。
田舎の縁側でうちわで扇ぎつつ、昔の衝撃を思い出しながら、孫達の花火をニコニコと笑って眺めていた。

そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、マッサー(注1)してね。ジョギングなんてしなくていいから、マッサーね、マッサー!」
「…」
マッサージをすると、家内は、上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。
今日の投稿を入れて、71作。俺にしちゃあ、三題噺もけっこう書くには書いたが。これ、どこまで続くの?
いつまで書くの?
初回から一年を超え、まだまだお題を発してくれるヤスシさんとの根競べだ。

