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三題噺ショートショートvol.71_屈強

落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。

企画もの、大の苦手なのである。

どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。

私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。

いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。


え?落語?三題噺?ヤスシさん?

《今週の三題噺》
1.栄養ドリンク
2.メダル獲得
3.ラーメンとチャーハン

心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、別名、天の邪鬼志朗あまのじゃくしろうだろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?


なんのはなしですか。

書くの?書かないの?とっちなんだいっ!



わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?


ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。

さて。では、三題噺ショートショート「屈強」まいりましょうか。


穣の口癖は、

「スポーツも人生もスタミナだ」

だった。



野球部で主戦投手で。球も速くコントロールも良く。守備も打撃も走塁にも優れていたが。

抜群だったのはスタミナで。最終回でも、初回と球威が変わらなかった。

いや。寧ろ、パワーが増していたほどだ。



練習の後、チームメイトの家の街中華に寄って晩御飯を食べるのが日課で。穣は必ず、ラーメンとチャーハンと麻婆豆腐を食べた。

「いつもそれだな」

と声をかけると、

「炭水化物は、きちんとよく噛んで食べると、しっかりエネルギーになってくれる」

と返してきた。




高2の夏。町内のマラソン大会に出ることになっていた。

その年はたまたま準決まで勝ち上がって、負けた試合の翌日に走ることになり。さすがに疲れているだろうと準備運動中に栄養ドリンクを差し出すと、穣は笑って、俺には無用だと言い切った。

狙いは一番輝くメダル獲得。

それを難なく成し遂げた。




穣は今年、町工場を大きくしてから息子に引き継ぎ、ようやく引退した。


そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。

「コジくん、マッサー(注1)してね。マッサーはね、強くやらなくて良いよ。優しく、撫でるように、細く、長ーくね」


「…」


マッサージをすると、家内は、上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は平和である。



だから。



これで、いいのだ。

三題噺、ムズいなぁ


(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


今日の投稿を入れて、72作。俺にしちゃあ、三題噺もけっこう書くには書いたが。これ、どこまで続くの?


いつまで書くの?




初回から一年を超え、まだまだお題を発してくれるヤスシさんとの根競べだ。

さあ、どこまで続けるのやらって、話

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