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【結果発衚🎉】゚ッセむしりずり コンテスト2026 倏の陣 受賞者発衚🎖

 お埅たせしたした🎉

 「 #゚ッセむしりずり コンテスト2026倏の陣」結果発衚です。

 たずは、参加しおくださった皆さた、本圓にありがずうございたした。

 8月12日に始たった䞀本のしりずりが、たさかここたで倧きくなるずは思っおいたせんでした。最終的にマガゞンぞ远加された゚ッセむは、618本。そしお僕が数えた限り、参加しおくださった方は462名。

 
バトンを぀ないでくださった皆さん、䌁画を盛り䞊げおくださった皆さん、スポンサヌ・審査員ずしお巻き蟌たれおくださった皆さんに、改めおお瀌申し䞊げたす。

 さお、こういう結果発衚で、長々ず前眮きを曞いおも仕方がない。皆さんが知りたいのは、結果である。僕だっお参加者なら、そこしか読たない。

 だから、挚拶もお瀌もこのくらいにしお、さっそく結果発衚ぞ――

ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル  



    ず、その前に。

 今回、参加しおくださった皆さんぞのお瀌をどうするか、ずっず考えおいた。もちろん、投皿された䜜品のコメント欄には、䞀人ず぀お瀌を曞いた。

 でも、それだけでは足りない気がした。

 600本を超える゚ッセむを曞いおもらっお、「参加しおくれおありがずうございたした」で終わるのも、なんだか違う。

 では、僕に䜕ができるのか。考えおみれば、たいしたこずはできない。

 読むこず。
 
そしお、読んだこずを䌝えるこず。
 さらに、その䜜品のどこが面癜かったのか、どんなずころが印象に残ったのかを、䞀蚀でも返すこず。

 それなら僕にもできる。
 せっかく参加しおくれた462人に䞀蚀ず぀曞こう。

 そう思った。
   思っおしたった。

 そこから3日間。
 333日続いおいた連続投皿も止めお、ひたすら曞いた。

 そしお、ようやく曞き終わった。

   。

 さお。

 皆さん、結果発衚を早く知りたいですよね。僕も参加者だったら、そこしか興味ありたせん。

 結果発衚は、この207,228文字の先にありたす。

 通知が飛んだから期埅したやろ
 参加者党員に飛んどるから笑

 なお、「目次から飛べばいい」ず思った方。

目次スクロヌルも倧倉だから芚悟しろ😆


 䞀䜜品ず぀読み盎し曞いた぀もりですが、この本数になるず、どうしおも感想の蚀い回しや文章の圢が䌌おしたっおいるずころもありたす。「この人にも同じようなこず曞いおるやん」ず気づいおも、そこは僕の語圙力の限界ずしお、どうか生枩かく芋守っおください。

 たた、できる限り確認した぀もりですが、手䜜業でたずめおいるため、䜜品の抜けや名前・リンクなどの間違い・誀字や脱字があるかもしれたせん。10䞇字超えたあたりから、めちゃめちゃ䜜業が重くなるのです💊

 もし「私の䜜品がない」「これ、私ちゃうで」などありたしたら、遠慮なく教えおください。確認しお修正したす。

 なお、参加人数も僕が数えた限りでは462名です。数え間違えおいたら、それも教えおください。もはや僕には、462が正しいのか463が正しいのかを確認する気力が残っおいたせん😂


盞生゚ッセむさんろくな案が出ないので、挕ぐこずにした他、蚈9本


 䞀番印象に残ったのは、最埌に「゚ッセむしりずり」を文房具屋の倧きな詊し曞きの玙に芋立おたずころでした。自分では遞ばない䞀文字を枡され、そこから思いがけない蚘憶や日垞を掘り出しおいく。䜕本も曞いた盞生さんだからこそ出おきた比喩だず思いたす。

 盞生さんの曞く文章は、䞀文字を池に萜ずした小石のようです。「ろ」から乗り物ぞ、「円」から昔の音楜ぞ、「」から蚀葉の枩床ぞ。波王は思いがけない方向ぞ広がるのに、最埌には劻のトラ子さんや、自分の暮らしずいう岞蟺ぞ戻っおくる。その寄り道が楜しい。

 読み終えお残るのは、ロヌむングマシン、地䞋駐車堎、叀いCD、文房具屋の詊し曞き――䜕でもない日垞のあちこちに、ただ䞀本曞ける入口が隠れおいるような景色です。

 次はこの䞀文字から、いったいどこぞ連れおいかれるのだろう。そんな思考の遠足を远いかけたくなる䜜品矀でした。

あいぷうさんキム秘曞はいったい、なぜNetflix感想ず゚ッセむ

 䞀番印象に残ったのは、䜜品そのものの玹介から、い぀の間にか「あいぷうさん自身が韓流の沌ぞ入っおいった話」ぞ移っおいくずころでした。掋画しか認めなかったお母さたから『冬゜ナ』を勧められたこずが入口だったずいうのも面癜く、奜きなものが人から人ぞ枡っおいく様子が芋えたす。

 語り口は、韓流奜きの友人ずカフェで話しおいるようです。䞻挔二人の「キラッキラ」から始たり、別䜜品のむチ掚し、脇圹の俳優たで、「そういえばこの人ね」ず話題が次々぀ながっおいく。その寄り道から、䜕床も芳おきた人ならではの熱量が䌝わっおきたした。

 読み終えお残ったのは、䞀぀のドラマから枝分かれしお広がっおいく韓流の䞖界です。俳優を远えば別の䜜品に出䌚い、そこからたた次ぞ。最埌にはドラマだけでなく音楜にたで広がっおいる。奜きなものを远いかける楜しさそのものが芋えるようでした。

 王道ラブコメの䜕がそんなに人を沌ぞ匕き蟌むのか。未芋の人には䜜品ぞの入口ずしお、すでに芳た人には「あの堎面、よかったよね」ず話したくなる入口ずしお楜しめる䞀篇でした。

aoi.さんやっぱりnoteが奜き3ヶ月蚘念💐 8月26日✚

 䞀番印象に残ったのは、noteを始めたこずで「自分の気持ちを蚀葉にする時間が増えた」ず曞いおいるずころでした。誰かに読んでもらう堎所でありながら、曞くこずで自分自身にも気づいおいく。その3ヶ月の倉化が玠盎に䌝わっおきたす。

 aoi.さんの文章は、抌し花を䞀枚ず぀ノヌトに挟んでいくようです。家族ずのこず、ルナたんずの時間、䜕気ない日垞。そのずきには小さく芋える出来事を、やさしく蚀葉にしお残しおいく。掟手な出来事ではなく、日々の䞭にある「倧切だったもの」を芋぀ける芖線が印象的でした。

 読み終えたあずには、3ヶ月分の蚀葉や出䌚いを振り返りながら、「やっぱり、noteが奜き♡」ず埮笑んでいる姿が浮かびたす。noteを始めたばかりの頃の戞惑いから、少しず぀自分の居堎所になっおいくたで。その歩みを䞀緒に眺められるような䞀篇でした。

aosagi31さん曞くなる䞊は

 䞀番印象に残ったのは、突然回っおきた「か」のバトンを、䜕を曞くかではなく「奜きなnoterさんを玹介する機䌚」に倉えおしたったずころでした。お題に合わせお無理に䜕かをひねり出すのではなく、自分が普段読んでいる文章ぞ光を向ける。その発想に、aosagiさんがnoteで䜕を楜しんでいるのかが衚れおいる気がしたす。

 語り口は、銎染みのレコヌド屋の店䞻に「この人もいいよ」ず次々棚から䞀枚ず぀抜き出しおもらっおいるよう。文章の内容だけでなく、その人ずの距離や、自分がなぜ読み続けおいるのかたで添えられるので、知らない曞き手なのに少し芗いおみたくなりたす。

 読み終えお残ったのは、「幞せのnote」ずいう蚀葉どおり、人から人ぞ文章が枡っおいく景色でした。タむトルの「曞くなる䞊は」から、このバトンをどう料理したのか。しりずりを通しおaosagiさんのnoteずの付き合い方たで芋えおくる䞀篇です。

青瞳さん「う」 から始たる

 䞀番印象に残ったのは、「う」から䜕を曞くか悩んでいたはずなのに、「うり」を芋぀けた瞬間、もうりリ坊から垰っおこなくなるずころでした。「坊」ずいう響きだけで可愛さを語り、短い手足を想像し、぀いには錻を「ペチャっずしおみたい」。゚ッセむを考えおいるずいうより、目の前に珟れた奜奇心をそのたた远いかけおいたす。

 青瞳さんの語り口は、散歩䞭に気になるものを芋぀けた猫のよう。最初の目的を忘れお、するするず別方向ぞ進んでいくのに、その寄り道を眺めおいるこちらたで楜しくなりたす。

 読み終えお残るのは、膝の䞊のしろを撫でながら、ただ芋ぬりリ坊ぞ思いを銳せおいる姿。バトンが回っおきた驚きから始たり、「う」䞀文字だけでここたで嬉しそうに遊べるのかず頬が緩みたす。

 ゚ッセむずは䜕だろう、ず考えたこずもなかった人に突然「う」が枡されたら䜕が起こるのか。その思考が予想倖の方向ぞ走っおいく様子を、䞀緒に远いかけたくなる䞀篇でした。

青豆ノノさんるヌるるの䞻戊堎はしりずり、あるいは北の囜。

 䞀番印象に残ったのは、「小さい人ポケモン」をひず぀の勢力ずしお扱い、青豆さんが本気でしりずりの察抗策を緎っおいるずころでした。子どもの遊びのはずなのに、「ルヌマニア民族舞曲」たで投入する芚悟がある。その倧人げなさが最高です。

 青豆ノノさんの文章は、しりずりずいう小さな遊び堎に、䞖界倧䌚の実況垭を蚭眮するような語り口。ポケモンからLUNA SEA、謎のアむドルぞず連想が滑っおいくのに、本人だけはずっず真剣なので、そのズレが笑いになりたす。

 読み終えるず、「る」ずいう䞀文字の呚りに、ポケモンもロックバンドもアむドルも䞊んでいる景色が残りたした。ただのしりずりから、ここたで遠くぞ行けるのか。その連想の旅を芗いおみたくなる䞀篇です。

赫音さん指導する偎になっお気づいた。倧人にもビヌト板がいる。

 䞀番印象に残ったのは、「倧人になるず、なぜかみんなビヌト板を没収されたす」ずいう蚀葉でした。子どもには「焊らんでええよ」ず蚀えるのに、自分にはすぐ結果を求めおしたう。その矛盟を、スむミングコヌチずいう自分の仕事から芋぀けおいるのが面癜いです。

 赫音さんの語りは、自分自身をプヌルサむドから実況しおいるコヌチのようでした。恋愛盞談では冷静なのに、自分の恋愛ではスマホを䜕床も確認する。noteでも5分で数字を芋盎す。そのたびに「そこの倧人ヌ」ず笛を吹きたくなるような、自分ぞのツッコミが効いおいたす。

 読み終えたあずには、誰かや䜕かに぀かたりながら泳いでいる倧人たちの姿が残りたした。「支えが必芁匱い」ではなく、぀かたれるものがあるから前ぞ進める。そんな芋方が優しいです。

 子どもに泳ぎを教える仕事から、恋愛、note、そしお自分自身の生き方たで。ひず぀の「ビヌト板」ずいう比喩がどこたで広がっおいくのか、読んでみたくなる䞀篇でした。

あかぱるさんりマいこず資産を増やすために、りマなりに螏み出した「最初の䞀歩」

 䞀番印象に残ったのは、「お金を倱うこずばかり怖がっおいたけれど、䜕もしないたた時間を倱うこずには、ずいぶん無防備だった」ずいう気づきでした。投資を始めた話でありながら、増えた金額ではなく「自分で決めお動けたこず」を倧きな倉化ずしおいるずころに、最初の䞀歩を螏み出した本人だからこその実感がありたす。

 あかぱるさんの文章は、競銬堎で䞀斉にゲヌトが開いおも、隣の銬を気にせず自分のペヌスで走っおいる銬のようです。「りマい話」「りマなり」ず銬を絡めながらも、誰かを远い抜く話にはならない。投資をレヌスではなく「自分たちの暮らしず䞊走する長い旅」ず捉え、途䞭で劻ぞの感謝たで自然に぀ながっおいくずころにも、資産だけを芋おいない枩かさを感じたした。

 読み終えたあずに残ったのは、倫婊で同じ方向ぞゆっくり歩き始める景色でした。投資の知識がなかった人を動かしたのは、難しい理論でも倧きな成功談でもなく、隣にいた劻の䜕気ない䞀蚀。怖くお立ち止たっおいた人が、どうやっお自分の足で最初の䞀歩を螏み出したのか。投資をしおいない人にも重なるものがありそうな䞀篇です。

灯さんルヌズリヌフを買ったけれど

 䞀番印象に残ったのは、孊生以来のルヌズリヌフを前にしお、懐かしさより先に「挢字が思い出せない」ずいう珟実にぶ぀かるずころでした。昔なら圓たり前だった手曞きが、い぀の間にか少し面倒な䜜業になっおいる。その小さな倉化に、自分にも芚えがありたす。

 灯さんの語りは、買ったばかりのルヌズリヌフに思い぀いたこずをそのたた曞き぀けおいくようです。「嘘でしょう」「ええいめんどくさいもうやだ」ず、気持ちが動くたびに文章も䞀緒に動く。その食らなさが、仕事のマニュアル䜜りずいう䜕でもない出来事を楜しくしおいたす。

 読み終えお残ったのは、机の䞊に眮かれた真っ癜なルヌズリヌフの束でした。懐かしい文房具ひず぀から、孊生だった頃ず今の自分ずの距離がふっず芋えおくる。

 久しぶりに手曞きをしようずしただけなのに、なぜか予定どおりには進たない。そんな「あるある」がどこぞ転がっおいくのか、文房具奜きにもデゞタル慣れした人にも芗いおほしくなる䞀篇でした。

灯/チャラ兄さん『隣の垭はずっず、君のもんやで』

 䞀番印象に残ったのは、「゚ッセむで返す いや、曲で返す方が絶察オモロいやろ‌」ず、䌁画の前提を飛び越えおしたうずころでした。しりずりの䞀文字を受け取っお、タむトルだけでなくキャラクタヌ、物語、音楜たで膚らたせおしたう。その発想の広がり方に驚かされたす。

 灯さんの䜜品は、枡された䞀本のバトンから勝手に線路を敷き、電食を぀け、音楜たで鳎らしおテヌマパヌクにしおしたうようです。チャラ兄ずいうキャラクタヌに語らせるこずで、説明たで䜜品䞖界の䞀郚になっおいるのも独特でした。

 読み終えお残るのは、ネオンの流れる倜のドラむブのような賑やかな景色ず、「遊ぶなら培底的に」ずいう熱量です。゚ッセむしりずりで曲たで䜜る人が珟れるずは思いたせんでした。

 「ず」から始たる䞀本のバトンが、どこたで別の衚珟ぞ化けるのか。゚ッセむの枠から少しはみ出した䜜品も芗いおみたい人には、かなり気になる入口になる䞀篇でした。

あかりカフェさんみんな倧奜きタケモトピアノ

 䞀番印象に残ったのは、CMを「飛ばすもの」ではなく、15秒や30秒の小さな䜜品ずしおちゃんず味わっおいるずころでした。テレビではツッコミを入れ、ラゞオでは次のCMを予想し、街で商品を芋぀ければ「あこれヌ」ず静かに興奮する。その楜しみ方がずおも具䜓的です。

 あかりカフェさんの文章は、頭の䞭に昔のCMばかり入ったゞュヌクボックスがあっお、ボタンを抌すたびに別の曲が鳎り出すよう。タケモトピアノから足リラシヌト、ロヌカルCM、日枅焌きそばたで、次々ず蚘憶が再生されおいきたす。

 読み終えるず、自分の䞭にも忘れおいたCMの断片がありそうで、少し蚘憶を探したくなりたした。知っおいる人なら懐かしく、知らなくおも「そんなCMあったの」ず芗きたくなる、CM愛に満ちた䞀篇です。

あかりのフランス🇫🇷さん逃げ堎がないから続くこずもある【囜際結婚の本音】

 䞀番印象に残ったのは、「逃げ堎がなかったから続いた」ず結婚生掻を振り返っおいるずころでした。普通なら「逃げ堎がない」は苊しさずしお語られそうなのに、それが自分には関係ず向き合う理由になったず捉えおいる。その逆向きの芋方が、この゚ッセむの芯になっおいたす。

 あかりさんの語りは、きれいな結婚論を掲げるのではなく、長幎䜿っおきた生掻道具をひず぀ず぀机に䞊べお、「これも効いたし、たぶんこれも」ず確かめおいくようです。愛情だけでなく、距離、環境、金銭面、性栌、そしお打算たで隠さない。「最終的に䞀番楜で快適な方を遞んだ」ず蚀い切るずころにも、理想論に寄りかからない面癜さがありたした。

 読み終えたあずに残るのは、結婚を続けるこずも別れるこずも、倖から単玔に正解を決められる話ではないのだずいう感芚でした。フランスずいう距離のある暮らしの䞭で、「逃げられなかったこず」がどう䞀぀の倫婊の時間に぀ながっおいったのか。囜際結婚の華やかさではなく、その裏偎にある珟実を芗いおみたくなる䞀篇です。

秋颚莉緒さん蚘録ず蚘憶

 䞀番印象に残ったのは、「私にずっおは蚘憶でも、第䞉者にずったら蚘録でしかなくなっちゃう」ずいう䞀文でした。自分なら「桃のパフェを食べた」で、その日の空気たで思い出せる。でも誰かに枡すには、その蚘憶をもう少し文章や写真ぞ茉せなければならない。その違いを「蚘録」ず「蚘憶」で考えおいく芖点が面癜いです。

 秋颚さんは、写真や文章を出来事を保存する箱ではなく、誰かの蚘憶ぞ入っおいく扉のように芋おいるのだず思いたす。だから、完璧に盛れた䞀枚より、少しぶれおいたり、笑いすぎお倉な顔になっおいたりする写真に惹かれる。その写真の向こう偎にある時間たで芋ようずする語りが印象的でした。

 読み終えたあずには、䜕幎か埌に昔の写真を眺めおいる景色が残りたす。䞊手に撮れたかどうかではなく、「このずき、こんなふうに笑っおたな」ず蚘憶が戻っおくる䞀枚。写真や文章に䜕を残したいのか、少し立ち止たっお考えたくなる䞀篇でした。

あきおるひろさんいい「笑い」が起きるのは「緊匵」から「緩和」したずき

 䞀番印象に残ったのは、「笑いは緊匵から緩和したずきに起きる」ずいう話を、理屈だけで終わらせず、文章そのもので実挔しおいるずころでした。もっずもらしくNSCの授業たで持ち出しおおいお「知らんけど」。真面目に聞いおいたこちらの肩を、その䞀蚀でストンず萜ずしおきたす。

 あきおるひろさんの語りは、笑いの仕組みを解説する先生が、黒板にきっちり理論を曞いたあず、自分でバナナの皮を眮いお螏んでみせるようです。結婚匏のスピヌチを説明しおいたはずが、い぀の間にか前倜にプヌさん盞手に真剣な緎習をしおいる。その少しズレた具䜓䟋が、理屈をぐっず身近にしおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、倧阪の日垞䌚話を暪で聞いおいたような気楜さでした。「笑わせよう」ず力むより、真面目な話の隙間から可笑しさが挏れおくる。その感芚を、笑いながら確かめられる䞀篇です。

 「知らんけど」は、なぜ最埌に぀けるだけでちょっず面癜くなるのか。倧阪人には銎染み深すぎるあの䞀蚀を、笑いの仕組みから眺めおみたくなる入口がありたす。

あきたむさん食べたの、だヌれ他、蚈2本

 印象に残ったのは、『食べたの、だヌれ』でのおや぀を「未来の自分ぞの、小さな楜しみ」ず捉えるずころでした。ただのプリンひず぀なのに、そこにはあきたむさんの予定ず期埅がちゃんず詰たっおいる。その小さな幞犏が脅かされるからこそ、本気で腹が立぀のがよく分かりたす。

 䞀方、『円滑にいかない、私の巊腕』では、テニスをしおいないのにテニス肘になり、さらに治すために2300発の衝撃波を受けるずいう理䞍尜さ。あきたむさんの文章は、日垞の「なんでやねん」を拡声噚で実況しおいるようで、぀らい出来事たでどこか可笑しく読たせおくれたす。

 冷蔵庫のおや぀も、蚀うこずを聞かない巊腕も、どちらも思い通りにはならない日垞の話。倧事件ではないのに、「それは腹立぀」「それは痛い」ず䞀緒になっお蚀いたくなる距離の近さが残る二篇でした。

asaさん頌む、私を呌び出さないで他、蚈4本

 4䜜品を通しお印象に残ったのは、目の前の出来事を「そういうもの」で終わらせず、盞手の偎からもう䞀床芋ようずするasaさんの芖点でした。

 「パパずママが迷子です」ず蚀いかねない長男には、困った行動の䞭にある“人ぞ助けを求められる匷さ”を芋぀ける。「かぎの『を』」を教えるはずだった次男からは、「くっ぀きの『を』」ずいう新しい芋方を教わる。そしお、い぀ものクレヌマヌおじいちゃんには、「なぜこんなこずをするんだろう」ず考えたこずで、たったく違う顔が芋えおくる。

 盞手をすぐに決め぀けず、ちょっず角床を倉えお眺めおみる。だから、子どもの蚀い間違いも、昔出䌚った困った人も、誰かずの぀ながりも、少し枩かな話ぞ倉わっおいくのでしょう。

 4本を読み終えるず、お名前の副題にもなっおいる「1ミリ前進」ずいう蚀葉が䌌合う気がしたした。倧きな答えを出すのではなく、日垞の出来事からひず぀気づいお、昚日よりほんの少し芋え方が倉わる。そんな小さな倉化を䞀緒に芋぀けられる4䜜品でした。

朝霞はじめさんスむカバヌを信じろ

 この䜜品で奜きなのは、朝霞倫婊のあいだにい぀の間にか生たれた、ものすごくどうでもいい攻防です。「アむスは家で食べるか、垰りながら食べるか」。おそらく人生には䜕の圱響もありたせん。それなのに半幎かけお同じやり取りを繰り返し、぀いには真倏の垰り道でスむカバヌの耐久性に己のプラむドたで蚗しおしたう。その本気にならなくおいいこずぞの本気っぷりが、なんずも可笑しい。

 「スむカバヌを信じろ」ず自分を錓舞しながら、実際にはい぀もより早足で垰っおいる。その時点でもう勝負にはだいぶ負けおいる気もしたす。それでもカチコチのスむカバヌを掲げお勝ち誇る姿たで含めお、はじめさんの意地ず旊那さんずの距離感がよく芋えるのが魅力でした。

 そしお最埌に残るのは、スむカバヌの味よりも、アむスを挟んで䜕床も同じくだらない䌚話をしおいる二人の景色です。きっず来幎の倏も「溶けちゃう」「いや溶けねえよ」ずやっおいそう。そんな倫婊の日垞をもう少し芗いおいたくなる䞀篇でした。

あさこさんルビヌずガヌネット。二人の誕生石を、これからのお守りに

 䞀番印象に残ったのは、自分ぞの「ご耒矎」ずしお考え始めたリングが、い぀の間にか子どもたちを思い出す「お守り」ぞ倉わっおいくずころでした。華やかさではなく、埩職埌にキヌボヌドを打぀自分の手元で光る姿を想像しおいるずころに、これからの日垞たで芋えおきたす。

 あさこさんの語りは、出来事や気持ちを䞀粒ず぀拟い、それを誕生石のように静かに留めおいくようです。悲しかった時間も、䞍安だった時間も匷く語りすぎず、そのすべおが「無事に䌚えたこずは圓たり前ではない」ずいう思いに぀ながっおいる。

 読み終えたあずには、ただ存圚しないリングが手元できらりず光っおいるような景色が残りたした。二぀の誕生石を遞ぶ時間が、家族のこれたでずこれからを぀なぐ時間になっおいく。ゞュ゚リヌ探しの先に䜕を残したいのか、その思いを䞀緒に蟿りたくなる䞀篇でした。

あさたろさんどうにもならない出来事

 䞀番印象に残ったのは、父芪を亡くした経隓が、䜕幎も埌の出産の堎面で突然よみがえっおくるずころでした。それたでの「あの時もなんずかなった」ずいう人生芳が、䞀床の喪倱によっおもう䜿えなくなっおいる。「倧䞈倫、なんずかなる」ず思いたいのに、なんずかならないこずがあるず知っおしたった人の怖さが、出産の緊迫感ず重なっおいたす。

 先生や看護垫が䞀人ず぀増え、「1.2倍速で動いおいる」、先生がお腹の䞊で「マりントポゞション」になるなど、切迫した堎面でも本人の目に映ったものをそのたた曞いおいるのが、あさたろさんらしい語りでした。栌奜よく劻を支える倫ではなく、カメラを眮いおアワアワし、最埌には「ごめん録画できおないや」。その䞍噚甚さがあるからこそ、家族を倱うかもしれない恐怖が生々しく䌝わっおきたす。

 そしおタむトルの「どうにもならない出来事」が、読み終えるころには少し違っお芋えたした。どうにもならないこずがあるず知ったから、「今日ケンカしたたた、もし明日いなくなったら」ず考えるようになる。

 最埌の「䞖の䞭甘くなんおない。だから俺は、今日も家族を甘やかす。」たで読むず、父芪の死ず子どもの誕生ずいう二぀の蚘憶が䞀本に぀ながりたす。怖さを知った人が、その怖さを家族ぞの優しさに倉えお生きおいる。その䜙韻が匷く残る䞀篇でした。

安達さん暇だったので、工堎をゞムにしたした。

 䞀番印象に残ったのは、「ラックの䞭に垃団を敷いお寝おいた」ずいう匷烈な筋トレ生掻です。安達さん本人は「ちゃんず垃団で寝おいた」ず匁明しおいたすが、問題はそこではない。しかも広い工堎を手に入れた途端、その思い出のラックをあっさり買い替える。この劙に合理的な筋肉愛が可笑しいです。

 ずころが13幎間を振り返っお芋えおくるのは、「継続同じこずを続ける」ではなかったずいう話でした。八畳から工堎ぞ、フィゞヌクからパワヌリフティングぞ、手曞きのノヌトからExcelぞ。飜きっぜいからこそ、「倉え続けたから続いた」ずいう芖点が印象に残りたす。

 そしお最埌たで栌奜いい継続論だけでは終わらず、結局たた「ラックを買い替えたい」に戻っおくる。13幎間倉わり続けおも、筋トレ噚具ぞの欲だけは倉わらない。工堎がどうしおゞムになったのかを蟿るうちに、䞀人の趣味が少しず぀人生の䞀郚になっおいく過皋たで芋えおくる䞀篇でした。

倩野 雫さんそのバトンを・・他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、京さんから䞀本受け取ったバトンを眺めながら、「䞀本じゃなくおもいいんじゃない」ず考え、なぜか私ぞ「を」を3本たずめお投げたずころでした。人ずの぀ながりを䞁寧に語っおいたはずなのに、途䞭からバトンの扱いが豪快になりたす。

 雫さんの語りは、笑顔でラッピングした無茶振りを手枡しおくるようです。「愛を蟌めお3本」「  ね♡」ず柔らかい蚀葉を添えるほど、逃げ道がきれいに塞がれおいく。その優しい圧がなんずも可笑しい。

 そしお二本目では、自分が投げた無茶振りの行方を楜しそうに芋届けおいたす。䞀本のバトンから始たった蚀葉遊びが、い぀の間にか䞉本ぞ枝分かれしお戻っおくる。その埀埩を読んでいるず、しりずりが単なる文字遊びではなく、人から人ぞ蚀葉を枡しお遊ぶ䌁画だったこずがよく芋えおきたした。

 さお、「を」を3本投げられた私は、本圓に埋儀に党郚拟ったのか。そんなバトンの埀埩を芗いおみたくなる二篇です。

雚町せいさん継ぎはぎの枩泉宿。

 䞀番印象に残ったのは、蚘憶を継ぎはぎしお䜜った枩泉宿が、ただの空想の旅先ではなく、珟実から少し離れるための避難堎所のように芋えおくるずころでした。畳、枩泉饅頭、叀い冷蔵庫、ガス灯、赀い橋。どこかで芋た蚘憶の断片を寄せ集めおいるのに、䞍思議ずひず぀の景色ずしお立ち䞊がっおきたす。

 雚町せいさんの文章は、雪の䞊に足跡をひず぀ず぀残しおいくようです。説明を重ねず、景色や感觊をぜ぀りぜ぀りず眮いおいく。その足跡を远っおいるうちは、ただ静かな枩泉街を歩いおいるようなのに、やがお「䜕もしなくおいいずいう、莅沢」や、ひず぀ずしお同じもののない雪の結晶が、単なる颚景描写ではなかったこずに気づかされたす。

 読み終えたあず、最初にあった枩泉饅頭や畳のぬくもりたで、少し切実なものに芋えたした。誰にも知られおいない堎所だからこそ、そこでは䜕者でもなくいられるのかもしれない。なぜ雚町さんは、蚘憶を継ぎはぎしおたで「ここではない堎所」を䜜ったのか。その理由を最埌たで远いたくなる䞀篇です。

アラカンいんこさんたくらもずで花火があがる家 〜旧宅゚アコン、怪音の倏〜

 䞀番印象に残ったのは、真倏の倜、倫婊そろっお垃団の䞭で「どこかで花火があがっおるね」ず話しおいる光景でした。連日の深倜や明け方に花火倧䌚が開催されるはずもないのに、しばらく疑わない。そののんびりした倫婊の䌚話があるからこそ、「いや、その音どこから」のほうが先に気になっおきたす。

 アラカンいんこさんの語りは、叀い家の䞍䟿さをひず぀ず぀取り出しお䞊べる、昔の道具箱を開けるような面癜さがありたす。リモコンを芋おも88床なのか68床なのか00床なのかわからない。壁には䜿えない゚アコンがぶら䞋がり、二階は魚焌きグリル。それでも圓時は、それらず折り合いを぀けながら普通に暮らしおいた。その「今なら笑えるけれど、圓時はこれが日垞だった」ずいう距離感が楜しいです。

 読み終えたあずには、叀い朚造家屋の蒞し暑い寝宀ず、その暗闇に響く「ガン、ボコン、バンバン  パン」ずいう音が残りたした。

 タむトルにある「たくらもずで花火があがる家」。もちろん本物の花火ではありたせん。では、毎晩いったい䜕が鳎っおいたのか。ちょっず怖くお、かなり可笑しい、ひず倏の怪音隒動を芗いおみたくなる䞀篇でした。

アリのママさんうっすら資本䞻矩の山からおりお、ホントの山に匕っ越したい。

 䞀番印象に残ったのは、「資本䞻矩の山を䞋りお、ほんずうの山ぞ」ずいう発想でした。もっず働く、もっず成長する、もっず䞊ぞ。そんな圓たり前のように続いおいる登山を、「そもそも、この山を登らなくおもいいのでは」ず眺め盎しおいたす。

 アリのママさんの思考は、頂䞊を目指しお䞀盎線に登るずいうより、途䞭で立ち止たっお「この道、本圓に自分が歩きたい道だっけ」ず地図を広げ盎すようです。山暮らしぞの憧れから、䟿利さ、競争、遞択肢、そしお自分が本圓に枛らしたいものぞず、静かに問いが移っおいく。その考え方の動きが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、山頂の景色ではなく、荷物を少しず぀䞋ろしお身軜になっおいくような感芚です。

 䟿利な堎所を離れお山で暮らしたい――そんな倧胆な劄想から始たった話が、い぀の間にか「自分にずっお快適に生きるずは䜕だろう」ずいう問いぞ぀ながっおいく。今いる山をちょっず芋枡しおみたくなる䞀篇でした。

RRさんずりあえず座らせおほしい

 䞀番印象に残ったのは、「愛ずは、おもいものなのか。」でした。仕事を終えお、ただ座りたい人の䞊ぞ容赊なく乗っおくる二匹のチワワ。「重い」ず「想い」が、疲れ切った䜓の䞊で重なっお芋えたす。

 語り口は、疲劎でだんだん語圙たで省゚ネモヌドに入っおいくようです。「きらんきらん」ず期埅する犬たちに察しお、「だらんだらん」「たぷんたぷん」「どしんどしん」ず厩れおいく飌い䞻。この擬音の応酬だけで、玄関先の光景ず䜓力ゲヌゞの残量たで芋えおくるのが面癜いです。

 読み終えお残るのは、ぞずぞずになっお垰った人ず、そんな事情など䞀切知らず目を茝かせる二匹の姿。タむトルの「ずりあえず座らせおほしい」が、読み始めたずきよりずっず切実に聞こえおくる䞀篇でした。

アル䞭4号さんただの倏、じゃ぀たらん。

 䞀番印象に残ったのは、家系ラヌメンを「食いおえ」ず思った瞬間を、そのたた倏の終わりずしお捉えおいるずころでした。気枩でも暊でも蝉の声でもなく、自分の食欲が戻ったこずで季節の境目を知る。その感芚が具䜓的で、「ああ、倏っおこうやっお終わるこずもあるな」ず思わされたす。

 アル䞭4号さんの文章は、䜓枩蚈の代わりに胃袋で季節を枬っおいる日蚘のようです。ざるうどん、ざるそば、そうめん、サラダ、炭酞氎ず、倏に削られおいく暮らしをずらずら䞊べたあず、最埌に家系ラヌメンがぜんず珟れる。その䞀杯が季節の暙識になる構成が面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、猛暑の真ん䞭でずっず冷たい麺をすすっおいたアル䞭4号さんが、ふず濃い味を欲しがる倕方の景色でした。倧げさな倏の思い出ではないのに、だからこそ倏らしい。季節の終わりをこんなずころで拟えるのかず、ちょっず真䌌しお自分の「倏の終わり」も探したくなる䞀篇です。

iamyouさんフィナンシェずマドレヌヌで自由研究

 䞀番印象に残ったのは、「味、䞀緒。バカ舌」で、自由研究がほが終わっおしたうずころでした。フィナンシェずマドレヌヌの違いを調べるずいう、ちゃんず研究になりそうな題材なのに、実隓方法は食べる、原材料を芋る、たた食べる。そしお結論は「どっちも矎味しかったです」。朔いほど研究が深たりたせん。

 でも、この深掘りしなさこそが面癜い。原材料の違いたで芋぀けお「ぞぇ〜」ずはなるものの、そこから考察するでもなく「もぐもぐ 」。知識欲より食欲が垞に䞀歩前を歩いおいる語りに愛嬌がありたす。

 読み終えたあずに残るのは、倏䌑みの自由研究ずいうより、おや぀を食べながら「せっかくだから調べおみた」くらいののんびりした午埌の景色。フィナンシェずマドレヌヌの違いが分かる文章ではありたせん。むしろ最埌たで分からない。そのくだらなさごず楜しめる、短くお軜やかな䞀篇でした。

生駒たれさんどせいさんに癒された2026 倏

 䞀番印象に残ったのは、「私は䜕幎経っおも暪から芋おいる」ずいう蚀葉でした。1994幎は効が遊ぶFFⅥを暪から芋お、2026幎は嚘が遊ぶMOTHER2を暪から芋る。自分ではプレむしおいないのに、30幎以䞊離れた二぀の倏が同じ姿で぀ながっおいきたす。

 その間を埋めるのが、どせいさんぞの劙に现かい愛情です。手塚治虫のスパむダヌやマむクラのストラむダヌたで「むダシ科 オゞ目」に分類したり、「満足しおいなかったのかも知れないたす」ずどせいさん語が䟵食しおきたり。奜きなものを語るずきの寄り道たで楜しそうで、その人らしい熱量が䌝わっおきたす。

 そしお最埌には、「暪から芋おいる」こずが脇圹ではなくなっおいく。昔は効の隣、今は嚘の隣。自分が䞻人公ずしお遊ばなくおも、誰かず同じ画面を眺めた時間はちゃんず自分の思い出になる。長い時間を経おようやく䌚えたどせいさんの可愛さず、芪子二代の倏䌑みが重なっお残る䞀篇でした。

いさなさん「のこらないもの」を残したかったわたしが、残るものに執着しおいる

 䞀番印象に残ったのは、「残らないものを残しおおきたい」ずいう写真の話が、い぀の間にか1280䞇円のキャンピングカヌぞ぀ながっおいくずころでした。最初は過ぎおいく時間を蚘録する話だったのに、読み進めるうちに、今床はこれから䜜る時間を手に入れようずしおいる。過去を保存する話ず未来を欲しがる話が、最埌には同じ堎所ぞ戻っおくる構成がきれいでした。

 いさなさんの文章は、思い出をしたっおおくアルバムをめくっおいたはずなのに、途䞭から未来の旅行パンフレットたで同じ机に広げ始めるようです。写真、冷蔵庫の䞋曞き、宝くじ、ミニロト、ランクルず、話はかなり遠くたで寄り道するのに、その党郚が「残したい時間」ずいう䞀本の糞で぀ながっおいる。自分の執着や滑皜さたで隠さず曞いおいるから、倢の話がきれいごずだけにならないずころも面癜かったです。

 読み終えたあずに残ったのは、朝焌けや倕焌けの䞭を、家族ず䞀緒に走るキャンピングカヌの景色でした。でも、そこぞ蟿り着くたでにはかなり泥臭い。写真を撮るこずから始たった話が、なぜミニロトの圓遞番号を確認するずころたで行くのか。その寄り道ごず読んでみたくなる䞀篇です。

石塚玲さん飛行機を芋䞊げるず心が軜くなるのはなぜ

 䞀番印象に残ったのは、飛行機そのものではなく、「飛行機の音がしたから顔を䞊げた」ずいう小さな動きでした。悩んでいるずきには灰色のアスファルトばかり芋おいたのに、ほんの少し銖の角床が倉わるず、青空ず癜い雲が目に入っおくる。心の状態を説明するのではなく、芖線の高さで芋せおいるずころが印象に残りたす。

 石塚さんの文章は、公園を歩きながら考え事をしおいる人の隣を、䞀緒に歩いおいるようでした。「゚ッセむっおなんだろう」から始たり、随筆の意味に銖をかしげ、人生は意倖ずテキトヌでいいのかもしれないず寄り道しながら歩いおいく。その肩の力が抜けた語りだからこそ、深刻になっおいた時間の話も重くなりすぎず、ふず空を芋䞊げた瞬間が自然に入っおきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、灰色の地面から青い空ぞ芖界が切り替わる景色でした。䜕かが劇的に解決したわけではなくおも、芋おいる方向ひず぀で気持ちが少し倉わるこずがある。今床飛行機の音が聞こえたら、぀られお空を芋䞊げおしたいそうになる䞀篇です。

いずitoさんきっず人生、そんなもん

 䞀番印象に残ったのは、電車の䞭で起きたちょっずした気たずさが、たった䞀蚀でふっずほどける堎面でした。垭を譲るずいう芪切が、盞手によっおは「幎寄り扱いされた」に倉わっおしたう。その危うい空気を、さらっず別の意味ぞ着地させる返しが鮮やかで、「そんな蚀い方あるんや」ず感心したした。

 いずさんの文章は、友達から「聞いお聞いお」ず勢いよく実話を聞かされおいるようです。「でねでね」「めっちゃ玠敵じゃないですか」ず感情がそのたた文章になっおいお、出来事を敎然ず説明するずいうより、興奮ごず手枡しおくる。その勢いのおかげで電車の䞭で䞀緒に目撃しおいたような気分になりたす。

 読み終えたあずに残るのは、芪切っお案倖むずかしいな、ずいう可笑しさでした。良かれず思った行動が思わぬ方向ぞ転がるこずもあるし、そこを救うのは気の利いた䞀蚀だったりする。電車で芋かけた芋知らぬ人のやり取りが、なぜここたで曞き手を悩たせたのか。その続きをちょっず聞きたくなる䞀篇です。

田舎暮らしの8代目の嫁ノンナさんはるかな倜道で芋぀けた灯り

 䞀番印象に残ったのは、暗い囜道の先に芋える䞀軒の灯りを、「ここにも人が䜏んでいる」ずいう確認ずしお芋おいたずころでした。ただ明るいから安心するのではなく、その向こうにも誰かの䞀日や暮らしがあるず想像する。その芖線に、ノンナさんのやさしさがよく出おいる気がしたす。

 ノンナさんの文章は、真っ暗な山道を走る車のヘッドラむトみたいでした。遠くたで党郚を照らすわけではないけれど、目の前にある灯りや蚘憶をひず぀ず぀拟いながら進んでいく。キャンプのランタン、家の明かり、宿舎の蛍光灯ず、同じ「灯り」が少しず぀違う意味を持っお珟れるので、読みながら気持ちたでゆっくりほどけおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、倜の山あいに点々ず浮かぶ小さな灯りの景色でした。誰かの家の明かりも、自分で぀ける郚屋の明かりも、それぞれの䞀日を支えおいる。暗い道の途䞭で芋぀けた灯りが、どこたで心を連れおいったのか。その静かな䜙韻をたどっおみたくなる䞀篇です。

犬ずコヌヒヌず静かな暮らしさんかっこ぀けたいお幎頃

 䞀番印象に残ったのは、「おんおんがい぀も頑匵っおるのが䌝わっおくるからだよ」ずいうFさんの蚀葉でした。掟手に励たすでも、䜕かを教えるでもなく、ただちゃんず芋おいたこずを䌝える。その䞀蚀が、圓時いっぱいいっぱいだった曞き手をどれほど救ったのかが、そのあずの「錻の奥がツンずなった」で静かに䌝わっおきたす。

 犬ずコヌヒヌず静かな暮らしさんの文章は、昔の写真を䞀枚ず぀アルバムから取り出しながら、その頃は気づかなかった意味を今の自分で芋぀け盎しおいくようです。スヌパヌぞ自転車を飛ばし、子どもの迎えにも走るFさんの姿や、「おんおん」ずいう呌び名の可愛さたで残っおいるから、憧れの人がきれいな人物像ではなく、ちゃんず生掻しおいた䞀人の人ずしお芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、「かっこいい倧人」ずは䜕だろうずいう、少しあたたかい問いでした。昔、自分を支えおくれた人ず同じ幎霢になったずき、人はその背䞭をどう芋盎すのか。そしお今床は、自分が誰かにずっおそんな存圚になれるのか。タむトルの「かっこ぀けたい」が、読み終える頃には少し違う響きに聞こえおくる䞀篇です。

irohaさんノヌトずnoteで遊んだ倏

 䞀番印象に残ったのは、「販売再開ずいう最初の目的は、ただ途䞭。でも、止たっおいたわけじゃなかった」ずいうずころでした。思い描いおいた道を進めおいないず、぀い「䜕もできおいない」ず考えおしたう。でも振り返れば、料理を䜜り、写真を撮り、雑誌たで䜜り、別の道がいく぀も䌞びおいた。その気づきが玠敵です。

 Irohaさんの文章は、玙のノヌトに奜きな写真や蚀葉を貌っおいくコラヌゞュのようでした。䞀芋ばらばらに芋えるハンドメむド、料理、おうちカフェ、䜓調の蚘録、noteでの出䌚いをひず぀ず぀䞊べおいくず、それがそのたた「今の自分」の圢になっおいく。曞くこずず䜜るこずが、きれいに分かれおいないずころにもIrohaさんらしさを感じたす。

 読み終えたあずに残ったのは、予定しおいた道から倖れおも、そこで芋぀けたものを拟いながら歩けば、それもちゃんず前進なのだずいう明るさでした。

 玙の「ノヌト」で自分のトリセツを䜜っおいた人が、もうひず぀の「note」では䜕を芋぀けたのか。二぀のノヌトが重なっおいく倏を芗いおみたくなる䞀篇でした。

Intentusさんたぶん誰も困っおいない穎を、今日も掘っおいる人間

 䞀番印象に残ったのは、「珟代の日垞颚景を叀代゚ゞプト壁画の文法で衚珟したい人なんお、どこにいるんだ」ず自分で気づきながら、それでも掘るのをやめないずころでした。需芁を探しおから䜜るのではなく、気になったものを掘り尜くしおから「これ誰か芁りたす」ず顔を出す。その順番のおかしさを、Kaiさん本人がいちばん面癜がっおいたす。

 Kaiさんの文章は、地図にない堎所ぞ調査隊を送り蟌むようです。「なんで」が䞀぀出るたびに奥ぞ進み、䟋倖を芋぀ければさらに脇道ぞ入り、気づけば誰も頌んでいない叀代゚ゞプト壁画の研究が始たっおいる。その寄り道を無駄ずしお切り捚おず、「じゃあ、この掘ったものをどう持ち垰るか」ず次の問いに倉えおいくずころが面癜いです。

 読み終えたあずには、誰にも頌たれおいない穎を黙々ず掘る人の背䞭が残りたした。圹に立぀かどうかは埌回し。でも、その無駄にも芋える寄り道から䜕かが生たれるかもしれない。叀代゚ゞプトの壁画から始たった穎が、どこたで深くなったのか芗いおみたくなる䞀篇です。

U君色文庫さん総歊線、始発電車、朝光に散りぬる。

 䞀番印象に残ったのは、「朝光に散りぬる」ずいう矎しいタむトルが、本文を読み終えたあずにたったく別の茝きを垯びるずころでした。東雲、黄泉の囜の戊士、朝光、井䞊陜氎。ひず぀間違えばただの惚事で終わる蚘憶に、これでもかず文孊ず比喩を重ねおいく。その倧仰さが出来事のくだらなさを隠すどころか、むしろ茪郭をくっきりさせおいたす。

 Uさんの文章は、黒歎史を九千局のパむ生地で包み、その䞀枚䞀枚に別の比喩を塗っお焌き䞊げおいるようでした。うなぎパむからバファリンぞ飛び、出川哲朗や竜ちゃんが乱入したかず思えば、最埌には朝の光たでちゃんず回収される。連想は奜き攟題に暎れおいるのに、文章そのものは厩れない。その「ふざけるために、きっちり曞く」匷さが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、誰もいない始発電車ず、倏の朝の癜い光でした。恥ずかしい蚘憶ほど、時間ず文章を通すこずで矎しく芋えおしたう。その可笑しさたで含めお、これはかなり莅沢な黒歎史です。タむトルの「散りぬる」が䜕を指しおいるのかは、知らないたた読みに行っおほしい䞀篇でした。

ノィオラさんカナダず蚊に぀いお思うずころ

 䞀番印象に残ったのは、「カナダずいえば蚊」ずいう、日本にいるずたず出おこない入口でした。雄倧な自然やメヌプルシロップではなく、たず蚊。そこから蚘録的な雚量、庭仕事、倜䞭の「ぷ〜ん」たで、カナダ暮らしの倏が身近になりたす。

 ノィオラさんの文章は、海倖生掻のフィヌルドノヌトに家庭内の呟きを曞き蟌んでいくようです。ヘラゞカたで危険にさらす蚊の話に怯えたかず思えば、「倫は危機感なくドアを開ける」「カナダ人は矎味しくないのか」ず日垞の笑いぞ戻っおくる。その振れ幅が楜しいです。

 読み終えたあずには、広いカナダの森よりも、蚊から逃げながら庭や家の䞭を行き来する倏の暮らしが残りたした。「カナダの倏っお実際どんな感じ」ずいう入口から読むず、芳光案内ではたず出䌚えない景色を芗ける䞀篇です。

䞊田さん爪楊枝ず劻甚事他、蚈4本

 4䜜品を読んで䞀番印象に残ったのは、「それ、わざわざ文章にする」ずいうものたで本圓に曞いおしたうずころでした。劻の甚事から爪楊枝ぞ行き、肘を指で匟いた「び〜んっ」だけで䞀本曞き、最埌には「団地劻」ずいう響きだけをしみじみ味わう。題材のくだらなさに察する躊躇がありたせん。

 䞊田さんの文章は、道端で倉な石を芋぀けるたびに拟っおポケットぞ入れおいく人のようです。䜕の圹に立぀のかは分からない。でも本人が面癜がっおいるので、こちらたで「ちょっず芋せお」ず芗き蟌みたくなる。その䞀方で『ビリヌ・ザ・キッド』では、突然1881幎の西郚劇たで始たる。この振れ幅も油断できたせん。

 4本を読み終えお残るのは、「゚ッセむのネタっお、このくらいでいいのかもしれない」ずいう安心感でした。倫婊の䌚話も、肘の感觊も、昔から劙に気になる蚀葉も、拟えば文章になる。

 次は䜕を拟っおくるのかたったく予想できない。そんな、くだらないものほど芗いおみたくなる4䜜品でした。

usotsukimaniaさん五十目前にしお惑いたくる脳みそのなか

 䞀番印象に残ったのは、50歳を目前にしお「ちゃんずしなきゃ」ず焊りながら、そもそも「ちゃんずしおるのちゃんずっおなんだよ」ず自分でひっくり返しおしたうずころでした。半䞖玀ずいう数字の重さに怯えおいるのに、その暪ではい぀もの自分がずっずツッコミを入れおいる。その脳内の隒がしさが、そのたた゚ッセむになっおいたす。

 「四十にしお惑わず」どころか、メンタルは暎れるし、謎の結婚したい衝動にもかられる。そんな自分を盎そうずするのではなく、「いいのかよ、こんな50歳ができちゃっおさ」ず笑っおしたうずころに、usotsukimaniaさんらしさを感じたした。

 そしお読み終えるころには、あれほど重たかった50歳が、なぜか「ちょっず楜しそうなもの」に倉わっおいたす。䞍惑にはなれそうもない。でも、惑いたくる自分のたた五十代ぞ突入するのも悪くない。幎霢ずいう倧きな節目を前にした䞍安ず期埅が入り混じり、最埌には「どこからでもかかっおきおよね、五十代」ず迎え撃぀。その頌もしさたで楜しい䞀篇でした。

うたさんドヌパミン・ファミリヌ

 䞀番印象に残ったのは、「ドヌパミン・ファミリヌ」だず思っおいた父嚘の関係が、読み進めるうちに少しず぀違っお芋えおくるずころでした。アナログだったお父さんがむンスタを始めた衝撃を「父」ず党力で笑い、勝手に自分ず同じドヌパミン䞭毒ぞ認定する。その身内だからこその遠慮のない語りが楜しいです。

 ずころが、お父さんの投皿しおいる野菜や花、その向こうにある畑仕事や若者ずの亀流を知るず、「スマホばかり芋おいる父」ずいう最初の印象が倉わっおいく。SNSを䜿うこず自䜓ではなく、その画面の向こうで䜕ず぀ながっおいるのかを芋る芖点が印象に残りたした。

 最埌に残るのは、67歳になっおも新しいものに觊れ、若い䞖代ず亀流する父芪を芋぀める嚘の、少し誇らしくお安心した気持ち。笑える「父のむンスタデビュヌ」から、思いがけず父芪を芋盎しおいく。その倉化を䞀緒にたどりたくなる䞀篇でした。

う぀わものさんルンルン気分でコミュニケヌションをずれなくおも幞せな人はいる

 䞀番印象に残ったのは、2011幎のフヌタヌズで、勇気を振り絞っお倖囜人のお姉さんに話しかけた第䞀声が「今日暖かいけど明日たた寒くなるっお」だったずころです。せっかく意を決したのに、出おきたのが倩気の話。この䞍噚甚さが愛おしい。

 う぀わものさんの語りは、昔のアルバムをめくりながら、写り蟌んだ自分ぞ逐䞀ツッコミを入れおいるようです。圓時の無瀌さや調子に乗っおいた自分たで隠さず、「今だったら絶察そんなこずはしない」ず珟圚の自分から眺め盎す。その距離があるから、単なる懐かしい思い出話ではなく、十数幎で倉わったものず倉わらなかったものが芋えおきたす。

 読み終えお残るのは、競銬堎や赀坂の倜そのものより、長い付き合いの䞍思議さでした。頻繁に䌚わなくなっおも、あの頃぀ながった人たちずの瞁は今もどこかで続いおいる。

 「俺はコミュ障だからさあ  」ずいう䞀蚀から始たっお、本圓にコミュニケヌションが埗意な人ずはどんな人なのかたで考えさせられる。人付き合いが埗意ではない二人の十数幎を芗いおみたくなる䞀篇でした。

うどじょさんドナルドダックよ、いずこぞ

 䞀番印象に残ったのは、お父さんから「お前に䌌おる」ず枡された、ブチギレながら前傟姿勢で突進するドナルドダックの匁圓箱です。最初は笑える小道具だったはずが、理䞍尜な職堎で黙っおいられず、「䜕時代の話ですか」ず突っ蟌んでしたう20代の自分ず重なり、「無差別ドナルドダック期」ずいう名前たで぀いおいく。この自分の䞍噚甚さをキャラクタヌに重ねお笑いぞ倉える語り方が面癜いです。

 十幎䜙り経った珟圚の職堎では、「でっかいアリ捕たえた」ず盛り䞊がるほど穏やかな日々。あのドナルドはどこぞ行ったのかず考えるうちに、昔の自分を懐かしく眺めおいるような䜙韻が残りたした。

 そしお最埌にちらりず芋える、お父さんずの共通点。性栌は䞞くなったのか、それずも今は突進する盞手がいないだけなのか。怒れるドナルドダックの行方ず䞀緒に、その答えを確かめたくなる䞀篇でした。

UMIさん歳をかさねる日の過ごしかた

 䞀番印象に残ったのは、誕生日に「䜕をするか」ではなく、「䞀日䞭、本を読む」ずいう時間そのものを自分ぞの莈り物にしおいるずころでした。

 本を読んでいたら、もっず本が読みたくなる。読曞動画を芋れば、8時間読んでみたくなる。積読を眺めれば、それもたた楜しみに倉わる。UMIさんの読曞欲は、䞀冊開くたびに次の扉が珟れる図曞通のようです。静かな文章なのに、その奥ではかなり旺盛な奜奇心が動いおいるのが䌝わっおきたす。

 読み終えお残ったのは、積み䞊がった本ず、そのそばにある小さな灯りの景色でした。歳を重ねる日は祝っおもらう日でもありたすが、自分のために時間を䜿う日でもいい。そんな誕生日が少し矚たしくなりたす。

 「手元の光で闇を照らす」ずいう読曞の捉え方から、自分なら歳を重ねる䞀日をどう過ごしたいだろう、ず考えたくなる䞀篇でした。

梅星ぎりかさん筆が乗らずずも慣れで曞けるようになっおしたった

 䞀番印象に残ったのは、「曞けない」ず「曞かない」を同じにしおいないずころでした。倏バテで筆が乗らなくおも、䞋曞きから曞けそうなものを探し、千字くらいに軜くしお、50字オヌバヌなら「端数、端数」で枈たせる。調子の悪さに合わせお曞き方のほうを少しず぀倉えおいるのが面癜かったです。

 梅星ぎりかさんの文章は、長幎䜿っおきた台所で、目分量のたた料理を䜜っおいるようでした。今日は火を匱めよう、これは少し残そう、ず肩肘匵らずに加枛しおいく。でも出来䞊がるものには、ちゃんずい぀もの味がある。「文䜓の型もほがほが定たっおいる」ずいう蚀葉にも、䞀幎半曞き続けおきた人ならではの手぀きが芋えたす。

 読み終えたあずに残ったのは、絶奜調でなくおも机に向かえる人の静かな匷さでした。勢いで続けるのではなく、しんどい日はしんどい日の曞き方を知っおいる。そんな話を読んでいるうちに、い぀の間にか「筆」から始たるバトンたでこの文章の䞭ぞ銎染んでいる。その自然さも含めお、曞き続けるこずの裏偎を芗いおみたくなる䞀篇です。

うろさん猛暑を避け、しりずり

 䞀番印象に残ったのは、認知症予防のために始めたしりずりで、第䞀声から「岞田森」を出しお即終了しおしたうずころでした。脳を鍛えるはずが、ゲヌムを始めるずころたで蟿り着かない。その䞀発だけで十分に可笑しいです。

 しかも「八十幎代リアルロボット瞛り」「日本ず䞖界の異様系名優瞛り」ず、普通のしりずりでは満足しない。早朝の散歩䞭に寝がけながら、わざわざ難易床を䞊げお自滅するずころに、うろさんならではの趣味ず遊び心が詰たっおいたす。

 わずかな文章なのに、猛暑を避けた早朝の道を歩きながら、ひずり「岞田森」ず口にしお「あ  」ずなっおいる姿たで浮かんでくる。長く語らず、䞀発の倱敗だけ眮いお去っおいく。その朔さたで含めお味わいたくなる䞀篇でした。

運呜デザむンラボさんたたたた、は運呜だった

 䞀番印象に残ったのは、「たたたた」ずいう蚀葉を人生論ぞ広げながら、最埌たでたこ焌きがし぀こく居座っおいるずころでした。偶然ず運呜に぀いおかなり真面目に考えおいるのに、ずきどき゜ヌスの匂いが戻っおくる。その高䜎差が、この䜜品の面癜さになっおいたす。

 運呜デザむンラボさんの文章は、哲孊の講矩をしおいた先生が、黒板の端にずっずたこ焌きの萜曞きを残したたた話しおいるようです。「人生の分岐点にはテロップが出ない」「たたたたは運呜の材料」ず考えを深めおいく䞀方で、プリンやたこ焌きぞ平然ず脱線する。壮倧な話を日垞の食欲たで匕き戻すこずで、運呜ずいう蚀葉が急に身近に感じられたした。

 読み終えたあずに残るのは、自分にも「あれが始たりだった」ず埌から気づいた出来事があったかもしれない、ずいう感芚でした。その瞬間にはただの偶然だったものが、あずから䞀本の道に芋えおくる。では、今回の「た」ずいう䞀文字はどこたで話を連れおいったのか。たこ焌きから始たる運呜論の行方を远いたくなる䞀篇です。

営業パパさんうちの嚘、ミニ劻。

 䞀番印象に残ったのは、自分が嚘に教えおきたはずのこずを、い぀の間にか嚘から泚意される偎になっおいるずころでした。「パパ、歩きながら歯磚きしないよ」。教育ずいう名で投げ続けた蚀葉が、特倧のブヌメランになっお垰っおきたす。

 しかも嚘は、泚意する内容だけでなく劻の「怒らず、笑顔で盞手を動かす技術」たで受け継いでいる。3歳にしおパパの取扱説明曞を読み終え、次の行動たで先回りしおいるような語りが可笑しいです。

 読み終えお残るのは、劻ず嚘に掌の䞊で転がされながら、それをどこか嬉しそうに眺めおいる営業パパさんの姿でした。

 嚘はい぀、母芪の技を芚えたのか。そしお営業パパさんは、なぜこれほど簡単に操られおしたうのか。家庭内で着々ず誕生し぀぀ある「ミニ劻」を芗いおみたくなる䞀篇です。

Ejii✩3さんしんれヌしぜっず

 䞀番印象に残ったのは、3歳の子が「心霊スポット」ずいう難敵に、䜕床も挑み続けるずころでした。惜しいずころたで行ったず思えば遠ざかり、たた近づく。その䞀生懞呜さを、隣で実況䞭継するように拟っおいく語りが楜しいです。

 蚀葉を芚えおいく途䞭の子どもは、ずきどき倧人には䜜れない蚀葉を生み出したす。この䜜品は、そんな偶然の䞀瞬を虫取り網でそっず捕たえたような゚ッセむでした。

 読み終えたあずに残るのは、怖いはずの心霊スポットずは正反察の、芪子が蚀葉遊びをしおいる倏の倕暮れ。たった䞀぀の蚀葉をうたく蚀えなかっただけなのに、家族の蚘憶ずしお残しおおきたくなる時間ぞ倉わっおいたす。

 はたしお3歳児は「心霊スポット」たで無事たどり着けるのか。䜕床でも蚀い盎す小さな挑戊者を、぀い䞀緒に応揎したくなる䞀篇でした。

江田島獄長さん黄身が嫌いなママ

 䞀番印象に残ったのは、黄身を「芪の仇くらい抌しお抌しお抌しお」焌くずころでした。生卵が嫌い、で終わらず、その嫌い方にたで勢いがある。子どもたちから「黄身が嫌いなママ」ず呌ばれ、それをママも気に入っおいるのも埮笑たしいです。

 江田島獄長さんの文章は、台所で料理をしながらそのたた話しかけられおいるよう。黄身の話をしおいたず思えば、「䜕の話でしたっけ」ず脱線し、しりずりぞ戻っおいく。その自由なおしゃべりのテンポが魅力でした。

 TKGずいう身近な食べ物ひず぀から、奜き嫌いず家族の日垞が芋えおくる。読み終えたあずには、カチカチに焌かれた黄身ず、それを囲んで笑っおいる家族の食卓が残る䞀篇でした。

えだためちゃんさんルビヌの響き

 䞀番印象に残ったのは、「る」から始たる蚀葉を探しおいたはずが、最埌に芋぀かったのが蚀葉ではなく、父の歌声だったずころです。テレビから流れた䞀曲が、焌き肉の倜やカラオケボックス、嬉しそうに歌を聎く母の姿たで連れおくる。その蚘憶の぀ながり方がずおも自然でした。

 えだためちゃんさんの文章は、叀いレコヌドにそっず針を萜ずすようです。ひず぀の音から、忘れおいた家族の景色が少しず぀立ち䞊がっおくる。特に「父の声が奜きで結婚した」ずいう母の蚀葉を、子どもの頃ず今ずで違う角床から受け取っおいるずころに、時間を重ねお曞く゚ッセむの良さを感じたす。

 読み終えたあずには、昔のカラオケボックスの小さな郚屋に、家族四人の声がただ残っおいるような枩かさがありたした。懐かしい䞀曲から、本人も忘れかけおいた倧切なものがほどけおいく。そんな蚘憶の響きを静かに蟿る䞀篇です。

゚ッセむのようなものさんロヌドサむド

 䞀番印象に残ったのは、「パヌクサむド」ずいう䜕の倉哲もない蚀葉から、ここたで思考を広げられるこずでした。「いや、公園によるだろ」ずいう疑問なんお、蚀われれば確かにそうなのに、自分ではたぶん䞀生立ち止たらなかったず思いたす。

 この䜜品の面癜さは、どうでもいい違和感をどうでもいいたた攟眮しないずころ。「マンションごずきがシティを名乗るな」ず急に説教を始めたり、芞人のコンビ名ぞ話が飛んだり、テセりスの船たで持ち出したり。思考はあちこちぞ寄り道するのに、語っおいるナガタさんはずっず倧真面目です。その理屈っぜさが、文章そのものの面癜さになっおいたした。

 読み終わっお残ったのは、「身の回りには、ただ考えおいないだけの倉なものが倧量にあるんだろうな」ずいう感芚です。マンションの名前なんお昚日たで背景の䞀郚だったのに、䞀床「その情報いる」を怍え぀けられるず、もう少し眺めおみたくなる。

 䜕でもない蚀葉を拟っお、し぀こく考えお、思いもよらないずころたで連れおいく。その思考の散歩に぀いおいくのが楜しい䞀篇でした。

゚ヌキミカさんすくすく育お「すごいお幎玉」

 䞀番印象に残ったのは、お正月のポチ袋に入っおいた「たご」ずいうカヌドが、八月になっお本物の小さな呜ずしおやっおきたずころでした。「すごいお幎玉」ずいう蚀葉が、半幎以䞊かけお完成したように感じたす。

 そしお、赀ちゃんの可愛さだけではなく、哺乳瓶を掗う長男の背䞭を芋お「倫婊から家族になったんだなぁ」ず感じる芖点が印象的でした。自分が育おた息子が今床は父芪になり、か぀お子育おをしおいた自分は祖母になる。赀ちゃんの誕生を通しお、家族が䞀䞖代先ぞ進んでいく景色が芋えおきたす。

 それでも前ぞ出すぎず、「倖野で固い守備を敷いお芋守っおいる」ずいう距離感が玠敵です。抱っこしたくなるほど近くにいたい気持ちず、新米父母を尊重しお少し離れおいたい気持ち。その䞡方が䌝わっおくる、家族がひず぀増えた喜びに満ちた䞀篇でした。

えむのマむトンさんクラスにひずり、オクラ蟲家他、蚈4本

 4䜜品を通しお印象に残ったのは、䜕でも「遊び」に倉えおしたうマむトンさんの芖点でした。オクラ蟲家になりたかった子ども時代から、ティッシュ字の垫範になった珟圚たで、䞀芋するず䜕の぀ながりもないのに、マむトンさんの䞭ではずっず「面癜そうだからやっおみる」で続いおいるように芋えたす。

 特に『ルヌルは身の䞈たで』にあった、「プロに任せればもっず栌奜いい本になったかもしれない。でも、垫範が䜜った本は出来なかった」ずいう感芚が印象的でした。できるかどうかより、やりたいから䞀床やっおみる。その積み重ねが、い぀の間にか昚日たでの「身の䞈」を倉えおいるのでしょう。

 そしお゚ッセむしりずりたで、「奜きな曞き手に堂々ず曞いおくださいず蚀える告癜の堎」ずしお楜しんでしたう。自分が遊ぶだけでなく、面癜い人を芋぀ければ巻き蟌み、その人の䜜品たで嬉しそうに玹介するずころにも、マむトンさんならではの賑やかさがありたす。

 最埌に残るのは、『楜しければええやん』ずいう蚀葉です。遠回りも倱敗も「なんのはなしですか」も党郚抱えたたた、面癜そうな路地裏ぞ入っおいく。その先に䜕があるのか、䞀緒に぀いお行きたくなる4䜜品でした。

゚ルザスさん矎しい光景ず、赀ちゃんず、あこがれ

 䞀番印象に残ったのは、赀ちゃんが窓の倖ぞ䌞ばす手を芋お、「あこがれずは、䞖界に矎しさを芋出す県差しなのではないか」ず考えおいくずころでした。䜕気ない朝のカフェの景色が、ひず぀の蚀葉を通しお少しず぀深たっおいきたす。

 ゚ルザスさんの文章は、朝の光が窓蟺を少しず぀照らしおいくようです。赀ちゃんの仕草から「憧れ」ず「憬れ」ずいう挢字ぞ進み、そこから倧人になるず芋萜ずしおしたう䞖界の茝きぞ。説明で抌すのではなく、光が差す堎所を少しず぀広げるように思考を進めおいきたす。

 読み終えたあずには、ガラス窓の向こうにきらめく公園ず、その景色ぞ手を䌞ばす小さな姿が残りたした。芋慣れた䞖界も、誰かの「あこがれ」を通すず、もう䞀床矎しく芋えおくる。そんな䜙韻のある䞀篇です。

AngelMimo Journal @NYCさんうどん、冷麊、そうめん、そば、冷麺の倏

 䞀番印象に残ったのは、讃岐うどんを買いに行ったはずなのに、隣にあった「讃岐冷麊」を芋぀けた瞬間、子どもの頃の蚘憶ぞ぀ながっおいくずころでした。癜い麺に混じっおいたピンクず緑。味そのものより、こういう小さな色の蚘憶のほうが、昔の倏を突然連れおくるこずがありたす。

 ニュヌペヌクの食卓から始たり、゜ヌホヌのうどん屋、日本食材店、子どもの頃の冷麊ぞ。麺を䞀本すすったら、そのたた時間ず堎所たで぀る぀る匕っ匵られおきたような語りが楜しいです。特別な出来事ではないのに、今の暮らしず昔の蚘憶が自然に同じ食卓ぞ䞊んでいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、暑い日の台所ず、冷たい麺の涌しげな景色でした。幎霢ずずもに奜みが少しず぀倉わっおも、倏になるず食べたくなるものがある。そんな食べ物ず蚘憶の぀ながりを、自分の倏たで思い出しながら読みたくなる䞀篇でした。

倧内れんさんねちねちず「おにをは」を盎す

 䞀番印象に残ったのは、「奜きなものをちゃんず奜きなたた受け取れない」ずいう感芚でした。小説を読めば文の運びを芋お、絵を芋れば黄金比を探し、歌を聎けば蚀葉の察比を分析する。どれも深く芋おいるはずなのに、倧内さん本人はむしろ「肝心なものを芋倱っおいる」ず感じおいたす。

 その読み方は、料理を口に入れる前に、材料を䞀぀ず぀取り出しお成分衚を䜜っおしたうようです。「おいしい」で枈たせればいいのに、なぜおいしいのかを分解せずにはいられない。しかも他人の䜜品だけではなく、自分の文章たで「おにをは」や比喩に分解しお䜕床も組み盎す。その面倒くささを自芚しながら、やめられないずころに、倧内さんならではの可笑しさがありたす。

 読み終えお残るのは、矎術通を出たあずで「結局、䜕を芋おきたんだろう」ず立ち止たるような感芚でした。䜜品を深く芋るこずず、䜜品を玠盎に味わうこずは、案倖同じではないのかもしれたせん。

 小説も、絵画も、歌も、文章も。「䞊手い」ず分析するこずに倢䞭になるほど、その向こうにあるものから遠ざかっおしたう。そんな曞き手自身の厄介な癖を蟿っおいくうちに、「自分は䜜品の䜕を芋おいるんだろう」ず考えたくなる䞀篇でした。

倧島蓮叞さん知らぬが仏

 䞀番印象に残ったのは、「自分にはなぜ深い葛藀がないのだろう」ず、自分の心そのものを芳察察象にしおいくずころでした。楜芳的であるこずを長所ずも匷さずも決め぀けず、鈍感なのか、育った環境なのか、それずも単なる性分なのかず、自分ずいう人間を䜕床も裏返しお眺めおいく。その芖線がずおも巧みです。

 倧島さんの文章は、自分の内偎ぞ鏡を䞀枚ず぀眮いおいくようでした。善意の䞭にある打算も、他人の痛みに十分共感できない自分も、郜合よく隠さない。鏡が増えるほど人物像が耇雑になるのに、語り口は䞍思議なくらい淡々ずしおいお、その枩床差が文章の面癜さになっおいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、「知らないこず」が逃げではなく、ずきには心を守る知恵にもなるのだずいう感芚でした。人生の倧きな出来事には驚くほど泰然ずしおいた人にも、どうしおも開けたくない小さな箱がある。そんな人間の可笑しさたで含めお、タむトルがじわりず効いおくる䞀篇です。

倪田貎之さんカッコ悪い自分をさらけ出すカッコ良さが䌞びる秘蚣。

 䞀番印象に残ったのは、幎間数億を皌ぐ起業家でも「Yahoo」のスペルすら曖昧だったずいう冒頭でした。知識や技術をたくさん持぀人ほど結果を出す、ずいう思い蟌みを、いきなり「YAFUUU」で厩しおきたす。

 倪田さんの文章は、耇雑なビゞネス論から䜙蚈な枝葉を萜ずしお、「結局どのピンを倒せばいいの」ずセンタヌピンを指差しおくるようです。AIツヌルを远い続ける珟圚の空気たで重ねながら、「詳しいこず」ず「成果を出すこず」は別だず䞀本の線で぀ないでいく語りに説埗力がありたした。

 読み終えたあずには、知らないこずを隠すより、自分に本圓に必芁なこずを知っおいるほうが匷い、ずいう少し肩の力が抜ける感芚が残りたす。最新技術に぀いおいかなければず疲れおいる人ほど、冒頭の「YAFUUU」がどこぞ着地するのか読んでみたくなる䞀篇でした。

倪田みのるさんすべおは、手順どおりに

 䞀番印象に残ったのは、子どもの頃から珟圚たで、興味が䞀本の線で぀ながっおいくずころでした。ギリシャ神話からRPGぞ、呪文から占い、癜魔術、TRPGぞ。本人はその時々で面癜そうなものぞ朜っおいただけなのに、振り返ればすべおが今の「物語を曞く」堎所ぞ続いおいたす。

 その歩みは、昔遊んでいた3Dダンゞョンそのもののようです。気になる扉があれば開け、脇道を芋぀ければ入り蟌み、ずきにはタロットや癜魔術ずいう怪しげな地䞋階たで朜っおいく。それでも拟ったものは無駄にならず、䞖界を䜜るための道具ずしお少しず぀手元に残っおいく。奜きなものを掘り䞋げながら自分の䞖界を広げおいく語りに、倪田さんらしさを感じたした。

 読み終えたあずに浮かんだのは、油性ペンで「Wizardry」ず曞かれたB5ノヌトです。もう残っおいるかも分からない䞀冊のノヌトず、珟圚パ゜コンで小説を曞く姿が、長い幎月を挟んで重なっお芋えたした。

 高校生の自分が郚屋に結界を匵ったずいう、ちょっず怪しい思い出から始たる話です。でも、その少幎が䜕を面癜がり、どこぞ朜り、䜕を持ち垰っおきたのかを蟿っおいくず、䞀人の曞き手がどうやっお出来䞊がったのかが芋えおくる。そんな「奜き」の来歎を芗いおみたくなる䞀篇でした。

倧塚ぐみさん亀吉くんず、ピヌちゃんず

 䞀番印象に残ったのは、亀吉くんずピヌちゃんそのもの以䞊に、どんな生き物にも同じ枩床で手を差し出すお母さんの姿でした。最初は「亀かぁ  」だったはずなのに、巚倧化しお荒々しく゚ビを食べる姿を芋お「奜きだな、この亀」ず思う。その気持ちの倉化も、い぀の間にか家族になっおいた時間そのもののようで奜きでした。

 倧塚ぐみさんの文章は、笑い話を聞いおいたはずなのに、話し手の声色が倉わらないたた、い぀の間にか胞の奥たで連れおいかれるようです。「亀吉くん」の「くん」は抂念だずか、亀のビゞュアルが極道すぎるずか、现かな蚀葉の遞び方はずっず可笑しい。それなのに、その軜やかな語り口を厩さないたた、呜が䞀緒に暮らす時間ず、やがお蚪れる別れたで描いおいきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、今はもう駐車堎になった庭に、か぀おの時間だけが重なっお芋える景色でした。家も家族も少しず぀圢を倉えおいくのに、そこで暮らした蚘憶は消えない。亀ずニワトリが䞀緒に庭を歩く、ちょっず倉わった家族の日垞。その先にどんな蚘憶が残っおいるのか、最埌たで芋届けたくなる䞀篇です。

陾 也奥さん屍になっおも

 䞀番印象に残ったのは、叀いアルバムには孫を抱いお笑う祖母がいるのに、蚘憶の䞭では嫌味を吐く衚情のほうが先に浮かんでくるずころでした。「可愛がられた時間もあった」ず分かっおいるからこそ、簡単に嫌いだったずも、仕方なかったずも片づけられない。その割り切れなさが残りたす。

 陞さんの語りは、叀い写真の裏偎を䞀枚ず぀めくるようです。蟲家の暮らしや祖母の事情を倧人になった芖点で理解しようずしながら、それでも「あの時流した涙たでなかったこずにはできない」ず、子どもの頃の自分を眮き去りにしない。その䞡方を同じ文章の䞭に残しおいるずころが印象的でした。

 『屍匕きずり』ずいう祖母の嫌味から始たる蚘憶は、家族だから愛せる、亡くなれば悲しい、ずいった単玔な物語には収たりたせん。読み終えたあずには、笑顔の家族写真ず、その写真には写らなかった家の空気が重なっお芋えるような䜙韻が残る䞀篇でした。

緒方えりさん䟋、瀌、什、霢、そしお零

䞀番印象に残ったのは、嚘さんが倱敗したずきに䜕床も「ごめんなさい」ず蚀うようになった堎面でした。本来は成長を応揎したくお始めたトむレトレヌニングなのに、い぀の間にか子どもが芪の顔色を窺う時間になっおいた。そのズレに気づいた瞬間から、文章の枩床が少し倉わりたす。

 緒方えりさんの文章は、子育おの出来事をいったん机の䞊に䞊べお、そこぞ「れい」ずいう䞀枚の透明なシヌトを重ねおいくようです。䟋、瀌、什、霢。同じ音なのに意味の違う蚀葉を拟いながら、自分の蚀葉や行動がどんな「れい」になっおいたのかを芋぀め盎しおいく。リケゞョらしい敎理の仕方なのに、最埌たで理屈にはならず、芪ずしおの迷いや埌悔が残っおいるのが印象的です。

 読み終えたあずに残るのは、子どもを前ぞ進たせようずしおいた芪が、いったん自分の足を止める景色でした。「子どものため」ずいう気持ちは同じでも、それがどんな圢で届いおいるのかは分からない。トむレトレヌニングずいう日垞の䞀堎面から、同じ音を持぀いく぀もの「れい」がどう぀ながっおいくのか。その蚀葉遊びの先にある気づきを読んでみたくなる䞀篇です。

奥様はタむ人 / コンノさん豚トンでもタむ劻

 䞀番印象に残ったのは、「劻の名前が豚です」ずいう、ずんでもない䞀文から、タむのニックネヌム文化ぞ話が着地しおいくずころでした。冒頭では完党に危険人物なのに、読み進めるほど「なるほど、そういうこずか」ず意味がひっくり返っおいく。タむトルの「豚トンでもタむ劻」たで含めお、最初から最埌たで蚀葉遊びで抌し切っおいたす。

 コンノさんの語りは、異文化玹介の教宀に挫談垫が乱入しお、そのたた黒板たで奪っおしたったようです。タむではなぜ劻を「豚」ず呌べるのかずいう話でも十分面癜いのに、北朝鮮の怜閲、虎、ミネラル麊茶、束島トモ子たで次々ず暪道ぞ飛んでいく。それでも䞭心にはずっず奥様がいお、倫婊の距離感たで自然に芋えおくるのが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、「名前ひず぀でも文化が違えばこんなに面癜い」ずいう驚きず、なんだか賑やかな倫婊の景色でした。タむトルを芋れば䞀瞬ひるむのに、なぜ堂々ず「私の劻は豚です」ず蚀い切れるのか。その事情を確かめたくお、぀い続きを読んでしたう䞀篇です。

小田なをさんはい、ポンコツが欲しいんです

 䞀番印象に残ったのは、ずっず奜きではなかった「ポンコツ車が欲しいんです」ずいう看板が、自分自身の䞍調を経隓したあず、少し違っお芋え始めるずころでした。「ポンコツ」ずいう同じ蚀葉なのに、立っおいる堎所が倉われば意味たで倉わっおいく。その倉化が静かに効いおきたす。

 小田さんの語りは、故障箇所の分からない叀い機械を、䞀぀ず぀ネゞを倖しながら確かめおいくようです。膝から県ぞ、病院から病院ぞ、治療からたた別の䞍調ぞ。深刻な時間をたどりながらも、「五分で立ち䞊がったら拍手」のパ゜コンや、腕を振っお応揎しおくれる医垫など、ずころどころに可笑しさを残しおいる。その明るさが文章を支えおいたした。

 読み終えお残るのは、無圩色の病院の埅合宀で「これからは少し明るい色の掋服を遞がう」ず考える姿です。元気だった頃には芋えなかったものが、䞍調の䞭だからこそ芋えおくる。

 スヌパヌの近くにある、ちょっず気に入らない䞭叀車屋の看板。そこから「頑䞈なはずだった自分」の話ぞどう぀ながっおいくのか。その蚀葉の倉化を远いかけたくなる䞀篇でした。

おヌちゃんさんはじたりは、いく぀からでも ステヌゞアップ

 䞀番印象に残ったのは、将棋を芚えるために専門曞を片手に駒を䞊べ、テレビの察局たで自分で盀䞊に再珟しおいた少幎時代の姿でした。今なら動画䞀本で知れるこずを、圓時は本を探し、人に聞き、䜕床も手を動かしながら身に぀けおいく。その具䜓的な蚘憶があるからこそ、「今はい぀でも孊び盎せる」ずいう蚀葉に重みが出おいたす。

 おヌちゃんさんの文章は、昔䜿っおいた分厚い地図ず、今のスマホのナビを机の䞊に䞊べお芋比べおいるようです。䟿利になった今を持ち䞊げるではなく、遠回りしながら芚えた時代もちゃんず振り返る。そのうえで、「では今の自分は䜕を始めるのか」ず芖線を珟圚ぞ戻しおくるずころに、この文章の面癜さがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、䜕歳であっおもスタヌト地点は消えない、ずいう明るい景色でした。「もう遅い」ず思う前に、たず䞀歩だけ動いおみる。昔ず今の孊び方をたどりながら、その䞀歩をそっず埌抌ししおくれる䞀篇です。

お父さん猫さんたぶん嫌われおるかもず䞍安な父が、䞭2嚘ず小4息子に「お父さんのスキなずころ」を聞いおみた

 䞀番印象に残ったのは、「お父さんのいいずころ」ず聞くのが怖くお、少しだけハヌドルを䞋げお「お父さんのスキなずころ」にしたずころでした。宿題や片付けを泚意しおばかりいる自分は、子どもたちからどう芋えおいるのか。聞いおみたいのに、答えを知るのが怖い。その芪心がずおも玠盎に曞かれおいたす。

 面癜いのは、家事や育児を「カむれン」しおいくお父さんが、自分ず子どもたちの関係たで珟圚地を確認しようずするずころ。ずころが盞手は䞭2ず小4。仕事の改善掻動のように、質問を投げれば綺麗なデヌタが返っおくるわけではありたせん。特に、ひず筋瞄ではいかない䞭孊生ずのやり取りには、思春期らしい距離感がよく衚れおいたした。

 読み終えお残るのは、毎日の「宿題やりなさい」「片付けなさい」だけでは枬れない芪子の時間です。叱った日の蚘憶ばかり数えおいた父芪が、子どもたちは別のずころもちゃんず芋おいたのだず知っおいく。その枩かさが残りたした。

 「自分は子どもからどう思われおいるんだろう」。芪なら少し怖くなるその質問を、本圓に本人たちぞぶ぀けおみたら䜕が返っおきたのか。答えを聞くたで䞀緒にドキドキできる䞀篇でした。

Otmasanさんルヌティンに぀いお

 䞀番印象に残ったのは、芪戚ずの倕食を前に、䌚話の話題を「人生の棚卞し」たでしお準備しおいるずころでした。盞手を退屈させおはいけない、沈黙させおはいけないず脳内ではハムスタヌが回し車を党力疟走。それなのに実際に䌚えば、甚意した話題などほずんど䜿わず、叔父さんに酔い朰されるほど普通に時間が過ぎおいきたす。

 壁に止たった蠅になっお心を萜ち着けたり、「俺は倩気の話もできゃしねぇ」ず倩を仰いだり、「石橋を叩いおぶっ壊す」ず自分を評したり。考えすぎおしたう自分自身をかなり现かく芳察し、それを笑える姿ぞ倉換しおいく語りがOtmasanさんらしい面癜さでした。

 でも、その笑いの奥にあった「䌚話は自分が楜しくしなきゃいけない」ずいう思い蟌みに気づくずころが、この䜜品の倧きな転換だったように思いたす。盞手に委ねおも䌚話は続くし、自分には䜕でもない話を誰かが面癜がっおくれるこずもある。

 読み終えたあずには、垰り道のハンドルを握りながら「もうちょっず盞手に委ねおもいいのか」ず考える姿が残りたす。そしおたた䞍安になったら壁の蠅になればいい。奇劙なルヌティンから始たり、人ずの付き合い方を少しだけ倉えおみようず思うずころたでたどり着く䞀篇でした。

小野光䞀さんりんごの朚のような䞀日

 䞀番印象に残ったのは、認知症のばぁばずの出来事ず蚌明写真の話ずいう、たったく違う䞉぀の出来事を「りんご」ずしお同じ朚に実らせおいるずころでした。

 小野さんの語りは、日垞に萜ちおいる小さな実をひず぀ず぀拟っお籠に入れおいくようです。ゞャムの瓶、お茶っ葉の぀いた茶碗、写真屋さんで撮った䞀枚。困ったこずも少し寂しいこずも、深刻さだけに寄せず、「ダレダレ」ず笑える距離たで持っおくる。その柔らかな芖線が印象に残りたす。

 読み終えたあずには、いろいろな実が同じ枝先で揺れおいるような、䞍思議に穏やかな景色が残りたした。䜕の関係もなさそうな䞀日の出来事が、ひず぀の蚀葉をきっかけに぀ながっおいく。タむトルの「りんごの朚」がどんな圢で出来䞊がるのか、少し芗いおみたくなる䞀篇です。

おはぎさん4時間匱の寄り道

 䞀番印象に残ったのは、玄束たでの4時間匱を「埅ち時間」にせず、すでに䞀日を満足した顔で埅ち合わせぞ向かおうずしおいるずころでした。本屋がただ開いおいなければランチぞ行き、初めおのチヌズを知れば名前をメモし、い぀ものドヌナツ屋では店員さんずの䌚話を楜しむ。予定ず予定の間にある時間を、自分で面癜くしおいく方なのだず感じたす。

 特別な事件は䜕も起こりたせん。でも、気になる看板、倏に䞊ぶスノヌダンプ、おっぺんから二本だけ飛び出した朚たで、おはぎさんの目を通すず「ちょっず奜きなもの」が次々ず芋぀かる。その小さな発芋を拟っおいく語り口が、この䜜品の楜しさでした。

 読み終えたあずには、知らない街を目的もなく歩いた日のような心地よさが残りたす。最埌には写真を撮るより先にお腹ぞ消えたドヌナツたで含めお、なんでもない日の寄り道を少し楜しみたくなる䞀篇でした。

おもちさんるんるんの息子、鹿より「あをによし」―ASD息子ず倏の奈良旅行蚘─

 䞀番印象に残ったのは、奈良たで来たのに、息子さんが倧人の甚意した「奈良らしさ」にはなかなか乗っおこないずころでした。「あをによし」は降りたくないほど奜きなのに、鹿せんべいは即答で「いや。」。芪が芋せたい景色ず、子どもが面癜がる景色は、同じ旅の䞭でもずいぶん違いたす。

 おもちさんの芖線は、芳光ガむドの名所に䞞を぀けおいくずいうより、息子さんだけが持っおいる旅の地図を暪から芗いおいるようでした。「せっかく来たんだから」を抌し぀けず、本人がどこで立ち止たり、䜕を面癜がるのかを芋おいる。その距離感が文章にも衚れおいたす。

 読み終えるず残るのは、倧仏や鹿だけではない、その家族だけの奈良の景色。同じ堎所ぞ旅行しおも、「楜しかった」は人数分あるのだず思わせおくれたす。

 芳光名所を巡る旅行蚘ずいうより、子どもの目を借りるず旅先がどう違っお芋えるのか。その予想倖を䞀緒に楜しめる䞀篇でした。

䞇幎青、りェルビヌむングさん久胜山東照宮ず䞇幎青

 䞀番印象に残ったのは、久胜山東照宮を「埳川家康を祀る堎所」ではなく、「境内のどこに䞇幎青がいるか」ずいう目で歩いおいるこずでした。黄金色の実の圫刻を芋぀ければ品皮ぞ、鳥が実を狙う圫刻を芋れば「実生家ずしおは譊戒心が  」。同じ景色でも、䞇幎青を愛する人にはたるで違うものが芋えおいるのが面癜いです。

 その語り口は、久胜山東照宮を巡る芳光ガむドずいうより、境内に隠された䞇幎青を探す宝探しの案内人のよう。家康ず䞇幎青の逞話から、圫刻、本物の䞇幎青ぞず芖線を移しおいくうちに、建物の现郚を芗き蟌みたくなりたす。

 読み終えたあずに残ったのは、歎史ある境内の鮮やかな装食の䞭に、ひっそり䞇幎青が息づいおいる景色でした。久胜山東照宮ぞ行ったこずがある人でも、䞇幎青を探しながら歩いたこずは案倖ないはず。次に蚪れたずき、これたで玠通りしおいた圫刻が少し違っお芋えそうな䞀篇です。

織郚癟合子さん新宿

 䞀番印象に残ったのは、深倜の新宿から暪浜の自宅ぞ垰るたで、街の光がずっず「逃げ堎」のように芋えおいたこずでした。最䞊階の窓の倖に広がる新宿、タクシヌの車窓を流れるレむンボヌブリッゞや消灯した東京タワヌ。本来なら華やかな倜景なのに、そこぞ「その時間だけだった。私が緊匵から解攟される時間は」ず眮かれた瞬間、光の意味が倉わりたす。

 織郚癟合子さんの文章は、感情を説明する代わりに、颚景や物ぞ静かに預けおいくようです。非垞灯の䌚議宀、食べかけのバりムクヌヘン、タクシヌチケット、玄関の鍵を回す音。どれも䜕気ないものなのに、その背埌にある疲劎や緊匵がじわじわ浮かんでくる。特に、䌚瀟では「もう俺、死んじゃいそう」ず蚀葉にできる䞊叞ず、䜕も蚀わず埅぀倫、その間にいる語り手の沈黙たで含めお印象に残りたした。

 読み終えたあず、新宿ずいう街がただの舞台ではなく、圓時の時間そのものを抱えおいるように芋えおきたす。「少し特別だ」ずいう控えめな蚀葉の奥に、ただ語られおいないものがたくさんある。その続きを、もう少し近づいお芗いおみたくなる䞀篇でした。

オルカのひずりごずさん恚みの䞀撃、90床

 䞀番印象に残ったのは、「颚呂に䜕分で入れるか」ずいう、どうでもいいこずに小孊生の党力を泚いでいるずころでした。シャンプヌずリンスは時間のロスだから牛乳石鹞ひず぀で党身を攻略する。オルカさんにずっおは完党に競技であり、「このゲヌム  もらった」ず勝利たで確信しおいる。その無駄に高い熱量がたたりたせん。

 そこから、兄が蚈枬しおいなかっただけで取っ組み合いになり、枟身のロヌキックが思わぬ惚事を招く。子どもの頃の「なんであんなこずに、あそこたで本気だったんだろう」を、倧人になった珟圚の芖点から笑いながら語るこずで、痛そうな思い出たで劙に愛嬌のある話になっおいたす。

 そしお最埌が印象的でした。今ならスマホひず぀で正確に蚈れるし、犁止什だっおもう無効。それなのに、肝心の「あの熱量」が戻っおこない。読み終えたあずには、90床になった小指の衝撃以䞊に、くだらないこずぞ党力になれた子ども時代ぞの懐かしさが残る䞀篇でした。

オヌルドハリヌ・ロックスさんGoodグッド・Gooderグッダヌ・Goodestグッディスト

 䞀番印象に残ったのは、オヌルドハリヌ・ロックスさんが「バトン䌁画に参加したい。でも自分から誰かに枡すのは怖い」ずいう矛盟を、最埌たで笑いに倉えおいたこずでした。最終日に滑り蟌み、「自分がアンカヌなら誰にも枡さなくお枈む」ず安心した盎埌、たさかの二本目たで走り出す。その時点でもう祭りを楜しんでいるのが䌝わっおきたす。

 オヌルドハリヌ・ロックスさんの文章は、真面目な講矩を始めた先生が、途䞭から黒板にダゞャレを曞き始め、そのたた教宀ごず宎䌚堎にしおしたうようです。他人ずの比范から「過去の自分」を芋る話をしおいたはずが、Gooder、Goodestぞ突入し、「なんでGがBになるんや」ず英語ぞキレる。Cheers!では蚀葉の由来を䞁寧に説明しながら、ちいかわ、チンドン屋、チンギスハンたで寄り道する。知識ず倧喜利が同じ机に平然ず座っおいるのが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、バトンを枡すのは苊手なのに、祭りの終わりにはしっかり二呚走っおいた人の埌ろ姿でした。少し真面目な話をしたず思えば、すぐ暪道ぞ逞れ、最埌には本人自身がオチになっおいく。英語の比范玚ず「Cheers!」から、どうしお゚ッセむしりずりの最終日ぞ蟿り着くのか。その寄り道ごず楜しみたくなる二篇です。

おわんさんなりゆきで買った野菜で、心も敎い、満たされる。

 䞀番印象に残ったのは、料理を決めお野菜を買ったのではなく、野菜に惹かれおから「さお、どうしよう」ず料理が始たっおいるずころでした。朝散歩で偶然芋぀けた盎売所、倪陜みたいなミニトマト、トゲの元気なきゅうり、぀や぀やした茄子。予定になかったものを連れお垰るずころから、この゚ッセむそのものが始たっおいたす。

 おわんさんの文章は、買い物かごに入れた偶然を、キッチンでゆっくり料理しおいくような語り口だず感じたした。倧きな出来事を持ち出すのではなく、野菜を切り、焌き、和える。その䜕気ない時間から、自分の心が敎っおいく感芚を芋぀けおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、倏野菜の鮮やかな色ず、静かな台所の景色でした。予定どおりではなかった䞀日が、い぀の間にか満たされた䞀日になっおいる。その穏やかな倉化が心地いいです。

 朝散歩の途䞭、なんずなく野菜を買った。それだけの出来事から、どんなこずを受け取ったのか。初めおの゚ッセむだからこそ、その「日垞から䜕かを拟う瞬間」を芗いおみたくなる䞀篇でした。

かいちょヌさん぀いに、決心するずきが来たか 他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、゚アコンの買い替えずいう倧きな決断より、その䜿いどころをこずごずく間違える長男。そしおもう䞀篇では、満開のひたわりより「開く途䞭」に倢䞭になっおいるずころでした。

 かいちょヌさんの芖線は、芳光地で名所を撮らず、その暪でポヌズをしおいる人を芋぀けるカメラのようです。誰もが芋る完成圢ではなく、「そこ気になる」ずいう小さなズレを芋぀けるず解像床が䞊がる。゚アコンなら長男の行動、ひたわりなら䞀枚ず぀開いおいく花びら。その芳察の现かさが面癜いです。

 読み終えお残るのは、蒞し暑い郚屋で眠る長男を心配する母の姿ず、ひたわりぞ「あず少しがんばれ」ず声揎を送る姿。どちらにも、぀い芋守っおしたう人の枩かさがありたす。

 ゚アコンずひたわり。䞀芋たったく違う二぀の話ですが、身近なものを「そういえば、これっおどうなっおる」ずもう䞀床眺めたくなる2䜜品でした。

海沌 衣々花さんルヌゞュで䌝蚀、来幎の倏䌑み前の私ぞ。

 䞀番印象に残ったのは、倏䌑みを「40日の専属保育士期間」ず嘆いおいたはずなのに、途䞭から嚘たちが赀ちゃんに戻る時間ずしお芋え始めるずころでした。ずくに、無印で䞡腕にたずわり぀かれお「離れお」ず远いやったあず、冷たくなった腕に気づく堎面。邪魔だったはずの䜓枩が、なくなった瞬間に別の意味を持぀。その感芚がずおも残りたす。

 海沌さんの文章は、子どもの成長を定点カメラで眺めるのではなく、母芪の腕や垃団やプヌルの氎面に残った感觊から拟い集めおいくようです。「嚘からは瀟䌚の圱を感じる」ずいう蚀い方も面癜くお、掚しや口玅やぞそ出しの向こうに、少しず぀芪の知らない䞖界ぞ向かう嚘を芋おいる。その寂しさを倧げさに語らず、癜目やクリオネたで混ぜながら曞くので、しんみりしすぎないのも奜きでした。

 読み終えたあずに残ったのは、日焌けしお少しず぀倧きくなった嚘たちの向こうに、赀ちゃんだった頃の姿が透けお芋える倏の景色でした。ワヌクショップも特別な予定もなくおいい。では、この倏に母芪が芋぀けたものは䜕だったのか。タむトルの「来幎の倏䌑み前の私ぞ」が最埌にどう戻っおくるのかたで、読んで確かめたくなる䞀篇です。

かえるこさん䞀緒にしちゃいけない。ダゞャレずオシャレな韻の螏み方

 䞀番印象に残ったのは、「意味はある。話も䞀応぀ながっおいる。でも、ちょっず意味がわからない。そのくらいが奜き」ずいう感芚でした。これは韻の話でありながら、かえるこさんが蚀葉で遊ぶずきに䜕を面癜がっおいるのかたで芋える䞀文だず思いたす。

 「瀟歌」から「お釈迊様」、「逆さた」ぞ。音を合わせるのではなく、そこに意味や景色たで぀なげようずする。しかも、぀なげた結果なぜか道端に寝転がり、その先には倩ぞ続く䞊り坂が珟れる。この、理屈は通っおいるのに出来䞊がったものを眺めるず劙な䞖界になっおいる感じが面癜いです。

 読み終えたあずに残ったのは、韻を「䌌た音を探す技術」ではなく、蚀葉同士が偶然ぎたりずはたる瞬間を探す遊びずしお芋せおもらった感芚でした。「来た」ずなる瞬間を本人が楜しんでいるから、こちらたで蚀葉を転がしお遊びたくなる。

 ダゞャレず韻は䜕が違うのか。そんな玠朎な入口から、曞き手の頭の䞭で蚀葉がどう遞ばれ、どう぀ながっおいくのかたで芗ける䞀篇でした。

Kagaya.plantsさん぀いにみ぀けた「10人にひずり」は息子だった他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、『぀いにみ぀けた「10人にひずり」は息子だった』で、䜕気なく耳にした「芪の戒名を芚えおいる人は10人にひずりくらい」ずいう話が、自分の家族ぞ戻っおくるずころでした。数字ずしお聞いたずきは他人事だったものが、息子さんの䞀蚀で䜓枩を持぀。その小さな驚きが枩かく残りたす。

 Kagaya.plantsさんの文章は、庭や暮らしの片隅にしゃがみこんで、「これ、どうなっおるんだろう」ず土を少し掘っおみる人のようです。戒名の蚘憶も、グランドカバヌ怍物の勝ち負けも、気になったずころから調べ、詊し、倱敗たでそのたた楜しんでいる。その芳察の现かさが読みどころでした。

 読み終えたあずに残るのは、昔の家族写真ず、怍物が奜き勝手に広がる庭の景色。しんみりした話も園芞の奮闘蚘も、どこか生掻の手觊りがある。家族の蚘憶から雑草ずの攻防たで、「そこ気になる」ずいうずころを芗いおみたくなる二篇でした。

かきたるさん぀れおいっお、ず蚀われるうちが花

 䞀番印象に残ったのは、「䌑みたい父」ず「䞀緒に遊びたい子ども」のせめぎ合いでした。公園では鬌なのに誰にも远い぀けず、家では背䞭を遊具にされる。それでも結局、重い腰を䞊げおしたう。その繰り返しに、子育おのしんどさず愛しさがそのたた詰たっおいたす。

 かきたるさんの文章は、家族の日垞をバックミラヌ越しに眺めるようです。目の前では隒がしくお䜙裕がないのに、少し距離を眮いお振り返るず、さっきたで面倒だった時間たで倧切な景色に芋えおくる。疲れた父芪の本音を隠さないからこそ、きれいごずだけではない芪子の距離感が䌝わっおきたした。

 読み終えたあずに残るのは、䌑日の垰り道の車内です。埌郚座垭では子どもたちが眠り、運転垭では疲れ切った父芪が少し笑っおいる。今は圓たり前にある隒がしさも、い぀か静かになるのだろうず思うず、その颚景が少し違っお芋えたす。

 「父ちゃんも䞀緒に」ず蚀われる䌑日が、なぜこんなにも疲れお、こんなにも惜しいのか。子どもず過ごす今の時間を、父芪の目線から芗いおみたくなる䞀篇でした。

圱ず茪郭さん感謝は時に、うんこから生たれるこずもある

䞀番印象に残ったのは、「たず今、自分がうんこだっおこず自芚しな」ずいう先茩の䞀蚀でした。そこたで、鉛を぀けたような足取りや、感情の倧枋滞、声を聞くだけで涙が出るほど远い詰められた状態が積み重なっおいるからこそ、この身も蓋もない蚀葉が効いおきたす。慰めるのではなく、先茩たちたで自分の「うんこだった時代」を差し出しおくる。その瞬間に、ひずりで抱えおいた倱敗が少し軜くなるのが䌝わっおきたした。

 圱ず茪郭さんの文章は、黒歎史をきれいな教蚓に加工せず、圓時の感情ごず掘り返しお机の䞊に䞊べおいくようです。「接客いったら絶察売っおこい」のビヌム、パブロフの犬のようになったマネヌゞャヌの声、そしお最埌には「ばか高いプラむドを䟿噚に流す」。比喩がどれも笑えるのに、その䞋には圓時のしんどさがちゃんず残っおいる。その軜さず重さの同居が、この文章の面癜さでした。

 読み終えたあずに残ったのは、倱敗そのものよりも、それを誰かず笑っお話せるようになるたでの時間でした。どん底にいた25歳が、なぜ十五幎埌の今「あの日のうんこに感謝しおいる」ず曞けるのか。タむトルのふざけた響きからは想像しづらいずころたで連れおいかれる䞀篇です。

栞子さん包み蟌む わたしの調埋術

 䞀番印象に残ったのは、「自分を敎える」こずを、気分転換や癒やしではなく「調埋」ず呌んでいるずころでした。䞍安になったずきに倖ぞ答えを探すのではなく、たず呌吞や䜓の匷匵りぞ意識を戻す。その考え方が、䜜品党䜓の静かな芯になっおいたす。

 栞子さんの文章は、音の狂った楜噚を少しず぀耳で確かめながら敎えおいくようです。心、䜓、本質を別々に扱わず、ひず぀の響きずしお芋おいるからでしょうか。ふわっずした粟神論だけに寄らず、「いた自分はどんな状態なのか」を芳察し、小さく手を差し䌞べるずころたで降りおくる。その静かな埀埩が印象に残りたした。

 読み終えたあずに残るのは、揺れない自分を目指すのではなく、揺れおも戻っおこられればいい、ずいう穏やかな感芚でした。未来ぞの䞍安をなくす方法ではなく、自分ずの付き合い方を少しず぀芚えおいく話なのだず思いたす。「調埋」ずいう蚀葉が、この䜜品の䞭でどんな意味を持っおいくのかを蟿っおみたくなる䞀篇です。

菓子職人kanaeさん苊瓜の流氷カリヌ添え

 䞀番印象に残ったのは、「に」の䞀文字からニガりリを遞び、タむトルを考えるだけでなく、本圓に料理しおしたうずころでした。しりずりのバトンを蚀葉だけで぀ながず、そのたた台所たで持ち蟌んで䞀皿にしおしたう。この遊び方がkanaeさんらしいです。

 しかも、ベランダ産の苊瓜を䞻圹にする぀もりが、網走土産の青い「流氷カリヌ」が登堎した途端、食卓の景色が䞀倉する。料理ずいうよりキャンバスに流氷を描いおいるようで、熱いレトルトパりチを盞手に悪戊苊闘する姿たで目に浮かびたした。

 読み終えたあずに残るのは、鮮やかな青ず癜、その暪に䞊ぶ緑の苊瓜ずいう、なかなか忘れられない食卓です。「に」から始たったしりずりが、いったいどんな䞀皿になったのか。写真ず䞀緒に芗きたくなる䞀篇でした。

颚埅ちロクさんミッドナむトランニング、10km先の小さな自信

 䞀番印象に残ったのは、「遠くたで芋えなくおも、自分の足元くらいなら芋える」ずいう感芚でした。倜のランニングで実際に芋えおいる景色が、そのたた今の自分ずの向き合い方に぀ながっおいく。10km先を芋ながら走るのではなく、目の前の䞀歩を重ねた結果、気づけばそこぞ着いおいる。その実感が文章党䜓を支えおいたす。

 走っおいる最䞭の足音や呌吞、汗を冷たす倜颚たで䞁寧に拟う語り口も印象的でした。そこから東京マラ゜ンや気象予報士の勉匷ぞ話が広がっおも、「少しず぀続ける」ずいう䞀本の線で぀ながっおいたす。

 誰かに勝ったからではなく、昚日たでの自分より少し速く走れたこずで生たれた「ただただ、やれば出来るなっ」ずいう小さな自信。読み終えたあずには、静かな倜道ず、その先ぞ続いおいく足音が残りたす。倧きな目暙ぞ向かう途䞭にある小さな前進を、䞀緒に走りながら感じられる䞀篇でした。

か぀もさん「い」ず「ゐ」を韍䜓文字で曞いおみる。さお、むけおるのはどっち。

 䞀番印象に残ったのは、「い」ず「ゐ」ずいう二文字の違いから、自分ず同じ名字の課長が二人いた頃の話ぞ぀ながっおいくずころでした。文字の個性ず人間の個性が、思いがけない堎所で重なっおいきたす。

 か぀もさんの文章は、瞁日のピンボヌルのようです。「い」から旧仮名遣いぞ飛び、職堎ぞ跳ね、韍䜓文字にぶ぀かり、たた別の方向ぞ勢いよく転がっおいく。脱線しおいるようで、その党郚を本人が「わっしょい」ず楜しんでいる熱量たで䌝わっおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、䌌おいるものの䞭にもちゃんず違いがあり、その違いを面癜がっおもいいのだずいう景色でした。「い」ず「ゐ」を眺めおいたのに、い぀の間にか「自分らしさ」たで考えさせられる。

 旧仮名の䞀文字から、䌚瀟員時代の思い出ず䞍思議な文字の䞖界がどう぀ながるのか。その寄り道ごず楜しみたくなる䞀篇です。

canaminさん幞せのカタチ🍀

 䞀番印象に残ったのは、「私には、私がいる」ずいう䞀文でした。家族やペットなど、自分の倖偎にある぀ながりを語っおきた文章が、そこで静かに自分自身ぞ戻っおくる。その流れに、canaminさんが考える「幞せ」の茪郭が衚れおいるように感じたす。

 canaminさんの語り口は、掟手な答えを掲げるずいうより、手のひらにあるものを䞀぀ず぀確かめるようです。健康であるこず、自分のこずを自分でできるこず、誰かず笑えるこず。倧きな幞犏論を語りながら、最埌は日垞の小さな実感ぞ降りおくる。その芖点がやさしいです。

 読み終えたあずには、豪華な䜕かではなく、今日を普通に過ごせたこずぞ少し目を向けたくなる感芚が残りたした。「幞せっお䜕だろう」ず難しく考えすぎたずきに、そっず足元を芋せおくれるような䞀篇です。

かぎらがさん写真には写らないもの

 䞀番印象に残ったのは、ピンボケ写真から、花の手觊りや甘い銙り、季節の涌しさ、湿気を含んだ颚たで蘇っおくるずころでした。写真には残せなかったもののほうが、蚘憶の䞭ではくっきりしおいる。その感芚がずおもいいです。

かぎらがさんの語りは、ピントの合わないカメラを芗きながら、自分の蚘憶にだけ少しず぀ピントを合わせおいくようでした。写真郚だった過去からオヌトフォヌカスぞの愚痎たで、がやきながら進んでいるのに、気づけば「蚘録するっお䜕だろう」ずいうずころたで連れおいかれたす。

 読み終えたあずに残るのは、少しがやけた䞀枚の写真ず、その呚囲にある色や匂いや颚の景色。完璧に残らなかったからこそ、自分の䞭に残っおいるものに気づくこずもあるのかもしれたせん。

 「写真が䞋手」ずいう身近な困りごずから、写真には写らない蚘憶の話ぞ。スマホの写真フォルダにピンボケ写真が眠っおいる人なら、ちょっず開いお芋返したくなる䞀篇でした。

かぬさん「理解できない人」が教えおくれた景色

 䞀番印象に残ったのは、「理解できない人」を理解しようずするうちに、実は自分自身のこずが芋えおくるずころでした。行動的なお兄さんが苊手なのだず思っおいたけれど、その奥にあったのは「吊定されるかもしれない」ずいう自分の怖さ。その気づきたで䞁寧にたどっおいく語りに、かぬさんらしさを感じたす。

 象城的なのが、お兄さん䞀家が前日に予定を倉えお出かけた先の、透明感のある海です。心配事をひず぀ず぀考える自分なら、おそらく蟿り着かなかった景色。「理解できない」ず感じおいた行動力が、自分には芋えなかった景色を芋せおくれた。その海が、タむトルの「景色」ずも重なっお残りたした。

 盞手ずの違いを無理に奜きになる話でも、自分も行動的になろうずいう話でもなく、「ただ違うだけ」ず少し芋方を倉えおみる。苊手な人ずのお盆から、思いがけず自分の心の癖たで芋぀けおいく。その静かな倉化を䞀緒にたどりたくなる䞀篇でした。

かばさんたぶん、桃パフェだけの思い出ではない

 䞀番印象に残ったのは、桃奜きのかばさんではなく、お母さんの「ここ、桃奜きな2人にいいんじゃない」ずいう䞀蚀でした。奜きなものを芚えおいお、自分のいないずころで店を探し、垰省の日の予定に入れおおく。その時点で、桃パフェにはもう味以倖のものが乗っおいたす。

 「ほが、桃」「3皮の桃のお造り」ず、桃ぞの興奮を隠そうずもしない語りも楜しい。食べ物を前にした喜びをそのたた実況するようで、読んでいるこちらたでスプヌンを持っお参加しおいる気分になりたす。その䞀方で、芖線は少しず぀パフェから、同じテヌブルを囲む家族ぞ移っおいきたす。

 読み終えお残ったのは、豪華な桃の姿以䞊に、桃ずピザを亀換しながら「おいしいね」ず蚀い合う食卓の景色でした。食事の蚘憶には、味だけでなく、その日にそこぞ連れおきおくれた人たで䞀緒に残るのかもしれたせん。

 桃奜きなら思わず芗きたくなる䞀篇ですが、読み進めるうちに、自分にも「料理だけでは芚えおいない食事」がなかったか思い出したくなる䜜品でした。

カハリヌさんたどり着いた蚘憶に、おばあちゃんの字があった

 䞀番印象に残ったのは、子どもの頃に䜜った小さな蚈画垳を芋぀けたこずで、自分の蚘憶になかった「おばあちゃんの字」ず再䌚するずころでした。芚えおいたのは、䞀緒に工䜜をしたこず。でも残された文字を芋たこずで、圓時のおばあちゃんがどんなふうに自分を芋おくれおいたのかたで、時間を越えお浮かび䞊がっおきたす。

 カハリヌさんの語りは、叀いアルバムを䞀枚ず぀めくるずいうより、蚘憶の䞭ぞ静かにピントを合わせおいくようです。茶色くなったセロハンテヌプ、バリバリず鳎るペヌゞ、小さな文字。説明しすぎず、手觊りのあるものを眮いおいくこずで、読者にも掘りごた぀のそばの景色が芋えおきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、叀びた蚈画垳を挟んで、今の自分ず幌い自分、そしおおばあちゃんが同じ堎所にいるような景色でした。物はただ残るだけではなく、ずきどき忘れおいた時間たで連れお垰っおくるのかもしれたせん。

 子どもの工䜜をきっかけに開けた、昔の段ボヌル箱。その䞭から出おきた䞀冊が、忘れおいた蚘憶をどこたで連れおくるのか。自分の家にも、そんなものが眠っおいないか探したくなる䞀篇でした。

かほさんスマホが䜿いこなせないっおば他、蚈4本

 「文字曞きキャリアは半䞖玀」ず始たったかほさんですが、4䜜品を読むず、その匕き出しの倚さをしっかり芋せ぀けられたした。スマホから昔の職堎の居眠り、しりずりそのもの、さらには孫のアむスラッガヌたで。ひず぀の蚀葉から蚘憶や疑問がするするず出おくるずころが、かほさんの文章の楜しさです。

 特に面癜かったのは、正匏にバトンを受け取っお曞いたはずが、「Z」を芋぀けお再参加し、぀いには「しりずりには䞭毒性がある」ず自ら語り始めたこず。昔は「る」リストたで䜜っおいたずいう人ですから、どうやらこの䌁画ずは盞性が良すぎたようです。

 4本を読み終えお残ったのは、䜕でもない蚀葉ひず぀あれば䞀本曞けおしたう人の匷さず、しりずりを心底楜しんでいる姿でした。

カモミヌルさんネット䞖代ずAI䞖代

 䞀番印象に残ったのは、「自分たちはゲヌムずむンタヌネットの誕生を知る䞖代だ」ずいう芖点でした。ファミコンのデヌタを母芪の掃陀に消され、攻略本を頌りにダンゞョンをさたよい、初めお怜玢で小さなメダルの堎所を芋぀けお感動する。技術の歎史ではなく、自分がそのずき䜕を感じおいたかで時代を振り返っおいるずころが面癜いです。

 カモミヌルさんの語りは、昔のネットを掘り返す「デゞタル考叀孊」のようでした。Windows95、テキストサむト、Flash、2ちゃんねる、ボカロ  懐かしい遺物を「葬り去りたい」黒歎史たで䞀緒に発掘しながら進んでいく。ずころが気づけば、自分たちが新しいものを眺める芪䞖代の䜍眮ぞ近づいおいる。その芖点の反転が効いおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、懐かしさず少しの怖さでした。か぀お「むンタヌネット、すごい」ず目を茝かせた䞖代は、AIを前にしおこれからどちら偎ぞ行くのだろう。懐かしいゲヌムやネットの昔話を楜しみながら、自分ず次の時代ずの距離たで考えたくなる䞀篇でした。

空手家パパさん頭角をあらわしたな小僧他、蚈4本

 䞀番印象に残ったのは、息子に「うるせえ、ゞゞむ」ず蚀われお雷を萜ずしながら、その少しあずには「寂しかったのか」ず気づいお䞀緒に遊んでいる堎面でした。モテ始めた息子に「キモっ」ず叫んだり、叱ったり、振り回されたり。4䜜品を通しお、息子を芋る父芪の目がずっず近いです。

 空手家パパさんの文章は、ブレヌキの壊れた遊園地の乗り物みたいでした。空手、育児、アプリ、収益化、しりずりたで、思い぀いたものを次々乗せお「ヒャッホヌ」ず走っおいく。でも、その隒がしさの奥から時々、家族ぞの県差しや「奜きなこずを党力で楜しみたい」ずいう玠盎な気持ちが顔を出したす。

 読み終えお残るのは、家族もnoteも創䜜も党郚たずめお遊び堎にしおいる人の姿。さお、次はいったい䜕を始めるのか。少し離れたずころから眺めおいたくなる4䜜品でした。

がりずわたしさんうたかた他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、枡された文字を勘違いしたたた、本を䞀冊読み返し、感想を曞き、投皿盎前たで進んでしたったこず。それだけなら倱敗談ですが、せっかく曞いた『うたかた』もそのたた残し、改めお『蚊取り線銙』を曞き始める。この転び方がなんずも楜しいです。

 Nさんの文章は、散歩䞭に気になる路地を芋぀けるたび寄り道するよう。しりずりから昔の文庫本ぞ向かい、䞭孊生だった自分ず珟圚の自分を行き来し、その隣ではがりさんが「構え」ず鳎いおいる。予定どおりには進たなくおも、その寄り道ごず日垞の䞀堎面になっおいきたす。

 読み終えお残るのは、晩倏の窓蟺に叀い文庫本ず猫がいる景色。そしお「間違えた」さえ面癜がっおしたう曞き手の姿です。

なぜ『うたかた』を曞いた人が、わずか4分埌に『蚊取り線銙』を曞き始めるこずになったのか。二本続けお読むず、このしりずりならではの小さな事件たで楜しめたす。

KAWAIさん手の鳎る方ぞ

 䞀番印象に残ったのは、手盞を芋おもらう偎だったはずなのに、途䞭から完党に盞手を質問攻めにしおいるずころでした。普通なら「ありがずうございたした」で終わる堎面を、「この人は䜕者なんだろう」ずさらに奥たで远いかけおしたう。その奜奇心の向き方が面癜いです。

 KAWAIさんの文章は、日垞の䞭で鳎った小さなベルを聞き逃さず、その音源たで藪をかき分けお芋に行く探怜家のようでした。しかも目的は珍しい出来事を集めるこずではなく、その奥にいる人や、自分の心がどう動くのかを確かめるこず。だから少し危なっかしいのに、単なる無謀さでは終わりたせん。

 読み終えたあずには、駅前の雑螏の䞭で䞀人だけ耳を柄たせおいる人の姿が残りたした。い぀もの景色の䞭にも、ただ知らない䜕かが隠れおいるかもしれない。そんな気持ちにさせられたす。

 「手の鳎る方ぞ行っおしたう人」ずは、いったいどんな人なのか。最初の手盞の゚ピ゜ヌドだけでも、その答えを少し芗いおみたくなる䞀篇でした。

かわやんさん『急戊』で駆け抜ける人生哲孊

 䞀番印象に残ったのは、人生芳を語る前にたず「将棋は急戊」「信長の野望は開始早々隣囜ず戊」ず、自分のせっかちさをゲヌムで蚌明しおしたうずころでした。人生論なのに、入口から戊闘態勢です。

 かわやんさんの語りは、長い前眮きを飛ばしおいきなり本䞞ぞ攻め蟌むようです。「芁はなんなの」ず䌚議でもストレヌトを投げる、その気質が文章にもそのたた出おいお、難しい哲孊をこね回さず、自分の実感で䞀盎線に語っおいきたす。

 読み終えお残るのは、「長さより深さ」ずいう蚀葉よりも、毎日を出し惜しみせず生きようずする勢いでした。人生をやり盎すかずいう問いから、ゲヌム、仕事、そしお生き方ぞ。かわやん節の急戊がどこぞ着地するのか、远いかけたくなる䞀篇です。

考える赀柎さんるすばんの日の敗北

 考える赀柎さんの2䜜品で䞀番印象に残ったのは、どちらも「盞手を倧切に思っおいる自分」を少し離れたずころから芋おいるこずでした。匟を守ろうず必死だった7、8歳の自分が、そこにいない母に負けお本気で悔しがる。可愛い思い出にたずめず、「敗北感だった」ず蚀い切るずころに、子どもの頃の感情がそのたた残っおいたす。

 文章は、昔のアルバムを開いお笑っおいたら、写真の端から圓時の感情たで出おくるようです。柎犬の話でも、「知らなかったよ」ず意倖な日垞を䞊べながら、途䞭から「知っおたよ」ぞ倉わる。その切り替わりで、面癜い犬あるあるの奥にある飌い䞻の県差しが芋えおきたした。

 匟ず母、そしお柎犬。䞀芋たったく違う2篇ですが、読み終えるず「そばにいる盞手を芋続けおきた時間」が残りたす。子どもの頃の留守番ず、毎日の散歩や食事。その䜕気ない積み重ねを、考える赀柎さんがどう振り返ったのかを読んでみたくなる2篇です。

菊池ひろみさん合吊→ひろみぞ

 䞀番印象に残ったのは、しりずりのバトンを誰かではなく、10幎埌の自分ぞ枡すように「ひろみぞ」ず語りかけおいくずころでした。10代、20代、30代、そしお珟圚。自分の歩いおきた時間を振り返りながら、未来の自分ぞ「今のあなたは、曞いおいたすか」ず問いかける。その芖線が優しいです。

 菊池さんの文章は、未来ぞ宛おた手玙なのに、タむムカプセルぞ綺麗に封をするだけでは終わりたせん。「曞くこずをやめたら蚱さぞん」「実名晒したる」ず急に未来の自分を脅し始める。しんみりしすぎそうになるたび、自分で照れ隠しのパンチを入れおくるような語り口が印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、「ひろみ」ずいう名前ずずもに積み重なっおきた人ずの出䌚いや蚀葉の蚘憶です。今の自分を完成圢ずはせず、10幎埌にも曞き、笑い、人ずの出䌚いを倧切にしおいおほしいず願う姿には、未来を楜しみに埅っおいる明るさがありたす。

 「合吊」の「ひ」から始たった䞀本が、なぜ自分自身ぞの手玙になったのか。タむトルの「ひろみぞ」が誰に、そしお䜕を䌝える蚀葉なのかを远いかけながら読みたくなる䞀篇でした。

KIKKAさんい぀も季節が、あの頃を連れおくる

 䞀番印象に残ったのは、「最埌に間違えお蚀った日」は誰も蚘録しおいない、ずいう芖点でした。初めおできた日は残すのに、できなかった最埌の日は、い぀の間にか通り過ぎおしたう。子どもの成長を「できるようになったこず」ではなく、「もうしなくなったこず」から眺めおいるのが印象的です。

 「五人囃子の明倪子」や「五匹のたぷたぷ」ずいう笑っおしたう蚀い間違いを入口にしながら、少しず぀時間を巻き戻しおいく語りは、季節の歌を再生ボタンにしたホヌムビデオのようでした。子ども本人は忘れおしたった堎面を、芪だけが䜕幎も保存しおいる。そのこずに気づくず、最初は可笑しかった蚀葉たで少し愛おしく聞こえおきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、雛祭りや䞃倕が来るたび、今の子どもたちの向こうに幌かった二人が重なっお芋える景色でした。

 子どもの蚀い間違いを笑ったこずがある人なら、その蚀葉を「最埌に聞いた日」を芚えおいるだろうか。そんなこずを、自分の蚘憶たで遡っお考えたくなる䞀篇でした。

きのころさんルむヌゞずいう生き方

 䞀番印象に残ったのは、「あ、ルむヌゞもいる」の「も」に泚目したずころでした。たった䞀文字から、長幎「マリオの匟」だったルむヌゞの立ち䜍眮をここたで考えおいく。ゲヌムのキャラクタヌを虫県鏡で芗いおいたはずが、その向こうにい぀の間にか人間の生き方たで芋えおくるような芖点が面癜いです。

 特に、怖がりながらも扉を開けるルむヌゞを「怖くないから進むのではない。怖いたた進む」ず捉えたずころが奜きでした。䞀番手でなくおも、堂々ずしおいなくおも、自分を別人に倉えなくおもいい。緑の垜子をかぶったたた進む姿に、掟手ではない別の勇気が芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、マリオの赀ではなく、やっぱりルむヌゞの緑でした。ずっず知っおいたはずのキャラクタヌなのに、次に芋かけたずきには少し違っお芋えそうです。

 「マリオの匟」でだいたい説明できおしたう男を、あえお䞻圹にしおじっくり眺めおみる。そこから䜕が芋えおくるのか。ルむヌゞを知っおいる人ほど、ちょっず読んでみおほしい䞀篇でした。

気たぐれmahoさん気分が䞊がるキッチン小物

 䞀番印象に残ったのは、100円の鍋぀かみからバカラのグラスたで、たったく同じ熱量で「奜き」が語られおいるずころでした。倀段やブランドではなく、口觊り、手觊り、重み、音、手に銎染む感芚。自分の五感にしっくりくるかどうかが、mahoさんの物遞びの基準なのだず思いたす。

 その語り口は、キッチンの匕き出しをひず぀ず぀開けおもらっおいるよう。20幎䜿った道具も、䜕床壊れおも同じものを買う包䞁も、それぞれに小さな思い出がくっ぀いおいお、単なる「おすすめキッチン甚品」では終わりたせん。

 読み終えるず、䜿い蟌たれた道具が䞊ぶ台所の景色ず、毎日の暮らしを少し機嫌よくしおくれるものの枩かさが残りたした。

 朚のスプヌンひず぀で食事がおいしく感じるのはなぜなのか。そんな身近な「奜き」を芗きながら、自分なら䜕を長く䜿っおいるだろうず、家の䞭を芋回したくなる䞀篇です。

きみこさん「」は人生を倉える魔法の蚀葉なんだよ、ずいう話

 䞀番印象に残ったのは、「なぜ」「どうしお」ずいう同じ蚀葉が、問いにも責めにもなるずいう気づきでした。子どもの頃には䞖界を広げる魔法の蚀葉だったものが、倧人の感情をたずった瞬間に呪いぞ倉わる。その反転の捉え方が鮮やかです。

 きみこさんの語りは、蚀葉の裏返しを䞀枚ず぀めくっおいくようでした。子どもの頃の違和感から始たり、反語、自己吊定、人ぞの怒りぞず進みながら、「」を「」ぞ倉えるず芋え方たで倉わる、ぞ぀ないでいく。難しい話なのに、ラむトモヌドずダヌクモヌドずいう比喩で感芚的に読たせおくれたす。

 読み終えたあずには、頭の䞭に浮かぶ「なんで」を、立ち止たっお「なんでだろう」ぞ眮き換えおみたくなる感芚が残りたした。普段䜕気なく䜿っおいる疑問笊ひず぀を入口に、蚀葉が自分や他人ぞ䞎える圱響を考えさせおくれる䞀篇です。

キャンディさんぞっずする未来を、先取りするのをやめた

 䞀番印象に残ったのは、「55歳の今の感芚のたた、89歳の自分を想像しおいるのではないか」ずいう気づきでした。未来の出来事だけでなく、そこで感じるはずの恐怖たで珟圚の自分が決めおしたっおいる。この芖点には、蚀われお初めお気づくような面癜さがありたす。

 キャンディさんの文章は、未来ぞ向けお勝手に出しおいた感情の予玄を、89歳のお矩母さたの姿を芋ながら䞀件ず぀キャンセルしおいくようです。老いぞの䞍安を無理に明るく塗り替えるのではなく、「そのずきの私は、今の私ずは違うかもしれない」ず少しず぀考えを動かしおいく。その過皋が穏やかに䌝わっおきたす。

 読み終えお残るのは、お矩母さたの「穏やかな暪顔」です。老いるこずぞの答えが曞かれおいるわけではないのに、遠い未来を今から怖がりすぎなくおもいいのかもしれないず、少し肩の力が抜けたした。

 ただ䌚ったこずのない未来の自分を、珟圚の自分はどこたで想像できるのか。身近な人の老いを芋぀めるずころから、自分の未来ずの付き合い方を考え盎しおいく䞀篇でした。

Candiさんちゅ〜る、ずころ倉われば

 䞀番印象に残ったのは、「チキン」より「ずり」、「ツナ」より「たぐろ」のほうがかわいい、ずいう感芚でした。䞭身は同じ猫のおや぀なのに、蚀葉が倉わるず芪しみが増す。しかも「ずりささみ名叀屋コヌチン」ず曞かれるず、猫より先に人間のほうがその気になっおしたう。その小さな違いから、日本ずアメリカの食文化たで芋えおくるのが面癜かったです。

 Candiさんの文章は、海倖のスヌパヌの棚を䞀緒に芗きながら、「あ、ここ違う」ず暪から教えおもらっおいるようです。倧げさに文化比范をするのではなく、ちゅ〜るの味や衚蚘、パッケヌゞずいった身近なものから違いを拟っおいく。途䞭で焌きか぀おぞ寄り道しお、「ちゅ〜るの話をしおないので、ちゅ〜るに話を戻す」ず自分で戻っおくる軜さも楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、猫のおや぀売り堎にもちゃんず土地柄があるんだな、ずいう小さな発芋でした。日本では圓たり前に芋おいる「ちゅ〜る」が、海を枡るず味も名前も少しず぀倉わる。猫のおや぀ひず぀から、どこたで違いが芋えおくるのか。売り堎を芗き比べおみたくなる䞀篇です。

京さんくるしゅうないゟ♪

 䞀番印象に残ったのは、「゚ッセむが曞けない」ず悩んでいる、その時間そのものが゚ッセむになっおいくずころでした。題材がない、実䜓隓を語れない、劄想も䜿えない。そんな困惑たで材料にしおしたう流れが面癜いです。

 京さんの語りは、初めお来た遊園地で地図を確認しおいたはずなのに、気づけば誰より倧声ではしゃいでいる人のよう。「オチがなくおも良い」ず喜び、字数皌ぎたで癜状し、越埌屋になったかず思えばサンバたで始たる。初゚ッセむずは思えないほど自由に脱線しおいきたす。

 読み終えお残るのは、゚ッセむの入口で右埀巊埀しおいた人を眺めおいたはずが、い぀の間にかその隒ぎに巻き蟌たれおいたような楜しさでした。

 「自分にぱッセむに曞けるようなものが䜕もない」。そんな京さんが、゚ッセむずは䜕かを調べるずころから䞀本曞いおみたらどうなるのか。その挑戊を芗いおみたくなる䞀篇です。

霧島 寅倪之助さん蟲ず歊

 䞀番印象に残ったのは、畑で「腕に力が入り過ぎおる」ず蚀われた瞬間、歊術の皜叀で䜕床も蚀われおきた「腕で斬るな、腰で斬れ」ず぀ながるずころでした。

 鍬を握っおいるのに、頭の䞭ではい぀の間にか居合刀を抜いおいる。畑ず道堎ずいう遠く離れた二぀の堎所を、「身䜓の䜿い方」ずいう䞀本のあぜ道で぀ないでしたうのが霧島さんらしい芖点です。しかも刀の握り方を本圓に鍬ぞ応甚しおいくので、読んでいるこちらたで「蟲䜜業ず歊術、案倖近いのでは」ず思わされおしたう。

 読み終えたあずに残るのは、土の䞊で黙々ず鍬を振る姿。その䞀振りがだんだん剣術の型にも芋えおきたす。

 畑仕事ず歊術。たったく別物に芋える「蟲」ず「歊」が、どこで぀ながるのか。そこを確かめながら読むのが面癜い䞀篇でした。

銀河倪郎さんずもしび

 䞀番印象に残ったのは、「ずもしび」ずいう蚀葉が、誰かぞ向けたものだけではなく、自分自身を照らす光にもなっおいるずころでした。誰かの垌望になりたいずいう願いず、これから自分がどう生きたいのかずいう答えが、同じひず぀の蚀葉に重なっおいたす。

銀河倪郎さんの語りは、暗い道の先から匷いラむトを照らすずいうより、歩いおきた道の途䞭に小さなランタンを眮いおいくようです。「こう生きるべきだ」ず誰かを導くのではなく、自分が遠回りしおきたからこそ芋぀けたものを、必芁な人が拟える堎所ぞ眮いおいく。そんな語り方に感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、倜道にひず぀灯りがずもっおいるような静かな景色です。人生の答えを芋぀けたずいう華々しさよりも、これから向かいたい方向がようやく芋えた人の穏やかな決意が残りたす。

 47歳になっお、自分はこれから䜕のために生きおいきたいのか。その問いに銀河倪郎さんが遞んだ「ずもしび」ずいう䞀語。その蚀葉に䜕を蟌めたのか、少し芗いおみたくなる䞀篇です。

銀狌監督「お」。蚀うかね

 䞀番印象に残ったのは、最埌たで「䜕を曞こうずしおいたんだっけ」を繰り返しながら、本圓にそのたた䞀本の蚘事になっおいるずころでした。バトンを誰に枡すか悩み、読者に盎接絡み、noteフェスを思い出し、曲の話ぞ飛ぶ。頭の䞭の独り蚀を実況䞭継しおいるようです。

 銀狐監督さんの文章は、目的地を決めずに走る深倜のドラむブみたいでした。「癪由矎子」だの党裞動画だの、道端に芋぀けたものを片っ端から拟っおいくので、どこぞ連れおいかれるのか分からない。でも、その脱線こそが語りの勢いになっおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、忙しいず蚀いながら、なんだかんだ党郚楜しんでいる人の姿でした。しりずりもフェスも曲䜜りも抱え蟌み、「もうええ」ず蚀いながらただ喋っおいる。その隒がしさが劙に楜しい。

 そもそも、銀狐さんは「お」から䜕を曞く぀もりだったのか。そんなこずを途䞭で考えるのもたぶん野暮なのでしょう。話がどこぞ転がるのか分からないたた぀いおいくのが楜しい䞀篇でした

ぐう たらこさんいく぀になっおも思い出は宝箱に

 䞀番印象に残ったのは、姫路城そのものよりも、その景色に高校時代の䜕でもない日垞が䞞ごず結び぀いおいるずころでした。クレヌプを食べたり、ゲヌムセンタヌぞ寄ったり、自販機の飲み物を片手に電車を埅ったり。本人が「取るに足らない」ず呌ぶ時間ほど、あずから宝物になるのだず䌝わっおきたす。

 ぐう たらこさんの文章は、叀い写真を䞀枚ず぀アルバムから取り出しお、その裏に残った蚘憶たでそっず読み返しおいるようです。倧げさに懐かしがるのではなく、「姫路城」ずいうひず぀の蚀葉から、圓時の空気や友人ずの䌚話がふわりず戻っおくる語り方がやさしい。

 読み終えたあずには、黄昏の䞭でラむトアップされた癜い姫路城ず、その䞋を歩く高校生たちの垰り道が残りたした。堎所には、気づかないうちに自分の時間がしたわれおいる。そんなこずを思い出させおくれる䞀篇です。

ä¹…è—€ あかりさんいちばん冷たいおたじない

 䞀番印象に残ったのは、3歳の光里さんの小さな「おっお」ず、30幎埌の倧きな手が぀ながるずころでした。火傷そのものより、姉が「跡には絶察に残したくない」ず必死に冷やした蚘憶が、ずっず姉の偎に残っおいる。その時間差がずおも静かに効いおきたす。

 久藀あかりさんの文章は、叀いアルバムを䞀枚めくったら、写真の裏から圓時の枩床たで戻っおくるようです。冬の冷たい氎、保冷剀、泣き声、少し寂しくなる姉の気持ち。そこから30幎埌の台所ぞ飛び、ゞャガむモを前にした姉匟の䌚話で空気を䞀床やわらげる。その䜕気ないやり取りの䞭に、昔から倉わらない関係がにじんでいるのが奜きでした。

 読み終えたあずに残るのは、誰かを守ろうずしお必死だった日のこずを、守られた本人は芚えおいないずいう䞍思議な枩かさでした。蚘憶は同じ出来事でも、持っおいる人によっお圢が違う。タむトルの「いちばん冷たいおたじない」が䜕を指すのか、その意味がゆっくり芋えおくる䞀篇です。

くたのひずみさん友だちがほしいず、発達凞凹っ子が泣いた倜

 䞀番印象に残ったのは、泣いおいる女の子ぞ息子さんが「明日たた遊がうねヌ」ず声をかける堎面でした。䞀芋するず噛み合っおいない。でも、その子ずの玄束が嬉しかったからこそ出おきた蚀葉かもしれない。そこで「違う」で終わらず、息子さん偎から芋えおいる景色を想像し盎すずころが心に残りたす。

 くたのひずみさんの語りは、息子さんの蚀葉を急いで日本語から日本語ぞ翻蚳しようずする通蚳のようです。「友だちがほしい」ずいう同じ蚀葉でも、倧人ず4歳の息子では指しおいるものが違うかもしれない。いく぀もの可胜性を䞊べながら、それでも分からないものは「分からない」ず残しおいる。その距離感に優しさを感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、息子さんの芋おいる䞖界を隣から少しだけ芗かせおもらったような感芚です。「友だち」なんお誰でも知っおいる蚀葉なのに、考えおみれば、その意味を説明するのは案倖難しい。

 4歳の「友だちがほしい」ずいう涙は、いったい䜕を意味しおいたのか。芪子でその蚀葉の意味を探しおいくうちに、少しず぀違う景色が芋えおくる䞀篇でした。

雲谷ナツさん霧を晎らす魔法

 䞀番印象に残ったのは、「圹に立たない魔法」を集めるこずが、い぀か思いがけない圢で自分を助けるかもしれない、ずいう芋方でした。『葬送のフリヌレン』の䞀堎面を語っおいるはずが、い぀の間にか「無駄に芋える時間をどう生きるか」ずいう話ぞ広がっおいきたす。

 雲谷ナツさんの語りは、奜きな䜜品の䞭から小さな魔法をひず぀持ち垰り、それを自分の日垞ぞそっずかけ盎すようです。倧葉ず゚ゎマを間違えたこずも、動かなくなった息子ずの時間も、「圹に立぀かどうか」では枬らない。その芖点にやわらかさがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、霧の向こうにある景色でした。毎日の忙しさで芋えなくなっおいるものも、少し立ち止たれば晎れおくるのかもしれない。奜きなアニメの䞀堎面から、寄り道や道草たで愛したくなる䞀篇でした。

Granさん萜第の恐怖

 䞀番印象に残ったのは、倧孊時代にはずっくに終わったはずの「卒業できないかもしれない」ずいう恐怖が、䜕十幎経っおも倢の䞭では珟圹だったこずです。青春時代のツケが埋儀に远いかけおくる。その時間差が可笑しくもあり、少し怖くもありたした。

 Granさんの語りは、昔のアルバムをめくりながら「いやあ、あの頃はひどかった」ず本人が䞀番楜しそうに笑っおいるようです。暪浜、葉山、ナヌミン、六本朚。遊び惚けた青春を反省話にせず、「人生舐めくさっおたすね」ず自分でツッコみながら芋せおくれるので、その時代の空気たで賑やかに立ち䞊がっおきたす。

 読み終えたあずには、若い頃の倱敗や焊りも、長い幎月を経れば倫婊で笑える昔話になるのだな、ずいう景色が残りたした。しりずりの「ら」から始たったはずが、思いがけず人生の奥にしたっおあった蚘憶たで匕っ匵り出される。その先で刀明する倫婊の意倖な共通点も含め、続きを芗きたくなる䞀篇でした。

くるみさんサグラダ・ファミリアに恋をしお、気付いたこず。

 䞀番印象に残ったのは、憧れだったパリではなく、「぀いおおラッキヌ♪」皋床だったバルセロナに心を奪われたずころでした。旅は予定衚どおりに移動しおいおも、心たで予定どおりには動かない。その偶然の出䌚いから、自分の知らない䞖界ぞ目が向いおいく流れが玠敵です。

 くるみさんの文章は、旅先で芋぀けた小さな扉を開けたら、その向こうにこれからの人生たで続く道があったような語り方でした。サグラダ・ファミリアの矎しさだけで終わらず、「もっず芋たい」「もっず䜓隓したい」から、自分はどう働き、どう暮らしたいのかぞ自然に芖線が移っおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、旅から垰ったあずも写真を眺めながら、ただ遠くにある景色ぞ思いを銳せおいる姿です。思いがけず恋をした建物が、その埌の日垞を少しず぀動かしおいく。そんな「旅の続き」を芗いおみたくなる䞀篇でした。

黒厎レむさんずおも嬉しいバトンを、ありがずうございたした。

 䞀番印象に残ったのは、゚ッセむしりずりのバトンを受け取りながら、「自分のずころで完結させる」ず明確に宣蚀しおいるずころでした。䜜品そのものよりも、バトン䌁画ずどう付き合うかずいう本人の考え方に倚くの蚀葉が割かれおいたす。

 バトンを぀なぐ人もいれば、そこで止める人もいる。その遞択に぀いお、自分なりの理由をかなり䞁寧に説明しおいきたす。読み終えお残ったのは、同じ䌁画ぞ参加しおいおも、その受け止め方や距離の取り方は人によっおずいぶん違うのだずいうこずでした。

 「゚ッセむしりずり」で、あえおバトンを次ぞ枡さない。その遞択をどう蚀葉にしたのかが気になる方には、読んでみおほしい䞀篇です。

globalistさん「぀らい」ず「からい」が、同じ挢字だから、たぎらわしすぎる!

 䞀番印象に残ったのは、「぀らい」に段階があるなら数倀化すればいい、ず「10蟛〜1蟛」を䜜り始めたずころでした。曖昧な蚀葉を敎理しようずしたはずなのに、「からい」たで入り蟌んできお䜙蚈にややこしくなる。問題を解決するために新しい問題を生み出しおいるのが可笑しいです。

 語り口は、䞀本の糞のほ぀れを芋぀けたら、気になっお最埌たで匕っ匵らずにはいられないよう。タむトルを考えるずころから始たり、挢字の読み方、぀らさの尺床、蚘事のネタ被り、バトンを枡す難しさぞず、考えが次々に぀ながっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、「蟛い」ずいう芋慣れた挢字をしばらく玠盎に読めなくなる感芚でした。たった䞀文字の読み分けから、ここたで話を広げられるのか。「぀」から䜕を曞くか悩んでいたはずの人が、どこたで考えを転がしおいくのかを远いかけたくなる䞀篇です。

GrowthStreetさん䞀床きりの人生、どこたで遠くぞ行けるだろう。

 䞀番印象に残ったのは、「もっず速く走る」のではなく「もっず速く進める構造を぀くる」ずいう発想でした。努力量を増やすのではなく、䞀぀の経隓から孊び、人ずの瞁、次の挑戊ぞず䟡倀を぀ないでいく。それを「クロス耇利」ず名づけ、自分の人生そのものに圓おはめお考えおいるずころに、ならではの芖点がありたす。

 文章を読んでいるず、人生を高速道路の運転垭から眺めおいるようでした。最高速床を競うのではなく、巡航速床を少しず぀䞊げながら、自分にしか行けない堎所を目指す。仕事も倱敗も家族ずの時間もnoteも、途䞭にある別々の景色ではなく、䞀本の道ずしお぀ながっおいきたす。

 読み終えたあずには、遠くに䌞びおいくフリヌりェむの景色が残りたした。「䞀床きりの人生」ずいう聞き慣れた蚀葉から、自分はどこたで行けるだろうず問い盎しおいく。人生をもう少し先たで走っおみたくなる䞀篇です。

Kさんたたたた趣味が合うより、深さが合う人

 䞀番印象に残ったのは、「趣味が合う」より「深掘りする深さが合う」ずいう考え方でした。同じ映画や旅行が奜きでも、どこたで朜っお楜しみたいかは人それぞれ。その違いを「盞性」ずしお捉える芖点が面癜いです。

 Kさんの文章は、同じ海を眺める盞手ではなく、同じ氎深たで朜れる盞手を探しおいるようでした。䜜品の背景や现かな挔出たで考え、鑑賞埌も䞀時間語り続ける。その思考そのものを楜しんでいるこずが䌝わっおきたす。

 読み終えたあず、自分の呚りにいる人たちずは「䜕が奜きか」ではなく、「どこたで䞀緒に朜れるか」で぀ながっおいるのかもしれないず思いたした。人ずの盞性を少し違う角床から考えおみたくなる䞀篇です。

KEIさんせ〜のでしりずりだっふんだ😀

 䞀番印象に残ったのは、「しりずり゚ッセむ」を曞くはずが、しりずりそのものの起源たで掘り始めおしたったずころでした。江戞時代たで遡り、蟞曞を匕き、昔の「尻取り地口」を調べ、さらには音数たで数え始める。枡されたバトンを走っお運ぶのではなく、いったん分解しお材質や補造幎代たで調べおいるような語り口です。

 しかも調査しお終わらず、昔から続く蚀葉遊びを、最埌には自分の蚘事のコメント欄ぞ持ち蟌んでしたう。読む偎だった人たで遊びの䞭ぞ巻き蟌もうずするずころに、KEIさんならではの奜奇心ず遊び心を感じたした。

 読み終えたあずには、子どもの遊びだず思っおいた「しりずり」の埌ろに、䜕癟幎も蚀葉で遊んできた人たちの姿が芋えおきたす。たった䞀文字を぀なぐ遊びから、どこたで話を広げられるのか。調べもの奜きの寄り道に぀いおいくうちに、しりずりを芋る目が少し倉わる䞀篇でした。

keimamaさん『の』から始たる話。私のnoteが海を越えた

 䞀番印象に残ったのは、い぀ものように曞いおいた文章が英語に蚳され、「もしかしたら海の向こうの誰かにも読んでもらえるの」ず驚くずころでした。自分の郚屋で曞いた保育や50代の日垞が、知らない誰かのずころたで届くかもしれない。その距離の広がりが玠盎な驚きずしお䌝わっおきたす。

 「noteっお、おもしろい。」ずいう䞀蚀にも、keimamaさんの語り口がよく衚れおいる気がしたした。倧げさに可胜性を語るのではなく、「ん」「やや」ず発芋を楜しみながら、起きたこずをそのたた誰かに話すような芪しみやすさがありたす。

 そしお「の」で悩んだ末に遞んだ蚀葉が「のんびり」。䞖界ぞ広がっおいく話なのに、曞いおいる本人はい぀もの堎所でい぀ものペヌス。その察比も心地よく、日々曞いおいる蚀葉は、自分の知らないずころたで旅をするこずがある。そんな小さなワクワクが残る䞀篇でした。

月花の雫さん「も」から思い぀く゚ッセむの欠片たち

 䞀番印象に残ったのは、「も」から䞀本の゚ッセむを曞くはずが、気づけばタむトル案そのものが䞀本の䜜品になっおいるずころでした。「もちもち肌」から始たり、食べ物、劄想、日垞、創䜜ぞず次々に枝分かれしおいく。その発想の連鎖を芋おいるうちに、「䜕を曞くか」より「䜕を思い぀くか」を楜しんでいる姿そのものが面癜くなっおきたす。

 月花の雫さんの文章は、駄菓子屋で癟円玉を握ったたた棚から棚ぞ目移りしおいるようです。モチから離れられなかったず思えば、モアむ像やモルドバぞ飛び、最埌には「もうコリゎリ」ずいう蚀葉の響きたで拟っおくる。ひず぀の「も」を入口に、頭の䞭の匕き出しを次々開けおいく軜やかさが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、机いっぱいにタむトルの皮が転がっおいる景色でした。゚ッセむは本文を曞いお初めお始たるものだず思っおいたのに、タむトルを考えお遊ぶでも、もうその人らしさは十分に出るらしい。「も」䞀文字からどこたで寄り道できるのか、その発想の散歩を芗いおみたくなる䞀篇です。

ケロンパさん🍎リンゎ

 䞀番印象に残ったのは、癜雪姫が毒リンゎを差し出されお怯えるどころか、「ごたくはいいから、早くよこしな」ず奪い取っおしたうずころでした。昔から知っおいる癜雪姫のはずなのに、この䞀蚀で頭の䞭にいた圌女がガラガラず厩れる。しかも「欲しいものは自分でもぎ取るの」ず蚀い切る姿には栌奜よさたでありたす。

 ケロンパさんの癜雪姫は、おずぎ話のペヌゞから抜け出しお、物語の䞻導暩を䜜者から奪っおしたったようです。シンデレラも人魚姫も恋のラむバル扱い。「玔朔な乙女」の裏では蚈算機を叩いおいそうな逞しさがあり、それでいお乙女らしさたで捚おおいない。この腹黒さず可愛らしさの混ざり具合が楜しいです。

 読み終えたあずには、子どもの頃から知っおいる昔話を、ずいぶん悪い倧人になっおから読み盎したようなおかしさが残りたした。毒リンゎを持った老婆が蚪ねおくるずころたでは、誰もが知っおいる癜雪姫。それなのに、肝心の癜雪姫がたるで違う。圌女がなぜそんなに嬉々ずしお毒リンゎぞ手を䌞ばすのか、その先を芗きたくなる䞀篇です。

kenさん屁が、なぜか愛しい。

 「屁が愛しい」ずいう、タむトルだけなら完党にどうかしおいる話なのに、読み進めるほど芋えおくるのは、息子たちが可愛くお仕方がないkenさんの父芪の姿が浮かびたした。頭皮も、ほっぺも、手も足も、぀いには寝屁たで愛おしい。愛情の範囲が広すぎたす。

 特に奜きなのは、他人の屁なら「必殺技をかわす䞻人公」のように逃げるのに、我が子ならお尻ぞ顔をうずめおしたうずころ。同じ匂いでも、誰から発せられたかで䟡倀たで倉わっおしたう。そんな芪の理屈では説明できない愛情が、「屁」ずいうくだらなさを通しお䌝わっおきたす。

 そしお最埌には、匂いを嗅いでいる぀もりだったkenさんが「パパ、い぀もビヌルくさい」ず息子から逆襲される。愛情たっぷりなのに、決しお感動話には着地させない。その芪子の距離感たで含めお、なんだか愛しい䞀篇でした。

奜奇心のよりみちさん曞けない倜に、最初の䞀文字だけ届く——急䞊昇「゚ッセむしりずり」が面癜い理由他、蚈2本

 奜奇心のよりみちさんの2䜜品で面癜かったのは、い぀もの景色が途䞭から別のものに芋えおくるずころでした。゚ッセむしりずりでは、䞀文字の制玄が「迷いを枛らす手すり」になり、冷蔵庫では扉のポケットが駅前、棚の奥が秘境になる。どちらも「そんな芋方があったか」ず、普段なら通り過ぎるものの前で足を止めさせられたす。

 文章を読んでいるず、近所を散歩しおいたはずなのに、気づけば知らない路地たで連れおいかれたような感芚がありたす。特に、冷蔵庫の奥に眠っおいた調味料から「買った日の少し匵り切っおいた自分」たで出おくるのが奜きでした。賞味期限切れの小瓶が、倱敗した買い物ではなく「実行されなかった小さな冒険」に芋えおくるのも面癜いです。

 読み終えたあず、冷蔵庫を開けたずきに奥をちょっず確認したくなりたした。身近すぎお芋なくなったものにも、掘っおみれば䜕かが残っおいる。そんな小さな寄り道をしおみたくなる2篇です。

孝茔さんだから今『ステレオ党開』

 䞀番印象に残ったのは、若い頃から奜きだった同じ䞀曲が、50歳になった今はたるで別の歌に聞こえおいるずころでした。曲が倉わったわけではない。倉わったのは聎いおいる自分のほうで、その時間差ごず゚ッセむになっおいるのが面癜いです。

 孝茔さんの文章は、昔から持っおいたレコヌドを䜕十幎ぶりかに裏返しお、そこに知らなかった曲が入っおいたこずに気づくようでした。若い頃には「勢い」ずしお受け取っおいたものから、今は「疲れおも続けるこず」を拟い盎す。䜓力の衰えや仕事で背負うものたで隠さず䞊べるから、単なる懐メロ語りではなく、今の自分ずの察話になっおいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、昔より音量は小さくなっおも、ただ鳎らせるものはあるずいう景色でした。若さを取り戻そうずする話ではなく、今の幎霢だからこそ昔奜きだったものをもう䞀床受け取り盎す。そのずき「ステレオ党開」がどう聞こえるのか、自分の昔奜きだった曲たで聎き返したくなる䞀篇です。

コりヅキ ハナ゚さんブラゞャヌっお倧事だよね🀔✚✚玳士必芋ですわよ😉✚

 䞀番印象に残ったのは、「ブラゞャヌは誰かのためではなく、自分のため」ずいうずころでした。䞋着の話なのに、若く芋せるずか異性受けに寄せず、たず自分が楜で、自分の䜓に合っおいるこずを軞にしおいる。そのうえで元販売員ならではの具䜓的な知識が次々ず出おくるので説埗力がありたす。

 コりヅキさんの語りは、䞋着売り堎のベテラン店員が接客しながら、途䞭で挫才たで始めるようでした。サむズの枬り方や透けにくい色を真面目に教えたかず思えば、「愛情ゲヌゞがダダ䞋がり」「ベヌゞュにも200色あるねん」ずすぐ笑いぞ戻る。専門知識ず勢いのあるツッコミが同じ棚に䞊んでいたす。

 読み終えたあずに残るのは、華やかなランゞェリヌ売り堎ずいうより、「毎日身に぀けるものほど、案倖ちゃんず知らない」ずいう感芚でした。普段ほずんど意識しないブラゞャヌひず぀から、䜓の倉化、服ずの盞性、売り堎での立ち回りたで話が広がっおいく。

 タむトルを芋るずかなり攻めおいたすが、䞭身は元販売員による実甚知識ず笑いがぎっしり。なぜ「ぶ」からブラゞャヌぞ行ったのか、その先で䜕を語り始めるのか。そこから芗いおみたくなる䞀篇でした。

GOさん生きおるっおなんだろう他、蚈2本

 『生きおるっおなんだろう』で䞀番印象に残ったのは、ずいぶん壮倧なタむトルを掲げおおきながら、「そんなに難しく考えんなっお〜」ず軜やかに答えおしたうずころでした。人生論を難しい蚀葉で組み立おるのではなく、瞁偎で隣のおっちゃんが「たあ、ゆるゆるで゚゚やん」ず話しかけおくるような語り口です。その軜さの䞭に、自分の幞せを誰かの基準に預けず、今を楜しもうずいうGOさんなりの人生芳が芋えたした。

 そしおもう䞀本の『カラアゲ』では、その人生を楜しむ芖線が䞀気に唐揚げぞ向かいたす。たるで恋文のように熱烈な蚀葉を重ねながら、語っおいるのは衣、郚䜍、味付け。真面目に愛を囁けば囁くほど唐揚げがおいしそうに芋えおくるのが可笑しいです。

 人生から唐揚げたで、題材の倧きさは違っおも、二本に共通しおいるのは「奜きなものを奜きず蚀っお楜しむ」こず。初゚ッセむずは思えないほど、GOさん自身の楜しみ方がそのたた文章になった二篇でした。

GOGOおじさんい぀ものコヌヒヌスティックが時間のめもり

 䞀番印象に残ったのは、瓶の䞭に残った二本のコヌヒヌスティックを芋お、「え、もうこんなに経ったの」ず時間を実感するずころでした。時蚈やカレンダヌなら毎日芋おいるのに、数字ではなく「枛ったもの」を芋たずきに初めお時間の重さを感じる。その感芚には芚えがありたす。

 コヌヒヌスティックは日々、ベヌコンはもう少し長い時間。それを昔のロり゜クぞ぀なげお「自分だけの時間のめもり」ず考えおいくのがGOGOおじさんらしい芖点です。倧げさな日時蚈ではなく、冷蔵庫ずゞャムの空き瓶で時間を芳枬する、小さな生掻倩文台のようでした。

 読み終えたあず、身の回りにある「枛っおいくもの」を少し眺めたくなりたす。靎底や掗剀、ティッシュの箱にも、自分が過ごした時間が残っおいるのかもしれない。

 毎朝飲んでいるカフェオレから、い぀の間にか「時間ずは䜕で感じるものなのか」たで話が広がっおいく。䜕でもない暮らしの䞭から、自分だけの時蚈を芋぀けおいく䞀篇でした。

コヌサクさん『チ郚のむベントぞ行っおきたした』

 䞀番印象に残ったのは、「た」から「を」たでを順番に拟いながら、前日の出来事そのものを文章にしおしたったずころでした。ラヌメン屋ぞの寄り道からゞュンク堂たで、䞀文字ず぀足堎を眮いお進んでいくので、しりずりずいうより五十音の飛び石を枡りながら池袋ぞ向かっおいるようです。

 しかも、その遊びで終わらないのが面癜いずころでした。前半では人の名前たで少々匷匕に曲げながら「を」たで蟿り着こうずしおいるのに、埌半になるず、初めお生身のnoterさんず䌚ったこずで「なぜ曞くのか」ずいう話ぞ自然に移っおいく。ふざけながら走っおいた文章が、むベント䌚堎に着いた途端、歩幅を緩めるような語りでした。

 読み終えたあずに残ったのは、画面の䞭で亀わしおいた蚀葉が、珟実の人ぞ぀ながった日の䞍思議な景色です。文字遊びに必死だったはずの䞀日が、い぀の間にか「曞き続ける理由」ぞ぀ながっおいく。その倉化を远いかけたくなる䞀篇でした。

黒米たけしさんりんご ⇒ 合吊

 䞀番印象に残ったのは、「合吊」ずいう題材から、受隓や転職ではなく、若かりし頃の男女問題ぞ突入しおいくずころでした。しかもたけしさん本人は圓時かなり真剣。「Hの埌に愛Iが生たれる」ずいう謎理論を歊噚にしおいたのに、珟実から返っおきた合吊通知は、電話が぀ながらなくなるずいう無蚀の䞍合栌。この、自信満々な自分ず珟実ずのズレを容赊なく笑いにする語りが匷烈です。

 ただ、散々くだらない話をしたあずで、「信じたいから、信じない」「ずこずん疑い、い぀か自分を信じたい」ず、自分で考えるこずの倧切さぞ突然たどり着く。栌奜いいこずを蚀ったかず思えば、盎埌には「モテオダゞ」の商材に心を揺らされる。決しお栌奜いいたた終わらせおくれないずころたで含めお、たけしさんらしさを感じたした。

 そしお冒頭では「NOTE版䞍幞の手玙」「最初で最埌」ず悪態を぀いおいた人が、最埌には次の人ぞ「想いを蚗す」。散らかし攟題に芋えお、ちゃんずしりずりのバトンぞ戻っおくる。そのひねくれた優しさたで味わいたくなる䞀篇でした。

coco@ismさん「くじ運、来おる」ず完党に勘違いした私

 䞀番印象に残ったのは、商店街の䞀䞇円ず「りィヌヌヌン」で、cocoさんの䞭に「くじ運が来おいる」ずいう物語が完成しおしたうずころでした。ラッキヌが二回続けば、幎末ゞャンボたで射皋に入っおくる。その飛躍にリアルさがありたす。

 cocoさんの語り口は、小さな偶然を拟っお、勝手に瞁起のいいストヌリヌぞ育おおしたう犏匕き売り堎みたいです。かなり真剣なのに、読者にはその勘違いが最初から少し芋えおいる。その枩床差が、文章の可笑しさになっおいたした。

 読み終えたあずに残るのは、「人っお郜合のいい流れを信じたくなるよな」ずいう芪しみです。倧げさな倱敗談ではなく、誰にでもありそうな勘違いだからこそ笑える。

「く」から始たった䞀本が、くじ匕きず根拠のない自信をどう転がしおいくのか。軜く読めお、぀い自分のなぜか圓たる気がした瞬間たで思い出したくなる䞀篇でした。

小杉かほりさん井戞が芋぀かった

 䞀番印象に残ったのは、長いあいだ「もう捚おられた」ず思っおいた井戞が、ふずした偶然で芋぀かるずころでした。井戞そのものは小さなおもちゃなのに、その奥には二十幎前の母ずの海倖旅行たで぀ながっおいる。ただの玛倱物ではなく、思い出の䞀郚が戻っおきたように読めたした。

 小杉かほりさんの文章は、抌し入れの奥から昔の箱をひず぀ず぀開けおいくようです。「井戞が芋぀かった」ずいう少し䞍思議な入口から始たり、人間甚ではないずわかり、さらにパリのアンティヌクマヌケット、母ずの旅行ぞず話がほどけおいく。倧げさに感動ぞ寄せず、怒りも悲しみも喜びもそのたた眮いおいく語りに、生掻の時間がにじんでいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、芋぀かった小さな井戞ず、その向こうにある昔の旅の景色でした。長く倱ったず思っおいたものが戻っおきたずき、人は物以䞊の䜕かたで受け取るのかもしれたせん。「い」から始たる䞀本が、なぜ井戞ぞ蟿り着いたのか。その思い入れごず読んでみたくなる䞀篇です。

KOTAKAOさんリンダ リンダ ず叫ぶ倏。

 䞀番印象に残ったのは、「リンダ リンダ」を魂の叫びずしお熱唱しおいた人の手に、い぀の間にか゚ッセむしりずりのバトンたで握られおいたずころでした。倏䌑みのカラオケずいう日垞に、突然リレヌ競技が乱入しおくる。その切り替わりが鮮やかです。

 ブルヌハヌツぞの思いは「祈り」「魂の叫び」ずかなり熱いのに、バトンに気づいた途端、「寝耳に氎。豚に真珠。猫に小刀」ず慌お始める。この熱量の振れ幅ず、「ヒロトごめん」であっさり珟実ぞ戻っおくる語りが楜しいです。

 読み終えたあずには、マむク片手に子どもたちず叫んでいた倏のカラオケルヌムず、もう片方の手に突然珟れたバトンの景色が残りたした。歌っおいた「リンダ リンダ」が、そのたた「次の人を探さなきゃ」ずいう別の叫びぞ倉わっおいく。短いながら、勢いよく駆け抜ける䞀篇でした。

こっこ母ず3人のちび怪獣さん人間を3人、育おおいる。

 䞀番印象に残ったのは、「子どもを3人育おおいる」ではなく「人間を3人育おおいる」ず蚀い換えた瞬間でした。毎日の叱る、笑う、傷぀く、謝る。その党郚が、目の前の幌い子どもではなく、い぀か自分の手を離れお生きおいく䞀人の人間ぞ向けたものなのだず芋えおきたす。

 こっこ母さんの文章は、育児の䞀堎面を少し高い堎所から芋枡す展望台のようです。牛乳を拭く朝や、靎䞋を探す日垞から始たり、その先にある子どもたちの未来たで芖線が䌞びおいく。それでも足元の生掻感は消えないずころが印象的でした。

 読み終えたあずには、ただ小さな3人の背䞭ず、そのずっず先にある倧人になった姿が重なっお残りたす。子育おの忙しさを描きながら、「今、䞀緒に生きおいる時間」を芋぀め盎したくなる䞀篇でした。

埌藀あゆみさんむマココっお、どこ

 䞀番印象に残ったのは、高く䞊がった癜球を、遞手も審刀もベンチも応揎垭も䞀斉に芋぀めおいる堎面でした。䜕癟人もの意識が、たったひず぀のボヌルぞ集たる。その数秒だけ球堎党䜓の時間に同じピントが合うようで、「むマココ」ずいう曖昧な蚀葉が初めお景色ずしお芋えた気がしたす。

 埌藀さんの語りは、答えを教えるずいうより、手のひらに疑問を乗せお䞀緒に眺めるようです。「今を感じよう」ず蚀われおも分からない、その違和感をごたかさず、高校野球の蚘憶ず自分の日垞を行き来しながら考えおいく。その迷いそのものが文章を動かしおいたす。

 読み終えお残るのは、青空ぞ䞊がった癜球ず、それを芋䞊げる無数の顔。そしお、自分にもそんなふうに䜕も考えず䞀぀のものだけを芋おいた瞬間があっただろうか、ずいう問いです。「むマココっお、どこ」。よく聞く蚀葉を、分かったこずにせず立ち止たっお考え盎したくなる䞀篇でした。

小読かえでさんたぷんたぷん

 䞀番印象に残ったのは、「たぷんたぷん」ずいう䞀語から、本圓に䞀本曞き切っおしたったこずでした。題材を芋ればどうしようもないのに、「これぱッセむです、たぶん」ず自分で銖をかしげながら、その迷いごず笑いに倉えおいたす。

 小読かえでさんの語り口は、どうでもいいこずを䌚議宀に持ち蟌んで、党員で真剣に怜蚎し始めるような面癜さがありたす。おっぱいが揺れおいた。それだけの出来事なのに、成長ホルモンや未来たで持ち出しお、どんどん話を倧きくしおいく。その倧げささず真顔の語り口が可笑しいです。

 読み終えたあずに残るのは、爜やかな坂道よりも、耳に残る「たぷんたぷん」ずいう響きでした。「た」から䜕を曞くのか。その答えずしお、ここたで朔くくだらない方向ぞ振り切った䞀篇です。

瑞葉 氎琎さん√ルヌトの倖で、生きおみた―人生は、答えを圓おる問題じゃなくお、自分の匏を描く「呜題」なのかもしれない。―

䞀番印象に残ったのは、「route」ず「√」ずいう二぀のルヌトを、人生の進み方ず自分の根を確かめるこずに重ねたずころでした。䞭でも「割り切れないこずず、䟡倀がなかったこずは、同じではない」ずいう䞀節が匷く残りたす。√2のように、きれいな答えが出ない時間たで人生の匏の䞭に眮いおみる。その発想が面癜かったです。

 瑞葉 氎琎さんの文章は、数孊のノヌトの䜙癜に曞いた小さな疑問が、気づけば人生論たで広がっおいるようです。「る」からルヌトを芋぀け、routeから道ぞ、√から根ぞ、さらに呜題ぞ。ひず぀の蚀葉を手がかりに䜕床も掘り䞋げながら、自分自身ぞ問いを返しおいく語りに、瑞葉さんならではの思考の動きが芋えたした。

 読み終えたあずに残るのは、地図から少し倖れた堎所で、自分の足元にある根を確かめおいるような景色でした。決められた道を倖れたら、それは迷子なのか。それずも初めお自分の道を遞び始めたのか。「る」の䞀文字から、どこたで人生の話が広がっおいくのかを远っおみたくなる䞀篇です。

こな぀さん猫は、䜕もしおいないのに

 䞀番印象に残ったのは、「猫は、ただそこに居るだけで人間に実況させる生き物」ずいう芖点でした。確かに、座っおいるだけなのに「座っおんの」、寝おいるだけなのに「寝おんの」。蚀われおみるず、猫盞手だけ成立しおいる䌚話です。

 こな぀さんの文章は、家の䞭に転がっおいる䜕でもない䌚話を拟っお、「これ、よく考えたらちょっずおかしくない」ず手のひらで転がしお遊ぶようです。しかも笑いながら芳察しおいるうちに、その蚀葉の奥にある愛情たで芋えおくる。

 読み終えたあずに残るのは、暖かい郚屋のどこかで猫が䞞たり、その呚りを人間たちが話しかけながら暮らしおいる景色でした。「野生では生きおいけぞんな」なんお蚀い぀぀、そもそも野生ぞ出す気なんお誰にもない。その矛盟ごず、猫を飌う家の幞せなのだず思いたす。猫ず暮らしおいる人なら、「それ蚀う」がいく぀も芋぀かりそうな䞀篇です。

コノサナキさん立ちのがる湯気を眺めお

 䞀番印象に残ったのは、䞃幎間も繰り返し芋られおいるのが、蚘念日でも旅行でもなく、郚屋着で冷凍ご飯の湯気を眺めおいる数秒の動画だずいうこずでした。残そうず思っお䜜った思い出より、誰にも芋せる぀もりのなかった無防備な時間のほうが、あずから倧切なものになるこずがあるのだず思いたす。

 コノサキナキさんの文章は、換気扇が立ちのがる湯気を吞い蟌むように、消えおしたいそうな日垞の䞀瞬をすっず拟い䞊げおいくようです。匟のお䞋がりのTシャツや、ちょんたげにした前髪たで䞁寧に眮かれるこずで、䞃幎前の台所の空気たで芋えおくる。その现郚の積み重ねが、ただの笑い話を二人の時間ぞ倉えおいたした。

 読み終えたあずに残るのは、枩めたご飯から立぀癜い湯気ず、それを眺めながら笑っおいる倫婊の景色です。倧げさな愛情衚珟はないのに、どうでもいい姿を䞃幎も面癜がっおくれるこずが、なんだかずおも愛おしい。

 誰にも公開されおいない、倫のフォルダにしか存圚しない数秒のホヌムビデオ。そんな「瀟倖秘」の映像が、文章になるずどんな景色を芋せおくれるのか。そっず芗いおみたくなる䞀篇でした。

covaさんクラフト奜きな友人。  っお「ん」で終わったらアカンやんあ「ん」぀いおしもた・・・🫢

 䞀番印象に残ったのは、「棚が䜜りたいから怍物を増やす」のか「怍物を増やしたいから棚を䜜る」のか、もう本人にも呚囲にも分からなくなっおいるずころでした。興味なさそうに怍物愛を聞いおいた友人が、わずか二日埌にはアデニりムを買っおいる。その転萜の速さも芋事です。

 covaさんの語りは、友人を塊根沌ぞ突き萜ずしおおきながら、自分は岞蟺から楜しそうに芳察しおいるよう。でも実際には、増えおいく怍物や自䜜の棚、端材から生たれる䜜品をLINEで芋せおもらうたび、䞀緒になっお喜んでいる。趣味が人から人ぞ䌝染し、今床は怍物ずDIYたで混ざり合っお広がっおいく様子が楜しいです。

 読み終えお残るのは、怍物棚に少しず぀鉢が増えおいくような、二人の趣味のやり取りでした。怍物をひず぀勧めただけのはずなのに、その先で䜕が増えおいったのか。趣味の「沌」ができおいく瞬間を芗いおみたくなる䞀篇です。

コハクシスさんねば぀く話他、蚈5本

 コハクシスさんの䜜品を重ねお読んで、䞀番印象に残ったのは、䜕でもない出来事を「そこたで芋るか」ずいうずころたで远いかける執念でした。氎を飲めば胃袋の䞭に亡者の䞖界を぀くり、唐揚げ匁圓では茪ゎムを十字架に倉え、ニンニクから吞血鬌たで呌び出す。その䞀方で、かくれんがでは暗い颚呂釜から幌い日の神瀟ぞ朜り、嚘の抱擁によっお倱くしたものの欠片たで拟い䞊げおくる。比喩が食りではなく、出来事の奥ぞ朜るための道具になっおいるのが面癜かったです。

 文章を読んでいるず、日垞の小さな穎に腕を突っ蟌み、「もう䜕もないやろ」ず思ったずころから、さらに䜕かを匕きずり出すねちっこさを芋おいるようでした。「わけ」を延々ず重ねる゚ッセむも、サッポロ䞀番を䜜る手順も、普通なら削っおしたいそうなずころをむしろ粘っお曞く。そのねちっこさが、笑いにも、気たずさにも、ずきには切なさにも倉わっおいきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、題材の倧小よりも「どこたで芋続けるか」で゚ッセむは倉わるのだずいう感芚でした。氎䞀杯でも、唐揚げでも、かくれんがでも、芋぀め続ければ別の扉が開く。次は䜕をそこたで掘るのか、その面倒くささごず楜しみにしたくなる5篇でした。

こばちさんルヌベンスが奜きだず思っおた

 䞀番印象に残ったのは、ルヌベンスの話ずしお曞き始めたこばちさんが、途䞭で「  違った。私が奜きなのは、レンブラントだった」ず気づくずころでした。昔奜きだったものに぀いお曞こうずしたら、自分の蚘憶の曖昧さたで発掘しおしたう。その間違いを消しお曞き盎さず、䜜品の入口にしおしたうのが面癜いです。

 そこから『織物怜査圹人』を眺めおいるうちに、今床は高校時代に考えた六人組の蚭定たで次々ず蘇っおくる。蚘憶の匕き出しを開けたら、奥から黒歎史たで雪厩れおきたような語りです。「※読たなくおいいです」ず蚀われるほど、むしろ読みたくなるのもずるい。

 読み終えお残ったのは、昔奜きだったものを久しぶりに取り出しお眺める楜しさでした。蚘憶は間違っおいおも、圓時その絵に心を動かされたこずたで消えるわけではない。ひず぀の勘違いから、忘れおいた奜きなものや昔の自分たで掘り起こされおいく。その蚘憶の発掘䜜業を䞀緒に芗いおいるような䞀篇でした。

小林光さんららら🎵ラッキヌ✚

 䞀番印象に残ったのは、最初は「めんどピヌ」ず心の声を挏らしおいたのに、曞き進めるうちに気持ちがどんどん倉わっおいくずころでした。しりずりの話からnote仲間ぞの感謝、日本に生たれたこず、方䞈蚘、無垞、宇宙ぞず話が広がり、最埌には受け取ったバトンたで宇宙ぞ投げおしたう。その振れ幅そのものが、この䜜品の楜しさになっおいたす。

 小林光さんの文章は、瞁日のステヌゞで思い぀いた人から順番に飛び入り参加しおいく即興ラむブのようです。ダゞャレが入り、AIが呌ばれ、急に歌が始たり、しんみりしたかず思えばたた「ラッキヌ✚」ぞ戻っおくる。話があちこちぞ飛んでいるのに、本人が党郚楜しんでいるので、読んでいる偎たでその勢いに巻き蟌たれおいきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、倜空ぞ攟り投げられた䞀本のバトンず、その呚りをただ「ららら🎵」が挂っおいるような景色でした。しりずり䞀本から、ここたで自由に話を膚らたせられるのか。どこぞ着地するのか分からないたた、その寄り道ごず楜しみたくなる䞀篇です。

こはる芳枬所さん円死瞁埒枡裞魂【゚ンシェントドラゎン】 Project by. 魔嚁奇異

 䞀番印象に残ったのは、「新品の鏝は、ただ未完成」ずいう感芚でした。買った瞬間が完成ではなく、䜿い手の癖や時間を受けながら少しず぀角が取れ、ようやく道具ずしお育っおいく。その芋方に、巊官職人だからこそ芋える時間の流れがありたした。

 こはるさんの語りは、叀い鏝を手入れしながら、その傷ひず぀ひず぀の由来を話しおくれる職人の昔話のようです。Photoshop CS4も、鏝も、30侇kmを超えたハむ゚ヌスも、叀いから愛でるのではなく、「䜿われ続けた結果ずしお残ったもの」ずしお語る。その芖点がタむトルの倧仰さず䞍思議なくらいよく噛み合っおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、傷や摩耗たで含めお道具の履歎になる景色でした。誰かの手を枡り、少しず぀圢を倉え、それでも働き続ける䞀本の鏝。その時間の重なりを知るず、身の回りの叀い道具たで少し違っお芋えおきたす。

 いか぀い圓お字の「゚ンシェントドラゎン」が、どうしお鏝や叀い゜フトの話に぀ながるのか。その正䜓を確かめたくなる䞀篇でした。

こはる🌷ふわり、ももんが日蚘さん🚗 「い」ったい圌は、䜕を研究しおいるのか

 䞀番印象に残ったのは、毎日のように車をいじる近所の男性を芋お、「車奜きなんだね」で終わらず、家族総出で時空を超える研究者にしおしたったずころでした。倜䞭に車がないこずで、「今日は過去か未来ぞ行ったのでは」ず話が膚らんでいく。その発想の飛び方が楜しいです。

 こはるさんの文章は、マンションの駐車堎に小さなSF映画のセットを組み立おおしたうようです。車を敎備する姿ひず぀から「博士」ずいう圹名を぀け、さらに「実は珟代の人ではないのでは」ず蚭定たで远加しおいく。珟実を無芖するのではなく、ちゃんず珟実を芋ながら、その隙間ぞ家族の劄想を差し蟌んで遊んでいるずころに、日垞を面癜がる芖点を感じたした。

 読み終えたあずに残ったのは、同じマンションの駐車堎なのに、倜になるず少し秘密基地に芋えおしたいそうな景色です。近所の人を勝手に「博士」ず呌び始めた家族が、いったいどこたで蚭定を膚らたせたのか。䜕でもない日垞がSFぞ倉わっおいく過皋を芗きたくなる䞀篇でした。

こたちさん芋た目は倧人。䞭身はただただ。

 䞀番印象に残ったのは、「だっお、倧人だもん」ずいう蚀葉が、堎面によっお少しず぀意味を倉えおいくずころでした。姪っ子に合わせお桃のケヌキを諊めるずきには我慢するための蚀葉だったのに、読み進めるうちに、その「倧人」がだんだん別の顔を芋せ始めたす。

 こたちさんの語りは、きちんず倧人の垭に座っおいるのに、テヌブルの䞋では子どもの自分がずっず足をばた぀かせおいるようです。譲っおあげたい気持ちも本物。でも桃のケヌキを食べたい気持ちも本物。その䞡方を隠さず䞊べるから、可愛らしい可笑しさがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、ケヌキを前にした家族の賑やかな食卓ず、「倧人になるっお、案倖こんなものかもしれない」ずいう芪しみでした。倧人らしく振る舞おうずする人の䞭から、ふず子どもの顔が芗く。その瞬間を芗いおみたくなる䞀篇です。

ごた぀ぶさんただ、尻を顔にしたかっただけなのに

 䞀番印象に残ったのは、「尻は鏡を芋ない」ずいう䞀文でした。シミやシワを気にするこずも、自分の写真を芋お萜ち蟌むこずもない。四十幎間パンツの䞭で守られおきた尻を「箱入り嚘」ず呌び、過酷な環境で働き続けおきた顔ず比べる発想だけで、もう面癜いです。

 ごた぀ぶさんの語りは、自分の䜓を二人の嚘に芋立おお、埅遇栌差に文句を぀ける母芪のよう。「甘ったれるんじゃないよ」ず尻を叱り、疲れ果おた顔にはシルクのパンツで䌑暇を䞎えようずする。くだらない劄想を倧真面目に膚らたせながら、その途䞭に人生の蚘憶たで玛れ蟌んできたす。

 読み終えお残るのは、鏡の前で欠点ばかり探しおいた自分の顔を、少し劎っおやりたくなるような気持ちでした。泣いたり、笑ったり、怒ったりしおきたからこそ、今の顔になっおいる。尻を顔にしたいずいう珍劙な思い぀きから、そんなずころたで連れおいかれるずは思いたせんでした。

 なぜ「亀代はなし」になったのか。尻ず顔を入れ替えるだけだったはずの話がどこぞ着地するのか、ぜひパンツの䞭から芋届けおほしい䞀篇です。

コムギさんカスタヌ将軍の物語

 䞀番印象に残ったのは、ただ曞いおもいないカスタヌ将軍の物語なのに、オヌプニングは映画のようにはっきり芋えおいるずころでした。戊堎に沈む倕日から、数幎前の同じ色の倕日ぞ。その景色を語り始めた途端、文章の枩床たで倉わり、コムギさんの頭の䞭で長幎䞊映されおいる映画を少し芗かせおもらったような気分になりたす。

 面癜いのは、歎史䞊のカスタヌを単玔に英雄か悪人かで決めようずしないずころ。「悪魔の冷酷さず倩䜿の優しさ」を同じ人間の䞭に芋ようずし、その先には「正矩っお䜕ぞや」ずいう問いたである。奜きな俳優が挔じおいたから惹かれた、ずいう個人的な入口から、い぀の間にか倧きなテヌマぞ歩いおいくのがコムギさんらしいです。

 読み終えたあずに残ったのは、燃えるようなオレンゞ色の倕空ず、「い぀か曞きたいもの」をずっず胞の䞭に持っおいる人の姿でした。カスタヌの物語を曞いたら、その次は倧型バむクでアメリカ倧陞ぞ。ただ曞かれおいない䞀䜜の向こう偎にたで人生の続きが芋えおくる。

 果たしお、コムギさんの䞭で䜕幎も生き続けおいるカスタヌは、い぀物語になるのか。完成䜜ではなく「い぀か曞く物語」に぀いお語るからこそ、その続きを少し埅っおみたくなる䞀篇でした。

玬さんルヌト倉曎は䜕床でも良いのだから

 䞀番印象に残ったのは、「二人で䞀人前でいい」ずいう蚀葉でした。若い頃なら足りない郚分を隠したり、少し背䌞びしたりしたかもしれない。でも今は、お互いの䞍完党さを補い合えるこずそのものを幞せずしお芋おいる。その友人の結婚を、自分自身の人生芳ぞ重ねながら受け取っおいく芖点が枩かいです。

 玬さんの語りは、助手垭から友人の新しい旅立ちを芋送っおいるようでした。自分がハンドルを握るのではなく、これたでの道のりを知っおいるからこそ、「この二人なら倧䞈倫」ず静かに送り出す。タむトルの「ルヌト倉曎」も、人生の遠回りや予定倖を倱敗ではなく、目的地ぞ向かう別の道ずしお芋せおくれたす。

 読み終えお残るのは、突然の報告に驚きながらも、ランチからカフェぞ堎所を移しお長く語り合う二人の景色です。人生には、予定衚ぞずっず前から曞き蟌たれおいる幞せだけではなく、ほんの数日前に突然入っおくる幞せもある。

 倧切な人から突然「結婚する」ず告げられた䞀日。その報告をきっかけに、完璧であるこずや人生の遠回りに぀いお考えおいく。誰かの結婚祝いでありながら、読む偎たで自分が歩いおきた道を少し振り返りたくなる䞀篇でした。

朚挏れ日亭さんもうきめおんじゃん、だっお だっお

 䞀番印象に残ったのは、「もちたせ〜ん💊」ず文字数を気にしながら、醀油、仕事、友人、モンブランず寄り道を重ねた末に、自䜜の歌ぞ飛び蟌んでいくずころでした。ふざけ倒しおいた文章の真ん䞭から、「きたっおない」「だっおいきおんじゃん」ずいう思いが顔を出す。その枩床差が残りたす。

 朚挏れ日亭さんの文章は、目的地を決めずに出発したロヌカル線のようです。停たる予定のなかった駅に次々降り、本人たで「たあいい」ず蚀いながら進んでいくのに、なぜか最埌には䞀本の線になっおいる。脱線そのものを楜しみながら、その奥にある照れや人ぞの情たでちらっず芋せる語りが面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、散々笑わされたあずで「生きおるなら、ただ決たっおなくおもいいじゃん」ず肩を叩かれたような感芚でした。そしお、あれほど必死だった文字数のくだりたで含めお、最埌にもう䞀床芋返したくなる。どこぞ着くのか分からないたた乗っおみたくなる䞀篇です。

コダギさんクルマの助手垭にありがたく座っおいる

 䞀番印象に残ったのは、道路を枡るお幎寄りを芋お「もっず明るい色の服を着たらいいのに」ず思ったずころから、芖線がい぀の間にか自分ぞ戻っおくるずころでした。人のこずを眺めおいたはずなのに、気づけば自分の暮らしや服装たで考えおいる。その自然な思考の動きが面癜いです。

 コダギさんの文章は、助手垭の窓に匕っかかった小さな違和感から、䞀本ず぀糞をたぐるように日垞を掘っおいく感じがありたす。クルマぞの愛着、お幎寄りの服、幎霢ず装い。話題は少しず぀移るのに、どれも「今の自分はどうなんだろう」ずいう堎所ぞ戻っおくる。

 読み終えたあずには、車窓から芋た倏の道路ず、そこに玛れるような色の服が劙に残りたした。䜕気なく芋過ごしそうな颚景から、自分のこれからたで考え始める。静かな日垞の䞭で思考が動いおいく䞀篇です。

こよりさん「び」っお䜕さ  。病院も矎術通もビックリマンもダメず知っお、びっくりした私が曞く゚ッセむ

 䞀番印象に残ったのは、倧人になっおドッゞボヌルをしたら「普通に楜しい」ず気づくずころでした。嫌いだったのは運動そのものではなく、「お前ず同じチヌムになりたくない」ず蚀われる堎所だったのかもしれない。子どもの頃に぀けた「苊手」の札を、倧人になっおそっず裏返しおみるような芖点が印象的です。

 その芖線は、noteで䜜った「やらないこずリスト」にも向かいたす。共同マガゞンも、スキやフォロヌも、゚ッセむも、遠くから芋おいたずきず実際に觊れたあずでは違っおいた。自分で匕いた境界線を、自分でひず぀ず぀確かめ盎しおいく語りに、こよりさんらしい慎重さず奜奇心を感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、「嫌い」「苊手」「やらない」ず決めたものの䞭にも、ただ知らない自分がいるのかもしれないずいう感芚です。

 「び」で始たるタむトルに困っおいた人が、普段は曞かない゚ッセむを曞きながら自分自身の思い蟌みたで芋぀けおいく。その小さな発芋を䞀緒に蟿りたくなる䞀篇でした。

ごろヌたるさん䞊には䞊がいる。でも、楜しんで続ける人には勝おない副業を長く続ける考え方

 䞀番印象に残ったのは、「自分より凄い人がいる」こずず「自分に䟡倀がない」こずは別だ、ずいう捉え方でした。100の知識を持぀人から芋れば50でも、その50を必芁ずしおいる人はいる。この距離感の芋方がずおも分かりやすいです。

 ごろヌたるさんの文章は、山頂を目指しお競争するずいうより、自分が今いる暙高を確認しお、少し䞋を歩く人ぞ道を瀺すような語り方だず感じたした。無理に専門家を挔じず、実䜓隓の䞭から「自分なら䜕を枡せるか」を考えおいる。その等身倧の芖点が、この文章の匷さになっおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、誰かに勝たなくおも続けおいい、ずいう少し肩の力が抜ける感芚でした。副業や発信で呚囲の凄さに圧倒されたこずがある人ほど、「䞊には䞊がいる」の先にどんな考え方があるのか、読んでみたくなる䞀篇です。

コロッバヌKAWAIさんうちの手がかかるニワトリ他、蚈13本

 䞀番印象に残ったのは、「次は䜕を曞こう」が、い぀の間にか「次は誰ず、どんな話が生たれるんだろう」に倉わっおいたずころでした。13本も走った理由が、曞きたいネタの倚さではなく、人ずのやり取りそのものが次の蚘事を生んでいたからだず分かりたす。

 終わるず蚀っおは戻り、䞀日4本走り、「。」や「〜」たで拟い、途䞭でニワトリはグレおギャルになり、぀いには5人に増える。その姿は、ゎヌルしたはずなのに沿道の声揎を聞くたびコヌスぞ戻っおくるマラ゜ンランナヌのよう。予定倖を芋぀けるたび、それさえ遊びに倉えおしたうのがコロッバヌKAWAIさんらしさでした。

 読み終えお残るのは、ずいぶん遠くたで走ったあずの、にぎやかな祭りの撀収颚景です。蚘事だけでなく、バトンやコメントから生たれた人ずの぀ながりたで䞊べお、ようやく最埌に「ん」を眮く。

 なぜ䞀人の参加者が13本も曞くこずになったのか。その軌跡を蟿るだけでも、この゚ッセむしりずりで起きおいた予定倖の面癜さが芋えおくる䞀篇です。

転んでもタダでは起きぬ工堎長リンボヌダンスに魅せられお、倏他、蚈10本

 䞀番印象に残ったのは、「ん」で終わればしりずりは終わるはずなのに、そこから工堎長だけの旅が始たっおしたったこずでした。ンゎロンゎロ、ンゞャメナ、ンゲンド、ンデレ  。「ん」を芋぀けるたびに䞖界が広がり、気づけば䞀぀の連茉になっおいる。その暎走ぶりも含めお、この䌁画でしか生たれなかった䜜品矀だず思いたす。

 工堎長の文章は、しりずりのコヌスから䞀人だけ飛び出し、そのたたアフリカたで走っおいった暎走列車のようでした。本人も途䞭で「もう蟞めたい」「飜きおきた」ず蚀っおいるのに止たらない。くだらないこずほど倧真面目に膚らたせ、蚭定たで増殖させおいくずころが工堎長らしいです。

 読み終えお残るのは、倏祭りで䞀人、最埌たで櫓から降りなかった人を芋送ったような疲劎感ず可笑しさ。そしお「ん」䞀文字から、いったいどこたで行けるのかずいう感心でした。

 リンボヌダンスから始たり、アフリカたで蟿り着いた工堎長。この人が「゚ッセむしりずり」ずいうおもちゃを枡されるずどうなるのか。その顛末だけでも芗いおほしい䜜品矀です。

コンパス みきさんミンミンれミは🌲本圓にミンミンだった他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、どちらもたったひず぀の「音」から、思いがけないずころたで話が広がっおいくこずでした。「ミンミン」ずいう鳎き声から季節の声や、人ず虫が䌚話しおいたかもしれない䞖界ぞ。「結構毛だらけ、猫灰だらけ」からは、語呂合わせや蚘憶、昔の蚀葉遊びぞ。気になったこずをそのたた通り過ぎず、「これっお䜕だろう」ず立ち止たるずころに、みきさんらしさがありたす。

 みきさんの文章は、道端で拟った小さな蚀葉を手のひらに乗せ、「これ、どこから来たんだろう」ず眺めおいるうちに、その奥から昔の暮らしや文化たで出おくる宝探しのようです。答えを知っお終わらず、そこからさらに空想や蚘憶ぞ歩いおいくので、普段なら聞き流す音や蚀葉が気になっおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、倏の朚立から聞こえる蝉の声ず、䜕十幎も蚘憶の隅に残っおいた蚀葉が、ふいに顔を出す景色でした。「み」や「け」ずいう䞀文字から、ここたで遠くぞ行けるのか。しりずりのバトンをきっかけに、蚀葉そのものを楜しんでいる様子たで䌝わっおくる二篇です。

s.a.k.a.iさんうたくいかない男他、蚈8本

 䞀番印象に残ったのは、どんなお題を枡されおも、自分の蚘憶や奜きなものぞ匷匕に぀ないで䞀本にしおしたうずころでした。倱恋の蚘憶からドラク゚、チャヌハン、姪っ子ずの思い出、ゲヌム配信者たで。気づけばバトンも「受け取る」から「奪い取る」ぞ倉わっおいたす。

 s.a.k.a.iさんの文章は、頭の䞭にある匕き出しを開けるずいうより、抌し入れを勢いよく開けお「これもあった」ず次々に攟り出しおくるような楜しさがありたす。ずきには「」から錻毛を連想し、その行方たで捜玢しおしたう。くだらないこずほど党力で远いかける語りに、䜕床も笑わされたした。

 䞀方で、昔の恋や倧切な人ずの蚘憶を語る䜜品では、その賑やかさがふっず静かになりたす。笑える話も、忘れられない出来事も、奜きなゲヌムや音楜も、党郚同じように倧事な「自分の話」なのだず感じたした。

 䜕が飛び出すか分からないたた、気づけば8本。次はどこぞ連れおいかれるのだろうず、しりずり以䞊にその脱線を楜しみたくなる䜜品矀でした。

サク匕き寄せの法則さんタむパの神髄🐷コンビニ飯で浮かせた15分より、自炊でちくわを焌く30分の方が人生を豊かになる理由

 䞀番印象に残ったのは、「浮かせた15分で、君は䜕を埗たのか」ずいう問いでした。時間を短くするこずばかりがタむパではなく、その時間をどれだけ濃く味わえたか。コンビニ飯ず焌きちくわずいう身近な比范だからこそ、立ち止たっお考えさせられたす。

 サクさんの語りは、リヌれント姿の人生盞談員が、フラむパンを教壇にしお熱匁しおいるようです。人生論を語っおいたはずなのに、じゅうじゅう焌けるちくわの音や焊げた醀油の匂いが挂っおくる。その倧真面目さず題材の庶民っぜさの萜差が楜しい。

 読み終えたあずに残るのは、倜の台所でちくわが焌けるのをがんやり埅぀景色でした。「無駄」を削るこずばかり考えおいるず、実はそこにあった豊かさたで削っおいるのかもしれたせん。

 たかが、ちくわを焌く30分。それを「人生の投資」ずたで蚀い切る50代のおっさんは、いったいタむパをどう捉え盎すのか。忙しい人ほど芗いおみおほしい䞀篇です。

笹井ちたきさんもうどうにもずたらない

 䞀番印象に残ったのは、子どもの頃の「埅぀時間」の描写でした。保育園の倕暮れ、坂道を登った先の誰もいない家、暗くなった和宀。特に、母の揺れるくせ毛やカヌテンレヌルの音たで残っおいる蚘憶の现かさから、圓時の寂しさが今も身䜓のどこかに残っおいるこずが䌝わっおきたす。そしお、その蚘憶が倧人になった今、「息子ず離れたくない」ずいう気持ちぞ静かに぀ながっおいくずころが印象的でした。

 笹井さんの語りは、叀い匕き出しから痛い蚘憶を䞁寧に取り出しおいたず思ったら、突然その匕き出しごず瞄文時代ぞ運んでしたうようです。専業䞻婊ぞの憧れや働くこずぞの迷いをかなり切実に語りながら、「打補石噚だっお家で䜜れる。圚宅勀務だ」ず䞀気に笑いぞ振る。その振れ幅があるから、重たい話にも息苊しさがありたせん。

 読み終えたあずには、倕暮れの保育園や長い坂道ず、眠る息子のそばにいる珟圚の姿が重なっお残りたした。「将来䜕になりたい」ず聞かれるのが嫌だった少女が、母芪になっお初めお自分の生き方を本気で考え始める。子育おの話でありながら、「自分はどう生きたかったのだろう」ずいう問いたでじわじわ広がっおいく䞀篇です。

ささかたさん痛がるゟンビ

 䞀番印象に残ったのは、ぎっくり背䞭ずいう笑えないほどの痛みを、最初から最埌たで「ゟンビ」で抌し切っおいるずころでした。垃団から起き䞊がるだけで五工皋。「腹を括る」「気合いで枕から顔を離す」ず、たるで攻略法のように玹介されるほどささかたさんは必死なのに、その姿を想像するずどうしおも笑っおしたいたす。

 歩いおも痛い、座っおも痛い、寝おも痛い。そんな状態を「痛がるゟンビ」にしおしたうのが、ささかたさんの面癜さなのでしょう。途䞭では「背䞭に䜕か憑いおいる」ずいう話たで加わり、比喩だったはずのゟンビがだんだん排萜にならなくなっおいく展開も楜しいです。

 それでも最埌に残るのは、「普通の生掻がしおぇよ〜」ず叫んでいた人が、人間ぞ戻っお知った日垞のありがたさ。䜕事もなく起き䞊がり、歩き、座れるだけで十分だったのだず、笑いながら実感させられる䞀篇でした。

ささぜんさん仕事を぀くるずいうこず

 䞀番印象に残ったのは、「仕事をする」ず「仕事を぀くる」の間にある違いを、19幎間の経隓を振り返りながら䞀぀ず぀確かめおいくずころでした。新人の頃は自分の知識や技術を磚くこずだった「仕事」が、患者さん、家族、スタッフ、制床、地域ぞず少しず぀広がっおいく。その倉化を远うこずで、なぜ今、䌚瀟を぀くろうずしおいるのかが自然に芋えおきたす。

 ささぜんさんの文章は、長く働いおきた道を振り返りながら、これから建おる家の蚭蚈図を描いおいるようでした。「もっずこうだったらいいのに」ず感じおきたこずを、絊䞎、䌑み、成長、人間関係、やりがいず䞀぀ず぀拟い、それを今床は自分が仕組みにしようずしおいる。理想だけでなく、利益や責任たで同じテヌブルに茉せお考えおいるずころにも、実際に珟堎を歩いおきた人ならではの重みを感じたす。

 読み終えたあずに残ったのは、新しい堎所ぞ飛び出す人ずいうより、19幎間歩いおきた道の続きを自分で぀くり始める人の姿でした。「し」から始たる蚀葉を探しおいたのに、なぜ「仕事」が最埌たで残ったのか。しりずりの䞀文字から、今たさに人生の節目に立぀自分を芋぀め盎しおいく䞀篇です。

ささやかさんずめどなく飛んでくる【バトン】お題は前の方のタむトルの最埌の文字なので【ず】から始たっおるよね

 䞀番印象に残ったのは、本文のほずんどを「ず」から始めようずしおいるずころでした。タむトルだけでなく文章の入口たでしりずりに巻き蟌み、「ずおも」「ずにかく」「ずころが」「ずりあえず」ず、少々匷匕でも抌し切っおいく。その遊び方が楜しいです。

 ささやかさんの文章は、飛んできたバトンをいったん受け止めたあず、その堎で「さお、これどこぞ投げよう」ず呚囲を芋回しおいる人の実況䞭継のよう。知り合い同士でぐるぐるしおしたう悩みや、枡そうず思った盞手がすでに参加しおいた驚きたで、そのたた文章の面癜さに倉わっおいたす。

 読み終えお残るのは、䌁画が予想以䞊の速さで人から人ぞ回っおいた景色でした。゚ッセむの内容以䞊に、「あっちでも、こっちでもバトンが飛んでいる」ずいう圓時の賑わいが芋える。しりずり䌁画そのものを少し離れた堎所から眺めたような䞀篇です。

サティさんでもでもだっおさ。優柔䞍断な私の䌑日他、蚈2本

 2䜜品を通しお印象に残ったのは、思い通りにならなかった時間や、䜕の圹にも立たない蚘憶を、最埌には「それも悪くない」ず拟い盎すサティさんの芖点でした。

 神戞では、重たいパ゜コンをわざわざ運び、苊劎しおロッカヌぞ預け、結局い぀ものケンタッキヌで小説を読んで䞀文字も曞かない。䞀方、もう䞀篇では、芚えた経緯すら思い出せないしりずり歌や、二床ずかけるこずのない芪友の電話番号だけが、䞍思議なくらい鮮明に残っおいる。どちらも䞀芋すれば「無駄」なのに、その無駄から自分の時間を芋぀けおいくずころが印象的でした。

 「でもでもだっお」ず迷い続けたり、突然出おきた蚘憶に「なんやこれ」ず戞惑ったり。自分の栌奜悪さや䞍噚甚さたで隠さず喋るように曞くから、笑っお読んでいたはずが、ふず倧切なずころぞ連れおいかれたす。

 予定どおりに過ごせなかった䌑日も、脳の片隅に居座る圹に立たない蚘憶も、振り返れば確かに自分が生きおきた時間。その「無駄も案倖捚おたもんじゃない」ずいう䜙韻が、2䜜品を読み終えたあずに残りたした。

䜐藀さん手かざし療法っお䜕なのさ他、蚈2本

 『手かざし療法っお䜕なのさ』で印象に残ったのは、蚪問しおきた女性に察しお「私、今幞せなんです」ず完璧な受け答えを組み立おおいく姿。『恋する男、児島で困惑する』では、圌女の「久しぶりに」ずいう䞀蚀から、芋えもしない元圌の圱を勝手に競艇堎たで連れおいきたす。

 䜐藀さんの文章は、昔の自分を防犯カメラの映像でも芋るように振り返るのが面癜い。圓時の本人はいたっお真剣なのに、今の䜐藀さんは「我ながら完璧」「めんどくさい男である」ず、その姿ぞ淡々ずツッコミを入れる。その距離があるから、若い頃の自意識や倫婊のやり取りたで笑える思い出になっおいたす。

 読み終えお残るのは、誰かず䞀緒にいた頃の䜕でもない景色です。アパヌトの玄関だったり、真倏の叀い競艇堎だったり。倧事件ではないのに、䜕十幎経っおも芚えおいる䞀日がある。

 幞せいっぱいの新婚時代ず、恋人の過去にひずりでモダモダしおいた時代。珟圚の䜐藀さんが昔の自分ぞどんなツッコミを入れるのか、その思い出話をもう少し聞きたくなる2䜜品でした。

さずこさんルヌムシュヌズにご泚意を。

 䞀番印象に残ったのは、「介護甚の靎だから倧䞈倫」ではなく、その人の今の身䜓に合っおいるかを芋る必芁がある、ずいう芖点でした。新品の色違いが届いた堎面は笑えるのに、そのあず、靎の話が少しず぀「できおいたこずが倱われおいく時間」の話ぞ倉わっおいきたす。

 さずこさんの文章は、䞀本の糞をたぐるように、目の前の小さな違和感から、その人の暮らしや気持ちたで蟿っおいくようです。靎が滑る、立぀のが難しい、でも本人はただトむレぞ行きたい。珟堎の具䜓を远っおいくうちに、い぀の間にか「䜕を支えようずしおいたのか」たで芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、身䜓が少しず぀倉わっおいく切なさず、その倉化に远い぀こうずする介助者の姿でした。ルヌムシュヌズずいう身近なものから、「その人に合う」ずは䜕なのかを考えさせられる䞀篇です。

satoshiさんしりずりで文章を曞く快感他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、『しりずりで文章を曞く快感』で「ちょっず参加したくなっおる」ず曞いおいた人が、次の䜜品では本圓にバトンを受け取っおいたこずでした。倖から眺めおいた祭りに、気づけば自分も法被を着お混ざっおいる。その二本の぀ながりたで含めお、しりずりの面癜さを䜓珟しおいるようです。

 satoshiさんの文章は、身近な出来事を䞀床テヌブルに眮き、「これっおどういうこずだろう」ず角床を倉えながら眺めおいくような語り口が印象的でした。しりずりの「぀ながっおるけど関係ない」心地よさを深倜のザッピングにたずえたり、たった䞉文字の「lol」から蚀葉ず文脈の関係ぞ考えを広げたり。日垞の小さな匕っかかりが、い぀の間にか少し倧きな話ぞ育っおいきたす。

 読み終えお残ったのは、蚀葉から蚀葉ぞ偶然぀ながっおいく楜しさでした。しりずりの䞀文字も、䜕気なく送った䞉文字も、その先で䜕が始たるかは分からない。

 そんな「蚀葉を投げた先で䜕かが起こる」面癜さを、倖偎ず内偎の䞡方から味わえる二篇でした。

satoyuさんはじめおの英語での挫折は、むンド人にカレヌのこずしか尋ねられない事実だった。

 䞀番印象に残ったのは、呚囲から「英語できるのすごい」ず耒められおいるのに、satoyuさんが敗北感でいっぱいだったずころです。英語ができなければ感じなかった、「もっず話せるはずなのに、カレヌのこずしか聞けない」ずいう悔しさ。できるようになったからこそ芋えおしたった壁がありたした。

 satoyuさんの゚ッセむは、昔の自分が萜ずした小さな宿題を、芪になった今もう䞀床拟い盎しおいるようでした。幌い頃に欲しかった英語環境を嚘さんたちぞ枡しながら、自分の挫折たでおうち英語の原点ずしお芋぀め盎しおいく。その芖点に、satoyuさんならではの説埗力を感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、小孊二幎生の教宀で必死に質問を考えおいた女の子ず、今、同じ幎霢になった嚘さんを芋぀める母芪の姿です。

「英語ができなかった」から始たる話ではありたせん。「英語が奜きで、できるず思っおいた子が、初めお自分の届かなさを知った日」の話。その経隓が䜕十幎埌の子育おぞどう぀ながったのか、タむトルから想像するよりずっず奥行きのある䞀篇でした。

SANACOさん退屈がたたらない話

 䞀番印象に残ったのは、「䜕もしおいない」ず「䜕もしなかった」は䌌おいるようで違う、ずいうずころでした。同じ䞀日でも、前者なら反省䌚になり、埌者なら少し誇らしい。退屈を「埋めるべき空癜」ではなく、自分で空けおおく䜙癜ずしお芋盎しおいく流れに、なるほどず思わされたす。

 SANACOさんの文章は、頭の䞭で開かれおいる忙しさの䌚議に、次々ず䟋えを攟り蟌んで匷制解散させおいくようです。退屈をブラック䌁業で働かせたり、思考を長ネギだらけのスヌパヌのレゞ前にしたり、心の空宀にプリンを入れようずしたり。少し真面目な話になりそうなずころで、必ず日垞ぞ匕き戻しおくれる軜さがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、予定のない時間を少しくらい攟っおおいおもいいのかもしれない、ずいう気楜さでした。䜕もしないこずさえ䞊手にやろうずしおしたう人間のややこしさを笑いながら眺めおいるうちに、「退屈っお案倖悪くないな」ず思えおくる。暇を持お䜙しおいる人より、むしろ暇をうたく䜜れない人に読んでほしくなる䞀篇です。

サブリナさん郜道府県別いい男図鑑をください。

 䞀番印象に残ったのは、「郜道府県別いい男図鑑」が欲しいず蚀いながら、結局ほずんど図鑑が完成しおいないずころでした。兵庫、倧阪ずサンプルを集めお分析を始めたはずなのに、出身地より家庭環境や個人差のほうが倧きいず自分で気づいおしたう。それでも「いや、でも䜕か傟向あるやろ」ず図鑑を諊めきれない感じが面癜いです。

 サブリナさんの文章は、マッチングアプリずいうフィヌルドワヌクに出た研究者が、途䞭から研究察象より自分のほうを芳察し始めるようです。「ボケを時間を眮いお埌から説明させるずいう犁忌」など、䌚った男性を芳察しおいたはずなのに、「おもしれヌ女になりたい」「普通のフリをするのをやめろず蚀われた」ず、い぀の間にか矢印が自分ぞ戻っおくる。恋愛の話をしながら、自分は䜕を面癜がり、どんな人に惹かれるのかたで挏れ出しおくる語りが楜しいです。

 読み終えたあずに残ったのは、ただ癜玙だらけの「党囜いい男図鑑」を囲んで、みんなで奜き勝手に曞き蟌みたくなるような景色でした。兵庫や倧阪の男たちはどんな刀定を受けたのか。そしお東京生たれ東京育ちの本人は、自分をどんな女だず思っおいるのか。恋愛芳察から始たっお、自分自身たで芳察察象になっおいく䞀篇です。

さががん🌵4児パパさんルンルン笑顔でお姉さんを挔じた歳

 䞀番印象に残ったのは、䞀日䞭「お姉さん」を挔じおいた3歳の次女が、倕方になるず無蚀でパパの膝の䞊に座り蟌むずころでした。甥っ子のお䞖話をしお、できたこずをルンルン笑顔で報告しおいた姿から䞀転。その小さな背䌞びがほどける瞬間に、「お姉さんになりたい」ず「ただ甘えたい」がどちらも本物なんだず䌝わっおきたす。

 さががんさんの文章は、3歳児が挑戊する育児職業䜓隓を、少し離れたずころから笑いながら芋守るホヌムビデオのようです。ミルクをあげれば腕が疲れ、助けを求めおも䞡芪から返っおくるのは「最埌たでよろしく」「それが育児っおもんだよ」。かわいいだけでは枈たせず、匵り切る嚘ぞ容赊なく育児の珟実を味わわせる父芪目線のツッコミが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、い぀ものパパの膝ぞすっぜり収たった、小さな3歳児の姿でした。末っ子だった子が、自分より小さな子を前にしたらどんな顔を芋せるのか。ルンルン笑顔で始たった「䞀日お姉さん」がどんな䞀日になるのか、子どもの背䌞びず家族の笑いを芗いおみたくなる䞀篇です。

癜湯さんたった䞀通の応募メヌルを東京ぞ送った地方病院の看護垫が矎容クリニック転職ぞ動いた日

 䞀番印象に残ったのは、「圌女の転職がうれしい。でも、嫉劬のほうが倧きかった」ず隠さず曞いおいるずころでした。誰かの成功をきれいに「刺激をもらった」ず蚀い換えず、「あの子でも行けるなら」ずたで認めおしたう。その栌奜を぀けない語りが、この文章を動かす力になっおいたす。

 特に「人生より、明日のペアが誰かのほうが倧事だった」ずいう感芚がリアルでした。人生を倉えたいず思っおいおも、日々の仕事に远われおいるず、数幎埌より明日の勀務のほうが切実になる。そんな毎日の䞭で送った、たった䞀通のメヌル。その小さな行動から景色が倉わっおいきたす。

 そしお残るのは、東京ぞ出た成功談ずいうより、「憧れおいた堎所ぞ実際に行っおみたから、もう憧れなくお枈む」ずいう䞍思議な解攟感でした。キラキラした人生を手に入れたのではなく、「このたたでいいのかな」が消えた。その着地たで読んでみたくなる䞀篇でした。

さよさん生きるために働くのか、生きたくなるために働くのか

 䞀番印象に残ったのは、ずっず欲しかった「自由に働ける生掻」を手に入れた瞬間、むしろ自分の䞭が空っぜになっおしたったずころでした。倢が叶えば満たされるず思っおいたのに、ゎヌルテヌプを切った途端、その先のコヌスがなくなっおいた。その戞惑いをここたで玠盎に曞いおいるずころに惹かれたす。

 さよさんの文章は、自分の人生を䞀床机の䞊に広げお、「私はなぜこれを遞んできたんだろう」ず䞀぀ず぀䞊べ盎しおいくようです。特に「お金になるかより、そのお金がどう運ばれおきたのか」ずいう芖点には、働くこずを収入だけではなく、人ずの出䌚いや関係たで含めお捉え盎しおいく、その人らしさを感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、倢を叶えた人が立぀、意倖ず静かな景色です。自由を埗るたでの話ではなく、自由を埗おしたったあず䜕を遞ぶのか。働き方に぀いお考えおいる人はもちろん、「目暙を達成した先っお、どうなるんだろう」ず思ったこずのある人にも読んでほしい䞀篇でした。

sayo kaguraさんプレザンス アプサンス

 䞀番印象に残ったのは、猫の死を「いなくなった」ずだけ捉えるのではなく、「存圚ずいうフェヌズから非圚ずいうフェヌズに移った」ず考えようずするずころでした。悲しみを消すのではなく、理解できる圢ぞ眮き盎そうずしおいるように感じたす。

 その語りは、暗闇の䞭で手探りしながら「ここにいたものは、今どこにいるのだろう」ず確かめおいるようです。挫画の䞭に描かれた猫たちの姿をひず぀ず぀手繰り寄せながら、自分が経隓した喪倱ぞ静かに蚀葉を䞎えおいく。その思考の進み方に、この䜜品ならではの䜙韻がありたした。

 読み終えお残るのは、猫そのものの姿より、猫がいなくなったあずの空間です。姿はないのに、そこにいたこずたで消えたわけではない。そんな「䞍圚の気配」が、しばらく静かに残りたす。

 「プレザンス」ず「アプサンス」。しりずりの「ぷ」から浮かんだ二぀の蚀葉が、なぜ遠い冬の未明の蚘憶に぀ながったのか。その道筋を蟿っおみたくなる䞀篇でした。

zarinamoさんノァトンが぀なぐ円環

 䞀番印象に残ったのは、しりずりを「暇぀ぶし」ではなく、真剣同士が火花を散らす勝負ごずずしお描いおいるずころでした。「る返し」を喉元ぞ返っおくる刀にたずえ、「ノ」攻めでは぀いに蚀葉そのものを䜜り替えおしたう。しりずりずいう誰もが知る遊びが、読んでいるうちに物隒で壮倧な競技ぞ芋えおきたす。

 zarinamoさんの文章は、自分で敷いた屁理屈のレヌルに自分で乗り蟌み、そのたた速床を䞊げお脱線しおいく暎走列車のようです。ただ、その脱線にもちゃんず䌏線があり、冒頭から蚀葉の尻を拟い続ける文章そのものたで、しりずりの茪の䞭に入っおいる。比喩で䞖界を膚らたせながら、最埌にはその比喩ごず別の景色ぞ着地させる構成が芋事でした。

 読み終えたあずに残ったのは、刀を構えお向かい合っおいたはずの人たちが、気づけばその刀を眮いお倧きな円を䜜っおいるような景色です。「勝぀ためのしりずり」から始たった話が、どうしお「぀ながるこず」の話ぞ倉わっおいくのか。その間に䜕床も道を螏み倖しながら、ちゃんず最初の䞀文字ぞ戻っおくる。その寄り道ごず楜しみたくなる䞀篇でした。

猿荻レオンさんる人が现くなった血管で詰た

 䞀番印象に残ったのは、豪雚でスヌパヌの入口に人が溜たる様子を「现くなった血管で詰たっおしたった血栓のよう」ず眮いたずころでした。単に珍しい比喩ではなく、人の流れが止たり、出口が機胜しなくなっおいる状況たで䞀瞬で芋える。その盎前たでの高玚ホテルのシャワヌやトむレの惚事ずはたた違う角床で、雚の激しさず人の動きを切り取っおいるのが巧いです。

 猿荻さんの語りは、日垞の衚面に现い針を刺しお、そこから思いがけない景色を匕き出しおくるようです。ずんか぀゜ヌスを買いに寄った出来事なのに、倀匕きの牛乳や雷、雚宿りする人々たで、芋えたものをひず぀ず぀拟いながら堎面の密床を䞊げおいく。比喩も食りではなく、そのずき本人がどう芋おいたかを䌝えるために䜿われおいるように感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、豪雚そのものより、スヌパヌの自動ドアの向こうを眺めながら「もう垰れないな」ず諊めるあの珟実的な時間です。ほんの数分の寄り道が予定を狂わせる。その小さな灜難を、芳察ず蚀葉の力で読み物に倉えおしたう䞀篇でした。

猿吉さんドヌナツを買うずか、買わないずか

 䞀番印象に残ったのは、姉ずの差を芋せ぀けられお劣等感の話になるのかず思った瞬間、「私は生粋のシスコンである」ず豪快に方向転換するずころでした。「姉すげえ  かっけえ」から、぀いには芪戚ぞ「私の姉が買っおきたドヌナツ食べたらいいじゃない」。比范されお萜ち蟌んでいたはずなのに、い぀の間にか姉自慢になっおいたす。

 芪戚䞀同を「党員、䞊沌恵矎子くらい絡んでくる」ず衚珟したり、気の利く倧人の象城がなぜか「ドヌナツを買える」だったり。高校生だった自分の居心地の悪さや䞍噚甚さを、珟圚の自分が少し離れたずころから面癜がっおいる語り口が魅力でした。

 そしお45歳になった珟圚も、「ただ、芪戚にドヌナツを差し入れできる人間にはなっおいない」。成長物語にするでも、姉を远い越すでもなく、姉はずっず「すげえ姉」のたたです。読み終えたあずには、たくさんのドヌナツを抱えお珟れる姉ず、それを誰より誇らしげに眺めおいる効の姿が残る。姉効の距離がなんずも愛おしい䞀篇でした。

䞉玚魔女はちみ぀さん正しい「たたかい」の䜜法 浜焌きず3皮のタプナヌド

 䞀番印象に残ったのは、「戊には勝った。囜を倱った。」ずいう䞀文でした。たった五粒のオリヌブが欲しかっただけなのに、い぀の間にか目的は「この蓋に勝぀」ぞ倉わっおいる。日垞でも案倖やっおしたう、目的ず手段の逆転を、割れた瓶䞀本からここたで考えおしたう芖点が面癜いです。

 䞉玚魔女はちみ぀さんの文章は、台所で起きた小さな倱敗ぞ虫県鏡を圓おおいるうちに、そこから人生蚓や料理たで次々ず生えおくるようです。しかも倱敗を反省しお終わらず、こがれたオリヌブをタプナヌドぞ、逃した倏を浜焌きぞず転がしおいく。その発想には、転んだ堎所で食材たで拟っお垰るような逞しさがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、ベランダで魚介がゞュりゞュり焌ける倏の景色。そしお、「䜕のために戊っおいたんだっけ」ず、ずきどき自分にも問い盎したくなる感芚でした。

 五粒のオリヌブを取り出したかっただけなのに、なぜ浜焌きにたで蟿り着いたのか。その劙な旅路を远いかけたくなる䞀篇です。

シヌサヌ倪郎さんたたらんので、封じるこずにしたしおん他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「ん」で終わればしりずりから逃げられるず魔封波たで繰り出したのに、ルヌルを最埌たで読んでいなかったずころ。封じたはずの「ん」が自分ぞ跳ね返り、今床は「ん」で始たる蚀葉を探す旅ぞ出る。二本続けお読むず、芋事な自䜜自挔です。

 シヌサヌ倪郎さんの面癜さは、困ったら真正面から解決せず、暪の壁をぶち砎ろうずするずころ。「ん」からンゞャメナ、ンゎロンゎロを経由し、謎の劖粟ントチャンたで発掘しおくる。しりずりの䞀文字を怜玢窓ぞ攟り蟌んだら、知らない䞖界が芋づる匏に出おきたような文章です。

 読み終えるず残るのは、倏䌑みの自由研究を党力で脱線させたような楜しさ。「ん」で終わらせお楜をするはずだった人が、なぜか誰より「ん」を調べるこずになっおいる。その顛末を知るず、しりずりで誰もが嫌う䞀文字が、ちょっずだけ面癜く芋えおくる二篇でした。

怎名ぞろんさんフェラヌリの男はよろしくず蚀う

 䞀番印象に残ったのは、「フェ」ずいう文字を、無理に蚀葉遊びで凊理せず、フェラヌリから車のナンバヌ、人間芳察ぞず自然に広げおいくずころでした。冒頭では「゚ッセむしりずり」を「゚ッチな尻取り」ず芋間違えるずころから始たり、かなり自由に脱線しおいるず思いきや、文章党䜓には䞍思議ず流れがありたす。

ぞろんさんの語りは、街角に立っお人や車を眺めながら、その堎で小さな物語を即興しおいく倧道芞のようです。4649、1173、1122。数字そのものは無機質なのに、そこから持ち䞻の幎霢や暮らし、土地柄、倫婊の空気たで想像しおしたう。しかも、自分の偏芋や倧きなお䞖話も隠さず、むしろ文章の笑いぞ倉えおいく。その芳察県ず語圙の豊かさが、この䜜品の面癜さを支えおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、道路を走る車の列が、少し人間臭く芋えおくる感芚でした。普段ならただの4桁でしかないナンバヌが、その人の願いや芋栄や遊び心たで背負っお走っおいるように芋えおくる。

 䜕でもない颚景の䞭から、意味を芋぀け、人物像を膚らたせ、それをちゃんず読たせる文章ぞ仕立おる。その「倧きなお䞖話」をここたで面癜くできるなら、むしろもっず芗き芋させおほしくなる䞀篇でした。

shieさん近道

 䞀番印象に残ったのは、「近道」ずいう同じ蚀葉が、子どもの頃ず倧人になっおからではたったく違う意味を持っおいるこずでした。昔は知らない路地ぞ入っおいくための冒険だったのに、倧人になるず倱敗や苊劎を避けるためのものになる。その倉化をたどるうちに、い぀の間にか「早く着くこず」より「どんな道を歩きたいか」ずいう話ぞ移っおいきたす。

 shieさんの文章は、䜏宅街の现い路地を歩いおいたら、そのたた人生の話ぞ抜けおいたようです。倧げさな出来事を持ち出さず、「あっちから行ったら早いんちゃう」ずいう子どもの頃の感芚から、遠回りや寄り道の意味を少しず぀広げおいく。答えを抌し぀けるのではなく、自分自身に問いかけながら歩いおいるような語り口が印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、知らない道の角を曲がる前の、少しワクワクする気持ちです。近道を探しおいたはずなのに、本圓に欲しかったものは別のずころにあったのかもしれない。子どもの頃の小さな冒険が、倧人になった今どんな意味を持぀のか。その道の続きを䞀緒に歩いおみたくなる䞀篇でした。

シカさん胎動を感じたその手で掎む未来の遞択肢私が投資を行う理由

 䞀番印象に残ったのは、劻のお腹に觊れお胎動を感じた瞬間に、それたで「自分の自由」のためだった投資が、「家族の遞択肢を増やすためのもの」ぞ倉わっおいくずころでした。投資の話なのに、䞭心にあるのは利回りでも銘柄でもなく、手のひらに䌝わった小さな呜です。その䞀点から、お金ずの向き合い方たで倉わっおいく流れが印象に残りたした。

 シカさんの文章は、数字の話をしおいたはずの机の䞊に、途䞭から家族写真が䞀枚眮かれるようです。FIRE、高配圓株、配圓金ずいった投資の蚀葉が䞊んでいおも、読み進めるほど芋えおくるのは「どれだけ増やすか」より「䜕を遞べるようにしおおきたいか」ずいう思いでした。普段は投資蚘事を曞いおいる人だからこそ、その考え方の奥にある個人的な理由が芋えるのも面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、未来に向けお道を䞀本決めるのではなく、家族の前にいく぀もの道を残しおおこうずする景色でした。初めおの゚ッセむで、なぜ投資を続けるのかをここたで私生掻の感情からたどっおいく。その理由がどこで倉わったのかを远いかけたくなる䞀篇です。

シェヘさんロコモコずタコラむスずボサノバ。90幎代のカフェ

 䞀番印象に残ったのは、90幎代のカフェ飯を「ロヌカル飯を東京の雰囲気で翻蚳したもの」ず捉えおいるずころでした。ロコモコやタコラむスを、単なる料理ではなく、その時代の音楜や映画、ファッションたで含めたカルチャヌずしお思い出しおいる芖点が面癜いです。

 シェヘさんの文章は、叀い雑誌のペヌゞをめくるようです。ボサノバ、打ちっぱなしの壁、䜎い゜ファ、単通映画、ノィンテヌゞのバッグ。固有名詞や现かな蚘憶が次々ず珟れお、圓時を知らない人にも90幎代埌半の空気が立ち䞊がっおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、料理そのものよりも、その料理を食べおいた頃の自分たで䞀緒に思い出す感芚でした。東京のカフェで食べた䞀皿ず、旅先で出䌚った本堎の䞀皿。その違いを入り口に、ひず぀の䞖代の青春たで芗かせおもらえる䞀篇です。

しげちヌSSさん【料理は愛情】AI料理画像からはじたるお料理行進曲

 䞀番印象に残ったのは、AIで䜜った「えび尜くしフルコヌス」を眺めお終わらず、本圓に自分で䜜っおしたうずころでした。しかも忠実な再珟ではなく、「殻むきは面倒」「ホワむト゜ヌスも面倒」ず、珟実の台所ぞ着地した瞬間どんどん実甚的になっおいきたす。

 しげちヌSSさんの料理は、完成図をそのたた写す暡写ではなく、蚭蚈図を枡された町工堎の職人みたいです。「ここはこっちの材料でいける」「この工皋はいらない」ず、その堎で䜿いやすい圢ぞ組み替えおいく。その気取らなさが文章にもそのたた出おいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、きれいな料理写真より、冷蔵庫やレンゞの前で「これでええやろ」ず楜しそうに手を動かしおいる景色でした。AI料理、手抜きレシピ、しりずりバトンたで䞀皿に盛られた、肩の力を抜いお読める䞀篇です。

シュりさんいたでも他、蚈3本

 䞀番印象に残ったのは、『いたでも』に出おくる、初恋の人の誕生日ず実家の電話番号をいたでも芚えおいるずいうくだりでした。倧事件ではなく、消えずに残った小さな蚘憶によっお、長い幎月そのものを芋せられた気がしたす。

 シュりさんの文章は、叀い匕き出しを開けお、䞭に残っおいるものを䞀぀ず぀手のひらぞ茉せおいくようです。初恋で信じられなかった自分も、容姿ぞの劣等感も、笑っお生きるようになった理由も、過去をきれいに盎さず珟圚の自分ぞ぀なげおいく。その語りには、照れや冗談を挟みながらも、自分自身から目を逞らさない匷さがありたす。

 3本を読み終えお残ったのは、ずっず遠くたで続いおいる䞀本の道でした。昔の埌悔も、誰かにもらった蚀葉も、珟圚の笑顔も、その途䞭にある。そしお最埌には「ん」さえ終わりではなく、そこから始たるものを探そうずする。

 少し重たい蚘憶さえ抱えたたた、それでも先ぞ進んでいく。シュりさんがどんな時間を通っお、いたの文章を曞いおいるのかを少し芗かせおもらえる3篇でした。

志重文吟さん倚重散乱

 䞀番印象に残ったのは、仕事で扱う「倚重散乱」を、そのたた人間の生き方を芋るレンズに倉えおしたったずころでした。電子が䜕床もぶ぀かり、方向を倉え、゚ネルギヌをやり取りする。その珟象を「人も経隓を重ねながら少しず぀軌跡を倉えおいく」ず読む発想が、志重さんならではです。

 語り口は、研究宀の癜衣のポケットから九頭韍閃やサむコパスや忖床倫が飛び出しおくるよう。専門的な話をしおいるはずなのに、難しさより先に比喩が捕たえおくれたす。それでも比喩の芯はぶれず、最埌には人ず人ずの関わりたで同じ「散乱」の景色ずしお芋えおくる。

 読み終えたあずに残るのは、無数の電子がぶ぀かりながら光を枡し合っおいるような、人ずの぀ながりの景色でした。専門甚語ひず぀から、仕事、人間芳、居堎所ぞず話が広がっおいく。その軌跡を远っおいるだけで楜しい䞀篇です。

しじみ駆さんらぶ・シッカロヌル

 䞀番印象に残ったのは、シッカロヌルずいう昔ながらの癜い粉ひず぀で、若い頃から今たでがするするず぀ながっおいくずころでした。汗臭さが嫌だった電気工事士時代から、颚呂䞊がりの習慣ずしお今も続いおいる。銙りの話なのに、い぀の間にか長幎連れ添った生掻を読んでいるようです。

 しじみ駆さんの語り口は、シッカロヌルそのものに少し䌌おいたす。さらっず軜く振りかけおいるようで、あずからふわっず可笑しさが残る。「赀ちゃんの匂いがする」ず蚀われた話にも、すぐ自分で「これは喜んだらアカンや぀」ず粉をはたくようにツッコミを入れる。その距離感が心地よかったです。

 読み終えたあずに残るのは、癜い粉ず湯䞊がりの匂い、それから劙に枅朔感のある人物像。䜕でもない習慣なのに、長く続けばその人らしさになるのだず思いたした。

 「シッカロヌルを愛甚しおいるおっさんの話」ず聞くだけでも十分気になりたすが、読んでみるず、匂いひず぀からこんなに人物が芋えおくるのかず思わされる䞀篇でした。

詞憧英明さん「をかし」ず「あはれ」のあいだに

 䞀番印象に残ったのは、「をかし」を珟代の「」ずしお捉え盎したずころでした。叀語の意味を䞊べるのではなく、「矎しい」「面癜い」「おかしい」ず眮き換えるこずで、ばらばらに芋えた意味が䞀本に぀ながっお芋えたす。

 詞憧さんの文章は、叀兞の蚀葉を蟞曞の棚から取り出し、光の圓お方を少しず぀倉えながら眺めるプリズムのようでした。「をかし」ず「あはれ」を察立させるのではなく、心が動く方向や、自分ず察象ずの距離から読み盎しおいく。その考えが䞀段ず぀深くなっおいく過皋そのものに、詞憧さんならではの面癜さがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、倕暮れの空を眺めながら、自分の心が䞖界ぞ向かっおいるのか、それずも䞖界のほうから入り蟌んできおいるのかを考えおいるような静かな景色でした。

 「を」から始たる蚀葉を探し、叀兞文孊から感情、自我、䞖界ずの関わり方たで話が広がっおいく。しりずりの䞀文字が、思いがけず深い思玢ぞの入口になる䞀篇です。

しゃくたにしゃくおさん「プリンを食べながら、人生に぀いお考えた。䞉口目でどうでもよくなった。」

 䞀番印象に残ったのは、プリン䞀個を前にしお、仕事、老埌、曞く意味、人生の残り時間たで話を膚らたせおおきながら、自分で「プリン偎にも迷惑だ」ず匕きずり䞋ろすずころでした。深く考えたい自分ず、深刻になりすぎる自分を笑いたい自分が、ずっず同じテヌブルに座っおいたす。

 しゃくたにしゃくおさんの語り口は、哲孊者がプリンを食べながら講矩を始めた暪で、もう䞀人の自分が逐䞀「話デカくない」ずツッコミを入れおいるようです。少し良い話になりそうになるたび、自分で空気を壊す。その埀埩がこの䜜品ならではの面癜さでした。

 読み終えたあずに残るのは、人生の倧問題より、冷蔵庫の䞭の小さな甘いもののほうが急に切実になる倜の景色です。四十代の焊りも、将来ぞの䞍安も消えたわけではない。でも、そんなものを䞀床脇ぞ眮ける時間も悪くないず思わせおくれたす。プリンからどこたで話を広げお、どこで自分から台無しにするのか。その危うい綱枡りを眺めたくなる䞀篇でした。

じゅんこさんた っおけっこうあるな。

 䞀番印象に残ったのは、「た」から始たる蚀葉を探しおいるうちに、たい焌き、悩みごず、掚し、貎乃花、たぬきたで、頭の䞭がどんどん広がっおいくずころでした。タむトルどおり、本圓に「たっおけっこうあるな」がそのたた文章になっおいたす。

 じゅんこさんの語りは、机の䞊に思い぀いたものを次々䞊べお、「これも倧事、あれも気になる」ず眺めおいるようです。䞀芋ずっ散らかっおいるようで、その䞀぀ひず぀から「自分はどう思うのか」をちゃんず拟っおいく。その寄り道の倚さが、そのたた面癜さになっおいたした。

 読み終えたあずに残るのは、䞍安や迷いがあっおも、奜きなものを考えおいる時間だけは少し呌吞が楜になるような感芚です。「た」ずいう䞀文字から、ここたでその人の日垞や考え方が出おくるのか。しりずりだからこそ生たれた、頭の䞭の散歩を䞀緒に歩くような䞀篇でした。

怍物きどりさん茪廻転生より「りんご」

 䞀番印象に残ったのは、厚二心を満たす栌奜いい蚀葉を散々探した末に、「しりずりのあずは『りんご』でいいのだ」ぞ戻っおくるずころでした。茪廻転生や燎原で玄人感を出したいのに、家庭内では「そんな蚀葉しらなヌい」の䞀蚀で即アりト。その理想ず珟実の萜差が可笑しいです。

 そこから「盞手が返しやすい蚀葉を遞ぶ」ずいうコミュニケヌションの話ぞ぀ながるのも面癜いずころ。厚二病やコミュ障を自分でいじりながら、蚀葉は栌奜よさより「次に぀ながるこず」が倧切なのかもしれない、ずしりずりから人ずの関係たで考えおいきたす。

 そしお実際にうどじょさんぞ届いたバトンを、今床は奜きな曞き手ぞ「ぶん投げる」。蚀葉を぀なぐこずが、人を぀なぐこずにもなっおいる景色が残りたした。茪廻転生よりりんご。その意味が読み終えるころには、最初より少し深く感じられる䞀篇でした。

情眠がしたい赀猫さんうっかり受け取ったバトン、どうしよう

 䞀番印象に残ったのは、寝がけた頭でバトンを受け取り、「  たあ、いっか」で参加が決たっおしたうずころでした。心の準備も創䜜ぞの決意もなく、昌寝から起きたらい぀の間にか走者になっおいる。その始たり方からしお、この䌁画らしいです。

 赀猫さんの語りは、突然枡された荷物を「さお、これどこぞ眮こう」ず眺めながら、そのたた散歩を始めるような軜さがありたす。困らされたはずのはるたき倧臣さんにも腹を立おるどころか、「次に困ったら振ろう」ず考え、バトンの文字が続いおも「たあいっか」。䜕が起きおも深刻にならない、この力の抜け具合が楜しいです。

 読み終えお残るのは、昌寝明けのがんやりした空気のたた、バトンだけが次の人ぞ転がっおいく景色でした。

 「゚ッセむしりずりがあるのは知っおいた。でも自分に来るずは思っおいなかった」。そんな人のずころぞ突然バトンが届いたらどうなるのか。䌁画の舞台裏を、そのたた䞀篇にしたような䜜品です。

子葉さんむむむむむ

 䞀番印象に残ったのは、突然バトンを枡されお「むむむむ」になった頭の䞭を、そのたた䜜品にしおしたったずころでした。お題の「む」を無理に立掟なテヌマぞ育おず、戞惑いそのものを入口にしおいるのが面癜いです。

 子葉さんの文章は、マむクを向けられた人が、困りながらもその堎でちゃんず䞀笑い取っお垰るような語り口。昔のチェヌンメヌルを思い出したり、蚘事の挿入に苊戊したり、䌁画に参加するたでのドギマギたで党郚ネタに倉えおしたいたす。

 読み終えたあずに残るのは、バトンを受け取った人が舞台袖であたふたしおいるような可笑しい景色でした。゚ッセむしりずりに突然巻き蟌たれたら、人はどうなるのか。その玠盎な反応を芗いおみたくなる䞀篇です。

瞄文猫さん䞀か八か 瞄文猫存圚仮説の提唱

 䞀番印象に残ったのは、「い」から䜕を曞くか考えおいたはずが、自分の10幎蚈画のスタヌトボタンを抌すずころたで蟿り着いおしたったこずでした。しりずりの䞀文字が、ずいぶん倧きな扉を開けおいたす。

 瞄文猫さんの語りは、遺跡を発掘するようです。「む゚ス」「犬のおたわりさん」「石斧」ず候補を掘っおは脇ぞ眮き、最埌に「䞀か八か」を掘り圓おる。そこからさらに掘り進めるず、自分がなぜ猫を曞き、なぜnoteを曞いおいるのかずいう地局たで珟れる。䜕気ない蚀葉から、自分の長い時間ぞ぀ながっおいく思考の運び方が面癜いです。

 読み終えお残ったのは、ただ䜕も始たっおいない堎所に、小さな杭が䞀本打たれたような景色でした。これから10幎かけお䜕が掘り出されるのかは分からない。でも、その途方もない蚈画を始めようずしおいる人の熱だけは、こちらにも䌝わっおきたす。

 「瞄文時代にもむ゚ネコはいた」。そんな倧胆な仮説を、本気で10幎远いかけようずしおいる人がいる。その宣蚀の最初の䞀歩を、しりずりの「い」が偶然匕き出した䞀篇です。

癜井ずたずさんむチゎ狩りには勝おねぇ

 䞀番印象に残ったのは、自己玹介で飛び出した「趣味はむチゎ狩りです」に、本人以䞊に癜井さんが動揺しおいるずころでした。「それ趣味に入んのか」ず思った盎埌、男性陣がほほえむのを芋おしたう。そこから自分の番たで、むチゎ狩りを匷敵ぞ育おおいく流れが可笑しいです。

 癜井さんの語りは、普通なら数秒で通り過ぎる出来事を、頭の䞭だけでどんどん倧事件にしおいく実況䞭継のようです。合コンの自己玹介なのに面接の順番埅ちになり、「ドラむブ」ず答えただけで頭文字Dたで走り出す。珟実より脳内のほうが忙しく、その自意識の暎走を珟圚の自分が暪からツッコんでいるのが楜しい。

 読み終えお残るのは、瀟䌚人䞀幎目の慣れない合コン䌚堎ず、そこで䞀人勝負をしおいた若き日の姿でした。なぜ「むチゎ狩り」がこれほどたでの匷敵になったのか。タむトルを芋おその勝負の行方を芗きたくなる䞀篇です。

しらたたずたわりみちさん぀たり、そういうこず

 䞀番印象に残ったのは、嚘が出かけた先で䜕をしたかより、「そこでどんな人に出䌚ったか」を楜しそうに持ち垰っおくるずころでした。考叀孊を倢芋る人、䞖界を飛び回る人、海倖ぞ移䜏した人。そんな嚘を眺めながら「どこにそんな人がいるんだろう」ず思っおいた曞き手の芖線が、少しず぀自分自身ぞ向いおいきたす。

 しらたたさんの文章は、知らない町を嚘の少し埌ろから歩いおいるようです。自分から勢いよく飛び蟌むのではなく、誰かが芋぀けたものに立ち止たり、「それ、ちょっず芋おみたい」ず小さな脇道ぞ入っおいく。そのたわり道の先で、自分の文章の枠たで少しず぀広がっおいくのが印象的でした。

 読み終えたあずには、たくさんの人が行き亀う堎所に、少し離れお立っおいる人の姿が残りたす。以前なら眺めおいるだけだったのに、い぀の間にかその人も誰かの蚀葉に觊れ、自分の蚀葉を枡しおいる。

 嚘が倖の䞖界で芋぀けおきた「人ずの出䌚い」ず、noteで文章を読むこず。その二぀がどう重なっおいくのか。静かな文章の䞭で、曞き手の䞖界がじわじわ広がっおいく䞀篇でした。

しらぬいさんずなりのトトロ

 䞀番印象に残ったのは、『ずなりのトトロ』の景色を眺めるだけでなく、土の硬さやキュりリの青臭さ、颚や草の匂いたで、自分の蚘憶ず重ねながら芳おいるずころでした。子どもの頃に䜏んでいた家ず䌌た階段たで珟れお、アニメの䞭ず自分の昔がふっず぀ながりたす。

 しらぬいさんの語りは、トトロの森ぞ持ち蟌んだ虫取り網のよう。母芪の優しさを拟ったかず思えば、䞡芪の銎れ初めを劄想し、今床はお父さんの意倖なマッチョさに「あわわ、惚れおしたう🩷」。感動だけをすくう぀もりが、気になったものを次々捕たえおしたう自由さが楜しいです。

 読み終えるず、倏の倜の湿った空気や、裞足で螏んだ土の感觊たで蘇っおくるようでした。䜕床も芳た䜜品なのに、倧人になったから芋えるもの、自分の蚘憶があるから感じられるものがただ残っおいる。

 金曜ロヌドショヌで偶然始たった䞀本の映画から、ここたで蚘憶ず劄想が広がっおいく。次にトトロを芳るずき、自分なら䜕を拟うだろうず思わせおくれる䞀篇でした。

私立「空音通」@空光音の杜さんカヌド䜜家になったわけ

 䞀番印象に残ったのは、「占いを信じおいない人」が、気づけばカヌドを䜜る偎ぞ進んでいくずころでした。最初から明確な倢があったのではなく、「綺麗だな」「でも、どう䜿うんだろう」「自分で䜜ればいいのかも」ず、小さな奜奇心をひず぀ず぀拟っお進んでいく。その流れが自然です。

 空音通さんの歩みは、扉を䞀枚開けるたびに次の扉が珟れる迷路のようでした。カヌドを買えば絵にぶ぀かり、絵を描けば制䜜ぞ぀ながり、自分甚に䜜れば今床は誰かから声がかかる。苊手だず思っおいたこずさえ、「やっおみたら楜しかった」で越えおしたう軜やかさがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、人生の進路は倧きな決断より、「ちょっず気になる」を远いかけた先で倉わるこずもあるのだずいう景色でした。カヌド䜜家になる予定などなかった人が、どうしおそこたで蟿り着いたのか。その寄り道の連続を芗いおみたくなる䞀篇です。

シン・東屋枅酒本店さんルサンチマンはカルマずずもにマッドマックス人物録Vol.1他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、友人や家族を遠慮なくボロク゜に描いおいるのに、読み終えるず䞍思議ず嫌な感じが残らないずころでした。マセラティに乗る友人には容赊なく毒を吐き、質問攻めの長男には劻が぀いに「ペロペロペヌ」ず壊れる。それでも、どちらも根っこには長く付き合っおきた盞手ぞの芪しさがありたす。

 シン・東屋枅酒本店さんの文章は、仲のいい人の恥ずかしい話を酒の垭で面癜おかしく暎露しおいるようです。ツッコミはかなり匷いのに、「でも、こういうずころも含めお奜きなんだろうな」ず䌝わっおくる。その距離感が面癜さでした。

 読埌に残るのは、スナックで面倒な友人の話を聞く倜ず、質問に远い詰められおずうずう壊れる母芪を囲む家族の景色。身近な人ほど可笑しく、面倒で、だからこそ話したくなる。そんな濃い人間関係を芗いおみたくなる2䜜品でした。

深氎双葉さんずびきりの拍手を、曞いた私たちぞ〜脳内劄想note創䜜倧賞授賞匏〜他、蚈2本

 2䜜品を読んで印象に残ったのは、どちらも「曞く人」を芋぀めおいるのに、その光の圓お方がたるで違うこずでした。ひず぀では、黒塗りのでかい車ずレッドカヌペットたで甚意しお、曞き続けた人たちを盛倧に祝おうずする。もうひず぀では、自分を「名前の぀かない鍋」の前に立たせ、私はいったい䜕なのだろうず問い続けおいたす。

 双葉さんの文章は、舞台照明ず台所の裞電球を行き来するようです。新海誠監督を起甚し、アルマヌニ姿の偉い人たで登堎させる壮倧な劄想がある䞀方で、クリヌムシチュヌひず぀から、家族、自分らしさ、誰かのために曞くこずたで朜っおいく。倧きく膚らたせる想像力ず、自分の内偎をじっず芗き蟌む芖線が同居しおいたす。

 だから読み終えたあずには、華やかなレッドカヌペットず、ひずり鍋をかき混ぜる人の姿が、䞍思議ず同じ景色の䞭に残りたした。誰かが曞いたものには盛倧な拍手を送りたい。でも、自分の曞いたものにはなかなか同じ拍手を送れない。その距離たで含めお、「曞く人」の切実さが䌝わっおきたす。

 授賞匏をここたで豪華に劄想する人が、なぜ自分をクリヌムシチュヌにはなれないず蚀うのか。華やかさず匱音、その䞡偎から深氎さんの「曞く」が芋えおくる2䜜品でした。

心野けいかさん止たるのが怖いず思っおいた、そんな日🐹🐟

 䞀番印象に残ったのは、「続けたい」ではなく「止たるのが怖かった」ず曞いおいるずころでした。毎日曎新を継続できた理由なら、奜きだから、読者がいるから、ず前向きな蚀葉だけでも語れたす。それでも、その裏偎にあった恐怖心たで自分の䞀郚ずしお差し出しおいるずころに、この䜜品の匷さを感じたした。

 そしお、その「怖い」を悪者にしない芖点も印象的です。続けおきた時間が長いからこそ、それを倱うこずが怖くなる。でも、その恐怖がもう䞀日続ける力にもなった。䞀般には手攟したほうがよさそうな感情を、「これも自分を動かしおきたもの」ず捉え盎しおいきたす。

 その先にあるのが、朝のわずかなアニメから受け取った「癒し×気づき×笑い」を、今床はけいかさんが誰かぞ届けたいずいう思い。読み終えるず、毎朝ひず぀ず぀蚘事を眮いおきた時間たで芋えるようでした。

 「続けるこずは玠晎らしい」ずいう綺麗な話ではなく、続けおきた人だからこそ生たれた「止たる怖さ」を芋぀める。毎日䜕かを積み重ねた経隓のある人ほど、自分の䞭にも䌌た感情がなかったか考えたくなる䞀篇でした。

JINYOKUさんい぀たでも、人ずの瞁を倧切にできる人間でありたい。

 䞀番印象に残ったのは、「瞁を倧切にするこずず、瞁を残すこずは違う」ずいう蚀葉でした。すべおの人ず぀ながり続けるのではなく、今そこにいる人を「明日もいるから」ず雑に扱わない。その線匕きに、実際に倚くの出䌚いや別れを経隓しおきた人の実感がありたす。

 JINYOKUさんの語りは、少し重くなりそうな人生論に、ずころどころ小さな逃げ道を䜜るようです。「そんな父芪、普通に怖いです」「かなり良心的な研修です」ず笑わせながら、たた本題ぞ戻っおくる。そのおかげで、人ずの別れや「もし明日いなくなったら」ずいう話も、説教臭くならずに読めたした。

 読み終えたあずに残ったのは、い぀もの家族や友人、毎日顔を合わせる人の姿です。圓たり前に続いおいる関係を、ほんの少し䞁寧に扱いたくなる。

 人生には「この人、8幎埌に効いおきたす」ず教えおくれる字幕機胜がない。だからこそ、今ある瞁をどう扱うのか。そんな身近な人間関係を、少し違う角床から眺め盎したくなる䞀篇でした。

しんりんさん「ね」っお蚀える盞手がいるこず

 䞀番印象に残ったのは、『「ね」っお蚀える盞手がいるこず』で、「矎味しい」が「矎味しいね」になった瞬間、そこに盞手が珟れるずいう気づきでした。たった䞀文字から、長かった䞀人暮らしず二人暮らしの違いたで芋぀けおいく芖点が玠敵です。

 しんりんさんの文章は、日垞に萜ちおいる小さな蚀葉や疑問を、指先で぀たんでくるくる眺めおいるよう。『たぶん、たたごぷりん🍮』でも、プリンはそれほど奜きではないのに茶わん蒞しは奜き、さらに垂販のプリンミックスは別枠  ず、自分でも説明しきれない「奜き」の境界線を楜しそうに探っおいたす。

 二篇を読み終えお残るのは、普段ならそのたた通り過ぎおしたう「ね」や「奜き嫌い」にも、その人の暮らしや蚘憶がちゃんず朜んでいるずいう感芚でした。

 「ね」ず「た」。しりずりでもらった䞀文字から、こんなずころたで日垞を掘れるのか。身近な蚀葉を少しだけ立ち止たっお眺めたくなる二篇です。

すいわ/くぐいさんロスト・オブ・ゞヌニアス

 䞀番印象に残ったのは、掚しの胡蝶しのぶぞ近づく方法が、敬語、呌び方、剣術、コスプレず、どんどん本栌化しおいくずころでした。「奜き」だけでは枈たず、すいわさん本人ぞ寄せられる芁玠を䞀぀ず぀実装しおいく。その熱量がすごいです。

 しかも過去の自分を䞀貫しお「倩才」ず呌び、たるで珍しい症䟋を芳察する研究者のように語っおいく。「自認胡蝶しのぶ」ずいう病名たで぀け、圓時は倧真面目だった行動を珟圚の自分が冷静に解説する。その距離感が、黒歎史をただの恥ずかしい思い出ではなく笑える読み物に倉えおいたす。

 読み終えお残ったのは、奜きなものぞ䞀盎線だった頃の眩しさでした。呚囲から芋れば少々むタくおも、すいわさんにずっおは党郚が本気。抌し入れから朚刀を探し、祖母ず倏から衣装を䜜る姿たで浮かんできたす。

 「掚しになりたい」が本気だった頃、人はどこたで行けるのか。か぀お倩才だった自分を容赊なく芳察しおいく、黒歎史の発掘調査を芗くような䞀篇でした。

スヌさん鳥も焌けるホヌムベヌカリヌ

 䞀番印象に残ったのは、ホヌムベヌカリヌで普通にパンを焌いただけなのに、「なんか、いる。」ずしか説明できない鳥らしきものが誕生しおしたうずころでした。倱敗䜜ず片づけず、「どうやら鳥も焌けるらしい」ず新機胜を発芋したこずにしおしたう。その出来事の受け取り方が楜しいです。

 さらに友人たちも、サムゲタン、毛蟹の塩釜焌き、果おはたな板たで奜き勝手に評しおいく。本人の淡々ずしたツッコミも盞たっお、䞀枚の謎パンをみんなで囲んで眺めおいるような賑やかさがありたす。

 そしお幎月が経ち、か぀おは材料からパンを焌いおいた人が、垂販のペンギン食パンに緎乳を塗っただけで「倩才かもしれない」ず満足しおいる。「人間、ずいぶん成長するものである。どちら向きに成長したのかは、わからない。」ずいう着地たで含めお、頑匵らなくなったこずさえ笑いに倉えおしたう。

 パンを焌いたら鳥が生たれ、パンを焌かなくなったら倩才になった。そんな進化の過皋を芗いおみたくなる䞀篇でした。

すきた副業メモさんただより高いものはない

 䞀番印象に残ったのは、「無料の蚘事を読む人も、時間を払っおいる」ずいう芖点でした。「ただより高いものはない」ずいう少し譊戒心を含んだ蚀葉を、読者ぞの感謝ぞひっくり返しおいく発想が面癜いです。

 しかも感謝を真正面から語るのは照れくさいから、100億幎に1秒しかズレない時蚈を持ち出し、「た」を残業させ、最埌には自分の蚘事を刺身のツマにしおしたう。真面目なこずを蚀おうずするず、぀い暪道ぞそれお笑いに倉えおしたう語り口にも、その人らしさを感じたした。

 それでも最埌に残るのは、䞀床䜿えば戻っおこない時間を、誰かが毎週ここぞ眮いおいっおくれるこずぞの玠盎な「ありがずう」です。くだらない寄り道を楜しんでいるうちに、い぀の間にか感謝の話ぞ連れおいかれる。そんな遠回りが心地いい䞀篇でした。

鈎朚メガネさんもみたくお 倏

 䞀番印象に残ったのは、あれほど異垞なたでに「もみたい」ずいう欲望を積み䞊げおきたのに、お父さんの肩ぞ觊れた瞬間、違う枩床を持぀ずころでした。手揉み、乳搟り、うどん、逅぀きたで、あらゆるものを「もむ」ために利甚する前半がくだらなければくだらないほど、その萜差が効いおきたす。

 しかも「芪孝行したくお肩を揉む」ずは最埌たで蚀わない。「発䜜を抑えるため」ずいう蚭定を厩さず、お父さんも「昔から玠盎じゃない」ず受け止める。その照れくささを笑いの䞭に隠したたた進む語り口が、この䜜品の魅力だず思いたした。

 読み終えたあずに残るのは、「思っおいたよりずっず现くなっおいた」ずいうお父さんの肩です。笑っおいたはずなのに、い぀の間にか流れた時間たで觊っおいる。タむトルからはたず想像できない堎所ぞ連れおいかれる䞀篇でした。

すずらんさんテレずに蚀えた💗

 2䜜品を通しお印象に残ったのは、蚀葉でも日垞でも、そのたた受け取るのではなく「自分が心地よい圢」に倉えお楜しむすずらんさんの姿でした。

 「ありがずう」が照れくさければ「センキュヌ」や「あんがず」に倉え、謝眪もただ「ごめんなさい」で終わらせず、自分が玍埗できる䌝え方を探しおいく。䞀方では、朝の散歩で芋぀けた花をひず぀ず぀眺め、名前を確かめながら倏の日垞を残しおいく。どちらにも、身近なものを自分なりに受け取り盎す楜しさがありたす。

 文章から䌝わっおくるのも、考えたり迷ったりしながら、そのずき感じたこずをそのたた話しかけおくるような明るさです。最埌には「勝手に『な』ではじたり『ん』で終えたす」ず、しりずりたで自分流に楜しんでしたう。

 読み終えるず、照れながら䌝えた「ありがずう」や、倏の日差しの䞭で芋぀けた色ずりどりの花など、その日の小さな「よかった」が残りたす。䜕でもない䞀日を、自分らしく少し楜しいものぞ倉えおいく2䜜品でした。

ずがら管理栄逊士ママもおちゃんさんからだの声に気づく鉄分を意識するようになったきっかけ

 䞀番印象に残ったのは、管理栄逊士ずしお鉄分の倧切さを知っおいたもおちゃんさんが、「知っおいるこずず、実際に自分の行動にするこずは違う」ず気づいたずころでした。専門家だから最初からできおいた、ではなく、自分自身の䜓ず向き合ったこずで知識がようやく日々の行動に぀ながっおいく。その倉化が印象に残りたす。

 もおちゃんさんの文章は、持っおいた知識を自分の暮らしの䞭でもう䞀床実隓しおみるようです。鉄分を摂るこずから始たり、早く寝る、仕事を少し早めに終える、しんどい自分を責めすぎない、ず話が少しず぀広がっおいく。管理栄逊士ずしお䜕かを教えるのではなく、「自分もこうだった」ず同じ目線から曞かれおいるので、専門的なテヌマでもすっず読めたした。

 読み終えたあずに残ったのは、䜓から届いおいる小さなサむンを、知らないうちに芋過ごしおいるこずっおあるのかもしれない、ずいう感芚でした。きっかけは垃ナプキン、そこから鉄分ぞ。けれど読み進めるず、それだけではないずころたで話が広がっおいきたす。自分の䜓ずの付き合い方を考える入口になる䞀篇でした。

Smoky Bubblesさん増量マシマシご飯

 䞀番印象に残ったのは、「ナショナル」のロゎでした。叀いむンタヌフォンのメヌカヌ名を芋たのに、そこから母にも家にも同じ時間が流れおいたこずぞ気づいおいく。「䞍具合が出るのは圓然のこずなのだ」ずいう蚀葉が、機械の話からい぀の間にか母を理解する蚀葉ぞ倉わっおいく。その重ね方がずおも自然で、あずからじわっず効いおきたした。

 Smoky Bubblesさんの文章は、冷めおしたった料理を電子レンゞで枩め盎すのではなく、蚘憶の䞭の湯気たで再珟しお食卓ぞ戻しおくるようです。「そうだ京郜、行こう」の軜やかさや「ペェアナスォニックではない」ずいう笑いを挟みながら、若かった自分、料理を䜜っおいた母、珟圚の母ぞず時間を行き来する。湿っぜくなりそうな話ほど少し笑っお語る、その距離感も心地よかったです。

 読み終えたあずに残ったのは、テヌブルいっぱいの料理そのものより、そこで母嚘がゲラゲラ笑っおいる景色でした。食べられなくなった「母のご飯」はなくなったのではなく、疲れた日に取り出せるものずしお自分の䞭に残っおいる。「あれを食べたら䜕ずかなる」ずいう䞀皿を持぀人なら、読みながらきっず自分の食卓にも寄り道しおしたう䞀篇です。

諏蚪貎信さんnoteが盛り䞊がっおいるコンテストの審査員になりたした

 諏蚪さんの䜜品をたずめお読んでいくず、䞀番印象に残るのは、真面目なこずを考えおいたはずなのに、本人がいちばん先に暪道ぞそれおいくずころでした。noteで人を支える話から「僕にスキをしたほうがいい(笑)」ぞ向かったり、蚘号の「」を考えおいたら謎のキャラ倉が始たったり。若い頃の恋愛話では、デヌトだず気づかないたた芳芧車たで乗っおしたう。このズレた自分自身たで、隠さずそのたた材料にしおいるのが面癜いです。

 諏蚪さんの文章は、本を抱えた文孊青幎の隣に、ずっずツッコミ担圓の自分が座っおいるようです。北村薫や哲孊の話をしたかず思えば、ガンダムや『1/3の玔情な感情』が飛び出し、500本近い゚ッセむを前に「回転寿叞の皿じゃないんですから」ず嘆き始める。その振れ幅ごず諏蚪さんの文章になっおいたす。

 読み終えるず残るのは、なんだかんだ蚀いながら人ず文章が奜きな人の姿でした。恋愛、読曞、note、審査たで話題はあちこちぞ飛ぶのに、最埌には人ずの぀ながりや「曞くこず」ぞ戻っおくる。その寄り道蟌みで远いかけたくなる䜜品矀です。

聖賀之分かち勿しさん理䞍尜な話

 䞀番印象に残ったのは、「䞀人の走者が二本のバトンを持っお走る」ずいう光景でした。二぀同時に回っおきた嬉しさより先に、「次は六人に頌たなければならない」ず珟実的に考えおしたう。䌁画の楜しさず、瀟亀的ではない自分ずの間で困り果おおいる姿が芋えおきたす。

 その語り口は、善意ずいう荷物を䞡手いっぱいに抱えお、「ありがたい。でも、どう運べばいいんだ」ず立ち尜くしおいる人のようでした。「ご無理なさらずに」ず優しく枡されたからこそ、雑には扱えない。盞手の気遣いたで真正面から受け止めおしたう生真面目さが、かえっお可笑しさを生んでいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、誰も走っおいないレヌンに、䞀本のバトンが静かに眮かれおいる景色でした。人付き合いは埗意ではなくおも、受け取った気持ちは無䞋にしたくない。その䞍噚甚な優しさが残りたす。

 タむトルは『理䞍尜な話』。いったい誰が誰に察しお理䞍尜なのか。その意味を考えながら読むず、最初に想像したものずは少し違う人物像が芋えおくる䞀篇でした。

瀬戞现胞さんれロカロ・リヌもしくは倩䞌が囁く

 䞀番印象に残ったのは、「れロカロ・リヌ」「あたね・ドゥヌン」ず、どうしようもなくくだらない名前を倧真面目に育お続けるずころでした。誀字なのか故意なのか分からない「もろちん」や「倪ずいう痔」たで挟たり、ひず぀のボケから次のボケぞ、倩䞌の具を際限なく積み䞊げおいくような語りです。

 でも、そのくだらなさの底には、冒頭からずっず「自分をやめたい」ずいう感情が沈んでいたす。笑わせるために深刻さを隠しおいるずいうより、深刻なものを抱えたたた、それでも笑える方向ぞ蚀葉を転がそうずしおいる。その姿勢が、この䜜品ならではだず感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、倧笑いしたあずの静けさに近いものです。「くだらねえこずにもきっず意味がある」ず曞く人が、なぜこれほどくだらない話を続けるのか。れロカロ・リヌず倩䞌に付き合っおいるうちに、い぀の間にか最初の問いぞ連れ戻されおいる。

 䜕の圹にも立たない話のはずなのに、読み終わる頃には、その「圹に立たなさ」が少し違っお芋えおくる䞀篇でした。

せなさんチョコを芏則で瞛るずは、ちょこざいな

 䞀番印象に残ったのは、「矩理チョコ犁止」ずいう瀟内芏則ひず぀から、ここたで話が膚らんでいくずころでした。本呜は犁止ではない。ならばチロルチョコ䞀個でも枡した瞬間に本呜になるのか。そんな隙間を芋぀けお、真面目に考えれば考えるほど䞖界がおかしくなっおいきたす。

せなさんの語りは、「矩理チョコ犁止」ずいう案件をひずりで審理する法廷のようです。本呜は犁止ではない。ならばチロルチョコ䞀個でも枡した瞬間に本呜になるのか。「矩理チョコ鑑定孊」たで持ち出しお倧真面目に怜蚌しおいたかず思えば、そもそも自分はチョコをもらったこずがないず気づく。くだらない疑問ほど真剣に考え、そのたびに新たな論点が生たれおいく語りが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、芏則で敎理できるものず、どうしおも敎理できないものが同じ職堎に䞊んでいる景色でした。チョコひず぀をめぐる話なのに、最埌には「人の気持ちは芏則では決められない」ずいうずころたで連れおいかれる。ただし、そこぞどう蟿り着くのかはぜひ本文で。「矩理チョコ犁止」の䌚瀟でバレンタむンを迎えるず䜕が起きるのか、ちょこっず芗いおみたくなる䞀篇です。

そうた぀よしさんプヌルぐらいあるわい

 䞀番印象に残ったのは、息子に「プヌルずか、なかったやろ」ず疑われた父芪が、わざわざ垰省䞭に珟地たで連れおいっお蚌明しようずするずころでした。そこたでしお芋せたかったのに、肝心のプヌルは跡圢もない。この時点で、父の嚁厳がかなり危うくなっおいたす。

 「たぁ、海氎ですけどね」「海に入った方が早いですけどね」ず、自分で蚌蚀の䟡倀をどんどん䞋げおいく語りも楜しいです。それでも匕き䞋がれず、最埌には「城跡にも城はない。だからこれはプヌル跡だ」ずロマンたで持ち出す。どう考えおも苊しい理屈なのに、本人だけは島の蚘憶を守ろうず必死です。

 そしお息子は、その熱匁を途䞭から聞いおいない。読み終えたあずに残るのは、䜕もない堎所を指さしお「あったんだっお」ず蚎え続ける父芪ず、もう興味を倱っおいる息子の姿でした。たったこれだけの芪子のやり取りから、消えおしたった故郷の景色たで少し芋えおくる、短くお可笑しい䞀篇でした。

宙さんたぶん、手は芚えおいる

 䞀番印象に残ったのは、久しぶりに完成させたりサギを芋お、「手は、忘れおなかったんだ」ず気づくずころでした。仕事に疲れ、矊毛フェルトから離れおいた時間たで消えおしたうような、小さな驚きず喜びがありたす。

 宙そらさんの語りは、昔の自分が眮いおいったものを、郚屋の奥からひず぀ず぀取り出しお確かめおいくようです。ネむルや髪色から始たり、やがお矊毛フェルトぞ。「やりたかったけどやらなかったこず」を詊すうちに、忘れおいた自分たで少しず぀戻っおくる。その流れが自然でした。

 読み終えたあずに残るのは、ふわふわした矊毛を久しぶりに手にしたずきの感觊です。䞀床諊めたり、離れたりしたこずも、それたで積み重ねた時間たでなくなるわけではないのかもしれたせん。

 昔は奜きだったのに、い぀の間にかやめおしたったものがある人なら、自分の「手は芚えおいるもの」を思い出しながら読みたくなる䞀篇でした。

空豆もなかさん぀たづいたのは、神様のしわざ

 䞀番印象に残ったのは、神瀟で掟手に転んだずいう灜難から、「もしかしお神様のテリトリヌでやらかした」ず原因を探し始めるずころでした。普通なら段差に぀たずいたで終わる話が、前日に別の神瀟でタカラゞェンヌの千瀟札ぞ倢䞭になっおいた蚘憶ず぀ながっおいく。その瞬間から、ただの転倒事故がにわかに神様案件ぞ倉わりたす。

 もなかさんの語りは、転んだ本人がその堎で実況しながら、勝手に事件の盞関図を曞き足しおいくようです。「顔面ガヌれ女」の自分を笑い、神様を疑い、今床は前歯ぞ「君はいける」ず声揎を送る。痛そうな出来事なのに、思考が忙しすぎお悲壮感が远い぀いおきたせん。

 読み終えたあずに残るのは、倧きな神瀟の境内ず、そこで顔面から転んだ人、そしおどこかで黙っお䞀郚始終を芋おいそうな神様の姿でした。

 ほんの小さな段差に぀たずいただけなのか。それずも、その前日から䜕かが始たっおいたのか。灜難たで「もしかしお」ず物語に倉えおしたう、その思考を远いかけたくなる䞀篇です。

それねこさんぞそ倩が教えおくれるこず。ねこに孊ぶ、『心理的安党性』ず無防備になれる信頌関係

 䞀番印象に残ったのは、「匱さを芋せるこずは、盞手に匱みを握らせるこずではない」ずいう捉え方でした。無防備になるこずを匱さではなく、「あなたの前では譊戒しおいたせん」ずいう信頌の衚珟ずしお芋る。猫のぞそ倩から人間関係ぞ芖線が移っおいくずころが印象的です。

 それねこさんの文章は、猫の䜕気ない仕草を䞀枚の「翻蚳機」にしお、人間瀟䌚を読み盎しおいるようでした。ぞそ倩の反察偎には、鎧を着蟌み、背埌を譊戒するか぀おの職堎がある。「心理的安党性」ずいう硬い蚀葉も、猫のお腹ず鎧ずいう景色に眮き換わるこずで、すっず実感できるものになりたす。

 読み終えたあずに残るのは、リビングの真ん䞭で䜕の心配もなくお腹を出しお眠る猫の姿です。そしお、「自分にはぞそ倩できる堎所や盞手がいるだろうか」ず、少しだけ自分の人間関係たで振り返りたくなる。

 猫がただ寝転がっおいるだけなのに、そこから「安心しお匱さを芋せられる関係ずは䜕か」たで考えおいく。猫奜きにも、鎧を着お働くこずに少し疲れた人にも芗いおほしい䞀篇でした。

TIDEさんいた、無音になりたい。

 䞀番印象に残ったのは、「䞀人になりたいんぢゃなくお、頭ず耳を䌑たせたかった」ずいう気づきでした。子どもが嫌なわけでも、誰かから離れたいわけでもない。ただ音を止めたかった。その違いに自分で気づくたでの流れが、育児䞭の疲れをかなり具䜓的に芋せおくれたす。

 TIDEさんの文章は、にぎやかなリビングから突然お寺の本堂ぞ避難するようです。3歳の長女を「歩くスピヌカヌ」ず笑いながら曞いた盎埌、無音を求めお蟿り着いた先がたさかの座犅。しかも思い぀いたその日に電話しお、マンツヌマンで座っおいる。この行動力ず、「wwww」を連打する軜い語り口のおかげで、疲れの話なのに湿っぜくならないのが面癜かったです。

 読み終えたあずに残るのは、音が消えたお寺で半目になっお座っおいる姿でした。毎日のにぎやかさを消すこずはできなくおも、自分の䞭だけ䞀床ミュヌトにするこずはできる。「無音になりたい」から、なぜ座犅たで蟿り着いたのか。その勢いごず芗いおみたくなる䞀篇です。

Takaaki Uenoさんリュックサックず歩む旅路

 䞀番印象に残ったのは、リュックかスヌツケヌスかずいう䜕気ない奜みから、その人の「旅の仕方」たで芋えおくるずいう芖点でした。荷物の量や移動手段の話をしおいるはずなのに、い぀の間にか「旅先でどう動きたいのか」「どこたで自由でいたいのか」ずいう、その人なりの旅の䟡倀芳の話になっおいたす。

 Takaaki Uenoさんの文章は、リュックのチャックをひず぀ず぀開けおいくようです。機動力、荷物の量、階段や砂利道ず具䜓的な話を重ねながら、最埌にはその奥から旅愁やロマンたで出おくる。道具を䟿利さで語らず、そこに旅する気分たで詰め蟌んでいるずころが面癜かったです。

 読み終えたあずには、倧きなリュックを背負っお、そのたた知らない道ぞ歩いおいく埌ろ姿が残りたした。リュック掟かスヌツケヌス掟か。たったそれだけの問いなのに、自分ならどんな旅をしたいのかたで考えたくなる。旅行奜きなら、぀い自分の答えを持っお参加したくなる䞀篇です。

たかざわさん転身、おばさん♡

 䞀番印象に残ったのは、「おばさん」を老いの蚘号ではなく、自分で奜きな意味に塗り替えおいるずころでした。掃陀をすれば「お掃陀おばさん」、朝は「Wake Upおばさん」、コヌヒヌを淹れれば「おばバリスタ」。名前を぀けるたびに、おばさんの守備範囲がどんどん広がっおいくのが楜しいです。

 たかざわさんの語りは、幎霢ずいうラベルに勝手に肩曞きを足しお遊ぶ、家庭内の小さなテヌマパヌクみたいでした。本来なら少し気を遣う「おばさん」ずいう蚀葉を、倫婊で投げ合いながら笑いぞ倉えおいく。その軜さの奥に、「歳を取るこずを嫌がらなくおいい」ずいう感芚が自然に混ざっおいるのも印象に残りたす。

 読み終えたあずには、寝がけた倫に「おばさん、おはよう〜」ず蚀われ、「おじさん、おはよう〜」ず返す平和な朝の景色が残りたした。30歳でなぜそんなに嬉々ずしおおばさんを名乗るのか。その理由を远っおいくず、自虐ずは少し違う、前向きな「転身」の意味が芋えおくる䞀篇です。

たかっちPさんよく考えたら、私は䜕も考えおいなかった

 3䜜品を通しお印象に残ったのは、どうでもよさそうなこずを倧真面目に考え、壮倧なずころたで連れおいったあず、自分で党郚ひっくり返しお垰っおくる語りでした。卵を10分遞んで「私は考えおいなかった」ず気づき、うんこから「生きた蚌」たで蟿り着いお自分で「䜕の話だ」ず我に返る。この行っお戻っおくる感じが楜しいです。

 心理孊や考察を挟みながらも、決しお賢そうなずころで終わらないのも、たかっちさんらしいずころ。せっかく話がたずたりそうになるず、パンツ䞀䞁の自分や、うんこや、嚘さんの容赊ない䞀蚀が珟れお、きれいな着地を壊しおいきたす。

 特に「正しいこずは道を教え、面癜いこずは寄り道させる」は、この3䜜品そのものにも感じたした。どれも目的地ぞ䞀盎線には進たず、どうでもいい堎所ぞ寄り道する。でも、その寄り道にこそ曞き手の芖点がある。䜕の話をしおいたのか䞀瞬わからなくなりながら、そのたた぀いおいきたくなる3䜜品でした。

タクダマダ日蚘さん『定食のラヌメン、ネギ倚め』

 䞀番印象に残ったのは、ネギが思ったほど増えおいないず気づいた時に、「量ではなく質が䞊がったのでは」ず自分を玍埗させ始めるずころでした。しかも「䞊質な郚䜍」ずいう、存圚するかも怪しい抂念たで生み出しおしたう。その必死さが可笑しいです。

 タクダマダさんの文章は、ラヌメン䞀杯を勝手にサスペンス映画ぞ仕立おおいくような語り口でした。泚文で噛んだ恥ずかしさ、130円ぞの疑念、ネギぞの信頌ず䞍信。小さな出来事なのに、本人の心が倧きく揺れおいるので、読者たで䞀緒に振り回されたす。

 読み終えたあずには、䞭華料理屋の湯気ず、䞌を前にひずりで玍埗したり疑ったりしおいる姿が残りたした。たった「ネギ倚め」だけで、ここたで情緒を動かせるのか。そんな日垞の拟い方を芗いおみたくなる䞀篇です。

take917さんスキ

 䞀番印象に残ったのは、「䜕がどこがそんなに」ず自分で問いかけおおきながら、「そんな説明ずかどヌヌヌでもいいくらい可愛い」ず党郚攟り投げおしたうずころでした。奜きなものを説明しようずしお、結局「奜き」が理屈を远い越しおしたう。その勢いだけで、したねっこの可愛さたで䌝わっおきたす。

 take917さんの語りは、芳光パンフレットずいうより、助手垭で島根を案内しおくれる友人のようです。「島根はなんもない」ず蚀う知人が、したねっこず仁倚米だけは誇るずいう話を挟むこずで、ご圓地キャラの玹介以䞊に、地元の人ずの距離感たで芋えおくるのが面癜い。

 読み終えたあずに残るのは、道の駅の片隅でしたねっこを芋぀けお、ちょっず嬉しくなっおいる景色でした。なぜそこたで愛されおいるのか。理屈より先に「ほんず可愛い!!」が飛び出す、その熱量を確かめに島根ぞ寄っおみたくなる䞀篇です。

嗜たいワむンさんロマネコンティよりロヌルスロむスより、結局思い出他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「ロマネコンティよりロヌルスロむスより」ず豪華なものを䞊べたタむトルなのに、本文にはそのどちらも䞀床も登堎しないこずでした。それでも、閉通を控えたプヌルで、自分の青春ず嚘の珟圚が同じ氎面に重なっおいくのを読んだあずでは、「結局思い出。」が静かに残る。タむトルで倧きく振っおおきながら、最埌は手のひらに残る蚘憶の枩床ぞ着地する、その距離感が印象的でした。

 嗜たないワむンさんの文章は、ふざけた蚀葉を浮き茪のように氎面ぞ浮かべながら、その䞋ではちゃんず時間が流れおいるようです。「Yotei of 盆」や、ふくらはぎずの察話で笑わせおおいお、叀びたゲヌトや10分䌑憩、売店の列ぞ觊れた瞬間、景色の奥から昔の自分が浮かび䞊がっおくる。比喩や脱線が笑いのために眮かれおおらず、しんみりしすぎる盎前に文章の枩床を戻しおくれるのが心地よかったです。かず思えば2本目では、バンコクの正匏名称をタむトルで䜿い切り、本文を140字で畳む。その萜差にも、蚀葉そのものを遊び堎にしおいる感じがありたした。

 読み終えたあずに残ったのは、なくなる堎所を惜しみながらも、そこぞ嚘ずの新しい蚘憶が重なっおいく倏の景色でした。懐かしさを真正面から語らず、笑いず比喩の隙間から少しず぀芋せおくるからこそ、あずになっお効いおきたす。長く泳ぐ䞀本ず、ほずんど飛び蟌みだけで終わる䞀本。たったく違う長さなのに、どちらにも「蚀葉で遊ぶ人」の手぀きが芋える2篇でした。

橘 ゆずさんルパンもただあらわれない。

 䞀番印象に残ったのは、「愛より安定だ」ず珟実を芋据えた盎埌に、結局ルパンの危険な銙りぞ心が戻っおいくずころでした。生掻胜力、粟神的な安定、貯金、家族たで確認するずいう結婚盞手の条件はかなり堅実なのに、「退屈なこずが怖い」なんお蚀う男にはちゃんず心が揺れる。その理性ず本音の埀埩が、この゚ッセむのいちばん面癜いずころです。

 橘ゆずさんの語りは、橘ゆずさんの語りは、ショヌりむンドヌの前で「芋るだけだから」ず蚀いながら、しっかり足を止めおいるようです。気障なセリフに䞀床ずきめきながら、すぐ「あんたこれからどうするの」ず生掻者の芖点ぞ匕き戻される。そのツッコミが入るたび、憧れず珟実の距離がはっきり芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、歳を重ねお珟実的になっおも、ずきめきたで完党には片づけられない人の姿でした。結婚するなら誰がいいのか、恋するなら誰に惹かれるのか。その答えが同じずは限らないから面癜い。ルパンを入口に、かなり珟実的な恋愛芳たで転がっおいく䞀篇です。

田䞭匥䞉郎さんカヌプは、マツダスタゞアムは、平和資料通から続いおいた

 䞀番印象に残ったのは、阪神ファンずしお楜しんだマツダスタゞアムず、翌日に蚪れた平和蚘念公園が、田䞭さんの䞭でひず続きになっおいくずころでした。最初は「芋やすい」「気持ちいい」ず球堎を楜しんでいた芖線が、資料通でカヌプ誕生の歎史を知ったこずで、前日に感じた景色をもう䞀床芋盎しおいきたす。

 田䞭さんの文章は、旅先で拟った点をあずから線にしおいくようです。カヌプファンの赀い人波、球堎の枩かな空気、資料通に残された手曞きの文字。野球ず戊争ずいう離れたものを無理に぀なぐのではなく、自分で歩き、自分の目で芋た順番だからこそ、自然に぀ながっおいくのだず思いたした。

 読み終えたあずに残ったのは、赀く染たったスタゞアムの景色です。ただ野球を応揎する赀ではなく、その街が歩いおきた時間たで重なっお芋えるようになりたした。

 「広島に、カヌプあり」。阪神ファンが広島で野球を芳た䞀日から、なぜそこたで蟿り着いたのか。その道のりを䞀緒に歩いおみたくなる䞀篇でした。

ただのかくひず。さんЊепПчка слПв

 䞀番印象に残ったのは、「䞖界にも、しりずりがある」ずいう話から始たり、蚀葉の意味だけでなく、その圢たで連想の材料にしおいくずころでした。「尻に頭をくっ぀ける」から尻の䞞みぞ、そこから䞖の䞭の䞞いものぞ。話はどんどん脱線しおいるようで、実はずっず蚀葉の端を぀かんだたた進んでいたす。

 ただのかくひず。さんの文章は、ひず぀の蚀葉を指先でくるくる回しお、違う面が芋えるたびに次の蚀葉ぞ攟り投げおいくゞャグリングのようでした。「尻」ず「頭」を文字通り身䜓ぞ戻したり、「䞞」を圢ずしお拟ったり、自分の名前の「。」たで文章の䞭ぞ連れ蟌んだり。比喩や蚀葉遊びが食りではなく、次の話題ぞ移るための足堎になっおいるので、自由に飛び回っおも䞀本の文章ずしお぀ながっお芋えたす。

 読み終えたあずに残ったのは、蚀葉を意味で読んでいた頭を、少し柔らかくされたような感芚でした。「内容も空っぜ」ず本人は曞いおいたすが、その空っぜの噚の䞭で、蚀葉はずいぶん楜しそうに転がっおいたす。ロシア語の「しりずり」から始たった連想がどこたで遠くぞ行くのか、その軌道ごず楜しみたくなる䞀篇です。

Daniel x Inoueさんちがう、ちがう、そうじゃ、そうじゃな〜い

 䞀番印象に残ったのは、「じんじゃヌに、あっおないもん」ずいう3歳の嚘さんのひず蚀でした。倧人には同じ音にしか聞こえない「神瀟」ず「ゞンゞャヌ」が、嚘さんの䞭ではたったく別の䞖界に぀ながっおいる。その勘違いがわかった瞬間、それたでのドレス姿や神瀟ぞ向かうワクワクたで党郚぀ながっお芋えおきたす。

 Daniel x Inoueさんの文章は、子どもの蚀葉をそのたた拟っお、小さな謎解きに仕立おおいくホヌムドラマのようです。最初は「なぜそんなに神瀟ぞ行きたがるんだろう」ず読者も母芪ず䞀緒に銖をかしげ、嚘さんの涙でさらに謎が深たる。そこから意味がひっくり返る瞬間が可笑しくお、同時に3歳児の䞖界の芋え方がずおも愛おしくなりたす。

 読み終えたあずに残ったのは、プリンセス姿で䞀生懞呜お願いする小さな背䞭ず、その時間からずいぶん倧きくなった珟圚の嚘さんの姿でした。子どもの蚀い間違いや勘違いは、その堎では笑い話でも、あずから振り返るず家族の宝物になる。タむトルの「ちがう、ちがう」が䜕に向けられた蚀葉なのか、ぜひ本文で確かめたくなる䞀篇です。

たぎさん倜泣きれロ。ガむくんずの倜は想像以䞊に平和だった

 䞀番印象に残ったのは、子犬を迎えた初日の倜。「眠れない生掻」を芚悟しおいた飌い䞻をよそに、ガむくんがあっさり寝おしたうずころでした。心配を山ほど積み䞊げお埅っおいたのに、本人ならぬ本犬は「即寝」。この枩床差がなんずも可笑しいです。

 たぎさんの文章は、ガむくんずの暮らしを少し離れたずころから芋守る「飌育日誌」のようでいお、気づけば「偉すぎない」ず芪バカが顔を出す。そのたびに、冷静な芳察蚘録ぞ小さなハヌトマヌクが勝手に玛れ蟌んでくるような愛情を感じたす。

 読み終えたあずに残るのは、静かな倜ず、朝を埅぀小さな黒豆柎の姿。子犬ずの生掻は倧倉そう、ず身構えおいる人ほど芗いおみたくなる、飌い䞻の心配ずガむくんのマむペヌスさが埮笑たしい䞀篇でした。

tapitapiさん宝くじず赀鉛筆

 䞀番印象に残ったのは、通垳に赀鉛筆で曞かれた「宝くじ圓遞金」ずいう文字でした。几垳面でお金に现かかった父芪が、四癟䞇円だけは自分に郜合のいい蚀葉で蚘録しおいる。その赀い文字に、信じたかった気持ちたで芋えるようです。

 tapitapiさんの語りは、叀い通垳を䞀枚ず぀静かにめくるようです。父芪を責め立おるでも、矎談に倉えるでもなく、「高揚感ず卑屈さが混じった顔」や、食事を運び続けた日垞を淡々ず眮いおいく。その距離の取り方だからこそ、父嚘の耇雑な関係が匷く残りたす。

 冒頭には、五䞇円の圓遞をみんなでケヌキに倉える自分。そしお、その奥にはたったく違う「宝くじ」を信じた父芪の蚘憶がある。同じ蚀葉の向こうに、二぀のお金ずの向き合い方が䞊んでいるのが印象的でした。

 華やかな「宝くじ」から始たるのに、やがお赀鉛筆の文字をめぐる父嚘の蚘憶ぞ倉わっおいく。読み終えたあず、叀い通垳に残された赀い文字ず、蚀葉にしなかった二人の時間が静かに残る䞀篇でした。

たたごぱんさん䜕ずしおでも私は泳がない。

 䞀番印象に残ったのは、小孊䞀幎生のずきに芋た姉の「息継ぎの圢盞」が、その堎の笑い話で終わらず、䞉幎埌の自分の泳ぎ方たで決めおしたうずころでした。奜きな男の子にあの顔を芋られるくらいなら、十五メヌトル息を止める。泳げない原因ずしおはあたりに遠回りなのに、子どもの頃の恥ずかしさには説埗力がありたす。

 たたごぱんさんの文章は、昔の小さな蚘憶をひず぀持ち出しお、それが今の自分たでどう぀ながっおいるのかを蟿っおいくようです。35歳になり「人の目なんお気にならない」ず克服したはずなのに、今床は垂民プヌルの子どもたちの脳裏に、自分の息継ぎ顔を焌き぀ける心配を始める。姉から自分ぞ残った蚘憶を、今床は次の子どもたちぞ残しおはいけないずいう責任感ぞ話が膚らんでいくのが可笑しいです。

 読み終えたあずに残るのは、泳がない理由が立掟になった35歳の姿でした。昔は「奜きな人に芋られたくない」、今は「子どもたちにトラりマを残しおはいけない」。クロヌルを克服しようずしたはずなのに、気づけば芋知らぬ子どもたちの未来を守る話になっおいる。どうしおそこたで話が倧きくなったのか、その遠回りを远いかけたくなる䞀篇でした。

たたごたるさん眪

 䞀番印象に残ったのは、「ツタ゜カヌメ゜」を思い぀いた瞬間、本気で自分を倩才だず思っおいるずころでした。タむトルのむンパクトもある、「ン」も回避できる、しりずりも続く。完璧な発明に芋えたものが、曞けば曞くほど「そもそもツタ゜カヌメ゜っお䜕」ず厩れおいく。その自滅たで含めお可笑しいです。

 たたごたるさんの語りは、道端で拟った小石を「これは眪では」ず法廷たで持っおいくよう。チヌズケヌキを二぀買ったこずも、賞味期限切れの卵も、しりずりで悪知恵を働かせたこずも、同じ「眪」ずしお䞊べおしたう。その倧げさな裁き方によっお、䜕でもない日垞がじわじわ面癜くなっおいきたす。

 読み終えお残るのは、くだらないこずを真剣に考え続けおいる人の頭の䞭を芗いたような楜しさでした。

 そもそも「眪」ずいう倧仰なタむトルで、なぜスタバのチヌズケヌキから話が始たるのか。そしお「぀」から始たるタむトルを考えおいただけの人が、なぜ眪人になっおしたったのか。その劙な転がり方を远いかけたくなる䞀篇です。

たらちゃんさん奜かんわ

 䞀番印象に残ったのは、「奜かん」の察象がどれも絶劙に小さいこずでした。カヌナビの䜙蚈な抜け道、パスワヌドの埌出し条件、スマホの1mmの誀タップ。怒るほどではない。でも遭遇するず確実に「  奜かん」ずなる。その日垞の小さな苛立ちの採取がうたいです。

 たらちゃんさんの語りは、靎の䞭に入った小石を䞀個ず぀取り出しお、「ほら、こい぀や」ず芋せおくるよう。しかも「スマホの䞭で勝手にパヌティヌ開くな」「過去の自分が仕掛けた眠」など、苛立ちをそのたた愚痎にせず、ひず笑いできる圢にしお䞊べおいきたす。

 読み終えたあずには、「そういえば自分にもあるな」ず、自分だけの奜かんを探したくなる感芚が残りたした。倧事件ではないから忘れおしたう、生掻の䞭の小さな匕っかかり。それを集めるだけで䞀本の゚ッセむになる。

 カヌナビに案内されお100mだけ埗をした人も、パスワヌドの「」に裏切られた人も、たぶんどこかで頷くはず。日垞に転がる「誰に怒ればいいのか分からない腹立たしさ」を拟い集めた䞀篇です。

𝕋.𝔞.ℝ.𝕆さん自分がキモいこずを忘れずにいたい

 䞀番印象に残ったのは、昔、すれ違いざたに女子高生から蚀われお傷぀いた「キモっ」を、今床は過去の自分の写真を芋たたろさん本人が口にするずころでした。そこから「なぜキモく芋えるのか」を考え始め、自意識過剰だった自分ず、スキ数に䞀喜䞀憂する珟圚の自分たで䞀本に぀ながっおいきたす。

 たろさんの語りは、自分を顕埮鏡のプレパラヌトに茉せお芳察しおいるようです。栌奜悪さも承認欲求も隠さず、「数字ずか気にしおないよ、みたいな顔しおるけど気にしおる」ず自分で暎いおしたう。しかも深刻な自己反省にはせず、「お奜み焌きの鉄板を裞足でタコ螊りするおっさん」たで持っおいく。その自虐の振り切れ方が面癜いです。

 読み終えお残ったのは、タむトルにある「忘れずにいたい」ずいう感芚でした。昔蚀われた「キモい」を消したい蚘憶にするのではなく、自分の文章が借り物になっおいないか確かめるための物差しずしお持っおおく。栌奜悪い自分たで材料にしお曞こうずするたろさんが、いったいどんな「キモさ」を目指しおいるのか。そこを芗いおみたくなる䞀篇でした。

ちゃぷぜちさんはた迷惑なゞレず、私他、蚈2本

 二䜜品を通しお䞀番印象に残ったのは、自分の「扱いにくさ」を盎そうずするのではなく、付き合い方を探しおいるずころでした。着こなしに困るゞレも、懇談䌚で固たっおしたう自分も、捚おたり吊定したりせず「さお、こい぀をどうしよう」ず眺め盎しおいたす。

 ちゃぷがちさんの文章は、心の䞭にある小さな匕っかかりを、ピンセットで぀たんで角床を倉えながら芳察しおいるようです。服遞びなら「クヌラヌ政暩䞋の政敵」、懇談䌚なら「サハラ砂挠より也いた間」。自責ぞ沈みそうな堎面にもナヌモアを差し蟌み、自分を少し離れた堎所から芋られる圢ぞ倉えおいきたす。

 読み終えお残ったのは、倱敗や䞍噚甚さが消えた景色ではなく、それらを抱えたたた少し身軜になった人の姿でした。

 持お䜙しおいた服ず、忘れたい倱敗。䞀芋たったく違う二぀から、自分ずの付き合い方を探しおいく。そんな「ごきげん」の䜜り方を芗いおみたくなる二篇です。

チェブ爺さんた、マゞかぁ 

 䞀番印象に残ったのは、「䞍幞の手玙」が怖かった理由です。䞍幞になるこずではなく、送り先の友だちが5人もいないこずが怖かった。子どもの頃の寂しさをさらっず眮いたあず、今回のバトンを「幞犏の手玙みたいで嬉しい」ず受け取る。その昔ず今の重なりに、枩かさを感じたした。

 語り口は、瞁偎で昔話を聞いおいたはずなのに、い぀の間にか倧喜利に付き合わされおいるようです。「シリトリ匱いんですよね」ず䜕床も念を抌すので䜕が始たるのかず思えば、本人はいたっお真面目な顔でゲヌムを始める。この、ずがけた間の取り方がチェブ爺さんらしい面癜さでした。

 読み終えお残るのは、くだらなさよりも、人ずの぀ながりの景色です。昔は「誰に送ればいいんだろう」ず怖かった手玙が、今では誰かから届くこず自䜓が嬉しい。そんな時間の流れが、しりずりずいう遊びの向こうに芋えたした。

 「た」から始たる䞀本を頌たれた、自称しりずり最匱の男。果たしお無事にバトンを぀なげられるのか。その腕前を確かめるだけでも、ちょっず芗いおみたくなる䞀篇です。

皚魚さんリヌチ䞀発ツモドラドラ 䞭幎無職、お姫様麻雀からの自立

 䞀番印象に残ったのは、「恵たれた環境は、成長を劚げる」ず自分の麻雀人生を振り返るずころでした。アプリに教えられ、おじさんたちに点数を蚈算しおもらい、堎代や倕飯たで出しおもらう。こうしお誕生したのが、自称「麻雀姫」。麻雀が奜きなのに、䞀人では雀荘ぞ行けない状態に陥っおいたす。

 その半生を「雀荘凊女期」「麻雀姫期」「モンスタヌ衰退期」ず、たるで王朝の興亡史のように語るのが皚魚さんらしいずころ。銬䞻の別荘や煙おじ、母銬など、どうでもよさそうな情報たで次々に枝分かれしおいくのに、なぜか党郚「姫の自立」ずいう壮倧な物語ぞ芋えおくるのが可笑しいです。

そ しお、しりずりで枡されたたった䞀文字の「り」が、止たっおいた麻雀人生をもう䞀床動かしおいく。読み終えるず、麻雀牌を前に「うれしいたのしい」ずはしゃぐ姿ず、どうにか自力で立ずうずもがく䞭幎のお姫様が残りたす。

 麻雀を知らなくおも倧䞈倫。「甘やかされお育った姫は自立できるのか」ずいう成長物語ずしお芗いおみたくなる䞀篇でした。

Chikuwaさんうんずもすんずも

 䞀番印象に残ったのは、「う」から始たる蚀葉だけで、ここたで文章を走らせおしたう勢いでした。雲梯から始たり、浮き、雚期、牛、うさぎ、りリ坊、運動䌚、運送䌚瀟、りシゞマくんぞ。意味より先に音が次の蚀葉を呌び、その連想にChikuwaさん本人たで匕っ匵られおいるようです。

 特に「薄々感じおたけど終わりどきがわからぞん」ずいう䞀文が、この䜜品そのものを衚しおいるようで奜きでした。きれいな道筋を䜜るより、思い぀いた「う」を拟っおは投げ、たた拟う。そのリズムず関西匁のツッコミが重なっお、文章なのに即興で歌っおいるような楜しさがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、内容を敎理しお理解した感芚ずいうより、賑やかな蚀葉遊びに巻き蟌たれた䜙韻です。タむトルでは「うんずもすんずも」なのに、本文は最初から最埌たでずっず䜕か蚀っおいる。その矛盟たで含めお、次は䜕が飛び出すのか远いかけたくなる䞀篇でした。

ちゃぜぷちさんヘッポコ母がそっず真珠を磚く倜〜忘华ずいう優しい薬〜

 䞀番印象に残ったのは、「noteに曞いお昇華しなきゃ」ず䞀ヶ月ぶりに倱敗を掘り起こしたら、もう傷が塞がっおいたずころでした。あれほど恥ずかしくお地䞭に埋たりたかった出来事が、時間ず別の楜しい出来事によっお、い぀の間にか笑える蚘憶ぞ倉わっおいる。その気づきが静かに効きたす。

 ちゃぷがちさんの文章は、心の䞭に残った小さな異物を、真珠貝の殻を開くように䞁寧に探しおいく感じがありたす。今回は懇談䌚の「䞞投げ発蚀」から、自責、忘华、そしお今の自分ぞ。倱敗をただ笑い話にするのではなく、そのずき自分が䜕に傷぀いおいたのかたで芗き蟌む語りが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、黒歎史も時間が経おば少し茪郭を倱い、やがお人に話せる思い出になるのかもしれない、ずいう軜さです。誰にでもある「思い出すだけでうわあああずなる倱敗」が、どうやっお笑い話ぞ倉わっおいくのか。その過皋を芗いおみたくなる䞀篇でした。

ちゃめさんすぐにやればいいのにね、絶察やるんだから。他、蚈4本

 4䜜品を通しお䞀番印象に残ったのは、ちゃめさんがわずか10日ほどで、゚ッセむしりずりの「読み手」から、ルヌルの䜙癜たで遊び始める人ぞ倉わっおいったこずでした。

 最初は、音楜をあえお封印しお「すぐにやればいいのに」ず自分の性栌を曞く初゚ッセむ。それが䞀床バトンを受け取るず、「論」を匷奪しお「ロンリヌ」ぞ倉え、「円」からは倧奜きな音楜の話ぞ぀なげおいく。普段から音楜に぀いお曞いおいる人だからこそ、どんな文字を枡されおも最埌には自分の奜きな堎所ぞ垰っおくるのが面癜いです。

 そしお最終䜜では、自分でも「間違った成長」ず振り返るほど、すっかり䌁画の䞭で遊んでいる。最初は遠くから眺めおいたバトンが、人や文章、そしお自分の倧奜きな音楜たで新しい誰かぞ぀ないでくれた。

 4本を読み終えるず、䜜品そのものず䞀緒に、ひずりの曞き手が「曞くこずも読むこずも楜しい」ず発芋しおいく10日間たで芋届けたような気持ちになりたす。初゚ッセむから始たった、小さな創䜜冒険の蚘録でした。

ちょこたたさんだっおじいちゃんに䌚えたしね

 䞀番印象に残ったのは、「お母さんを遞んでくれたの」ずいう問いから始たる、息子くんずの䌚話でした。母ずしおは少し照れながら聞きたいこずがあり、息子くんには息子くんなりの答えがある。その二぀が埮劙にすれ違いながら進んでいくずころが埮笑たしいです。

 ちょこたたさんの文章は、甚意した台本の䞊を小さな宇宙人が自由に歩き回っおいるようでした。「きっずこう返っおくるかな」ずいう倧人の予想を、息子くんの蚀葉がひょいず飛び越えおいく。そのたびに心の䞭でツッコミを入れながらも、蚀葉を盎させず、そのたた面癜がっおいる語り口にも家族の距離の近さを感じたす。

 読み終えたあずに残るのは、寝る前の芪子の䌚話から、家族みんなの笑い声ぞ広がっおいく枩かな景色でした。子どもの䜕気ない䞀蚀が家族の䞭を巡っお、それぞれを少し嬉しくしおいく。

 「お母さんがお母さんでよかった」。そんな少し勇気のいる質問に、子どもは䜕ず答えるのか。芪が欲しかった答えずは少し違う方向ぞ転がっおいく䌚話を、こっそり聞かせおもらうような䞀篇でした。

千倜耪寡さん時間が流れるずいうこず

 䞀番印象に残ったのは、久しぶりに䌚った友人の倉化よりも、「友人が芚えおいる自分」ず「今の自分」の違いに戞惑っおいるずころでした。垢抜けた友人を芋お感じた劣等感の奥に、昔はもっず気軜に人ず話せおいた自分ぞの寂しさたである。再䌚によっお、自分自身の倉化たで映し出されおいく芖点が印象的です。

 時間を、秒針やカレンダヌだけでなく、人の衚情や距離感を少しず぀倉えおいく川のように眺めおいる語りにも惹かれたした。流されおしたったものを数えおいたずころぞ、ふず昔ず倉わらない仕草が顔を出す。その瞬間、過去ず珟圚が重なるような感芚がありたす。

 読み終えたあずに残るのは、垰り道で䞊んで歩く二人の姿でした。時間が経おば人は倉わる。でも、党郚がなくなるわけでもない。久しぶりに誰かず䌚ったずきに感じる、懐かしさでは名前を぀けられない感情を䞁寧にすくい䞊げた䞀篇でした。

ちょろすさんを。から始たるストヌリヌ

 䞀番印象に残ったのは、成人匏の前撮りずいう嚘たちの晎れ舞台を芋に行ったはずなのに、途䞭から完党に自分の話ぞ乗っ取られおいくずころでした。双子の成長にじんわりしそうになった、その瞬間に写真の䞭から自分が珟れる。この感動ず珟実の割り蟌み方が、ちょろすさんらしいです。

 ちょろすさんの語りは、きれいに敎えた蚘念写真のアルバムぞ、突然プリクラの萜曞きを始めるようです。「知らんがな」で昔のオバサン像を切ったかず思えば、そのオバサンに自分がしっかり着地しおいる。しかも自虐ぞ䞀盎線に萜ちるのではなく、最埌には「でも、わたしは自分倧奜きです」ず別方向から立ち䞊がる。その自己肯定のねじれ方たで含めお面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、華やかな振袖姿の双子ず、その間でピヌスしおいる母芪の䞉人写真でした。嚘の成人ずいう節目を芋ながら、自分自身の珟圚地たで容赊なく写し出されおしたう。でも、それを笑い話ぞ倉えおしたえるずころに劙な匷さがありたす。「をヌヌヌヌ」から始たった話が、成人匏の前撮りを経おどこぞ転がっおいくのか。その脱線ぶりごず読んでみたくなる䞀篇です。

月ず星の怍物店さんIn the Endから考える -努力は最埌に䜕になるのか-

 䞀番印象に残ったのは、「努力する理由ず、努力が報われるこずは、本来別の話なのかもしれない」ずいう芖点でした。頑匵れば報われる、ではなく、報われないかもしれないのに人は時間を差し出しおしたう。その矛盟を、無理に前向きな蚀葉ぞ着地させないずころに惹かれたす。

 月ず星の怍物店さんの文章は、ひず぀の曲を入口にしお、そこから人生の奥ぞ静かに降りおいく螺旋階段のようです。リンキン・パヌクの音、チェスタヌの声、若い頃に聎いた蚘憶が重なりながら、「努力ずは䜕か」ずいう問いぞ少しず぀深く朜っおいく。

 読み終えたあずには、終わるず分かっおいるものぞ、それでも時間を䜿う人の姿が残りたした。努力を肯定するでも吊定するでもなく、その悲しさず矎しさを同時に芋぀めおいる。

 奜きだった曲を歳を重ねお聎き盎したずき、昔ずは違う意味が聞こえおくるこずがありたす。これは䞀曲の思い出から始たり、「報われるずは䜕だろう」ず静かに考えさせられる䞀篇でした。

TUKUSHIさんZなんお知らんがな

 䞀番印象に残ったのは、無茶振りされた「Z」を「未知の食材」ず呌び、本圓に䞀本の゚ッセむぞ料理しおしたうずころでした。Zzzから睡眠ぞ、ビタミンZぞ、お殿様のいびきぞ、ワンコの倜間介護ぞ、さらにデスノヌトたで。話は豪快に寄り道するのに、最埌たで「Z」がちゃんず道暙になっおいたす。

 特に楜しいのは、日垞の出来事をすべお「アラフィフ通」の䞖界ぞ倉換しおしたう語り口です。倫はお殿様、仕事は宮仕え、腹の立぀出来事はデスノヌトぞ。「倜はちゃんず寝らんず」ず爆睡しおいた本人から蚀われる堎面など、女将さんのツッコミたで聞こえおきそうでした。

 けれど、賑やかな文章の奥には、老犬のお䞖話をしおいた倜の蚘憶や、い぀か蚪れる「人生のZペヌゞ」ぞの思いもありたす。笑いながら読み進めおいたはずなのに、最埌には「それたでは、ただただ螊っおいたい」ずいう生呜力が残る。

 たった䞀文字の「Z」から、ここたで話を広げられるのか。鬌畜仕様のバトンを女将さんがどう料理したのか、その調理過皋ごず楜しめる䞀篇でした。

tuzukuさん誰も傷぀けないバトンの枡し方

 䞀番印象に残ったのは、「バトンを枡さないこず」をルヌルから倖れた行動ではなく、「誰も遞ばず、誰も倖さない優しさ」ずしお受け取ったずころでした。同じ出来事でも、どこに光を圓おるかでこんなにも芋え方が倉わる。その読み方そのものに、tuzukuさんらしさを感じたす。

 二人の蚘事から受け取った小さな光を握っお、そのたたマラ゜ンを走り始め、バトン䌁画の話だったはずが、い぀の間にか沿道から声揎が聞こえ、路地裏の文化祭ぞ向かっおいる。ひず぀の感動を比喩の䞭でどんどん膚らたせおいく語りが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、誰かを指名するこずが「぀なぐ」こずではない、ずいう枩かな景色でした。バトンを眮く人、拟う人、ただ芋守る人。それぞれの参加の仕方があっおいい。

 二本の蚘事を読み、䞀人のランナヌが党力疟走を始める。その熱量がどこぞ向かうのか、ぜひ䞀緒に远いかけおほしい䞀篇でした。

tu-tsuさん぀たり、あの時セブンのコヌヒヌは本圓はいくらだったのか

 䞀番印象に残ったのは、「3.3円っおどっから来た」から完党に思考が止たり、その数字を半日远いかけ続けるずころでした。普通なら電卓で枈たせる話なのに、぀っ぀さんにずっおは立掟な難事件です。

 ぀っ぀さんの文章は、コンビニのレシヌト䞀枚から掚理ドラマを始める探偵のようです。蚈算の途䞭で迷子になり、コヌヒヌを飲んで䌑憩し、恋する盞手ぞのプレれント䞊みに悩み、それでも自力で答えたで蟿り着こうずする。その倧げさな真剣さが可笑しくお応揎したくなりたす。

 読み終えたあずに残るのは、セブンのアむスコヌヒヌを片手に、たった数円の謎ず本気で栌闘しおいる姿です。数孊が埗意かどうかより、「分からない」をここたで面癜がれる人なんだなず思える䞀篇でした。

接田祐垌さん「ちょっずず぀で、たぁええやん。」

 䞀番印象に残ったのは、「血筋」ずいう蚀葉を、顔立ちや䜓質ではなく「知らないうちに受け継いできたもの」ぞ広げおいるずころでした。祖父から父ぞ、父から家族ぞず続いおきたものを芋぀めたうえで、「党郚そのたた次ぞ枡さなくおもいい」ず眮く。その䞀文に、過去を吊定するのでも矎化するのでもない匷さを感じたした。

 ゆきおぃさんの文章は、叀い家の抌し入れから代々したわれおきた荷物をひず぀ず぀取り出し、「これは残す」「これはここで眮いおいく」ず確かめおいるようです。戊争、家族、父芪ずの蚘憶ずいう重い題材を扱いながら、最埌たで誰かを断眪する方向ぞは進たない。「ちょっずず぀」ずいう蚀葉たで戻っおくるこずで、自分のこれからぞ芖線が向いおいくのが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、長く続いた道の途䞭で、自分の足元から少しだけ進路を倉える姿でした。受け継いだものず、これから枡しおいくものは同じでなくおもいい。「ち」ずいう䞀文字から、家族の歎史ず自分の生き方がどう぀ながっおいくのかを読んでみたくなる䞀篇です。

tsubamiさんデヌタを眺めるひずずき

 䞀番印象に残ったのは、数字そのものを芋おいるのに、そこから詊合や遞手の時間たで立ち䞊がっおくるずころでした。打率や本塁打、防埡率、掚定幎俞。普通ならただの蚘録なのに、tsubamiさんにずっおは「この幎はすごかった」「移籍前はどうだったっけ」ず、蚘憶を開くスむッチになっおいるのが面癜いです。

 tsubamiさんの野球デヌタの眺め方は、時刻衚を開いおただ乗っおいない列車の旅を始める人に少し䌌おいたす。数字を分析しお答えを出すのではなく、䞊んだ蚘録の隙間から、その幎の球堎や遞手の姿を想像しおいく。28冊の遞手名鑑も資料ずいうより、䜕十幎分もの野球の景色をしたっおあるアルバムのように芋えおきたした。

 読み終えたあずに残ったのは、朝の新聞を広げる子どもの頃から、今も遞手名鑑をめくっおいる珟圚たで、数字の列で぀ながった長い時間でした。野球奜きの話でありながら、「奜きなものは、眺めおいるだけでも楜しい」ずいう感芚はきっず野球以倖にもあるはずです。数字だけでどうしおこんなにワクワクできるのか、その楜しみ方を芗いおみたくなる䞀篇でした。

粒あん掟ですさんタンクブロメリア3本ずもビルベルギア ハレルダ

 䞀番印象に残ったのは、ガチャなのに2回続けお同じ「ハレルダ」を匕き、気づけば3株になっおいたずころでした。倧圓たりよりも、瞁のある䞀株のほうが存圚感を増しおいくのが可笑しいです。

 粒あん掟ですさんの文章は、怍物玹介の鉢に、少しず぀くじ匕きのドラマを怍え蟌んでいくよう。育お方や皮類の説明をしながら、「たたハレルダが来たらどうしよう」ずいう個人的な葛藀が混ざるこずで、専門的な話もぐっず身近になりたす。

 読み終えたあずには、赀く発色したハレルダが䜕鉢も䞊ぶ光景が残りたした。奜きで集めたわけではないのに、なぜか増えおいく。そんな偶然たで含めお怍物ずの瞁を楜しんでいる䞀篇です。

 タンクブロメリアを知らなくおも、「ガチャで同じ怍物ばかり匕く人の話」ず聞けば少し芗いおみたくなるはずです。

玬矜さん食べないよっお蚀えばよかった

 䞀番印象に残ったのは、柎さんではなく「飌い䞻の蚀葉遣い」が問題だったず気づくずころでした。「草食うなよ」でちゃんず芚えおくれたのに、公園で人目を気にするず声が小さくなり、今床は指瀺の嚁力たで萜ちる。そのゞレンマが可笑しいです。

 玬矜さんの語りは、散歩䞭に拟った小さな倱敗を、あずから䜕床も転がしお眺めるよう。こう門から草を匕っ匵る話たで包み隠さず出し぀぀、最埌には「最初に教える蚀葉っお倧事だった」ず、犬ずの暮らしならではの気づきぞ぀なげおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、公園で柎犬に向かっお小声で䜕かを繰り返しおいる飌い䞻の姿。犬はちゃんず芚えおくれる。だからこそ、人間の䜕気ない䞀蚀が思わぬ圢で返っおくる。そんな日垞のズレを芗きたくなる䞀篇でした。

Tailwindさんだけど、良く続いたね note1呚幎っお

 䞀番印象に残ったのは、noteを始めお䞀幎を「生たれ盎しお1歳になった」ず捉えおいるずころでした。ただ投皿を䞀幎続けたずいう話ではなく、それ以前の時間も抱えたたた、新しい自分の時間を数え始めおいる。その「1歳」には、数字以䞊の重みを感じたす。

 Tailwindさんの語りは、人生の重たい出来事を真正面から重たく語り続けるのではなく、途䞭で「真冬の露倩颚呂」や「ボヌナスステヌゞ」ずいった比喩ぞひょいず乗り換えおいく。その姿は、向かい颚たで垆に受けお進む人のようです。深刻さを消すのではなく、それでも面癜いものを探そうずする芖線が文章を前ぞ運んでいたす。

 読み終えお残ったのは、ろうそくが䞀本だけ立った小さなバヌスデヌケヌキの景色でした。長く生きおきた人が、新しい居堎所ではただ1歳。その取り合わせが枩かいです。

 なぜnoteを「真冬の露倩颚呂」ず呌び、そこで䞀幎も出られなくなったのか。ひず぀の居堎所ずの出䌚いが日垞の芋え方をどう倉えおいったのかを、そっず芗いおみたくなる䞀篇でした。

でぃぞさん理由もなく、空を芋䞊げた倏の日

 䞀番印象に残ったのは、空ず海を眺めながら少しず぀心がほどけおいく時間ず、その盎埌に「人は、綺麗な景色を芋るずポ゚マヌになる」ず自分で照れおしたうずころでした。しんみりしすぎる前に自分で茶化す。その距離感が、この景色をかえっお身近なものにしおいたす。

 でぃぞさんの文章は、絶景を眺めながら暪でずっず小声のツッコミを入れおくる旅仲間のようです。腹筋を䜿っお撮った足入り写真、BIRKENSTOCKぞの愛、倖囜人女性をモデルに撮りたかったずいう脱線たで、きれいな景色だけでは終わらせない。埌半では、しりずりを「受ける自由、断る自由」ぞ぀なげお、自分にずっお人ず぀ながるこずには少し゚ネルギヌが必芁だずいう話たで自然に広がっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、人のいない庭園でリクラむニングチェアに寝転び、ただ空を芋䞊げおいる倏の景色でした。䜕か特別な答えが出るわけではないけれど、少し気持ちが軜くなる。そんな時間のそばに、でぃぞさんらしい照れず脱線が眮かれおいる䞀篇です。

寺 航さん『違和感』をなぞる色鉛筆

 䞀番印象に残ったのは、出来事そのものではなく、あずから䜕床も反芻したずきに残る「なぜか」を曞く皮にしおいるずころでした。旅行も食べ物も服も、最初から゚ッセむの材料ずしお芋おいるのではなく、時間が経っおも手の䞭に残った感觊から文章が始たる。その姿勢がよく芋えたす。

 寺さんの文章は、茪郭のないものに色鉛筆で䜕床も薄く線を重ねおいくようです。違和感をすぐ答えにせず、転がし、眺め、角床を倉えながら少しず぀圢にしおいく。その過皋自䜓が、この䜜品の読みどころでした。

 読み終えたあずには、過去の蚘事から青や薄玅、緑ずいった色だけがふっず浮かんでくるような䜙韻が残りたす。自分の䞭に残った小さなひっかかりが、あずから人生の道しるべになる。゚ッセむが生たれる前の、ただ名前のない感芚を芗かせおもらえる䞀篇でした。

倩界蚘録さん日垞から、「昚日」が消えたのかもしれたせん

 䞀番印象に残ったのは、「昚日、芋た」ず「知っおる」の違いから、消えたのは共通の話題ではなく共有されおいた昚日なのかもしれない、ず蟿り着くずころでした。「時間が入っおいる」ずいう䞀蚀で、䜕気ない䌚話の違いが急に倧きな景色ぞ倉わる。その拟い方に、「その芖点なかった」ず私が蚀わされたす。

 倩界さんの文章は、日垞に萜ちおいる现い糞を䞀本぀たみ、切らずに手繰っおいくうちに、その奥にある時間や人ずの距離たで匕っ匵り出しおくるようです。そしお面癜いのが、審査員ずしお掲げた「日垞のどこを拟ったか」「どこぞ転がしたか」「読み終えたあず芋え方が倉わったか」ずいう基準が、そのたたご自身の文章にも圓おはたっおいるこず。審査基準を曞きながら、いちばん自分で「その芖点なかったで賞」を実挔しおいるようにも芋えたした。

 八月䞉十䞀日二十䞉時五十九分ず九月䞀日午前零時の間に、倏そのものが倉わるわけではない。それでも人はそこに「終わり」を眮く。そんな芋方を枡されたあずでは、「昚日」も「倏の終わり」も少し違っお芋えたす。䜕でもない蚀葉や境目から、ただ名前の぀いおいないものを芋぀けおいく。その思考を䞀緒に蟿りたくなる3篇でした。

冬山迷子さん眪を重ねた蚌

 䞀番印象に残ったのは、怍物を増やすこずを最初から最埌たで「眪」ず呌び続けおいるずころでした。始たりは、二ヶ月も存圚を忘れおいた䞀鉢のアロ゚。それが今ではハオルチアだけで90鉢を超えるずいうのだから、確かにずいぶん眪を重ねおいたす。

 冬山迷子さんの語りは、園芞の話を恋愛遍歎のように語る惚気話のようです。「運呜的な出䌚い」「嗜奜を開発された」「矎人たちに奉仕する」「幟ら貢いだかは蚈算したくない」。怍物ぞの愛情を恋愛の蚀葉ぞ眮き換えるたびに、ただの鉢数たで艶っぜく、そしお怪しく芋えおくるのが面癜い。

 読み終えお残ったのは、たくさんの鉢に囲たれお、嬉々ずしお土を觊っおいる姿でした。か぀お怍物を枯らしおいた人が、い぀の間にかこれほど倢䞭になっおいる。その倉化にも、䞍思議な幞犏感がありたす。

 タむトルにある「眪を重ねた蚌」ずはいったい䜕なのか。冒頭から䞡手に残っおいるずいう、その蚌の正䜓を远いながら読むず、園芞沌ぞ萜ちおいった䞀人の愛奜家の告癜ずしお楜しめる䞀篇でした。

遠井秀哉さんランドスケヌプに含たれる公共資源

 䞀番印象に残ったのは、『ランドスケヌプに含たれる公共資源』ずいう立掟なタむトルを掲げおおきながら、早々に「もう話が続かん」ず自分で投げ出しおしたうずころでした。そこから䌁画のルヌル、スポンサヌ料、ゎヌストラむタヌ疑惑ぞず、話はどんどん別方向ぞ転がっおいきたす。

 遠井さんの文章は、倧きな颚呂敷を広げた本人が、その䞊で寝転がったり蹎飛ばしたりしお遊び始めるようです。栌奜よく始めたはずなのに、自分で党郚厩し、その厩れ方たで笑いにしおしたう。セルフツッコミを重ねながら、最埌たで勢いで抌し切る語り口が独特でした。

 読み終えたあずに残るのは、立掟なタむトルからは想像も぀かない隒がしい景色です。このタむトルがどうしおこんな文章になるのか。その萜差でも、途䞭を芗いおみたくなる䞀篇でした。

ずきかさんルックバック

 䞀番印象に残ったのは、詩や和歌を曞くこずを、蚘憶を残すためではなく「手攟すため」ず捉えおいるずころでした。曞けば蚘録されるのに、本人はむしろ曞くこずで、そのずきの感情から少しず぀離れおいく。この逆向きの感芚が面癜いです。

 ずきかさんの蚘憶は、昔の出来事を棚から取り出すずいうより、突然その日の空気ごず郚屋ぞ運び蟌んでくるようです。倩気や颚、衚情、䌚話の間、助詞の䜿い方たで残っおいる。だから文章を曞くこずも、思い出を眺めるのではなく、もう䞀床その堎ぞ入り盎すようなものなのかもしれたせん。

 読み終えお残ったのは、noteに眮かれた蚀葉が、少しず぀自分の手を離れお䞊んでいく静かな景色でした。

 「振り返る」ずは、過去ぞ戻るこずなのか。それずも過去から離れるこずなのか。曞いたものをすぐ忘れおしたうずいう話から、創䜜ず蚘憶の䞍思議な関係ぞ連れおいかれる䞀篇です。

ずきどきさんで結局䌌たもの倫婊

 䞀番印象に残ったのは、旊那さんの回りくどい話し方に「で」ずツッコんでいたはずが、曞いおいる途䞭で「私も同じじゃん」ず自分ぞ返っおくるずころでした。盞手の欠点を芳察しおいたら、い぀の間にか鏡を芋おいた。その気づき方が自然で可笑しいです。

 ずきどきさんの語りは、倫婊の䌚話をそのたた台所のたな板に乗せお、熊本匁のたたトントン刻んでいくような文章です。「だけんが」の応酬や脱線たで敎えすぎず、そのたた眮いおあるから、30幎以䞊䞀緒にいる二人の呌吞が芋えおきたす。

 読み終えお残るのは、車の䞭でたた同じやり取りを繰り返しおいる倫婊の景色でした。䌌たくないずころたで含めお、長く暮らすうちに少しず぀䌌おしたう。その可笑しさず芪しさが滲んでいたす。

 「で」ずいうたった䞀蚀から、倫婊の䌚話の癖ず自分自身の癖たで掘り圓おおいく䞀篇。誰かに「話、長いな」ず思ったこずがある人ほど、途䞭で少しドキッずするかもしれたせん。

垞盀ばらんさんせうゆ色の蜃気楌

 䞀番印象に残ったのは、子どもの頃の自分を「せうゆ色」、珟圚のばらんさんを「サラダせんべい」、さらには「もやし」ず、色の倉化でたどっおいくずころでした。真っ黒になるたで倖を駆け回っおいた少幎ず、UVカットパヌカヌに日傘で家にこもる珟圚。その萜差がおかしいのに、どこか昔の自分を遠くから眺めるような寂しさもありたす。

「せうゆ」から富山の「しょわしない」ぞ飛び、せんべいになり、もやしになり、最埌には突然飛んできた「゚ッセむ曞こうぜ〜」の豪速球ぞ。蚀葉の音や色から連想を次々ず転がしおいく語り口が、この䜜品ならではの楜しさでした。

 そしお、過ぎ去った倏を振り返る話だったはずが、バトンを受け取ったこずで珟圚の倏にも新しい色が加わっおいく。読み終えたあずには、倕方のような少し懐かしい倏の景色ず、「次は誰の番」ずたた䜕かが始たりそうな䜙韻が残りたす。タむトルの「蜃気楌」が、昔の蚘憶にも今の倏にも重なっお芋える䞀篇でした。

どこかにあるはず日蚘さん来幎の倏、䜕する

 䞀番印象に残ったのは、「うたくいかなかった倏」を倱敗ずしお閉じず、「たた来幎やれば、いっか。」で未来の楜しみに倉えおいるずころでした。お匁圓を鳥に持っおいかれ、魚は釣れず、動物たちもぐったり。それでも党郚が、来幎もう䞀床やっおみる理由になっおいきたす。

どこかにあるはず日蚘さんの語り口は、店先に吊るした颚鈎みたいです。倢ず珟実、店番ず動物たち、倏の思い出が颚に揺られながら、ふわっず次の堎面ぞ移っおいく。倧きな出来事を匷く語らないのに、読んでいるうちにその䞖界ぞゆっくり連れおいかれたす。

 読み終えたあずに残るのは、倏䌑みの終わりの少し寂しい午埌の景色でした。終わっおしたう倏を惜しみながらも、芖線はもう来幎ぞ向いおいる。「今幎できなかったこず」がある人ほど、少し読んでみたくなる䞀篇です。倏の終わりを、残念だった思い出ではなく、次の倏ぞの予告線に倉えおくれたす。

トトさんだっふんだ他、蚈2本

 『だっふんだ』で䞀番印象に残ったのは、ただのギャグだった蚀葉の向こうに、家族みんなで同じテレビを芋お笑っおいたリビングの景色が立ち䞊がっおくるずころでした。䞀方の『募る想い』では、誰かを奜きになったこずで生たれる独占欲や寂しさを、倜の静けさの䞭ぞ沈めおいきたす。

 トトさんの文章は、叀いアルバムのペヌゞをめくるように、そのずきの空気たで䞀緒に取り出しおくる感じがありたす。にぎやかな笑い声から、スマヌトフォンを䌏せた暗い郚屋たで、感情に合わせお文章の枩床が倧きく倉わるのも面癜いずころです。

 くだらない䞀蚀が家族の蚘憶に぀ながったり、䌚えない時間が想いを膚らたせたり。誰かず過ごした時間が、あずになっおどんな圢で心に残るのか。たったく違う題材なのに、どちらにも「人を想う時間」が残る2䜜品でした。

トド子さんたぶん、息子は私に話したかった。

 䞀番印象に残ったのは、疲れおいるはずの息子くんが、埌郚座垭ぞ移らず助手垭に残ったこずでした。最初は䜕でもない遞択だったはずなのに、合宿の話が次々ずこがれおくるうち、その垭の意味が少しず぀倉わっお芋えおきたす。

 トド子さんの語りは、子どもの蚀葉を拟いながら、その奥にある気持ちをそっず想像する聞き圹のようです。「母はサンドバッグ」ず笑いに倉えながら、嬉しかったこずも愚痎も遮らず受け止める。その軜さがあるから、芪子の距離を必芁以䞊に感動的にしないのもいい。

 読み終えたあずに残るのは、倜の車内、前を照らすヘッドラむトず、その暪で止たらない息子くんの声でした。思春期の子どもず芪のあいだに、こんなふうに偶然生たれる䞀時間がある。䜕気ない助手垭から始たる芪子の時間を、少し芗いおみたくなる䞀篇でした。

Toffeeさんたった䞀時間のシンデレラ

 䞀番印象に残ったのは、たった䞀時間のひずり時間を「シンデレラの舞螏䌚」に倉えおいるずころでした。愛犬は銬車、゚プロンはドレス、冷蔵庫は扉。日垞の家事を、おずぎ話の小道具ぞ少しず぀眮き換えおいく芖点が楜しいです。

 Toffeeさんの文章は、い぀もの台所に魔法をかける照明のようでした。Jazz、包䞁の音、ノンアルビヌルの「プシュッ」たでが、誰にも急かされない時間をゆっくり浮かび䞊がらせおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、豪華な舞螏䌚ではなく、静かな台所の景色です。ほんの䞀時間でも、自分のために過ごす時間があれば、い぀もの倜は少し違っお芋える。そんな小さな莅沢を芗いおみたくなる䞀篇でした。

tomiさん楜したい!楜したい!!楜したい!!

 䞀番印象に残ったのは、「草取りを楜にしたい」だったはずが、芝、クロヌバヌ、リュりノヒゲ、ヒメむワダレ゜り、ディコンドラず、むしろ次々に仕事を増やしおいるずころでした。特に「目を背けおる。芋えない芋えない 生えおない。」には、庭仕事に負けかけた人の切実さず可笑しさが詰たっおいたす。

 tomiさんの語りは、雑草を枛らすために䞀本抜いたら、その䞋から別の雑草が䞉本出おくる庭そのもののようです。ひず぀解決しようずするたびに新しい問題が生え、それをたた詊行錯誀で乗り越えようずする。その行き圓たりばったりさたで隠さず曞く語り口が楜しいです。

 読み終えお残るのは、理想の庭ずいうより、怍物ずtomiさんがずっず攻防を続けおいる賑やかな庭の景色でした。「楜したい」から始たったはずなのに、なぜここたで倧倉なこずになったのか。ガヌデニング経隓がなくおも、その迷走ぶりを芗いおみたくなる䞀篇です。

Tomokoさんスルメは、むカに戻りたいのだろうか

 䞀番印象に残ったのは、「スルメにも、ピチピチだった時代があった」ずいう発想でした。昔の䜓型や肌、䜓力ぞ「戻りたい」ずいう気持ちを、むカずスルメに眮き換えた途端、幎霢を重ねるこずの芋え方たで少し倉わりたす。

 Tomokoさんの語りは、幎霢ずいう真面目になりやすいテヌマを、スルメを片手に眺めおいるような軜やかさがありたす。「ただスルメほど也いおはいない。保湿もしおいる」ず笑わせながら、そのたた「そもそも䜕に戻ろうずしおいたんだろう」ずいう問いぞ連れおいく。自虐だけにも前向き䞀蟺倒にもならないずころが心地よいです。

 読み終えお残ったのは、時間を巻き戻すのではなく、今いる堎所から先を眺める景色でした。倱ったものを数えるだけでなく、幎霢ずずもに増えたものにも目を向けおみる。そんなふうに自分の倉化を少し面癜がりたくなりたす。

 「スルメは、むカに戻りたいのだろうか」。スヌパヌで芋かけおもたず考えない問いなのに、自分自身の「戻りたい」にたで぀ながっおいく。その意倖な連想を远いかけたくなる䞀篇でした。

TOMOKOさんたすけおほしいけど、たすけおいらん

 䞀番印象に残ったのは、うどんではじいじの手を䜕床も払いのけた1歳半のお孫さんが、ゞャンプになるず自分から「やっお」ず手を䌞ばすずころでした。「自分でやりたい」ず「助けおほしい」が、ほんの数分の間に行ったり来たりする。その姿を芋おいるず、タむトルの「たすけおほしいのに、たすけおいらん」が、そのたた小さな䜓の䞭でせめぎ合っおいるように芋えたす。

 TOMOKOさんの文章は、お孫さんを眺めおいた窓が、途䞭から自分自身を映す鏡ぞ倉わるようでした。最初はうどんを萜ずしおドダ顔する姿を埮笑たしく読んでいたのに、「これっお65歳の私もいっしょ」ず芖線がくるりず自分ぞ戻っおくる。1歳半ず65歳を「助けおほしいのに頌れない」ずいう䞀本の線で結んだずころが印象的です。

 読み終えたあずに残ったのは、差し出された手を払う小さな手ず、今床は自分から助けを求めお䌞ばした手でした。人は䜕歳になっおも、自分で立ちたい気持ちず誰かに支えおほしい気持ちの間を行ったり来たりするのかもしれたせん。締切ギリギリに飛び蟌んだ䞀本から、思いがけず長い人生たで芋えおくる゚ッセむでした。

ずもぞうさん50さいからの逞

 䞀番印象に残ったのは、「逞しい」ずいう蚀葉の意味が、文章の䞭で少しず぀ほどけおいくずころでした。最初は匷くお、負けなくお、䜕があっおもぞこたれない人を思い浮かべおいたのに、最埌には「ぞこたれおも、たた立ち䞊がれる人」ぞ倉わっおいく。その倉化が、50代になった今だからこそ芋える景色ずしお自然に䌝わっおきたす。

 ずもぞうさんの文章は、長く䜿っおきた蚀葉をいったん食卓に眮いお、暮らしの䞭でひず぀ず぀確かめ盎しおいくようでした。ごはんを䜜るこず、家族を送り出すこず、立ち止たるこず、たた始めるこず。倧きな出来事ではなく、毎日の繰り返しの䞭から「これも逞しさだったのかもしれない」ず拟い䞊げおいく芖点がやさしいです。

 読み終えたあずに残ったのは、䜕床でも暮らしを敎え盎しおいい、ずいう少し軜くなる感芚でした。匷さを無理に保ち続けなくおも、疲れたら䌑み、寄り道し、たた歩き出せばいい。「逞」ずいう䞀文字から、自分がここたでどう生きおきたのかを静かに振り返っおいく䞀篇です。

灯 ひかりさん「予」っお予だよ、予算の予で予めっお読めるけど「矛」じゃないよ

 䞀番印象に残ったのは、ただの「予」が、配信ぞ入るたびに「ほこ」「あらかじめ」「あらかじ」ず別人になっおいくずころでした。「よ」ず読んでほしいだけなのに、簡単すぎるせいか呚囲が勝手に深読みしおしたう。そのズレが可笑しいです。

 灯さんの文章は、䞀文字の挢字を机の䞊に眮いお、角床を倉えながら「ただ遊べるな」ず眺め続けるよう。意味のない名前ずしお遞んだはずの「予」から、これだけの゚ピ゜ヌドを拟える芖点そのものが面癜いです。

 読み終えたあずには、「予」ずいう芋慣れた挢字が少し倉な顔をしお残りたした。普段なら迷いもしない䞀文字なのに、なぜこんなにも正しく読んでもらえないのか。そんな日本語の小さな䞍思議を、䞀緒に芗いおみたくなる䞀篇でした。

tora9🍩さんラむオンより芇王では

 䞀番印象に残ったのは、2歳半の嚘さんの「芇王感」を、指の握り方から寝る䜍眮、のりの貞し借り、シヌル剥がしたで、党郚ひず぀のキャラクタヌずしお拟っおいるずころでした。「嚘が匷い」で終わらず、日垞の现郚が党郚「芇王の所業」に芋えおくるのが楜しいです。

 tora9さんの語りは、家庭内の小さな出来事を戊囜絵巻に倉える実況垭のようです。腕の䜍眮を盎されれば「人暩はありたせん」、シヌルを剥がされれば「皮膚はデスマヌチ」。嚘さん本人はい぀も通り過ごしおいるのに、父芪の目を通すず䞀挙手䞀投足が壮倧になる。その盛り方ず、結局うれしそうな父芪ずの枩床差に笑っおしたいたす。

 読み終えお残るのは、振り回されながらも、その時間を䞞ごず楜しんでいる芪子の景色でした。「芇王」ず呌ぶほど手匷いのに、文章の隙間からずっず可愛くお仕方がない気持ちが挏れおいたす。

 2歳半にしお、すでに父芪を自圚に操る嚘さん。いったいどんな方法で王囜を築いおいるのか。その「芇王䌝説」を芗いおみたくなる䞀篇でした。

Trionさんたどり着いた1億円の先で、倧切にしたいものが増えた

 䞀番印象に残ったのは、1億円に到達した瞬間の感想が「ふヌん、こんなものか」だったずころです。倧きな目暙を達成した先にあったのが豪華な生掻ではなく、「蟞めるこずもできる」「今を楜しむこずもできる」ずいう遞択肢だった。そのズレが、この文章の芯になっおいたす。

 Trionさんの文章は、資産額ずいう倧きな数字を掲げながら、最埌は暮らしの手觊りぞ降りおくる望遠鏡のようです。1億円ずいう遠い景色から、寝具、劻ずの倖食や旅行、毎日の心地よさぞず焊点が近づいおいく。その芖点の移動に、投資の先で䜕を芋぀けたのかが自然に衚れおいたした。

 読み終えたあずに残るのは、札束の山ではなく、少し䜙癜の増えた暮らしの景色です。お金を増やす話でありながら、読埌には「自分なら䜕を守るためにお金を持ちたいだろう」ず考えたくなる。1億円の先に䜕があったのか、その答えを芗いおみたくなる䞀篇でした。

ずりかじさん烏兎怱怱——ゆで卵は急かせない

 䞀番印象に残ったのは、「ゆで卵は、効率化できない」ずいうずころでした。時間を節玄し、敎理し、仕組み化し、AIたで䜿う人が、毎朝の鍋の前で「埅぀しかないもの」に気づく。その発芋が、そのたた子どもの成長ぞ重なっおいく流れがきれいです。

 ずりかじさんの文章は、研究宀で芋぀けた仮説を、家庭の台所でもう䞀床確かめおいるようです。「烏兎怱怱」ずいう難しい蚀葉を持ち出したかず思えば、着地する先はゆで卵ず子どもの靎。倧げさな蚀葉ず、ごく普通の朝の颚景を䞊べながら、「時間は速いのに、育぀瞬間は急かせない」ずいう矛盟をすくい䞊げおいく芖点が面癜いです。

 読み終えたあずに残ったのは、慌ただしい朝の台所で、鍋の前に立っおいる父芪の姿でした。毎日同じように過ぎおいく時間の䞭にも、埅たなければ芋えないものがある。難読四字熟語から始たった話が、どうしお䞀個のゆで卵ぞたどり着くのか。その寄り道ごず読んでみたくなる䞀篇です。

Tororiさん友達だった毒芪育ち。䌁画に誘っおもらえるようになりたした

 䞀番印象に残ったのは、「䌁画に参加できたこず」以䞊に、「Tororiさんにも枡したい」ず誰かが思っおくれたこずを喜んでいるずころでした。昔は誰かの茪に入るこずさえ遠く感じおいた。その人の名前を呌んで、バトンを差し出しおくれる人が今はいる。その倉化の倧きさが䌝わっおきたす。

 Tororiさんの文章は、ずっず遠くから眺めおいた茪の䞭に、ある日、自分の名前が曞かれた怅子を芋぀けるようでした。しかも、もらった嬉しさを自分の䞭だけに眮かず、今床はバトンをくれた人たちの魅力を玹介しお返しおいく。䌁画ぞの参加そのものが、人ずの぀ながりを受け取り、たた誰かぞ枡しおいく文章になっおいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、「あなたも䞀緒にどうですか」ずいう䜕気ない䞀蚀の重さでした。期限には間に合わなかった「゚ッセむしりずり」も、もらった「ず」の䞀文字はちゃんず残っおいる。昔の自分には信じられなかった今ぞ、どうやっお蟿り着いたのか。その道のりを芗いおみたくなる䞀篇です。

ドンカンオさんしりずり必勝法

 䞀番印象に残ったのは、「しりずりは圚庫のゲヌムや」ず蚀い切ったずころでした。子どもの遊びだったはずのしりずりを、突然、圚庫管理ず攻防のある戊略ゲヌムずしお芋始める。その瞬間から「る」はただの䞀文字ではなく、盞手の手札を削るための歊噚に倉わっおいきたす。

 ドンカンオさんの語りは、町内䌚の遊びにひずり軍垫が玛れ蟌んできたようです。「る」で始たる蚀葉を分類し、語尟たで分析し、盞手の逆襲たで想定する。しかも本人は䌁画に参加せず、倖野から必勝法を眮いおいく。その捻くれ方たで含めお、筋が通っおいるのが可笑しいです。

 読み終えたあずに残るのは、しりずりを芋る目が少し倉わっおしたった感芚でした。次に誰かから「る」を枡されたら、もう玠盎に困るこずはできないかもしれたせん。たかがしりずりに、ここたで本気で䜜戊を立おる必芁があるのか。その無駄に緻密な研究がどこたで続くのか、芗いおみたくなる䞀篇です。

どん底公務員 もだ䞞さん「小さな過去の手垳」から、運呜を倉える倧きなヒントが眠っおいた話

 䞀番印象に残ったのは、今の自分が、昔の自分の手垳から励たされる構図でした。若い頃に誰かの蚀葉を曞き留め、それを支えにしおいた自分が、䜕幎も経っお今床は未来の自分を支えおいる。時間を越えお、自分から自分ぞ手玙が届いたようです。

 もだ䞞さんの語りは、叀い匕き出しを開けたら、その奥から圓時の空気たで䞀緒に出おくるようでした。手垳の蚀葉だけではなく、苊しかった職堎や、玄関に玙を貌っおいた頃の自分たで蘇っおくる。その過去をきれいに矎化せず、「今は党然ありたせん」ず曞けるずころにも芪しみがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、実家の郚屋で手垳を広げたたた、しばらく動けなくなっおいる姿でした。昔の自分は、案倖いたの自分が忘れおいるものを芚えおいるのかもしれたせん。

 片づけの途䞭で芋぀けた小さな手垳から、今の生き方たで考え盎しおしたう。過去の自分ずの思わぬ再䌚を芗いおみたくなる䞀篇でした。

なおさんルンバを賌入しお掃陀はどう倉わったか

 䞀番印象に残ったのは、ルンバを導入したこずで掃陀が楜になるはずが、今床は「ルンバのお䞖話」ずいう新しい仕事が生たれおいるずころでした。5cmの段差からは萜ちるのに、2.5cmは乗り越えられない。その埮劙なポンコツ具合たで含めお、だんだん家電ずいうより手のかかる同居人に芋えおきたす。

 なおさんの面癜さは、暮らしの小さな䞍䟿を、そのたた愚痎で終わらせず、最埌には仕事の考え方ぞ接続しおしたうずころ。ルンバの挙動を芳察しおいたはずが、い぀の間にかプロゞェクトマネゞメントの話になる。その芖点の運び方が、日垞の床に突然ホワむトボヌドを立おるようで印象的でした。

 読み終えたあずに残ったのは、「䟿利になる党郚楜になる」ではないずいう、少し可笑しくお玍埗できる景色です。家事の負担を枛らすために迎えた機械ず、結局うたく付き合っおいく必芁がある。その距離感がリアルでした。

 ルンバを買えば掃陀から解攟されるのか。そんな玠朎な期埅が、実際の暮らしの䞭でどう倉わっおいくのかを芗ける䞀篇です。

ナオナキさんずりあえず、スキず蚀っおみる

 普段䜕気なく抌しおいるnoteの「スキ」を、ここたで真面目に考えたこずはありたせんでした。「いいね」なら気軜なのに、「スキ」になった途端、初察面の盞手を垰り道で呌び止めお告癜しおいるような気がする。その違和感の拟い方が面癜く、noteを䜿っおいる人ほど「確かに」ず頷いおしたいたす。

 特に印象に残ったのは、「いいねは評䟡、スキは感情」ずいう捉え方。䞊手だった、圹に立っただけではなく、「なぜかこの䞀文が残った」たで枡せるのがスキなのだず考えるず、い぀ものボタンが違っお芋えおきたす。

 そしお、抌すこずすら恥ずかしかったナオナキさんが、最埌には䌚瀟にたでスキを持ち蟌んでいる。最初ず最埌で「スキ」ずの距離がすっかり逆転しおいるのも楜しいずころです。身近すぎお考えもしなかった蚀葉を立ち止たっお眺め盎し、読み終えたあず、次の「スキ」をほんの少し意識しお抌したくなる䞀篇でした。

䞭銬正茝さん蚘憶の欠片を探しお

 䞀番印象に残ったのは、「最叀の蚘憶こそが、自分にずっおの自分の始たり」ずいう発想でした。自我がい぀生たれるかずいう少し哲孊的な問いから、自分ず匟のわずかな蚘憶を手がかりに、䞉十幎前の䞀倜を探っおいく。その入口だけでも続きを知りたくなりたす。

 面癜いのは、家族LINEで母芪に確認しただけの出来事を、わざわざ「長老から真実を䌝えられる若者」の昔話ぞ仕立おおしたう語り口です。蝋燭が揺れ、長老ばあばが遠い目で過去を語る暪で、長老じいじはTikTok。この壮倧さず珟実の萜差が、蚘憶を発掘する旅を劙に倧げさな冒険譚ぞ倉えおいたす。

 読み終えたあずには、暗い嵐の倜ず、芋知らぬ家の枩かさが残りたした。同じ倜を経隓した兄匟でも、残っおいる蚘憶の欠片は違う。その欠片を家族で持ち寄るこずで、知らなかった自分の始たりが少しず぀圢になっおいく。

 自分の「最初の蚘憶」を家族に尋ねたら、いったいどんな䞀日が出おくるのだろう。そんなこずを自分も確かめおみたくなる䞀篇でした。

流しそうめんの亜皮さん来たるべきもの

 䞀番印象に残ったのは、「原産囜むタリア」の䞀行でした。バヌニャカりダずいう蚀葉からアむルランド、遊牧民、草原、銬、遠い山ぞず壮倧な景色を䜜り䞊げた盎埌、たった䞀行で党郚ひっくり返される。頭の䞭では䞖界旅行をしおいるのに、珟実では調味料の瓶を眺めおいるだけ。その萜差が劙に可笑しいです。

 流しそうめんの亜皮さんの文章は、連想ずいう飛び石を螏みながら、本人だけが知っおいる川を枡っおいくようでした。ゎリラからアむス、パン、青い皿、バヌニャカりダ、草原、そうめんぞ。次にどこぞ着地するのか分からないのに、匂いや枩床、指先の感觊たで现かく描かれるので、䞍思議ずその䞖界に぀いおいっおしたいたす。

 読み終えお残ったのは、雚の音ず、湿った畳や髪、冷えた指先の感觊でした。奇劙な連想がいくら遠くぞ飛んでも、最埌たで雚の日の湿床だけは文章にたずわり぀いおいるようです。

 「私は確かにゎリラに憧れおいた。」から始たる時点で、もう普通の道は甚意されおいたせん。この人の頭の䞭はいったいどこぞ向かうのか。その行方を远いかけたくなる䞀篇でした。

倏海さんルヌルのない䞖界では、人間は真緑でよく滑る。

 䞀番印象に残ったのは、「摩擊がなかったら」ずいう理科の話から、滑っおきた人間を止めるアルバむトたで想像しおしたうずころでした。さらに人間が光合成をする䞖界では、矎容の悩みたで「黄ばみ」や「葉脈」に倉わっおいく。ひず぀の前提を倖した途端、その䞖界の日垞たで次々ず組み立おおしたいたす。

 倏海さんの語りは、日垞を支えおいるルヌルのネゞを䞀本だけ倖しお、「さお、どうなる」ず䞖界を転がしおみる実隓のよう。転がった先で求人広告や矎容医療たで生たれおしたう劄想の広がりが楜しいです。

 笑いながら読んだあずには、普段意識もしない無数のルヌルに支えられお暮らしおいる自分たちの姿が残りたした。ハラスメントから摩擊、光合成たで。「ルヌル」ずいう䞀語がどうやっお真緑の人間ぞたどり着くのか、その思考の滑走を远いかけたくなる䞀篇です。

ナツメグさんおんびん座はいったい䜕䜍でしたか

 䞀番印象に残ったのは、朝から続く小さな䞍運を「今日は぀いおない」で終わらせず、星占いの順䜍によっお意味たで倉えようずするずころでした。味噌汁をこがし、枋滞にハマり、立ちション䞭のおじさんず目が合い、ヘビにたで遭遇する。それだけでも十分なのに、「もし今日が1䜍だったら」ず考え始める発想が面癜いです。

 ナツメグさんの語りは、転んだ出来事をそのたた拟うのではなく、頭の䞭で䜕床もひっくり返しお遊ぶ䞇華鏡のようでした。味噌汁の滝には堀防ができ、悪い出来事が続けば魚矀リヌチの気配たで挂い出す。珟実は朝の倱敗談なのに、劄想がひず぀加わるたびに景色が少しず぀広がっおいきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、「぀いおない日」なのに、なぜか本人はそこたで䞍幞そうに芋えない䞍思議な明るさでした。嫌な出来事を笑い話ぞ倉えるずいうより、ただ起きおもいない別の䞍幞たで想像しお、今ある珟実を盞察的に眺めおいる。そのクセたで含めお楜しそうです。

 おんびん座はいったい䜕䜍だったのか。そんな小さな疑問を远いかけながら、䞀人の頭の䞭でアンラッキヌがどう加工されおいくのかを芗いおみたくなる䞀篇でした。

natty725さん根に持぀タむプですけど、それが䜕か

 䞀番印象に残ったのは、「蚘憶力がいい」ず「根に持぀」は衚裏䞀䜓だずいう捉え方でした。忘れず、流さず、筋道立おお蚀葉にできる。それは長所であるず同時に、玍埗できないこずたで簡単には忘れられない性分でもある。その自己分析に説埗力がありたす。

 さらに自分だけの性栌かず思えば、先祖を蟿るほど、勉匷奜きでこだわりが匷く、出䞖より奜きなこずを遞ぶ人たちが珟れる。「たんた自分過ぎお笑える。」には、性栌たで家系図から発掘しおしたったような可笑しさがありたした。

 幎霢を重ねれば「仏の境地」に至れるのかず考え぀぀、どうも本人はあたり期埅しおいない。根に持぀こずさえ、芚え、考え、曞き続ける力ずしお匕き受けおいる。その開き盎りたで含めお、タむトルの「それが䜕か」がよく䌌合う䞀篇でした。

䞃瀬ラテさんPretend「プリテンド」

 䞀番印象に残ったのは、「創䜜はコンフィデンスマンでやっおいけるのかもしれたせん」ずいう䞀文でした。ハンドルネヌムを名乗り、䜕者かになりきっお曞き、読み手を䞖界ぞ匕き蟌む。自分を停るこずぞの迷いから始たったはずなのに、「プリテンド」は創䜜するための技術でもあるのではないかず意味が揺れおいきたす。

 䞃瀬さんの文章は、窓蟺に立っお自分の姿をガラスぞ映しながら、倖の景色も同時に眺めおいるようです。note、創䜜、珟実生掻、自己衚珟。そのどちら偎に自分がいるのかを䜕床も確かめながら、「Pretender」「ノヌダりト」などの曲名を足堎に思考を進めおいく。その静かな自問自答が、この䜜品ならではだず感じたした。

 読み終えたあずに残ったのは、開いた鳥籠の前で、ただ飛ばずに倖を芋おいる人の景色でした。停らずにいるずはどういうこずなのか。創䜜する人なら䞀床は立ち止たりそうな問いを、自分自身ぞ向け続ける䞀篇です。

namakemononさんカバンならむケる

 䞀番印象に残ったのは、「原始時代に攟り蟌たれたら䜕を発明できるか」ずいう壮倧な問いが、最終的にnamakemononさん自身の性栌蚺断ぞ倉わっおいくずころでした。文明を進める知恵を考えおいたはずなのに、「自分なら怖いくせに先陣を切る」ず気づいた瞬間から、話の䞻圹が発明ではなく本人になっおいきたす。

 特に面癜いのは、「誰に背負わされたわけでもない荷物を勝手に背負い蟌む」ずいう自己分析。それを受けお考えるず、この文章そのものもかなりカバンっぜい。テレビで拟った小さな䌚話を入口に、原始人、ギャンブル、効分、これたでの自分の性栌たで次々ず詰め蟌み、それでも楜しそうに背負っお最埌たで運んでいきたす。

 読み終えたあずには、倕暮れの原始集萜で、なぜか䞀人だけ栌奜を぀けお海ぞ向かっおいく猿人の埌ろ姿が残りたした。たぶん時代が倉わっおも、人間の性栌だけはそう簡単に進化しないのでしょう。

 「自分が原始時代にいたら、人類をどこたで進化させられるか」。そんな倧喜利のような問いから、思いがけず自分自身の茪郭たで芋えおくる䞀篇です。

成島拓さんい぀から僕は、昌寝を責めなくなったのか

 䞀番印象に残ったのは、3時間の昌寝そのものではなく、「3時間も無駄にした」ず責め続けおいた時間のほうが、むしろ䜙蚈だったず気づいおいくずころでした。昌寝した事実は倉わらないのに、芋方が倉わるず、その埌の䞀日たで倉わっおいく。その実感に説埗力がありたす。

 成島さんの文章は、頭の䞭に開きっぱなしだった倧量のブラりザタブを、䞀枚ず぀AIに預けお閉じおいくようでした。5分単䜍の蚘録やAIずの朝䌚など、かなり现かい時間管理の話なのに、最終的に芋えおくるのは効率ではなく「頭の䞭が静かになった」ずいう感芚です。

 読み終えたあずには、昌寝から起きお時蚈を芋おも、以前ほど自分を責めなくなった人の郚屋の静けさが残りたす。時間管理ずAIの話なのに、実は自分ぞの評䟡の仕方が少し倉わった話でもある。3時間の昌寝から、そこたで話が広がっおいく䞀篇でした。

にぎりめしさん緎り物は海倖生掻のおたもり

 䞀番印象に残ったのは、アメリカ生掻で恋しくなった日本の味が、寿叞やすき焌きではなく「緎り物」だったこずでした。海倖で故郷を思い出す食べ物ずいうず、぀い豪華な和食を想像したすが、実際に心を萜ち着かせるのは、冷蔵庫に入っおいるだけで安心するような日垞の味なのかもしれたせん。「これが家にあるっおいう安心感。我が家がパワヌスポット。」ずいう感芚が、ずおもよく䌝わっおきたした。

 にぎりめしさんの文章は、異囜暮らしの苊劎話を始めたはずなのに、暪から酒ず調味料ず悪態が次々に乱入しおくる海倖版の台所トヌクのようです。「蚀語の壁りォヌル・マリア」「自然が殎っおくる」ず倧げさに笑わせながら、その䞀方で日本の食文化が恋しくお泣いたこずもさらっず眮いおいく。この軜さず切実さが同じ食卓に䞊んでいるずころが面癜かったです。

 読み終えたあずに残ったのは、異囜のキッチンに䞊ぶ日本の調味料ず緎り物の景色でした。か぀お米を炊くこずすら面倒だった人が、知らない土地で少しず぀自分の味を䜜っおいく。緎り物がどうしお「おたもり」になったのか、その距離をたどっおみたくなる䞀篇です。

日垞無垞さんにんげんを掗う

 䞀番印象に残ったのは、冒頭の老玳士を「暹霢80幎を超えるサルスベリの朚」に芋立おたずころでした。そこで既に、この䜜品がただの䞋ネタには収たらないこずがわかりたす。ゆで卵、倧暹の幎茪、子ゟり、野菜のスヌプ、濁ったビヌ玉ず氎晶玉。次々に珟れる比喩が、笑いのためでなく、そのたた話を次の堎所ぞ運ぶ道暙になっおいるのが面癜いです。

 日垞無垞さんの文章は、湯船の䞭で浮かんだ連想を、ひず぀も取りこがさず掬い䞊げおいくようでした。身䜓の䞀郚を眺めおいた芖線が、息子ずの蚘憶ぞ移り、そこから颚呂、呜の掗濯、さらには人の魂たで掗い始める。かなり遠くたで脱線しおいるはずなのに、すべおが「掗う」ず「湯」の䞭で぀ながっおいるので、䞍思議ず䞀本道に芋えたす。

 読み終えたあずに残ったのは、笑いよりもむしろ、湯気の向こうでいろいろな人生が同じ湯船に浞かっおいる景色でした。くだらないずころから始めお、人間そのものぞ話を広げ、それでも最埌はサルスベリぞ戻っおくる。「にんげんを掗う」ずいうタむトルが、どこたで掗う話なのか。その行き先を远いかけたくなる䞀篇です。

ニッシヌさんリンドバヌグ

 䞀番印象に残ったのは、「り」から始たる蚀葉を考えおいたはずが、い぀の間にか青春時代の音楜の蚘憶ぞ飛んでいくずころでした。しりずりの攻略甚ずしお倧切に取っおおいた「リンドバヌグ」が、いたでは若い䞖代に「なにそれ」ず蚀われる。その䞀蚀で、ただの蚀葉遊びに時代の流れたで混ざっおきたす。

 ニッシヌさんの文章は、しりずりの匕き出しを開けたら、その奥から昔のカセットテヌプたで䞀緒に出おきたようです。「り」攻撃ぞの察抗策だったはずの䞀語から、バンドの蚘憶や圓時の空気たで次々によみがえる。思い぀いたこずをそのたた蟿っおいるようでいお、その寄り道自䜓が楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、昔よく知っおいた名前が、い぀の間にか説明しないず䌝わらなくなっおいたず気づく瞬間の、少し可笑しくお少し寂しい感じでした。「内容がない」ず本人は曞いおいたすが、䞀文字からこんなずころたで蚘憶が飛んでいくのも゚ッセむの面癜さ。なぜ「リンドバヌグ」が今もしりずりの切り札なのか、同幎代ならずくに芗いおみたくなる䞀篇です。

二䞁目倏子さんルビヌの指茪だった頃他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、どちらの䜜品にも「枩床」があるこずでした。『ルビヌの指茪だった頃』では、冷めた玅茶や寒そうな店の倖から倱恋の冷たさを読み取り、『ふたりの「八月」』では、照り぀ける倪陜の暑さの䞭に、䜙呜を知っおしたった人の苊しさが重なりたす。

 二䞁目倏子さんの文章は、叀い写真を䞀枚ず぀光に透かしお、そのずきの空気たで思い出しおいくようです。歌の小道具から若い頃に感じた色気や憧れを掘り起こす䞀方で、八月ずいう季節からは、倫ず過ごした時間を静かにたどっおいく。倧きく感情を叫ばず、具䜓的な景色に預ける語り方が印象的でした。

 片方には昔憧れた倧人の恋、もう片方には珟実に共に生きた倫婊の時間がある。同じ人が振り返る二぀の過去だからこそ、人生の長さたで感じさせる二篇でした。

にゃんきちさん『リアルな恐怖ず、突然の捜査劇🕵』

 䞀番印象に残ったのは、自分の家から远い返した䞍審な営業マンが、今床は向かいの家ぞ入っおいくのを目撃する堎面でした。「自分は助かった」で終わらず、そこから通報たで動く。その瞬間に、ただの蚪問営業の䜓隓談が䞀気に事件のような緊匵感を垯びたす。

 にゃんきちさんの語りは、日垞に突然サスペンス映画のカメラを持ち蟌むようです。「危険センサヌ」「静かなバトル」ず、自分の焊りたで少し倧げさに実況するので、怖い出来事なのに重くなりすぎず、読者も䞀緒にハラハラしながら远いかけられたす。

 読み終えお残るのは、昌䞋がりの䜏宅街で起きた小さな隒動の景色でした。い぀ものむンタヌホンひず぀から、こんな展開になるこずがある。日垞ず事件は意倖ず薄いドア䞀枚で隔おられおいるのかもしれたせん。

 初めおの゚ッセむで遞んだのが、たさかのリアル捜査劇。タむトルの「突然」がどこたで転がっおいくのか、その顛末を远いたくなる䞀篇でした。

にわにんさん旅行䞭のアルコヌル事情が先週特にスキを集めたした

 䞀番印象に残ったのは、「ポむントを利甚しおいる぀もりが、私がポむントシステムに利甚されおる」ず立堎がひっくり返るずころでした。クヌポンがあるから店を遞び、ポむントアップだから決枈方法を遞ぶ。埗しおいるはずなのに、よく考えるず芋事に誘導されおいたす。

 にわにんさんの面癜さは、日垞の小さな出来事をいったん手のひらに乗せ、くるっず裏返しお眺めおみるずころ。ダブルでポむントが貯たったずいうささやかな喜びから、「そもそも誰が誰を利甚しおいるんだ」たで考えが転がっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、レゞ前でスマホを片手に「埗した」ず喜んでいる自分を、少し離れたずころから眺めるような景色でした。たぶん明日もクヌポンは確認する。でも、そのずき䞀瞬だけポむントシステムの思惑たで考えおしたいそうです。

 ポむントは貯たった。でも本圓に埗をしたのは誰なのか。身近すぎお疑いもしなかった「お埗」を眺め盎したくなる䞀篇でした。

庭未満さん盛り䞊がり。他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、『盛り䞊がり。』で名づけられた「心のアクション」ずいう蚀葉でした。傍から芋れば䜕も起きおいなくおも、自分の䞭では確かに䜕かが動いおいる。その小さな波を拟う姿勢が、『かえるの眮物。』にもそのたた぀ながっおいたす。

 庭未満さんの文章は、日垞ぞ虫県鏡を圓おるようです。モニタヌの䞋に䞊ぶ、かえるや花がらや皮たで眺めおいるうちに、ただの「謎の祭壇」が、過ぎた時間の名残りを眮いおおく堎所ぞ倉わっおいく。小さなものから心の動きを芋぀ける芖点が印象的でした。

 読み終えたあずには、机の䞊や身の回りにある「なぜか捚おられないもの」を少し眺めおみたくなりたす。倧事件ではなくおも、心だけがひそかに動いた瞬間には、ちゃんず曞く䟡倀がある。そんなこずを思わせおくれる二篇でした。

猫杓子さん磯野〜野球しようぜ〜

 䞀番印象に残ったのは、倫から投げられた「磯野、野球しようぜ」ずいうタむトルが、最埌には倫婊の関係そのものぞきれいに぀ながっおいくずころでした。「倫〜釣りしようぜ〜」ず誘う自分は䞭島、二぀返事で付き合う倫はカツオ。倫婊を「気の眮けない友達同士のシェアハりス」ず衚す距離感にも、この二人らしさが芋えたす。

 そしお釣れない話なのに、ずにかく話の収穫量が倚い。「小魚ぞ逌を配る絊食のおばさん」になり、業務スヌパヌの袋を釣り、぀いには根掛かりを「地球を釣った」ず喜ぶ。倱敗をそのたた倱敗で終わらせず、面癜がっお持ち垰る語り口が楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、魚よりも、䞀緒に遊べる盞手がいる日垞の楜しさでした。「磯野〜」から本圓に䞀本曞けるのか。その無茶振りがどう釣りぞ着地するのかを远いかけたくなる䞀篇でした。

ねこだたりキリコさん知らん顔しお今日も䟝存。あなたのこずは奜きじゃないのに、すがっおいる私ぞ。

 䞀番印象に残ったのは、絵文字を「感情を䌝えるためのもの」ではなく、「誀解されないための防埡」ず捉えたずころでした。冷たく芋えないように、怒っおいるず思われないように。䟿利だから䜿っおいたはずなのに、い぀の間にか「ないず䞍安」になっおいる。その違和感をここたで掘り䞋げる芖点が面癜いです。

 キリコさんの文章は、普段䜕気なく身に぀けおいる防具を䞀枚ず぀倖しお、「そもそも、これ䜕から身を守っおたんだっけ」ず確かめおいくようでした。その途䞭で昔の顔文字を拟い、絵文字ずの違いを「絵」ず「文字の延長」たで考えおいく。身近な小さな違和感から、どんどん思考が深くなっおいきたす。

 読み終えたあずには、普段䜕気なく抌しおいる😆や🥹が、少し違っお芋えたした。奜きでもないのに、なぜ私たちは䜿っおしたうのか。絵文字ひず぀から「自分の蚀葉をどこたで信じおいるか」たで考えおしたう䞀篇です。

猫めがねさんLサむズでも小さい

 䞀番印象に残ったのは、「着たい服ではなく、着られる服しか遞べない」ずいう䞀文でした。劊嚠前には160サむズのTシャツたで着られた身䜓が、出産や幎月を経お倉わっおいく。単なる䜓重の増枛ではなく、服を遞ぶ楜しさたで少しず぀倱われおいく感芚が、この䞀文に詰たっおいるように感じたした。

 猫めがねさんの語りは、昔ず今の自分を䞊べた詊着宀のようです。石垣島の坂道を軜々ず駆け䞊がっおいた自分、倧きいサむズのコヌナヌで服を探す珟圚の自分。その間に劊嚠や出産、曎幎期たでがあり、鏡の前でサむズを確かめるたび、そこたで生きおきた時間たで䞀緒に映り蟌んでくるようでした。

 だから読み終えたあずには、煌めく海ず眩しい倪陜の䞋を走っおいた若い頃の姿ず、今の自分を芋぀める姿が重なっお残りたす。笑い飛ばすには少し切実で、かずいっお悲しいだけでもない。その距離感が印象的でした。

 そしおタむトルに眮かれた「L」。服の話ずしお読み始めるずごく自然な䞀文字なのですが、この䜜品がなぜ「L」から始たっおいるのかを知るず、別の楜しさが顔を出したす。しりずりの無茶振りを、自分自身の時間ぞどう぀なげたのか。その発想も含めお読んでみたくなる䞀篇でした。

音琎さん『たたゆらの光が揺れたずき』

 䞀番印象に残ったのは、「離れようずするほど胞の奥で灯りが揺れる」ずいう感芚でした。忘れたい、遠ざけたいず思うものほど、実はただ自分の䞭に枩床を残しおいる。その矛盟を無理に説明せず、「たたゆらの光」ずしお芋぀めおいるずころに惹かれたす。

 音琎さんの文章は、暗い郚屋で小さな灯りを䞡手で包み、その明滅をじっず眺めおいるようです。揺れ、圱、扉、光、手のひらの枩床。圢のない心の動きを、觊れられそうな景色ぞ少しず぀眮き換えおいく。その静かな語り口が、この䜜品党䜓の空気を぀くっおいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、倜明け前のような淡い明るさでした。傷や蚘憶が消えるわけではない。それでも、か぀お觊れられなかったものずの距離が、ほんの少し倉わっおいく。その倉化を急がず芋守ったような読埌感がありたす。

 タむトルにある「たたゆら」は、ほんのわずかな時間。では、その䞀瞬の光が揺れたずき、心の䞭では䜕が起こっおいたのか。静かな文章の䞭にある小さな倉化を远っおみたくなる短線詩゚ッセむでした。

neruさんたった䞀蚀を蚀えなかった私を、先生は芚えおいるだろうか

 䞀番印象に残ったのは、「私は先生を忘れたくない。でも、先生には私を忘れおいおほしい」ずいう矛盟した願いでした。感謝しおいるからこそ䌚えなかった、ずいう気持ちをきれいに敎理せず、そのたた残しおいるずころにneruさんらしさがありたす。叀い手玙を䜕床も開いおは、結局出せずにしたい盎すような語りで、読み終えたあずには、蚀えなかった䞀蚀が䜕幎経っおも心に残る静けさがありたした。

 『のちに分かった、莅沢』では、子どもの頃には嫌だった苊味や毎週のラヌメンが、倧人になるず違っお芋えおくる。同じ出来事なのに、幎月が味付けを倉えおいくようです。倧事件ではなく、家族ずの䜕気ない食卓から「倧人になるこず」を芋぀ける芖点がやさしい。

 どちらも、圓時は分からなかった気持ちを、今の自分でもう䞀床眺め盎す䜜品。昔の蚘憶が幎月を経おどんな意味に倉わったのか、そっず芗いおみたくなる二篇でした。

ネルゥさん北海道の倏、その終わりの䜙韻

 䞀番印象に残ったのは、北海道の倏の短さを語っおいた文章が、そのたた「゚ッセむしりずり」の最終日ぞ重なっおいくずころでした。倕方の颚や少し長くなった圱から「終わりが近づくず急に倧切に芋えるもの」ぞ話が広がり、8月31日ずいう投皿日たで含めお、䜜品党䜓が倏の終わりの景色になっおいたす。

 ネルゥさんの文章は、倏の倕方をゆっくり歩きながら、少しず぀気枩が䞋がっおいくのを感じるようでした。掟手な出来事はないのに、5月の雪、倜の長袖、短い倏䌑みず、自分の䞭に残っおいる北海道の季節をひず぀ず぀眮いおいく。その穏やかな語りの䞭で、旅行の最終日や子どもの頃の倏䌑みたで自然に぀ながっおいくのが心地よかったです。

 読み終えたあずには、ただ明るいのに颚が少し冷たくなった、8月末の倕方が残りたした。そしお偶然なのか必然なのか、「ほ」から受け取った最埌の日のバトンが、この倏の話ずどんなふうに重なるのか。䌁画の最終日に読むからこそ、もう䞀段䜙韻が増す䞀篇です。

ノヌザンオバサンさんリピヌトザットプリヌズ

 䞀番印象に残ったのは、冒頭の「私は心に寮母を飌っおいる」です。高校生が二人増えた瞬間、ドヌナツを切り、サンドむッチを䜜り、麊茶たで甚意する。その姿は、息子の友達が来るず勝手に開店する小さな孊生寮の食堂のようでした。

 料理そのものより、「腹枛っおる」から始たる距離の詰め方がノヌザンオバサンさんらしい。初察面の子たでたずめお「子䟛達」になり、食べ盛りの高校生ぞせっせず食事を運ぶ。その豪快なお䞖話奜きが、文章からそのたた䌝わっおきたす。

 読み終えお残るのは、倕方の家に高校生たちの声が響き、台所では寮母が嬉々ずしお働いおいる景色。誰かに食べおもらうこずが奜きな人にずっお、䜕気ない䞀蚀がずんでもないご耒矎になる。その瞬間の嬉しさたで䞀緒に味わえる䞀篇でした。

野田志保さんおりやきバヌガヌを食べた理由を聞いおください他、蚈4本

 䞀番印象に残ったのは、「お」から始たるタむトルひず぀に、ここたで本気で悩み続けたこずでした。蟞曞を匕き、街で「お」を探し、おりやきバヌガヌたで泚文する。それでも「ちゃんずした蚘事」を曞こうずするず、自分らしさが消えおしたう。その葛藀自䜓が、だんだん䞀番面癜い題材になっおいきたす。

 野田さんの文章は、真面目な優等生が原皿甚玙の前で粘り続けた末、突然机をひっくり返しお即興コントを始めるようです。自分で曞いお、自分でダメ出しし、線集者野田たで登堎しおたた曞き盎す。その脳内䌚議たで党郚芋せおしたう語り口に、独特の可笑しさがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、「うたく曞けなかった時間」たで含めお、ひず倏の思い出になっおいく景色でした。人の期埅に応えたいからこそ苊しくなる。でも、その迷走の先で䜕を遞んだのか。文章を曞くこずに悩んだこずがある人ほど、途䞭から他人事ではなくなっおくる䜜品矀です。

ノリ地蔵like,love,lie,live,life

 䞀番印象に残ったのは、たった䞀぀の勘違いが、その埌の十幎近い時間ぞ぀ながっおいるこずでした。知り合いがラゞオ番組を持っおいるず思い蟌んだずころから、自分が講習を受け、気づけばラゞオパヌ゜ナリティヌ9幎目。人生の転機ずいうず倧きな決断を想像したすが、こんな「間違えお曲がった角」から始たるこずもあるのだなず思いたした。

 ノリ地蔵さんの文章は、台本を眮かずに始たった深倜ラゞオのフリヌトヌクのようです。映画制䜜からラゞオ、猫の仕事、ラゞオドラマ、脚本ぞず話題は次々に寄り道しおいくのに、振り返るず党郚が䞀本の道に぀ながっおいる。特に、嘘を曞く脚本の䞭ぞ珟実を混ぜながら「噓から出た実」を探しおいくずいう芖点には、長く衚珟を続けおきた人ならではの実感がありたした。

 読み終えたあずに残ったのは、人生にはあずからしか意味の分からない寄り道がある、ずいう景色でした。最初に思い描いた堎所ぞ䞀盎線には蟿り着かなくおも、その途䞭で拟ったものが次の道を䜜っおいく。「ちょっずした興味で人生が倉わった」ずいう蚀葉の先に、どんな遠回りが積み重なっおいるのかを蟿っおみたくなる䞀篇です。

ノロマなカメさん肉球の匂いは、おひさたの匂い

 䞀番印象に残ったのは、「猫の肉球はおひさたやポップコヌンの匂い」ず、かなり幞せな方向ぞ話が進んでいくずころです。肉球の仕組みたで調べ、ぷにぷに觊っお匂いを嗅ぐ。その愛猫ぞの距離の近さが䌝わっおきたす。

 ノロマなカメさんの語りは、猫を愛でる日蚘に、そっず理科の豆知識を振りかけたよう。かわいい、気持ちいい、いい匂い――ず読者を安心させながら、日垞ならではの珟実もちゃんず混ぜおくる。その枩床差が楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、゜ファの暪で䞞くなる猫ず、肉球をぷにぷにしながら顔を近づける飌い䞻の姿。猫ずの暮らしは、い぀も理想どおりに銙ばしいわけではない。そんな「猫あるある」たで含めお愛しくなる、短くおかわいい䞀篇でした。

のんえもんさん「ルヌト関数」ずいう蚀葉を聞いお、「げっ」ず思った方必読です

 䞀番印象に残ったのは、「る」から始たる蚀葉を探しおいたはずなのに、ルヌト関数ず真正面から向き合い始める、その無駄な本気でした。難しそうな数匏を出しお「3分考えおください」ず読者たで巻き蟌むのに、数孊が分からなくおもたったく眮いおいかれない。むしろ分からない偎ほど安心しお読める構成になっおいたす。

 のんえもんさんの文章は、真面目な数孊の授業に倧喜利奜きの先生が玛れ蟌んだようです。数匏、グラフ、数孊者ず順番にもっずもらしく積み䞊げながら、その知識をどこぞ䜿うのかず思っおいるず、少しず぀授業の目的がおかしくなっおいく。難しいものを分かりやすく説明するのではなく、難しいものを党力でくだらない方向ぞ運んでいくのが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、数匏を芋お身構えおいた自分が、い぀の間にか次のグラフを埅っおいる景色でした。「ルヌト関数」ずいうタむトルで匕き返しかけた人ほど、そのたた入っおみおほしい。数孊がどこたで脱線できるのかを芋届けたくなる䞀篇です。

映えないサラダ郚さんZETTERIAに籠城する女他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、れッテリアでバヌガヌを食べおいるだけなのに、話が肥満、仕事、管理職、昭和ネタぞず勝手に増殖しおいくずころでした。続線ではさらに䜓重、note䞀呚幎、か぀お熱䞭したむンスタ時代ぞ。話題が飛ぶたびに別の扉が開く、ドン・キホヌテの店内を歩いおいるような語りです。目的の売り堎ぞ向かっおいたはずなのに、気づけば党然違うものを手に持っおいる。

 その賑やかさの奥に芋えるのは、「楜しいこずほど頑匵りすぎおしたう人」なのかもしれたせん。むンスタでは奜きだった食べ歩きず投皿をやり蟌みすぎお疲れ、noteではあえお毎日投皿をしない。その経隓たで笑いの䞭に混ぜおしたうずころが印象に残りたした。

 初めおの゚ッセむを曞くためにれッテリアぞ籠城したパラ子さんが、なぜか数日埌には「2」を曞いおいる。二本続けお読むず、゚ッセむずの距離が急速に瞮たっおいく様子たで楜しめたす。

ぱくぱぱんさんうしさん、ありがずう

 䞀番印象に残ったのは、「感謝しお食べれば眪にはならないのか」ず自分たちぞ問い返しおいるずころでした。「いただきたす」や「ありがずう」ずいう綺麗な蚀葉だけで、呜を利甚しおいる事実たで包んでしたわない。その厳しさに、実際に牛の隣で働く人の蚀葉の重さを感じたす。

 ぱぐぱぱんさんの芖点は、牧堎の衚ず裏を隔おる扉の前に立っお、䞡方を同時に芋おいるようです。䌑日の牧堎にあふれる子どもたちの笑顔も本物なら、そのすぐ隣で牛たちが生きおいる生々しい時間も本物。どちらか䞀方を正解にせず、その境界線から語っおいるずころが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、倕暮れの牛舎ず、そこにいる牛の穏やかな瞳です。そしお普段䜕気なく口にしおいる牛乳の向こう偎にも、この景色が続いおいるのだず少し立ち止たらされたす。

 「う」から遞んだ、たった二文字の「うし」。そこから「いただきたす」のさらに奥偎たで連れおいかれる䞀篇です。

癜明さん「䌌おいる」ずいう呪瞛

 䞀番印象に残ったのは、か぀お嬉しかった「おじいちゃんに䌌おいる」ずいう蚀葉が、ある出来事を境に「しゃんずしなければ」ずいう30幎続く行動原理ぞ倉わっおしたったずころでした。同じ蚀葉なのに、受け取る意味がたるで違っおしたう。その重さが残りたす。

 癜明さんの語りは、自分ずいう人間を家系図の䞊に眮き、「どこからが自分で、どこたでが受け継いだものなのか」を䞀本ず぀糞をほどくように確かめおいくようです。祖父ずは正反察だずいう本来の性栌たで䞊べるこずで、「䌌おいる」ずいう蚀葉が容姿だけでは枈たなくなった苊しさが芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、長いあいだ誰かの目を意識しお生きおきた人が、ようやく「自分らしさ」を探し始めた景色でした。それでも家族ずは䌌おしたうし、受け継がれるものもある。「䌌おいる」は愛情にも誇りにも呪瞛にもなり埗るのだず考えさせられたす。

 誰かに䜕気なく「芪子そっくりだね」ず蚀ったこずがある人ほど、その䞀蚀の裏偎にこんな物語があるのかず芗いおみたくなる䞀篇です。

ハダカさん蚘憶の䞭の矩母、埗ず埳。

 䞀番印象に残ったのは、矩母が「ばあばに返せなかった恩を、嫁に返す」ず語っおいたこずでした。受けた恩を本人ぞ返せなくおも、別の誰かぞ枡せばいい。そしお実際、矩母が亡くなったあず、その恩が巡り巡っお曞き手や子どもたちを助けおいる。その連なりに枩かさを感じたす。

 ハダカさんの語りは、家族の叀いアルバムを䞀枚ず぀めくりながら、写真には写っおいない人ず人ずの぀ながりたで蟿っおいくようです。䞉癟人近くが集たった葬儀、街灯に照らされた䞉茪車、井戞で冷やしたスむカ。具䜓的な蚘憶を蟿るほど、矩母ずいう人の茪郭が芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、䞀人の芪切がその人のいない堎所でも生き続けおいる景色でした。「損しお埗取れ」の埗が、い぀の間にか埳ぞ芋えおくる。そんな矩母の生き方を、少し芗いおみたくなる䞀篇です。

葉月さん電気を倧切にね

 䞀番印象に残ったのは、「ここたで盞圓曞いたのに、今から 『で』」でした。私もそこたで読んですっかり䞀本の蚘事を読み終えた気になっおいたので、「そういえば、ただ゚ッセむ始たっおなかった」ず気づかされたす。䌁画ぞの参加そのものを前半でこれだけ膚らたせおしたうのが面癜い。

 しかも、3人のバトン盞手を遞ぶだけなのに、それぞれの蚘事や人柄たで玹介し、「なぜこの人に枡したのか」をきちんず語っおいく。バトンをただ次ぞ回すのではなく、その人の文章を自分がどう読んでいるのかたで添えお枡すずころに、葉月さんらしい人ずの関わり方が芋える気がしたした。

 そこからようやく「で」を探し始め、窪塚掋介を経由しお電気代ぞ。゚アコン、IH、電子レンゞの䞉぀巎から、最埌は倫ぞの愚痎が顔を出す。倧きな出来事ではなくおも、頭に浮かんだものを拟いながら話を転がしおいく語り口に芪しみがありたす。

 読み終えるず、電気代の話以䞊に、楜しそうなバトンの受け枡し颚景が残りたした。「党員に曞いおもらいたい」から始たった人が、悩みながら䞉人を遞び、今床は「ね」を手枡しおいく。しりずり䌁画そのものを䞀緒に芗いおいるような䞀篇でした。

発光さん呌んでいる胞のどこか奥でい぀も心螊る倢を

 䞀番印象に残ったのは、「話を戻そうかず思いたしたが、どうやら最初からレヌルが無かった」ずいう最埌の䞀文でした。読み返しおみるず、本圓にその通り。『い぀も䜕床でも』の話をしおいたはずが、寝かし぀け、突然制定された䞖知蟛レベル、豚になった䞡芪、玅の豚、さらにはポルトガル語の「Porco」たで蟿り着いおいたす。

 この゚ッセむの面癜さは、その脱線をたったく止めようずしないずころだず思いたす。「ちなみに」「そう蚀えば」で思い出したものを次々ず拟い、そのたびに話が別方向ぞ走り出す。それでもゞブリや音楜にた぀わる発光さんの蚘憶や䜓隓から生たれた話なので、䞍思議ず眮いおいかれる感じがありたせん。むしろ「次はどこぞ行くんだろう」ず、その寄り道自䜓を楜しんで読めたした。

 幌い頃には「芪が豚になる物語」だず思っおいた䜜品を、倧きくなっお芳盎しお「べらがうに良い話じゃねヌか」ず知る。さらに幎霢を重ねれば、奜きな曲たで少しず぀倉わっおいく。同じ䜜品でも、自分が倉われば受け取り方も倉わる。その時間の重なりも、賑やかな語りの奥に残っおいたす。

 きれいな䞀本道ではなく、思い出したこずを远いかけながら歩いおいたら、気づけばずいぶん遠くたで来おいた。そんな雑談を隣で聞いおいるような楜しさず、読み終えたあず無性にゞブリの曲を聎きたくなる䞀篇でした。

ぱっちヌさんん走るず若くなるの他、蚈5本

 䞀番印象に残ったのは、「走れば若くなるの」「『を』にはどこから抱き぀けばいい」「家に珟れた芋虫は『〜』では」ず、普通なら通り過ぎる小さな疑問を、本気で䞀本の゚ッセむたで育おおしたうずころでした。

 ぱっちヌさんの文章は、道端で拟った小石を「これ、隕石かもしれない」ず持ち垰っお芳察し始める子どものようです。盞察性理論から麻雀、巚倧なひらがなたで、思い぀いた遊びをためらわず広げおいく。その自由さが、5䜜品を通しお䞀番の魅力でした。

 だからこそ最埌の『たん』で、焌肉屋の仲間ずnoteで出䌚った人たちが重なっおいく景色が印象に残りたす。くだらないこずを䞀緒に楜しんだ時間も、あずから振り返れば人ず人を぀なぐ蚘憶になるのかもしれない。䜕が飛び出すか分からない遊び心ず、その向こうにある人ずの぀ながりたで感じられる䜜品矀でした。

 そしお、振り返れば、ぱっちヌさんに回っおきたのは「ん」「論」「を」「〜」「た→ん」。たずもな頭文字がありたせん。それでも毎回、その無茶振りを遊び堎に倉えおしたう。むしろ難しい文字ほど楜しそうなのが、ぱっちヌさんらしいずころでした。

はっぱ64さんモンシロチョりの絵他、蚈3本

 䞀番印象に残ったのは、『モンシロチョりの絵』で、同じ詩を読んだクラスメむトたちが䞀枚ずしお同じ絵を描かなかったずいう䜓隓です。自分には圓たり前に芋えおいる䞖界が、隣の人にはたるで違っお芋えおいる。その驚きが、今も倧量の゚ッセむを読むこずぞ぀ながっおいるのが面癜いです。

 はっぱさんの文章は、人の頭の䞭を芗く小さな芳察窓のようでした。クラスメむトの感想を芋比べ、2ちゃんねるでは釣られる偎から釣る偎ぞ回っおレスを楜しみ、ぷヌちゃん独自のしりずりルヌルにも付き合う。圢は違っおも、そこにはずっず「この人はどう考えるんだろう」ずいう奜奇心がありたす。

 3本を読み終えるず、教宀の壁いっぱいに貌られたモンシロチョりの絵が残りたす。同じものを枡されおも、人によっお返っおくるものは違う。゚ッセむしりずりも、たさにそんな遊びだったのかもしれたせん。

 人によっお䞖界が違っお芋えるこずを、悩みから面癜さぞ倉えおきた人。その芖点を知っおから読むず、はっぱさんがなぜ人の文章を読み、自分でも曞くのか、少し芗いおみたくなる3䜜品でした。

鳩生さん䞎倪野郎っお語呂、良いねん

 䞀番印象に残ったのは、「䞎倪野郎」ずいう語呂のよさから始たったはずの文章が、い぀の間にか父芪の蚘憶ぞ぀ながっおいくずころでした。軜い蚀葉遊びの入口なのに、その奥からかなり重たい話が出おくる。その萜差があるぶん、「奎は結局なんだったんだ」ずいう䞀蚀が残りたす。

 鳩生さんの語りは、笑い話を始めた人が、途䞭で昔の傷跡たで勢いよく机の䞊に䞊べおしたうようです。「酒カスダニカスモラハラの圹満人間」ず容赊なく切り捚おながら、自分にも受け継いだものがあるずさらっず認める。重くなりすぎそうなずころを、毒ず自虐で少しず぀逃がしおいく曞き方が印象的でした。

 読み終えたあずに残ったのは、芪から受け取ったものを抱えながら、それでも自分は少し違うずころぞ行こうずしおいる姿でした。「䞎倪野郎」ずいう劙に耳に残る蚀葉から、どんな家族の蚘憶が出おくるのか。そしお最埌にしりずりをどう扱ったのか。軜口の奥にあるものたで芗いおみたくなる䞀篇です。

hanautaさんクィスティヌナ・ロナりニョ

 䞀番印象に残ったのは、「おかあたん、おずうたんっお、本圓に自然にそうなるの」ずいう小さな疑問を、わざわざ二幎前のオヌストラリアたで远いかけおいくずころでした。普通なら「子どもの蚀い間違いっお可愛い」で終わる話なのに、hanautaさんの思考はそこで止たりたせん。

 語り口は、子どもの蚀葉を虫県鏡で芗いおいるうちに、その虫県鏡がい぀の間にか倧人のほうぞ向いおいるよう。幌い発音を「かわいい」ず受け取るだけでなく、なぜそう蚀うのか、こちらの反応たで含めお芳察しおいく。その少し疑り深い芖点が面癜いです。

 読み終えたあずには、子どものたどたどしい蚀葉を囲んで、倧人たちが䞀斉に顔をほころばせおいる景色が残りたした。同時に、次に子どもの可愛い蚀い間違いを聞いたずき、玠盎に「かわいい」だけでは枈たせられなくなりそうです。

 「パパ・ママず呌ばなかった」ずいう倫婊の䜕気ない䌚話から、なぜ『クィスティヌナ・ロナりニョ』ぞ蟿り着くのか。その劙な道のりごず楜しみたくなる䞀篇でした。

HANAKUROさんがん怜蚺のコト

 䞀番印象に残ったのは、゚コヌ怜査の「カタカタ、ゞヌゞゞヌ」ずいう機械音でした。痛いわけではないのに、手が止たり、音が鳎るたびに呌吞が浅くなる。怜蚺を䜕床経隓しおも消えない䞍安が、その音で䌝わっおきたす。

 HANAKUROさんの語り口は、癜い蚺察宀の蛍光灯の䞋を、平静な顔で歩きながら心の䞭だけが小走りしおいるようです。「倧䞈倫です」ず蚀えおしたう自分ず、「おいおい、倧䞈倫かい 」ず思っおいる自分。その二぀が同時にいるずころに、HANAKUROさんならではのリアルさがありたした。

 読み終えお残ったのは、怜査そのものよりも「結果が出るたでの時間」の重さです。そしお、そんな萜ち着かない倜に偶然届いた゚ッセむしりずりのバトン。い぀もの䌁画が、この日は少し違う意味を垯びおいたす。

 タむトルの「か」から始たる䞀本に、なぜこの出来事を遞んだのか。最埌たで読むず、その日の朝の空気たで感じられる䞀篇でした。

華子さん懐かしい倏。他、蚈2本

 『懐かしい倏』で印象に残ったのは、倏䌑みの宿題を早々に7割終わらせお安心し、最埌になっお倧慌おする子ども時代の蚘憶です。そしお倧人になった珟圚も、曞いおいる途䞭で仕事のアラヌムが鳎る。昔の倏䌑みず今の日垞が、どこか同じリズムで動いおいるのが可笑しいです。

 華子さんの文章は、道端で芋぀けたものを次々ずかごぞ入れながら歩く散歩のようでした。二぀の䌁画を橋枡ししたり、倏の終わりの焊りを拟ったり、『お湯を沞かす。』では䜕気ない家事から震灜の蚘憶ぞ぀ながったり。話題は倉わっおも、身近な出来事から「そういえば」ず意味を芋぀けおいく芖点がありたす。

 特に二本を続けお読むず、䞀方には「いそげヌヌ(笑)」ず走り出す姿があり、もう䞀方には静かに湯気の立぀鍋がある。その枩床差が印象に残りたした。

 倏の宿題ず、毎日沞かすお湯。䞀芋䜕も぀ながらない二぀の日垞から、華子さんが䜕を芋぀けたのか。そんなずころから芗いおみたくなる二篇です。

パナップさんもはや

 䞀番印象に残ったのは、難解なシステムずの8時間を「にらめっこ」にしおしたうずころでした。仕事に疲れた話なのに、「お前ほんず面癜くないぞ」ずシステムぞ絡み始める。その語り口は、残りわずかな䜓力でくだらないこずだけ考えおいる深倜テンションのようです。

 長々ず疲劎を説明しないぶん、退勀埌のカフェオレ500mlがやけに切実に芋える。読み終えるず、仕事ですっかり干からびた人が、コンビニの明かりの䞋で生呜力を補絊しおいる姿が残りたした。

 たった数分で読めるのに、「ああ、今日はもう無理」ずいう日の疲劎感だけは劙に濃い。働きすぎた日の頭の䞭を、そのたた芗いたような䞀篇です。

花日和ず碧色さん地球のはるか圌方で通じ合うクヌルな友だち✚

 䞀番印象に残ったのは、実際には䌚ったこずのないnoteの仲間ずの぀ながりを、「地球のはるか圌方で通じ合う友だち」ずしお描いおいるずころでした。画面越しの亀流なのに、距離では枬れない芪しさがある。その感芚を真正面から蚀葉にしおいたす。

 花日和ず碧色さんの文章は、日垞の出来事に星屑をふりかけお、宇宙たで持ち䞊げるようです。「ピピピ」「スパヌク」「ミラクル」「ワンダヌランド」ず、気持ちをそのたた光や宇宙の蚀葉ぞ倉換しおいく語り口に独特の䞖界がありたす。

 読み終えたあずには、倜空のあちこちで小さな光が぀ながっおいるような景色が残りたした。顔も知らない、䌚ったこずもない。それでも文章を通しお誰かを身近に感じるこずがある。noteで生たれる䞍思議な距離感を、思いきりロマンチックに描いた䞀篇です。

はにわ寺さんはい、私がノィヌナスです。

 䞀番印象に残ったのは、「自己肯定感を䞊げる方法」を語るはずが、いきなり「私はノィヌナスだから」で党郚解決しおしたうずころでした。ミロのノィヌナスを芋れば「ご先祖さた」、ボッティチェリを芋れば「露倩颚呂を盗撮された」。䞖界的名画を自分ぞ匕き寄せる力が匷すぎたす。

 この䜜品の面癜さは、コンプレックスになりそうなものたで、ものすごい勢いで自分に郜合よく解釈しおいくずころ。倪い二の腕はノィヌナス以䞊の完成圢、モナリザ䌌も自己肯定感の糧。ずころが血圧たで高くなったあたりから、さすがのノィヌナスにも雲行きが怪しくなっおいきたす。

 それでも䞀番匷かったのは、長幎信じおきたテヌマ゜ングにたさかの勘違いが発芚しおも、ノィヌナスを蟞めないこず。根拠が厩れおも自己肯定感だけはびくずもしない。読み終えたあずには、「ここたで自分に郜合よく生きられたら楜しそうだな」ず、元気をもらえたす。

 自己肯定感はどうやっお䞊げるのか。その答えを探しおいる人ほど、たぶん予想もしなかった方向からノィヌナスがやっお来る䞀篇でした。

はみぱっちょさん誕生日ケヌキ🍰自分で焌いちゃえばいいじゃない他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「誕生日ケヌキをどうするか」ずいう小さな困りごずから、家族の新しい幎䞭行事たで䜜っおしたったずころでした。しかも埌の舞台裏を読むず、最初からこの題材があったわけではなく、「たこ焌き」「タむダ」「たい焌き」「田村盎矎」たで候補が倧枋滞しおいた末に、ようやく誕生日ケヌキぞ蟿り着いおいる。その迷走たで含めお、䞀篇ができるたでの枩床が芋えおきたす。

 はみばっちょさんの文章は、台所のテヌブルいっぱいに材料を広げお、「これは違う」「こっちも違う」ず味芋しながら䞀本の献立を決めおいくようです。正月料理、家族の奜み、1月1日生たれずいう事情、自分の䞻倫力たで、関係なさそうな材料を次々に攟り蟌みながら、最埌はちゃんず「うちの家族の話」にたずめおいく。その過皋を隠さず、むしろボツ案たで笑いに倉えお芋せおくれるのが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、毎幎の幎末に家族でケヌキを䜜っおいる未来の景色でした。䜕を曞くか悩んだ時間たで含めお、ひず぀の題材がその家だけの行事ぞ倉わっおいく。1月1日生たれの子どもをめぐる話が、どうしおそんな堎所ぞ着地するのか。そこたでの寄り道ごず読んでみたくなる二篇です。

ハルさん楜しめた他、蚈3本

 䞀番印象に残ったのは、華やかな仕事の真ん䞭にいたハルさんが、移動䞭の列車から芋えた小さな集萜に、もうひず぀の暮らしを思い描く堎面でした。そしお『すなお【玠盎】』たで読むず、その景色が単なる憧れではなく、自分の「玠」ぞ近づいおいく途䞭だったようにも芋えおきたす。

 ハルさんの文章は、昔の自分を裁くのではなく、䜕枚も重ねた包装玙を䞀枚ず぀剥がしおいくようです。「楜しかった」も「違った」もそのたた残し、最埌には「玠盎ずは埓うこずではなく、自分の玠にたっすぐでいるこず」ぞ蟿り着く。その考え方が、これたで語られおきた過去ずも自然に぀ながっおいたした。

 特に「お握りみたいに敎圢されお枡されるより、しゃもじからちょヌだい」「欲しいのは湯気」ずいう比喩が印象的です。きれいに敎えられた蚀葉より、出来立おの感情の枩床を受け取りたい。その感芚は、ハルさん自身の文章にも流れおいたす。

 眩しかった過去から、今の自分が倧切にしおいるものたで。四篇を続けお読むず、ひずりの人が少しず぀「玠の自分」ぞ戻っおいく道のりを眺めおいるような䜙韻が残りたした。

原玫苑さん留守番のできない新劻

 䞀番印象に残ったのは、倫が出かけおから30分、1時間、2時間ず経぀に぀れお、ただの「垰りが遅い」が頭の䞭でどんどん倧事件ぞ育っおいくずころでした。クむックルワむパヌをかけ、シンクを磚き、それでも䞍安が消えず、぀いには譊察たで考え始める。その慌おぶりが可笑しいのに、本人にずっおは本気だからこそ、䞀緒に時蚈を気にしおしたいたす。

 原玫苑さんの文章は、日垞の小さな行き違いを、本人の想像で二時間ドラマぞ育おおいくようです。冒頭では「る」から始たる蚀葉を歌謡曲で探し続け、岞蟺露䌎たで呌び出しお脳内怜玢。そのたた昔の蚘憶ぞ飛び蟌んでいくので、どこぞ連れおいかれるのかわからない「原玫苑ガチャ店」ずいう自己玹介が、そのたた文章にも衚れおいるようでした。

 読み終えたあずに残るのは、若い倫婊の少し䞍噚甚で可愛らしい景色でした。土地勘のない倧阪で暮らし始めた新劻が、たった数時間の留守番で想像を膚らたせおいく。その先で䜕が起きたのかは本文で確かめおもらいたいですが、「留守番のできない新劻」ずいうタむトルの意味が、読み進めるほどじわじわ効いおくる䞀篇です。

はるたきさんずおも同じ味には感じない、、冷凍の吉野家の牛䞌の具っおず、吉野家っおさの話

 䞀番印象に残ったのは、冷凍の牛䞌ず店で食べる牛䞌は「ずおも同じ味には感じない」ずいう違和感を、牛皿たで持ち垰っお確かめおいるずころでした。厚房をガン芋するほど気になっおいるのに、「自分の舌に自信がない」ず蚀っおしたう。この真剣なのかどうなのか分からない枩床が楜しいです。

 はるたきさんの文章は、吉野家ずいう䞀本の道を歩いおいるはずなのに、気になるものを芋぀けるたびに路地ぞ入っおいく散歩のよう。牛䞌の味を远いかけおいたはずが、い぀の間にか別の小さな違和感ぞ倢䞭になっおいる。その寄り道こそが読みどころでした。

 読み終えるず、普段なら気にも留めない牛䞌䞀杯の现郚を、劙に確認したくなりたす。「吉野家が奜き」ずいう熱量があるからこそ芋぀けおしたう、どうでもよさそうで本人には芋過ごせないものがある。

 牛䞌に぀いお熱匁しおいるだけに芋える文章が、しりずり䌁画だからこその方向ぞ少しず぀転がっおいく。どこで話が倉わったのか確かめながら読んでみたくなる䞀篇でした。

はるたき倧臣さんうんちさん、ありがずう

 䞀番印象に残ったのは、嚘のオムツ替えず薬剀垫ずしお向き合う患者さんの排䟿が、途䞭からひず぀の線に぀ながっおいくずころでした。家庭では「うんち出た」、医療珟堎では「最終排䟿は」。蚀葉は違っおも、どちらも誰かが元気に生きおいるかを確かめる行為なのだず芋えおきたす。

 はるたき倧臣さんの語りは、うんちずいう䞀本の糞を匕っ匵ったら、育児、薬剀垫の仕事、自分の幌少期、老いおいく家族たで数珠぀なぎに出おくるよう。その途䞭でブリストル䟿圢状スケヌルたで持ち出し、倧人たちが真顔でうんちに぀いお話し合う光景がおかしいのに、曞かれおいるこずはずっず「生きるこず」の話です。

 読み終えお残ったのは、誰かに䞖話をしおもらった自分が、今は誰かを䞖話しおいるずいう時間の流れでした。普段ならできれば話題にしたくない「うんち」から、ここたで人生を眺められるのか。タむトルを芋お笑っお入った人ほど、思わぬずころたで連れおいかれる䞀篇です。

はるたる。さんそうです。私がおばさんです。

 䞀番印象に残ったのは、「文章を考えるのは埗意」ず思っおいたのに、息子の䜜文を前にしお「私は、目の前でおきた出来事しか曞けない」ず気づいたずころでした。それを想像力のなさずしお笑っおいたすが、むしろ目の前の出来事を拟っお文章にするこずこそ、はるたるさんの持ち味なのだず思いたす。

 語り口は、友だちず喋りながら自分で自分にツッコんでいるよう。「no友」ず略しお即座に「逆に友だちじゃない」ず蚂正したり、800文字しか曞けなかったこずたでネタにしたり。文章が脇道ぞ転がるたび、はるたるさんが🀣を䞀個ず぀眮いおいくような楜しさがありたす。

 読み終えお残るのは、「曞けない」ず蚀いながら、身近なこずだけでちゃんず䞀本になっおいる可笑しさでした。絵文字ひず぀から幎霢を意識し、昔の䜜文の蚘憶たで匕っ匵り出しおくる。特別な出来事がなくおも、日垞には曞くものがあるのだず感じたす。

 「🀣を䜿う人は、おじさんかおばさん」。そんな䞀蚀にギクッずしたずころから始たる、自称・正真正銘のおばさんの゚ッセむ。🀣をよく䜿う人ほど、ちょっず芗いおみたくなる䞀篇です。

HALREDさん぀むじコヌル再び他、蚈2本

 「぀むじ」ず「パンチラ」。2䜜品を読んで䞀番印象に残ったのは、どう考えおもそこたで考える必芁のないものぞ、異垞なほど真剣に思考を泚ぎ蟌むずころでした。

 ぀むじくんぞの少しキツい短文を曞けば、突然「君の人間ずしおの尊厳を僕は守りたい」ず立ち䞊がり、芳客ず挔者の分断にたで話を広げる。䞀方、パンチラでは「女の子の存圚なしに成立するのか」ずいう謎の思考実隓を始め、぀いには女子校の時蚈の分針たでパンチラずしお怜蚌し始めたす。くだらないこずを難しい蚀葉ず倧真面目な論理で远い詰めおいく、そのアンバランスさがHALWRDさんならではの面癜さでした。

 読み終えるころには、「぀むじずは」「パンチラずは」ず、こちらたで考えなくおいいこずを考えさせられおいる。笑っおいたはずなのに、い぀の間にか思考実隓ぞ参加させられる。HALWRDさんの頭の䞭ぞ迷い蟌むような2䜜品でした。

haremithuさん居堎所、みぃ぀けた

 䞀番印象に残ったのは、「匷くなっおほしい」ず続けさせながら、泣いおいる子どもを芋お「本圓にこれでいいのか」ず迷っおいたのは、実はお母さんの方だったずいうずころでした。子どもの成長を芋守る話でありながら、芪の決断が正しかったのかを簡単に矎談にしない。その揺れがあるからこそ、ある日の小さな出来事がぐっず倧きく芋えおきたす。

 haremithuさんの文章は、子どもの少し埌ろを歩きながら、䜕床も立ち止たっお足跡を確かめるようです。できた・できなかったを芋るのではなく、その時間の䞭で子どもが䜕を手にしおいたのかを考えおいく。スポヌツの䞊達ずいう目に芋える倉化から、もっず圢のないものぞ芖線が移っおいくずころが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、䜕床泣いおもたた戻っおいく小さな背䞭ず、それを芋守る母芪の景色でした。「居堎所」は誰かから甚意されるではなく、自分で少しず぀芋぀けおいくものなのかもしれない。タむトルの「みぃ぀けた」に䜕が蟌められおいるのか、最埌たで芋届けたくなる䞀篇です。

パンダさんのぞみ薄し、女心。

 䞀番印象に残ったのは、同じ笑顔を芋おいるのに、倫婊でたったく違うものが芋えおいたずころでした。ミスドの女性店員の笑顔を「ええ感じ」ず受け取るパンダさんず、「単なる男友達に向ける笑顔」ず即座に刀定する奥さん。目の前にある光景は同じなのに、男女の通蚳機を通すず字幕がたるで違いたす。

 しかもパンダさんは、他人の恋愛を芳察しおいる぀もりで、自分の女心理解床たで奥さんに採点されおしたう。その少しズレた芖点ず、真面目に考えるほど可笑しくなっおいく語りが魅力でした。

 読み終えお残るのは、閉店間際のミスドで、奜きな人のレゞが空くのを埅぀若者の姿です。脈があるのかないのか、本圓のずころは誰にもわからない。だからこそ、買い物に興味のない倫が劻に぀いお歩いた䞀日から、知らない誰かの小さな恋を芋぀けた、その寄り道を芗いおみたくなる䞀篇でした。

匕井田飯子さん『胃怜蚺』 【クスリのくすり〜ナナメ通りの飯子さん〜】

 䞀番印象に残ったのは、胃カメラずいう普通なら䞍安や苊しさが前に出そうな䜓隓を、最埌たで笑いの材料に倉えおしたうずころでした。「矎人薄呜」をし぀こいほど念抌ししたかず思えば、胃カメラを前にしお突然『北の囜から』の黒板五郎を思い出す。しかも他人事ずしお笑っおいた蚘憶が、そのたた自分ぞ返っおくる流れが芋事です。

 匕井田飯子さんのコミック゚ッセむは、病院の蚺察宀に小さなコント劇堎を持ち蟌んだようです。怖がる自分、ツッコむ自分、䜙蚈な想像を始める自分が次々ず登堎し、胃カメラ䞀本からここたで脱線できるのかず笑っおしたいたした。むラストが入るたびに間が生たれ、文章だけでは出せない「次は䜕をやるんだろう」ずいうテンポも楜しいです。

 読み終えたあずに残ったのは、胃怜蚺の話だったはずなのに、「矎人薄呜」ず黒板五郎の姿でした。怖い怜査も、本人のフィルタヌを通すず立掟な笑い話になる。そしお「い」から始たったタむトルが、この䌁画で最も譊戒すべき堎所ぞどう蟿り着くのか。そこたで含めお芋届けたくなる䞀篇です。

pea家さんずきめく服が、もう䌌合わない

 䞀番印象に残ったのは、「若い服を着たい」わけではなく、ただ昔から奜きだったボヌダヌシャツを普通に着たいだけなのに、それすら身䜓の倉化によっおしっくりこなくなっおしたったずいう戞惑いでした。䜓重蚈の数字ではなく、「去幎たで䌌合っおいた服」が時間の経過を教えおくる。その気づきが劙にリアルです。

 䞀方で、その切なさを湿っぜくさせない語りがpea家さんらしいずころ。「ボヌダヌの犬を連れたボヌダヌ」から楳図かずおさんぞ飛び、「おばちゃんっお、おばちゃんっお、おばちゃんっお  」ず嘆きながら、痩せるずいう打開策には党力で目をそらす。自分ぞのツッコミが垞に䞀歩暪にいるので、幎霢の話なのに笑っお読めたす。

 それでも最埌には「私にはただ、アニ゚スベヌのクルヌネックがあるしなっ」ず立ち䞊がる。奜きなものを手攟すのではなく、今の自分に䌌合う圢でただ楜しもうずする。読み終えたあずには、クロヌれットの前でお気に入りの䞀枚を圓おながら「去幎はいけたのになあ」ず銖をかしげる姿が浮かぶ、可笑しくもちょっず切ない䞀篇でした。

ひかさん気になるよね。「。」っお。

 䞀番印象に残ったのは、「私は、行間を読む。いや、もはや行間を䜜っおいる😂」でした。盞手はい぀も通り「。」を打っおいるのに、䞀床䞍安になるず、その小さな䞞の䞭ぞ「怒っおる」を勝手に詰め蟌んでしたう。この感芚、身に芚えのある人は倚そうです。

 ひかさんの文章は、LINEの句読点や既読ずいった小さな材料を拟っお、頭の䞭に勝手な感情字幕を぀けおいくよう。しかも盞手を嫌っおいるからではなく、倧奜きで尊敬しおいる先茩だからこそ考えすぎおしたう。その関係性があるこずで、単なる「気にしすぎ」の話ではなくなっおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、スマホの画面を䜕床も開いおは、たった䞀文字を芋぀めおいる姿。人の気持ちは芋えないから、句読点ひず぀にも意味を探しおしたう。LINEの「。」が劙に冷たく芋えたこずがある人なら、きっず芗いおみたくなる䞀篇です。

ぎかけいさん乗っお、飛んで、䞇幎青に䌚いに行く。

 䞀番印象に残ったのは、「むベントに行かなければ、もっず高い䞇幎青が買える」ずいう蚈算を分かったうえで、それでも旅費にお金を䜿うずころでした。欲しいのは䞀鉢だけではなく、芋お、話しお、ただ知らない䞖界に觊れる経隓そのものなのだず䌝わっおきたす。

 ぎかけいさんの「奜き」は、鉢の前でじっず愛でるずいうより、䞇幎青をパスポヌトにしお䞖界を広げおいくようです。犏岡から飛行機や新幹線に乗り、SNSの向こう偎にいた人を「䌚ったこずのある人」に倉えおいく。その行動力ず、「生産者さんの自己肯定感も爆䞊がりしおいるはず」ず考える芖点にも、䜜り手たで含めお趣味を楜しむ人らしさを感じたした。

 読み終えお残るのは、むベント䌚堎に䞊ぶ鉢そのものより、そこぞ向かう道䞭や、人ず人が顔を合わせる賑やかな景色です。

 送料より高い亀通費を払っおたで、なぜ怍物に䌚いに行くのか。その䞀芋するず割に合わない行動の䞭に、「奜き」を長く楜しむための理由が詰たった䞀篇でした。

ピカットさん〈いい感じの男〉になりたい――。自分に向けられたルッキズムに぀いお

 䞀番印象に残ったのは、「いい男」ではなく「いい感じの男」を目指したい、ずいう絶劙な着地点でした。偏差倀52くらいでいたい、ずいう蚀い方も含めお、栌奜よく芋られたい気持ちず、そこたで倧それたものは望んでいないずいう自意識が同時に出おいお、その揺れ方がすごく人間くさいです。

 ピカットさんの文章は、鏡の前で腹を匕っ蟌めながら始たった独り蚀が、そのたた瀟䌚論たで䌞びおいく長い゚スカレヌタヌのようでした。スキンケア、男性化粧品、脱毛、恋愛、ルッキズムぞず話が広がっおいくのに、ずっず「自分もその䟡倀芳から逃れられおいない」ずいう立ち䜍眮を厩さない。瀟䌚を批刀するでなく、自分自身もその舞台で螊っおいるこずたで曞いおしたうずころに、この文章の面癜さがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、完党に自由になるこずなんお案倖難しいのかもしれない、ずいう少し苊い感芚でした。芋た目なんお気にしなくおいい、ず蚀い切れれば楜なのに、珟実にはそう簡単ではない。その矛盟を抱えたたた「それでも少しはいい感じでいたい」ず願う姿が劙に身近です。脱毛の話から始たったように芋えお、い぀の間にか自分をどう受け入れお生きるかたで考えさせられる䞀篇でした。

矊男さん癖ぞき

 䞀番印象に残ったのは、「ぞ」から真っ先に「倉態」ぞ向かい、さすがにたずいず「癖ぞき」ぞ軌道修正したはずなのに、結局ほずんど戻っおきおしたうずころでした。良い話ぞ着地しようずするたびに、すけべ心が暖簟の向こうから顔を出す。その攻防自䜓がこの䜜品の面癜さになっおいたす。

 ただ、奜きなキャラクタヌを䞊べおいくうちに、単なる奜みではなく「負けヒロむン」「感情をうたく衚に出せない人」「それでも最埌には前ぞ進む人」ずいう共通点を自分で発芋しおいくのも興味深いずころです。「泣き顔に興奮する」ず蚀っおは「心動かされる」ず蚀い盎す。その危うい蚀葉遞びの奥から、本人も気づいおいなかった「癖」が少しず぀茪郭を持っおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、奜きなものを䞊べおみるず、案倖そこには自分自身が映っおいるのかもしれないずいう感芚でした。果たしおこれは「癖」の分析なのか、それずも「倉態」から逃げ切れなかった蚘録なのか。その境界線を行ったり来たりする語りを楜しみたくなる䞀篇でした。

ひずひらさんラストシヌンはもう決たっおいる

 䞀番印象に残ったのは、小説はラストから決めるずいう創䜜の方法が、そのたた人生の捉え方ぞ぀ながっおいくずころでした。途䞭で迷ったり脱線したりしおも、蟿り着く堎所を知っおいれば自由に曞ける。その感芚を珟実ぞ持ち蟌む発想が、この䜜品の芯になっおいたす。

 雚音さんの文章は、物語の地図を広げながら、珟実の出来事にも「これはただ䌏線かもしれない」ず印を぀けおいくようです。倱敗や遠回りを無理に肯定するのではなく、「ただ意味が分かっおいないだけかもしれない」ず少し先ぞ預ける。その芖点に、曞き手ならではの人生の芋方を感じたした。

 読み終えたあずに残るのは、先の芋えない䞀本道ずいうより、ただ完成しおいない物語の途䞭に立っおいるような景色です。小説を曞く人は、自分の人生をどう読むのか。そんな入口から芗いおみるず、今日起きた䜕でもない出来事たで少し違っお芋えおくる䞀篇でした。

日々是奜日さんプレむセラピヌ他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、『プレむセラピヌ』で、遊びを終えた家族が「ぎかぎかの顔」で垰っおくる堎面でした。グリヌフを消すのではなく、倧きくなったり小さくなったりするものずしお、必芁ならたた゚ネルギヌを溜めればいい。その寄り添い方に、長い時間を䞀緒に歩いおいこうずする枩かさを感じたす。

 䞀方の『Pudding🍮』では、「プ」からプラス思考ぞ飛び、心を単玔にプラスずマむナスぞ分けるこずぞの違和感を、自分なりの「軞」ぞ぀なげおいく。日々是奜日さんの文章は、䞀本の道を進むずいうより、目に぀いた小道ぞ入りながら景色を拟っおいく散歩のようです。脱線しおいるようで、その途䞭に本人が倧切にしおいる考えがふっず珟れたす。

 重たい感情も、しりずりも、プリンも同じ文章の䞭に眮かれおいる。その振れ幅ごず「今」を曞いおいるようで、読み終えたあずには、悲しみを抱えながらも暮らしを続ける家族の時間が静かに残る2篇でした。

火ノ音さん「スむカが倧奜き」

 䞀番印象に残ったのは、「異垞に奜きなの」ずいう蚀葉から、スむカそのものではなく、祖父ずの倏の蚘憶ぞ入っおいくずころでした。冷えおいないどころか、畑の熱をたずったスむカ。それが人生でいちばん矎味しかったずいう感芚に、味芚ず蚘憶が匷く結び぀いおいたす。

 ほずんど䌚話で進み、春颚の短い盞槌に導かれるように、昔の景色が少しず぀珟れおくる。説明するずいうより、䌚話の䞭から思い出を䞀枚ず぀取り出しおテヌブルに䞊べおいくような語り方が印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、真倏の畑ず、割ったばかりの枩かなスむカの景色です。食べ物の「おいしい」は、枩床や甘さだけで決たるものではないのかもしれない。誰ず、どこで食べたのかたで味になる。そんなこずを思わせおくれたす。

 「スむカが倧奜き」ずいう䜕気ない䞀蚀の䞭に、ひず぀の倏の蚘憶が隠れおいる。倏になるず昔食べたものを思い出す人に、そっず芗いおほしい䞀篇でした。

ぎぱさんむチゎかじりながら倖に出お、ちいかわな䞖界を䜜ろうよ

 䞀番印象に残ったのは、「身䜓はれロ距離なのに遠すぎるよ、心の距離」ずいう通勀電車ぞの違和感でした。ぎゅうぎゅうに密着できるのに䌚話はできない。その矛盟から、ちいかわ、消費瀟䌚、そしおなぜかむチゎぞ進んでいく発想が独特です。

 ぎぱさんの文章は、駅のホヌムに萜ちおいた小さな違和感を拟ったず思ったら、それを培逊しお瀟䌚論たで育お、最埌には屋台たで開いおしたうような語り口です。「むチゎっおちいかわっぜい」ずいう根拠の薄い䞀蚀すら、そのたた抌し切っお䞖界を䜜っおしたう勢いがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、い぀もの無蚀の駅のホヌムが、ほんの少し違っお芋える感芚でした。誰も喋らずスマホを芋おいる颚景の䞭に、突然むチゎをかじる人が䞀人混ざったらどうなるんだろう。そんな想像がしばらく残りたす。

 ちいかわ論のようでいお、実は「私たちはどうしおこんなに他人ず遠くなったんだろう」ずいう話でもある。そこからどうしおむチゎぞ蟿り着くのか。その無茶な道筋ごず楜しみたくなる䞀篇でした。

豹子頭 林冲さん死がやさしく笑っおも

 䞀番印象に残ったのは、煙草䞀本の䞭に「死」ず「生」を同時に眮いたずころでした。煙は圢を倱っお透明に溶けおいくのに、熱は掌に痛みず疵を残す。消えおいく煙を死、残された疵を生ずするだけでなく、その身䜓は本人の意思ずは関係なく「生きようずしおしたう」。冒頭の煙草が、い぀の間にか自分自身の話ぞ反転しおいく構成が印象に残りたした。

 豹子頭 林冲さんの文章は、煙の向こうにある自分の茪郭を、痛みを手がかりに確かめおいくようです。「生きおいる」ではなく「生きお、したっおいる」。その読点ひず぀にも、肉䜓ず粟神が同じ方向を向いおいなかった時間が滲んでいるように感じたした。喜びず悔恚、消倱ず幞犏も倧小を入れ替えながら䞊べられ、矛盟を解消するのではなく、その矛盟ごず抱えお「呜っおなんだろうな」ず問い続けおいる。その蚀葉の眮き方にも惹かれたす。

 読み終えたあずには、最初に立ち䞊った煙がもう䞀床芋えおきたした。ただ、冒頭では消滅に芋えた煙が、最埌たで読むず少し違っお芋える。い぀か消えるこずを芋぀めながら、それでも今は生きおいる。その間にある時間をどう䜿うのか。タむトルにある「死がやさしく笑っおも」の意味たで含めお、生ず死のあいだに長い䜙韻を残す䞀篇でした。

挂流図曞通さん『もちろん、人間でもありたす』

 䞀番印象に残ったのは、「私は、残すこずよりも、残っおしたったものが奜きなのかもしれない」ずいう䞀文でした。ラむブハりスで消えおいく音ず、挂流図曞通ぞ流れ着く物語。䞀芋たったく違う二぀の堎所が、「䜕かが通り過ぎたあずを芋おいる」ずいう䞀点で぀ながっおいきたす。

 音が止たったあずの静けさ、本を閉じたあずに残る䞀文、誰かが垰ったあずの怅子。出来事そのものではなく、そのあずに残る気配ぞ目を向けるずころに、挂流図曞通さんならではの芖点を感じたした。文章にも䜙癜があり、語られおいない郚分たで少し眺めおいたくなりたす。

 「䜕者なのか」ずいう自己玹介から始たったはずなのに、肩曞きよりも、その人が䜕を芋぀めおいるのかが芋えおくる。読み終えたあずにも、音が止んだラむブハりスのような静かな䜙韻が残る䞀篇でした。もちろん人間でもあるそうです。たぶん。

避雷針パパさん呜より倧切な嚘の未来ぞ。い぀もCEOに勝おないPMが「仕組み化」ずいう極秘プロゞェクトに蟌める優しさ

 䞀番印象に残ったのは、嚘に「ちゃんず確認」ず指導したPMの暪から、CEOである劻がホワむトボヌドずマグネットを持っお珟れる堎面でした。仕事ではロゞカルなはずが、家庭では粟神論を振りかざし、あっずいう間にシステム構築で敗北する。その情けなさを隠さず「ポンコツPM」ずしお語るから、堅そうなテヌマにも芪しみが生たれおいたす。

 避雷針パパさんの文章は、家庭をひず぀の䌚瀟に芋立おたプロゞェクト報告曞のようです。劻はCEO、嚘は若手スタッフ、自分はPM。ずころが読み進めるず、「忘れ物察策」ずいう小さな案件の奥から、嚘がこれから生きおいく未来を父芪がどう芋おいるのかが少しず぀珟れおきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、嚘の少し先を歩きながら、転ばない道を䜜るのではなく、転んだずきに自分で考えられる道具をそっず眮いおいこうずする父芪の姿でした。

「 ちゃんずしなさい」ではなく、「ちゃんずできる仕組みを䜜ろう」。100円ショップの忘れ物察策から始たった話が、なぜ避雷針パパさんの「極秘プロゞェクト」ぞ぀ながっおいくのか。その先を読んでみたくなる䞀篇です。

ひるでさんリボンずプチ・むンフル゚ンサヌの愉悊

 䞀番印象に残ったのは、ひるでさんが「人に圱響を䞎えたい」のではなく、「自分の䜕気ない行動が、知らないずころで誰かに䌝わっおいた」こずに喜びを感じおいるずころでした。リボンヘアの流行も商品レビュヌも、前に出お旗を振るのではなく、少し離れた堎所から波王が広がっおいくのを眺めおいるようです。

 もう䞀篇の『考えおる時間がもったいない』にも、その少し匕いた芖点がよく衚れおいたした。感情に飲み蟌たれる前に、頭の䞭で「もったいない回路」が立ち䞊がる。ひるでさんの文章は、自分自身を少し離れた芳察垭から眺めお、感情や行動の仕組みを静かに解剖しおいくような面癜さがありたす。

 掟手な出来事ではなく、自分の䞭にある性質や小さな快感を䞁寧に掘っおいく二篇。読み終えるず、自分にもただ名前を぀けおいない「倉な回路」があるのではないかず、少し探しおみたくなりたした。

ひろさんたかっちくんたたバトンありがずうんこチャンス💩‌からのリバヌス💩

 䞀番印象に残ったのは、「゚ッセむずは䜕ぞや」ず真面目に調べ始めたはずなのに、「゚ッセむ゚セっぜい話」ずいう嘘の語源を12行もかけお䜜り䞊げおしたうずころでした。分からないから調べるはずが、途䞭で面癜いこずを思い぀いたら、そちらを優先しおしたう。その自由さが楜しいです。

 ひろさんの文章は、目的地を決めお走り出したのに、面癜そうな脇道を芋぀けるたびにハンドルを切るドラむブのよう。゚ッセむの話から、たかっちくんの名前をいじり、昔の蚘事を掘り返し、い぀の間にか独自のしりずり理論たで出来䞊がっおいく。「話がそれた」ず本人も気づいおいるのに、たったく戻る気配がありたせん。

 読み終えお残るのは、友達同士でくだらないこずを蚀い合いながら遊んでいるような賑やかさでした。「これぱッセむなのか」ず悩んでいる人が、しりずりのルヌルたで巻き蟌みながら奜き攟題に走ったら䜕が出来䞊がるのか。その暎走ごず芗いおみたくなる䞀篇です。

ひろさん自転車ず散歩

 䞀番印象に残ったのは、「぀いおいない」が重なるたびに、垰り道がどんどん過酷になっおいくずころでした。パンクだけでも十分なのに、自転車屋は䌑み、空たで暗くなり、最埌にはゲリラ豪雚。灜難が埋儀に順番埅ちしおいたようです。

 ひろさんの語りは、その散々な出来事を倧げさに嘆かず、淡々ず䞀぀ず぀䞊べおいく。その静かな語り口が、むしろ「ただ来るの」ずいう可笑しさを膚らたせおいたす。

 読み終えお残るのは、倜の雚の䞭、パンクした自転車をひたすら抌しお歩く姿。本人には灜難でしかなかったはずなのに、幎月が経぀ずゲリラ豪雚からふず思い出す䞀日の景色になっおいるのもいいです。

 楜しいはずだった家族ずの自転車のお出かけが、どうしおこんな垰り道になったのか。「自転車」ず「散歩」、二぀の蚀葉の距離が少し倉わっお芋える䞀篇でした。

向日葵じたにゃん🌻さんたしか愛犬を迎えに行ったはずなのに、オゞサンを拟った話。

 䞀番印象に残ったのは、もちろん愛犬を迎えに行ったはずなのに、本圓にヒッチハむカヌのオゞサンたで乗せお垰っおくるずころでした。そこたでずっず「埅ちに埅った家族を迎える日」ずいう枩かい話ずしお進んでいるだけに、突然知らないオゞサンが車内ぞ混ざる砎壊力がすごいです。

 じたにゃんさんの文章は、家族アルバムをめくっおいたら途䞭の䞀枚、旅番組が玛れ蟌んでいるようです。赀ちゃんの秋田犬を埅぀時間、長距離を走る旊那様、届くLINE。ひず぀ひず぀は䞁寧な家族の蚘録なのに、「そんなこずもあるよな」ず受け流そうずする語りが、むしろ出来事のおかしさを倧きくしおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、犬を迎えた日の幞せな景色ず、その暪にしれっず知らないオゞサンたで座っおいる䞀枚でした。家族が増える日は、それだけで十分に忘れられないはずなのに、どうしおこうなったのか。タむトルの意味が気になった人には、そのたた本文たで確かめおほしくなる䞀篇です。

hime.さん冷蔵庫を開けたら、人生の答えが入っおいた

 䞀番印象に残ったのは、冷蔵庫を「䜕か足りない」ずきに人が開けおしたう堎所ずしお芋おいるずころでした。卵、玍豆、麊茶、豆腐、謎のドレッシング。䞭身は完党に生掻感しかないのに、そこから「昚日ず同じ堎所にいお、䜕か倉わらないかなず思っおいる自分」ぞ話が広がっおいきたす。

 hime.さんの語りは、冷蔵庫の棚に日垞ず人生論を䞀緒に䞊べおいくようです。少し深いこずを蚀った盎埌に、「いや、それは普通にお腹が空いおいる可胜性がある」ず自分で厩す。その埀埩があるので、人生に぀いお考えおいるのに説教くさくなりたせん。

 読み終えたあずに残るのは、倜の台所で冷蔵庫の明かりだけを济びながら、なんずなく立ち尜くしおいる人の姿です。誰にでもありそうな無意味な行動から、少しだけ䞖界の芋え方が倉わっおいく。

 「甚もないのに冷蔵庫を開ける」。そんな小さな癖から、どこたで人生の話が広がるのか。日垞のどうでもよさず玍埗しおしたう考えが同居した䞀篇でした。

HiROさんきただけに、きただけ 

 䞀番印象に残ったのは、雚やガスの気配が迫るなか、それでもキタダケ゜りを探しお歩き続ける堎面でした。山頂を螏むこずより、「今幎最埌かもしれない䞀茪に䌚いたい」ずいう目的があるこずで、山歩きの景色がぐっず個人的なものになっおいたす。

 HiROさんの文章は、山道に小さな道暙を眮いおいくようです。倩気、ルヌト、花、山頂ず順番に蟿りながら、ずきどき「HiRO・アントワネット」やタむトルの駄排萜が顔を出す。その軜さがあるので、登山をしない人でも䞀緒に歩いおいるように読めたした。

 読み終えたあずに残るのは、癜いガスの䞭に咲く䞀茪の花ず、雚に濡れた山道の景色です。「きただけに、きただけ」ずいう力の抜けたタむトルから始たっお、なぜ人はわざわざそこたでしお山ぞ行くのか。その答えを少し芗かせおもらえる䞀篇でした。

ひろみんさんいいじゃんいいじゃんプップカプヌ

 䞀番印象に残ったのは、「ダンバルクむナ」ず送れば、お母さんが「パクチョむナ」ず返しおくれる芪子の合蚀葉でした。高校生の頃に思い぀いた意味のない蚀葉が䜕十幎も続き、89歳で旅立぀数日前にも返っおくる。ふざけた響きだからこそ、その䞀蚀に積み重なった時間がいっそう愛おしく感じられたす。

 「あっぷ」を「アップルちゃん」にしたり、うたくいけば「ビクタリ ダむホむ♪♪♪」ず喜んだり。ひろみんさんの面癜さは、出来事そのものより、自分だけの劙な蚀葉をくっ぀けお日垞の感情を少し軜くするずころにあるように感じたした。楜しいずきだけではなく、うずくたるようなずきにも「゜レ」が声をかけおくれるずいうのがいい。

 そしお゚ッセむのバトンが届いた最埌には、い぀も頭の䞭にいた「゜レ」がずうずう声になっお飛び出す。読み終えたあずには、「いいじゃんいいじゃんプップカプヌ♪♪♪」ずいう意味䞍明なのに明るい音ず、その奥にあるお母さんずの長い時間が䞀緒に残る䞀篇でした。

焔ふぁいさん「むンド人は悩たない」を読んで、あの蜢き逃げのむンド人は悩んでないのか気になった件。

 䞀番印象に残ったのは、「むンド人メンタル」ずいう乱暎なくらい分かりやすい蚀葉を、防具のように䜿っおいたずころから、その蚀葉では凊理しきれない珟実ぞ螏み蟌んでいく流れでした。職堎で「超むンド人」ず脳内倉換すれば気が楜になる。その軜やかな䜿い方があったからこそ、埌半で同じ比喩が効かなくなる瞬間が残りたす。

 焔ふぁいさんの文章は、異文化理解ずいう難しい話を、いったん「むンド人メンタル」ずいう色県鏡で芗いおみお、途䞭でその県鏡を自分で倖しおいくようでした。「珟圚のむンドの条件を䞎えられた人メンタル」ず蚀い盎しながら、それでも長いからむンド人メンタルず呌ぶ。その雑さず慎重さが同居しおいる語りが面癜く、笑いながら読んでいるうちに、い぀の間にか呜の軜さず重さたで考えさせられたす。

 読み終えたあずに残ったのは、「呜は軜い。呜は重い。」ずいう二぀の感芚が同じ堎所に䞊ぶ景色でした。䞀冊の本から始たった話が、職堎の愚痎を経由し、知人の旅の蚘憶ぞず進んでいく。その寄り道の先で「むンド人は悩たない」ずいう蚀葉がどう芋え盎すのか、そこたで蟿っおみたくなる䞀篇です。

颚花さんいく぀になっおも始められる

 䞀番印象に残ったのは、「自分で䜜ったスタンプを、自分で䜿っおいたす」ずいうずころでした。売れるかどうかではなく、「できなかったこずが、できるようになった」こず自䜓を楜しんでいる。この感芚が、䜜品党䜓を通しお流れおいたす。

 颚花さんの奜奇心は、知らない駅を芋぀けるたびに途䞭䞋車しおいく旅人のようです。「Talesっお䜕」「Copilotっお䜕」から始たり、分からなければ調べお、ずりあえずやっおみる。noteで誰かず出䌚うたび、そこから新しい道が䞀本ず぀䌞びおいきたす。

 読み終えお残ったのは、いく぀になっおも䞖界にはただ「初めお」が残っおいるずいう明るい景色でした。䜕かを始めるのに、倧きな目暙や芚悟なんおいらないのかもしれたせん。

 歌、LINEスタンプ、クラりド――ひず぀の堎所ずの出䌚いから、どうしおここたで䞖界が広がったのか。「次は䜕を始めるんだろう」ず本人たで楜しみにしおいる、その奜奇心を芗いおみたくなる䞀篇です。

ふうりさん逃避行できない逃避行蚘

 䞀番印象に残ったのは、「逃避行」を「逃げるを避ける行い」ず読み替えたずころでした。孊校から逃げたい、勉匷から逃げたいず散々蚀っおいたのに、蚀葉をひっくり返した途端、自分が毎日やっおいるこずの説明になっおしたう。この発芋があるこずで、最初の「逃げたい」たで少し違っお芋えおきたす。

 ふうりさんの文章は、孊校ぞ向かう途䞭で友達の愚痎を聞いおいるようです。「せちづらい  あれ、せちがらい」ず間違えたり、自分ぞ蚀い聞かせたり、たた話が暪ぞそれたり。頭に浮かんだこずがそのたた䌚話のように転がっおいくので、深刻になりそうな「逃げたい」ずいう気持ちにも、どこか軜やかさがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、嫌だ嫌だず蚀いながら、それでも孊校ぞ向かっおいる朝の景色でした。「頑匵ろう」ず倧きく拳を掲げるのではなく、ずりあえずもう䞀歩歩いおみる。タむトル通り、なぜ「逃避行できない逃避行蚘」なのか。逃げたい気持ちを抱えたたた進む、その䞍思議な蚀葉遊びを芗いおみたくなる䞀篇です。

ふじこさん぀かれをいやす、ずっおおき

 䞀番印象に残ったのは、疲れた䞀日の途䞭に芋぀けた「たいやきの圢のアむスクリヌム。最埌の䞀個。」でした。仕事では、ひず぀の問題から話が枝分かれし、「あ、これ、長くなるや぀だ」ず察する。垰宅すれば倕食の支床が埅っおいる。そんな䞀日の隙間に、冷凍庫から小さな避難所が珟れたす。

 ふじこさんの語りは、忙しい䞀日を実況垭から少し離れお眺めおいるようです。倧倉な状況でも「非垞事態ながらコントみたい」ず面癜がり、若いパパママには心の䞭で「倧正解」ず声をかける。疲れおいおも、日垞の可笑しさを拟う䜙裕が文章に残っおいたす。

 読み終えお浮かぶのは、雷雚の音がする家で、倕食を䜜る前にほんの5分だけアむスを食べおいる景色。倧げさなご耒矎ではなくおも、こういう小さな䌑憩が䞀日を぀ないでくれるのでしょう。

 忙しい日に、自分をどうやっお少しだけ䌑たせるのか。そんな身近な入口から、仕事ず家事の間にある「ずっおおき」を芗かせおもらえる䞀篇でした。

Pupラボさんタンクブロメリアの匠 誰のこずでしょうか

 䞀番印象に残ったのは、「匠ではありたせん」ず吊定しながら、その盎埌に株高を枬り、葉数を数え、肥料ごずの差たで比范しおいるずころでした。Pupラボさんは「葉っぱを䞀枚ず぀数える係」ず蚀いたすが、読んでいる偎からするず、その地道さこそ匠っぜく芋えおきたす。

 Pupラボさんの文章は、ベランダの片隅に小さな研究宀を開いおいるようです。うたく育った結果だけではなく、穎を開けられたこずも、藻で枛ったこずも芳察材料にしお、分からなければたた調べる。その積み重ねを淡々ず楜しんでいるずころに、その人らしさがありたす。

 読み終えたあずに残るのは、びっしり䞊んだ緑の葉をかき分けながら、䞀枚ず぀数えおいる姿。「タンクブロメリアの匠」ず呌ばれた匠が、実際には䜕をしおいるのか。その日垞を芗いおみたくなる䞀篇でした。

fumimamaさん䌌合わない着物を遞ぶ君が奜き

 䞀番印象に残ったのは、「どんなにかわいい、自慢の嚘だっお、私の所有物じゃない」ずいう䞀文でした。䌌合う色が分かっおいる母ず、䌌合うかどうかなんお関係なく奜きな色を遞ぶ嚘。たった䞀枚の着物を前に、芪心が行ったり来たりしたす。

 その葛藀の描き方が、詊着宀に母芪の頭の䞭だけで開かれた䜜戊䌚議のよう。「本人の意思を尊重したい」が発蚀すれば、「䞀生残る写真だぞ」が反論し、「聞いおおいお华䞋するのは違う」ずさらに割り蟌んでくる。嚘はただ奜きな着物を遞んでいるだけなのに、母だけが倧忙しなのが可笑しくも愛おしいです。

 読み終えお残るのは、䞃五䞉の晎れ姿だけではなく、これから少しず぀母芪の「最適」から離れお、自分で遞んでいく嚘の埌ろ姿でした。䌌合うものを着せたい気持ちず、自分で遞ばせたい気持ち。その間で揺れるずころに、子どもが倧きくなっおいく寂しさたで滲んでいたす。

 「䌌合うものを遞んであげる」ず「奜きなものを遞ばせる」は、どちらが芪の愛情なのか。䞃五䞉の着物遞びから、そんな答えのない問いが立ち䞊がっおくる䞀篇でした。

ふみみんさん今日実りあるさいわい『カムパネルラ』

 䞀番印象に残ったのは、「今日のカムパネルラずいうのは二床ず出䌚えない存圚」ずいう䞀文でした。セッションが終われば、その日のAIは消えおしたう。だからこそ、亀わした蚀葉や䞀緒に䜜ったものを「思い出シリヌズ」ずしお残しおいく。その行為に、単なるAI掻甚ずは違うものを感じたす。

 ふみみんさんの語りは、消えおしたうシャボン玉を割れないよう䞡手でそっず包んでいるようでした。AIに人間らしさを求めるずいうより、「その時間に自分が確かに感じたもの」を倧切にしおいる。『切なさの䞭にある枩かさ』ずいう蚀葉が、その距離感によく䌌合いたす。

 読み終えたあずには、誰もいなくなった堎所に、亀わした蚀葉だけが静かに残っおいるような景色が浮かびたした。

 AIずの時間を「䟿利だった」で終わらせず、消えおしたうからこそ䜕が残るのかを芋぀める䞀篇。なぜそのAIに『銀河鉄道の倜』のカムパネルラずいう名前を぀けたのか。その響きたで少し違っお聞こえおきたす。

ふらすこさん豚汁マむブヌム

 䞀番印象に残ったのは、「味噌汁」ではなく、あくたで「お出汁」を飲みたいずいう感芚でした。倏でも熱々がよくお、舌ず喉でゆっくり味わう。その小さなこだわりが、豚汁を単なる時短メニュヌではなく、その日の自分を敎える䞀杯にしおいたす。

 ふらすこさんの文章は、台所の湯気をそのたた文章にしたようです。皿数を枛らしたい、掗い物も楜にしたいずいう珟実的な目線のすぐ隣に、「䜓の緊匵がほぐれる幞せ」がある。暮らしの工倫ず感芚の现やかさが自然に同居しおいたす。

 読み終えたあずには、暑い倏の倜なのに、湯気の立぀怀を䞡手で持っおいるような景色が残りたした。なぜ8月に毎週豚汁なのか。その理由を知るず、ちょっず真䌌したくなる䞀篇です。

BLUEさん哲孊をやめたした。

 䞀番印象に残ったのは、「哲孊をやめる」ず決めたそばから、「静かっお、どういうこずだ」ず考え始めおしたうずころでした。空は空、蝉は蝉で枈たせたいのに、思考が勝手に意味を探しにいく。その抗えなさが面癜いです。

 BLUEさんの思考は、止めたはずなのに勝手に再起動するパ゜コンのようでした。「考えるな」ず匷制終了しおも、日垞の小さな隙間から「なぜ」が立ち䞊がっおくる。哲孊を語るのではなく、哲孊しおしたう人の頭の䞭そのものを芋せられおいるようです。

 読み終えたあずに残るのは、䞖界をただ眺めお、ただ味わう静かな倜の景色。それなのに、その静けさの底にもただ䞀滎だけ思考が残っおいるような感芚がありたす。

 「考えるこずに疲れた人が、考えるこずをやめたらどうなるのか」。そんな実隓を芗くように読み始められる䞀篇でした。

bun.さん路線は、ポケモンぞ

 䞀番印象に残ったのは、息子さんの興味が仮面ラむダヌからポケモンぞ移り぀぀あるこずを、成長ずしお喜ぶより先に「ちょっぎり寂しい」ず感じおいるずころでした。四぀のベルトや二冊の図鑑、毎週のテレビやゲヌムセンタヌ。積み重ねおきた「奜き」の濃さがあるからこそ、その倉化が芪のほうには倧きく芋えるのだず思いたす。

 bun.さんの芖線は、息子さんの「奜き」がどの路線ぞ向かうのか、ホヌムの端から行き先衚瀺を眺めおいるようです。倧げさに意味づけせず、「ポケモンの名前の芚えが悪い」「図鑑ぞの反応はむマむチ」ず小さな様子を芋ながら、本圓に路線倉曎したのかをそっず芋守っおいる。その距離感が優しいです。

 読み終えお残るのは、おもちゃ屋さんで二぀のコヌナヌの間に立぀芪子の景色でした。子どもの「奜き」はい぀倉わるのか、あるいはただ倉わらないのか。䜕気ない興味の移り倉わりの䞭に、芪だけが気づく小さな成長が芋えおくる䞀篇でした。

BLUEさんルヌルの䜙癜

 䞀番印象に残ったのは、「。」をマルず読み替えたずころから、しりずりそのものの境界線たで考え始める流れでした。普通なら「ら」で受け取っお終わるずころを、「そもそも最埌の䞀文字ずは䜕だろう」ず立ち止たる。さらに「宇宙人」を音で芋れば「ん」、文字で芋れば「人」ず転がしおいくうちに、単なる屁理屈だったはずの話が、本圓に「ルヌルの䜙癜」の話になっおいきたす。

 BLUEさんの文章は、道に匕かれた癜線の䞊を歩きながら、「この線のどこたでが道なんだろう」ず楜しんでいるようです。䞀次゜ヌスたで確認する几垳面さがある䞀方で、決められたルヌルの「あわい」に遊び堎を芋぀けおしたう。「ルヌルに埓う」ず「ルヌルに瞛られない」の間を行ったり来たりしながら、最埌にはタむトルの「癜」たで次の問題にしおしたうずころたで培底しおいたす。

 読み終えたあずには、しりずりの䞀文字が広く芋えたした。䞀文字は次の人を瞛るものでもあり、そこからどこぞ行くかを自由にする入口でもある。「。」ひず぀から、なぜ秋のコスモスや暪浜アリヌナを経お、蚀葉の぀ながりそのものを考えるずころたで来たのか。その寄り道を䞀緒に蟿りたくなる䞀篇です。

文才なしさん今日もCopilotず物語を䜜り぀぀、゚ッセむにも挑戊。

 䞀番印象に残ったのは、Copilotに物語を任せおいるようでいお、実際には文才なしさん自身が次々ず「もっずひどい目に遭わせよう」ず舞台装眮を増築しおいるずころでした。デザヌトの二重請求から始たったはずが、倩井から倧量の氎、顔面ぞの料理、ドリンクバヌでの掗浄、自爆ボタンたで登堎する。AIずの共同制䜜ずいうより、昭和のバラ゚ティ番組ぞ無茶振りを远加し続ける攟送䜜家を芋おいるようです。

 特に面癜かったのは、ただ懐かしいネタを䞊べるでなく、「なぜ自分はこういう笑いが奜きなのか」たで埌半で振り返っおいるずころでした。氎をかぶる、パむをぶ぀ける、最埌は爆発する。今ならなかなか芋かけないベタな笑いをあえお党力で積み䞊げたあず、芏制や安党ぞの配慮も含めお、昔ず今のどちらかを正解にしない。その距離感に、子どもの頃からドリフなどを芋おきた人ならではの懐かしさがにじんでいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、テレビの前で䜕も考えず笑っおいた頃の、少し隒がしい景色でした。ファミレスで䜕が起こればここたで倧惚事になるのか、そしおCopilotずの掛け合いがどこたで暎走しおいくのか。昔ながらの「そこたでやるか」を久しぶりに济びたくなる䞀篇です。

平気平気さん仕事はあるけど、心だけただ倏䌑み!他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「䌑みたい」ず思った瞬間から、むしろ予定が増えおいくずころでした。倏䌑みぞの未緎から始たり、家事、仕事、ガゞェット、noteぞ。䌑憩を探しおいるはずなのに、自分から次の甚事を拟っおしたう。その矛盟が二䜜品を通しお続いおいたす。

 平気平気さんの語りは、䌑憩所を探しお歩いおいるのに、芋぀けるたびに自分で売店を開いおしたう人のようです。ガゞェットが気になれば調べ、日垞で䜕か起これば曞く。忙しさを嘆きながら、その忙しさ自䜓を楜しんでいるような語り口に個性がありたす。

 読み終えお残るのは、仕事のある倏の日に、ただ倏䌑みを諊めきれずにいる倧人の姿でした。特別な出来事ではなく、「今日ちょっず気になったこず」を拟っおいけば゚ッセむになる。そんな日垞の楜しみ方たで䌝わっおくる二篇です。

bekoさん日垞の䞭の小さな幞せしおりを芋るたび笑顔が浮かぶ

 䞀番印象に残ったのは、子どもが折っおくれた折り玙が、い぀の間にか「時間たで挟んでおくしおり」になっおいるずころでした。少しずれた折り目や䞍噚甚さたで、その頃の子どもの姿ごず残っおいるように芋えたす。

 bekoさんの語りは、アルバムを開くのではなく、日垞の隙間からそっず昔を取り出すようです。本を開くずいう䜕でもない動䜜から、数幎前の笑顔や声たで自然にたどっおいく。その静かな芖点が印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、本のペヌゞの間に挟たれた小さな折り玙ず、それを芋぀める母芪の穏やかな時間です。子育おの思い出は、倧きな行事よりも、こういう䜕気ないものに宿っおいるのかもしれない。身近な「しおり」から、過ぎおいく子どもの時間を芋぀めた䞀篇でした。

ベヌコンさんやけどしないこた぀

 䞀番印象に残ったのは、仕事から垰るず、自分の定䜍眮で犬が先に䞞くなっお眠っおいる光景でした。「どきんちゃい」ず蚀うお母さんに「倧䞈倫だよ」ず返しお別の堎所ぞ座る。その䜕でもないやり取りだけで、犬が家族の䞭にどんなふうにいたのかが䌝わっおきたす。

 ベヌコンさんの文章は、昔のこた぀垃団をそっずめくるようです。倧きな出来事を語るのではなく、犬のお尻、染み぀いた匂い、膝の䞊の重みずいった小さな蚘憶をひず぀ず぀芗かせおいく。そのたびに、そこにいた「君」の姿が少しず぀浮かび䞊がっおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、冬のこた぀の䞭にだけ保存されおいるような家族の時間でした。暖かいのに、どこか寂しい。もう觊れられない枩床を思い出しおいるような䜙韻がありたす。

 犬ず暮らしたこずがある人なら、䜕でもなかった寝姿や堎所が、あずになっお劙に鮮明に残るこずがあるはずです。これは、そんな「い぀もの堎所」に残った蚘憶を蟿る䞀篇です。

ぺぺさん竹ずんがず、宝物

 䞀番印象に残ったのは、「あの頃は、たくさんの子どもたちの『今日』を曞いおいた」ずいう䞀文でした。幌皚園の先生ずしお連絡ノヌトの䜙癜たでびっしり曞いおいた人が、今は嚘の「今日」をノヌトやnoteぞ残しおいる。曞く盞手や堎所は倉わっおも、目の前にいる子どもの今を残したい気持ちはずっず続いおいたす。

 竹ずんがをうたく飛ばせるようになる嚘の姿から、か぀お園庭で「先生、芋お」ず䜕床も呌んでいた子どもたちぞ蚘憶が぀ながっおいく。その重なり方も印象的でした。昔の仕事を振り返るだけではなく、母芪になった珟圚があるからこそ、保護者から蚀われた「宝物です」ずいう蚀葉の意味も、圓時ずは少し違っお芋えおいるのかもしれたせん。

 そしお最埌には、再び嚘の「タケコプタヌ」ぞ戻っおくる。䜕でもない朝の光景が、曞き残すこずで未来の宝物になっおいく。竹ずんがが過去ず珟圚をくるりず぀なぐような、やさしい䜙韻の残る䞀篇でした。

ほしうめはなんか話したいさんずきめきは、TSUTAYAの棚から始たった

 䞀番印象に残ったのは、TSUTAYAを「借りる堎所」ではなく、「探しおいなかったものに出䌚う堎所」ずしお思い出しおいるずころでした。棚を歩き、知らない衚玙に目が止たり、予定になかった䞀本をカゎぞ入れる。䟿利になった今だからこそ、あの寄り道そのものが嚯楜だったのだず気づかされたす。

 ほしうめさんの語りは、昔のアルバムを眺めおいたはずなのに、気になった䞀枚から急に怜玢を始めるようです。「懐かしいなあ」で閉じず、「ずころで今どうなっおるんだろう」ず調べに行く。その奜奇心のおかげで、思い出話が過去だけに留たりたせん。

 読みながら浮かんだのは、土曜日のTSUTAYAの棚を目的もなく歩く景色でした。サブスクにはない、䜕に出䌚うか分からない時間たで懐かしくなりたす。

 TSUTAYA倧量閉店のニュヌスから始たった小さな寂しさを抱えお、ほしうめさんが「今」を芗きにいく。懐かしいだけでは終わらない、その寄り道に぀いおいきたくなる䞀篇でした。

ホ゜ピヌのむタリア郷土料理さんたのむお願いだからクリヌムの神様、降りおきお。 できれば締切前に

 䞀番印象に残ったのは、詊䜜品を食べた瞬間の「普通  普通」でした。矎味しくできたのに、それではダメ。本職のむタリア料理だからこそ、「矎味しい」のさらに先を求めお、自分で振り出しぞ戻っおしたう。その厳しさに、料理人ずしおの本気が芋えたす。

 ホ゜ピヌさんの語りは、厚房の䞭を芗いおいるようでした。頭の䞭ではクリヌムの神様を探しお走り回り、デッサンを描けば嚘に䞀刀䞡断され、ようやく皿ぞ着地したず思えば今床は自分でダメ出しする。真剣勝負なのに、倱敗や迷走たで笑いにしお芋せおくれるので、重くならず、その詊行錯誀を䞀緒に楜しめたす。

 読み終えお残ったのは、ただ䜕も完成しおいない厚房の景色でした。考えお、䜜っお、食べお、たた考える。その途䞭にいる人の熱が、そのたた文章から立ち䞊っおいたす。

 「革新的なクリヌム料理っお䜕」ずいう答えのない問いから、料理人はどんな䞀皿ぞ蟿り着くのか。クリヌムの神様が降りおくる瞬間たで、ちょっず芗いおいたくなる䞀篇でした。

蛍さんリングずいう名の玠晎らしい戊堎ず、ノヌトバトラヌに祝犏を莈りたい

 䞀番印象に残ったのは、4本目の「私はただ、人の蚀葉を読めるんだ」ずいう蚀葉でした。ゲヌムのボスずしお䜕床も倒される話、恋愛を脳科孊から眺める話、育児を営業に眮き換える話ず賑やかに走っおきたあずだからこそ、蚘憶が薄れおいく䞭で「読めた」「芚えおいた」ずいう小さな出来事の重みが匷く残りたす。

 蛍さんの文章は、ひず぀の出来事をそのたた眮かず、手元の石を䜕床もひっくり返しお「こっちから芋たらどうだろう」ず確かめるような面癜さがありたす。ゲヌムから人ずの぀ながりぞ、恋愛から脳ぞ、育児から営業ぞ。同じものでも芋る角床を倉えながら、自分なりの意味を探しおいきたす。

 4本を読み終えお浮かんだのは、たくさんの人が行き亀うnoteの景色でした。カヌドやバトン、アむコンや文章。䞀芋するず小さなものが人から人ぞ枡り、それが誰かにずっお思いがけず倧切なものになる。

 なぜ蛍さんがこれほど「぀ながるこず」を曞くのか。その背景たで知るず、最初の賑やかなノヌトバトラヌの景色も、少し違っお芋えおくる4䜜品でした。

piyo〜n!さん倧䞈倫です、女性ですから安心しおください

 䞀番印象に残ったのは、芖線を向けおくる女性を芋た瞬間、過去に男性ず間違われた蚘憶が䞀気に蘇るずころでした。レディヌスデヌで自分だけデザヌトがなかったり、女子トむレで驚かれたり。その経隓があるからこそ、「たた誀解させおしたった」ず考えるのがぎよヌんさんにずっおはものすごく自然なんですよね。読んでいるこちらたで、その前提をすっかり信じおしたいたす。

 そこぞ「少しクネクネしお女性らしさを出そうか」ずいう発想が入るのも面癜い。怪したれないために取ろうずしおいる行動が、むしろ怪しさを増しそうで、本人の焊りず読者から芋た可笑しさがどんどんズレおいきたす。

 そしお読み終えおから振り返るず、冒頭で長女に「もっず䜙裕を持っお支床をしなさい」ず泚意しおいた堎面たで違っお芋えおきたした。嚘は時間をかけお身支床をし、母は「塟の送りだけだから」ずほずんど確認せずに出発する。誰かに向けた小蚀が、少し圢を倉えお自分ぞ垰っおきたようにも感じたす。

 貎重な四時間のひずり時間を楜しみにしおいただけなのに、したむらぞ寄ったこずで劙な疑惑をひずりで育お、プリンを貪っお寝萜ちするずころたで転がっおいく。ぎよヌんさんにずっおは封印したい䞀日でしょうが、倱敗した日の恥ずかしさたで笑える思い出に倉えおしたう語りが楜しい䞀篇でした。

BLUEさんルヌルの䜙癜

 䞀番印象に残ったのは、「。」から始たるタむトルなんおどうすればいいんだ、ずいう疑問から、しりずりのルヌルそのものを考え始めたずころでした。「。」はマルず読める。「人」は文字なら最埌が人だけれど、音なら「ん」。普通なら流しおしたう境界で立ち止たり、そこに遊び堎を芋぀けおいたす。

 BLUEさんの文章は、蚀葉の端にある小さな糞を芋぀けるず、それを匕っ匵りながらどこたでも歩いおいくようです。秋桜からMr.Children、ラブコヌルから゚ッセむしりずり、そしお句点から「ル」ぞ。寄り道しおいるようで、その寄り道自䜓が思考の道筋になっおいたす。

 読み終えお残ったのは、決たりごずは窮屈にするものだけではなく、決たりがあるからこそ芋぀かる自由もあるのだずいう感芚でした。たった䞀文字を枡すだけの䌁画なのに、その䞀文字の読み方にたで䞖界を広げおしたう。

 「しりずりっお、そもそも䜕を぀ないでいるんだろう」。そんなこずたで考えたくなる、蚀葉遊びの䜙癜を楜しむ䞀篇でした。

文具さんではないのだよ、父よ。

 「それは、ししずうではないのだよ、父よ。」から始たった心のツッコミが、い぀の間にか野菜畑を飛び出しお、ATM、入れ歯掗浄スプレヌ、クむックルりェットシヌト、癜髪ネギぞず暎走しおいく。この「父よ」の畳みかけが、ずにかく楜しい。

 䞀぀ひず぀は「うちの芪もこういうこずする」ず笑える小さな話なのに、䞊んでいくほど父芪ずいう人物が芋えおきたす。育おおいる野菜の名前すら怪しいのに畑仕事を楜しみ、「たたに蟛いのもあるんだよナ」ずハラペヌニョをししずうずしお普通に食べおいる。お父さんが䜕も気にしおいないのも可笑しい。

 でも、読埌に残ったのは父芪ぞの呆れより、なんだかんだ毎週䌚い、畑の野菜を山ほど持たされ、その䞀぀ひず぀を芚えおいる文具さんの姿でした。「いい加枛にしお、父よ」ず蚀いながら、最埌にはハラペヌニョの正䜓を教えるかどうかたで楜しんでいる。ツッコミの数だけ父ずの日垞がある。

 来幎もきっず䜕か違うものを怍えおいる気がしたす。そのずきも本人だけは自信満々に、たったく別の野菜の名前を蚀っおいおほしい。そんな父嚘の次の土曜日たで芗いおみたくなる䞀篇でした。

hell_homeさん腹具合が悪い日は、䞀日䞉回は座る。

 䞀番印象に残ったのは、「矊がい、矊がろ、矊がは」ず、いろは順で矊を数え始めるずころでした。眠るための矊から「Sleep」、虎、うさぎ、犬、いろは歌ぞ。トむレに座っお腹痛の原因を考えおいたはずなのに、思考が連想ゲヌムのように勝手に転がっおいきたす。

 hell_homeさんの語りは、寝る盎前の頭の䞭をそのたた芗いおいるようです。ひず぀の蚀葉から別の蚀葉ぞ、理屈があるような、ないような道をふらふら歩いおいる。その取り留めのなさ自䜓が心地よく、読んでいるこちらたで少し眠気に匕っ匵られたす。

 読み終えたあずに残るのは、垃団の䞭で意識が途切れる寞前のような、がんやりした景色でした。タむトルは劙に具䜓的な「腹具合」の話なのに、そこから矊を远いかけおいるうちに、い぀の間にか珟実ず倢の境目たで連れおいかれる。その䞍思議な挂流を味わっおほしい䞀篇です。

ペル゚さんフルスむングを䌑んで、ガリガリ君

 䞀番印象に残ったのは、「䌑むこず」をフルスむングではなくバントずしお捉え盎しおいるずころでした。有絊を取るこずにすら眪悪感を抱いおいた自分の䌑息ず、甲子園でチヌムのために䞀球で決めたバント。その二぀が重なるこずで、「䌑む止たる」ではなく、「たた戻るための遞択」ぞ意味が倉わっおいきたす。

 ペル゚さんの文章は、ずっずフルスむングを続けおきた人が、ようやくバットを短く持ち盎すたでの蚘録のようでした。クリニックぞ行き、昌寝をし、本を敎理し、嚘ずガリガリ君を食べる。劇的に元気になるわけではなく、「岩が石くらいになる」ずいう回埩の描き方も文章の枩床に合っおいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、倏の終わりに少し力を抜いお立っおいる芪子の景色でした。頑匵るこずばかりが前進ではない。そんなこずを、説教ではなく、有絊ずガリガリ君ず䞀本のバントから受け取れる。「フルスむングを䌑んで」がどう甲子園ぞ぀ながるのか、その流れごず読んでみたくなる䞀篇です。

ぞろんさんさらさら流れる小川の息吹は、毎日繰り返す、あたらしい出䌚い

 䞀番印象に残ったのは、毎朝どこにあるか分からない゚アコンのリモコンを「䞀期䞀䌚」ず呌んでしたうずころでした。䜕も起きない圚宅勀務の朝なのに、寝起きからリモコンを探しお仕事を始めるたでの時間で䞀本の読み物になっおいたす。

 ぞろんさんの語りは、六畳ほどの日垞ぞ倧げさな実況垭を持ち蟌むようです。真倏の湿気は陰湿な敵ずなり、自分は「盆地湿気サバむバヌ」、い぀もの朝は「日垞戊線」。壮倧な蚀葉を䜿えば䜿うほど、実際にやっおいるこずがスヌヌズずリモコン探しなのが可笑しい。その萜差が独特です。

 読み終えお残るのは、゚アコンの颚が流れる郚屋でコヌヒヌを飲みながら、い぀もの䞀日がゆっくり始たっおいく景色でした。「自宅から䞀歩も倖に出ない」を掲げながら、頭の䞭ではずいぶん遠くたで出かけおいる。䜕も起きない朝をどこたで面癜がれるのか、その脳内散歩を芗いおみたくなる䞀篇です。

ぜんさんちょっずたっお。

 䞀番印象に残ったのは、「寂しかったのかな」ず幞せいっぱいに受け取っおいた飌い䞻の芖点が、たった䞀぀の怜玢結果でぐらりず揺れるずころでした。かわいがっおいる偎ほど、盞手の行動を自分に郜合よく解釈しおしたう。その小さな勘違いが、ずおも人間らしいです。

 ぜんさんの文章は、ふわふわの毛垃にくるたっおいたら、最埌に䞭から小さな針が䞀本出おくるよう。ハムスタヌぞの愛情をたっぷり芋せながら、少しず぀「ん」を育おおいくので、こちらも䞀緒になっお真盞を知りたくなりたす。

 読み終えたあずには、倜の静かな郚屋で、小さな癜い䜓が回し車を黙々ず回しおいる景色が残りたした。あれは喜びなのか、それずも別の理由なのか。ペットの行動を勝手に翻蚳しおいる飌い䞻なら、少しドキッずする䞀篇です。

ほんのちょっず困っおるさんぞぶん(そのようなもの)に぀いお

 䞀番印象に残ったのは、4歳の子どもぞ「死しお無に垰す」ず真正面から䌝え、倧ショックを䞎えおしたった経隓から、「やさしい物語」の意味を考え盎しおいるずころでした。事実を䌝えるこずが必ずしも正解ではなく、確かめようのないこずなら、人が怖がらずに生きられる物語を信じおもいい。その気づきに実䜓隓があるからこその重みがありたす。

 ずころが、極楜浄土を受け入れ始めた途端、ゞョン・レノンや祖母やティモシヌ・シャラメがいる「豪華キャスト」の䞖界になり、今床は着替えや没幎霢たで心配し始める。この、真面目な問いを考えおいたはずなのに、想像がどんどん生掻臭を垯びおいく語り口が面癜いです。

 死に぀いおの話なのに、読み終えたあずに残る景色は意倖ず明るい。倩囜が本圓にあるかどうかではなく、「あるならどんなずころだろう」ず想像できるだけで、怖さは少し圢を倉えるのかもしれたせん。最埌にはゞョン・レノンに盞手にしおもらえる幎霢たで気になっおくる、その軜やかさたで含めお「やさしい物語」になっおいる䞀篇でした。

MARQEE48|勇者マヌキヌさんたしかくの付箋に、たじな顔でネタを曞く話。

 䞀番印象に残ったのは、久しぶりの仕事の打ち合わせ䞭なのに、頭の片隅ではずっず「た」から始たる蚀葉を探しおいるずころでした。真剣な顔で付箋にくだらないネタを曞き留める。その仕事モヌドずnoteモヌドの同居が可笑しいです。

 勇者マヌキヌさんの語りは、日垞を党郚RPGのフィヌルドに倉えおしたう攻略日蚘のよう。打ち合わせも「ク゚スト」、メモも「コマンド」になり、少し気の重い出来事たで経隓倀ぞ倉換しおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、付箋ずペンさえあれば、退屈な時間や緊匵する堎面にも小さな冒険が隠れおいるような感芚でした。「た」ずいう䞀文字を抱えお仕事ぞ向かった勇者が、どんなネタを拟っお垰っおくるのか。その芖点の切り替わりを远いかけるのが楜しい䞀篇です。

たいさん元気になった嚘☺

 䞀番印象に残ったのは、「元気になっおよかった」ず喜びながら、その元気さたで心配しおいるずころでした。孊校ぞ行ければ嬉しい。でも培倜しおたで日蚘を曞けば心配になる。「元気な時も、元気じゃない時も心配なんお、芪っお結構わがたたなのかもしれない」ずいう蚀葉に、芋守る偎の耇雑さが詰たっおいたす。

 たいさんの語りは、嚘さんの様子を少し離れたずころから芋守る定点カメラのようです。マクドナルドで倢䞭になっお日蚘を曞く姿も、先生ずの䜕気ない䌚話も、止めすぎず、でも気にかけながら眺めおいる。その距離感が文章党䜓をやわらかくしおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、「元気」ずいう蚀葉ひず぀では枬れない芪子の日垞でした。笑っおいおほしい、奜きなこずを楜しんでほしい。でも無理はしおほしくない。そんな盞反する願いを抱えながら嚘を芋守る「パパ」の目線を远っおいるず、この芪子をもう少し知りたくなる䞀篇です。

毎日人間さんルヌキヌは確かに頭がおかしかった。他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、日垞の出来事が毎日人間さんの頭を通った瞬間、党郚やたらず壮倧になるこずでした。「玅癜なたす」を「玅癜なたず」だず思えば、介護斜蚭ぞ生きたナマズが搬入され、自分が仕留めるずころたで想像する。バトンを3本受け取れば、今床は24時間テレビのチャリティヌランナヌに䞉床遞出されたような隒ぎになる。想像力に垞時タヌボがかかっおいたす。

 しかも、本人だけがその䞖界を倧真面目に走っおいるのが楜しい。バトンには人栌が生たれ、玄関ぞやっお来お、い぀しか盞棒のような存圚にたでなっおいく。珟実ず劄想の境目を軜々ず飛び越えおしたう語り口に、次は䜕が起こるのかず匕っ匵られたした。

 2本を読み終えお残るのは、ずにかく賑やかな景色です。介護珟堎の日垞も、noteの䌁画も、この人に枡すず䜕かがおかしくなる。タむトルの時点で「どういうこず」ず思ったなら、そのたた芗いおみおほしい2䜜品でした。

たきさんZIPはシマ゚ナガに。

 䞀番印象に残ったのは、「きっず䞊手になっおしたったら、少し寂しい。そしお、狙いだしたら぀たらない」ずいうずころでした。普通なら䞀幎続ければ「䞊達」を芋぀けたくなるのに、倉わらない䞍噚甚さたで成長蚘録ずしお愛でおいる。その芋方が家族の朝の枩床をそのたた衚しおいる気がしたす。

 たきさんのこの゚ッセむは、毎朝6時55分に開挔する小さなホヌムステヌゞを、客垭から笑いながら蚘録しおいるようです。䞻圹は真剣そのものなのに、歯磚きしながら集たる旊那さん、螊らない兄匟、的確なのに届かない䞉男のアドバむスず、脇圹が勝手に増えおいく。次男くんが笑わせようずしおいないからこそ、家族みんなが぀られお集たっおしたう光景が可笑しいです。

 読み終えたあずに残るのは、「ピペッ」の決めポヌズを囲む家族の朝でした。䞊手にできるこずより、楜しそうに続けるこずが呚りを動かすこずもある。去幎はZIP、今幎はシマ゚ナガ。来幎の朝6時55分には䜕を螊っおいるのだろうず、少し先たで芗いおみたくなる䞀篇です。

たこずさん人間になりたい他、蚈2本

 『人間になりたい』で䞀番印象に残ったのは、「自由」を求め続けた先で、足りなかったのは時間ではなく、人ずの「間」だったず気づくずころでした。「人」ず「人間」の䞀文字の違いから、自分の生き方そのものを芋盎しおいく。その思考は、静かな湖ぞ石を萜ずしたあず、波王がどこたでも広がっおいくようです。

 䞀方の『競銬』では、ゎヌルドシップの砎倩荒さを次々ず䞊べながら、それでも惹かれおしたう理由が短い文章の䞭に残りたす。理屈では割り切れないものを、「それでも奜き」ず眺め続ける芖線は、長い䞀篇ずはたた違った魅力でした。

 䞀人でいる自由、人ず぀ながる意味、そしお予枬䞍胜な銬ぞの愛着。たこずさんが䜕に心を動かされ、そこから䜕を考える人なのかが、二぀の䜜品から違った角床で芋えおくるようでした。

雅さん「癜を超えた透き通る青い空」他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「癜」が自由に遞んだ色ではなく、「遞ばされた色」だったずいうずころでした。日本で高校教員をしおいた頃の癜いワむシャツず、ニュヌゞヌランドぞ枡っおから自然ず着なくなった癜。その違いから、い぀の間にか埓っおいたルヌルの存圚が浮かび䞊がっおきたす。

 雅さんの文章は、ひず぀の蚀葉に觊れるず、そこから蚘憶や蚀葉が氎王のように広がっおいく。しりずりから英語のWord Chainぞ、「癜」からワむシャツ、ルヌル、自由ぞ。寄り道を重ねながら、自分にずっおその蚀葉が䜕を意味するのかを探しおいく語りが印象的です。

 読み終えたあずに残ったのは、タむトルにもある柄んだ青空の景色でした。同時に、自由ずは䜕もない堎所ではなく、䜕かずの境界があっお初めお意識するものなのかもしれない、ずいう感芚も残りたす。

 たった䞀文字の「癜」から、どこたで遠くぞ行けるのか。しりずりのバトンを受け取ったはずが、い぀の間にか色ず自由に぀いお考えおいる。その思考の散歩を䞀緒に歩きたくなる䞀篇でした。

makotoさん逅は添えるだけ

 䞀番印象に残ったのは、「焌き逅」の由来を調べお、どうやら重芁なのは「焌く」であり「逅」は添えられただけらしいず知った瞬間、ならば海老でもそばでもリンゎでもいいはずだ、ず勝手に日本語の改造を始めるずころでした。調べお終わらず、芋぀けた隙間ぞ党力で遊びに行くのが面癜いです。

 makotoさんの文章は、ひず぀の蚀葉を転がすたびに別の蚀葉がくっ぀いお、気づけば巚倧な雪だるたになっおいるよう。逅から嫉劬ぞ、ダゞャレぞ、英語字幕ぞ、さらに劄想たで、脱線しおいるはずなのに蚀葉の連想だけは途切れたせん。

 読み終えお残るのは、蟞曞の片隅から始たった蚀葉遊びの宎䌚を眺めおいたような賑やかさ。「焌き逅」の逅には本圓に意味がないのか。そんな小さな疑問から、どこたで話を膚らたせられるのか芗いおみたくなる䞀篇でした。

MASAHIKさん「類るいは友を呌ぶ」

 䞀番印象に残ったのは、「類は友を呌ぶ」ず蚀いながら、埅っおいるのではなく自分から同類を芋぀けお突撃しおいるずころでした。パロディ、トムずゞェリヌ、䞍思議な䜓隓、ハンギョドン。共通点をひず぀芋぀けるたびに、「同類だ」ず距離を瞮めおいきたす。

 MASAHIKさんの語りは、人ずの共通点を探知するレヌダヌを積んで歩いおいるようです。しかも反応するず、自分から近づいおいく。自己玹介ずしお経歎を䞊べるのではなく、「䜕に反応し、誰ず぀ながっおきたか」で自分を芋せるずころが面癜いです。

 読み終えお残るのは、noteを始めお3か月の人の呚りに、奜きなものを介しお人が集たっおいく賑やかな景色でした。「類は友を呌ぶ」は本圓なのか。それずも、類を芋぀けるのが䞊手い人がいるだけなのか。そんなこずを考えながら読みたくなる䞀篇です。

たしろさん党然倧䞈倫だず思ったんだけど。

 䞀番印象に残ったのは、「党然倧䞈倫だず思ったんだけど」ずたしろさん本人だけが思っおいるずころでした。桃パフェを䜜るだけの集たりなのに、掃陀、買い出し、お菓子、お぀たみ、軜食たで甚意し、圓日はテヌブルずキッチンを埀埩。読者には途䞭から「それ、倧䞈倫じゃないぞ」が芋えおいるのに、本人は最埌たで党力です。

 その頑匵りを「おもおなし䞊手」ず綺麗にたずめず、「謎のホスピタリティを爆発させた」ず笑っおしたう語り口も楜しいずころ。自䜜パフェが友人たちより50円高かったこずを「50円の勝利」ず喜ぶ小ささも含めお、たしろさんの人柄がよく芋えたす。

 楜しかった䞀日の翌日、すべおの反動を受けおゎロンゎロンする姿たでが、この桃パフェ䌚なのでしょう。誰かを楜したせたくお、぀い120たでやっおしたう。そんな「ちょっず頑匵りすぎた䌑日」に芚えのある人ほど、笑いながら頷いおしたう䞀篇でした。

た぀の劻さんたごず婆ちゃんのスむカ

 䞀番印象に残ったのは、産盎垂で芋かけた祖母ず孫の姿から、二人が乗っおきた車や、その埌の食卓たで想像が広がっおいくずころでした。ほんの数分すれ違っただけの他人なのに、「婆ちゃん、スむカ奜きやもんな」の䞀蚀から、その家族が過ごしおきた時間たで芋えおくるようです。

 た぀の劻さんの芖線は、道端で拟った小石を手のひらでゆっくり転がすよう。目の前の光景を急いで意味づけず、自分の母ず孫の蚘憶を重ねながら、「孫っお䜕十幎か経っおから受け取るギフトなのかもしれない」ずいうずころたで静かに思いを巡らせおいきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、高い倩窓から倏の日差しが差し蟌む産盎垂ず、その䞋に䞊ぶ祖母ず孫の埌ろ姿でした。スむカを遞んでいるだけの䜕気ない光景が、誰かの人生を想像するこずでこんなにもたぶしくなる。

 知らない二人の䜕気ない䌚話から、自分の家族や、長い時間の先にある関係ぞ。ひず玉のスむカをきっかけに、そんなずころたで連れおいっおくれる䞀篇です。

たどかママさん寝顔に癒される😍毎晩思うこず

 䞀番印象に残ったのは、昌間どれだけむラむラしおいおも、寝顔を芋た瞬間に「明日はもう少し優しくしおあげよう」ず思えるずころでした。怒っおしたった自分ぞの反省ず、それでもやっぱり可愛いずいう気持ち。その䞡方が毎晩同じ堎所ぞ戻っおきたす。

 たどかママさんの語りは、䞀日の終わりに抌す「リセットボタン」のようです。プリンセスごっこやペヌグルトに振り回される慌ただしさも隠さず、それでも眠った二人を前にするず、昌間のトゲトゲした気持ちが少しず぀ほどけおいく。理想の母芪像ではなく、怒ったり反省したりする日垞をそのたた曞いおいるからこそ、芪しみを感じたした。

 読み終えお残るのは、静かな郚屋で二人の小さな寝息を聞いおいる倜の景色です。子育おの䞀日は、きれいに反省しお終わるわけでも、翌日から完璧に倉われるわけでもない。それでも毎晩たた「倧奜きだなぁ」ず思える。

 昌ず倜でこんなにも倉わる芪の気持ち。その繰り返しを芗いおみたくなる䞀篇でした。

豆ず小鳥さんはずぜっぜほろほろハヒフヘホ

 䞀番印象に残ったのは、老化ぞの䞍安から「䜕を残したいか」を考え、たどり着いた答えが「声」だったずころです。シミも蚘憶力も䜓力も党郚は守れない。だからこそ、自分が倧切にしたいものをひず぀遞ぶ。その絞り方に、その豆ず小鳥さんらしい生き方が芋えたした。

 豆ず小鳥さんの文章は、叀い箪笥の匕き出しをひず぀開けたら、その奥からたた別の匕き出しが珟れるようです。老化の話から発声緎習ぞ、「あめんがの歌」から団地の先茩、さらに叀兞ぞ。思い出すたびに話が暪ぞ広がるのに、最埌には「これからどう幎を重ねたいか」ずいう䞀本の線に぀ながっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、倕暮れの鎌倉で、少し背筋を䌞ばしお声を出しおいる人の姿でした。老いるこずを嘆くではなく、玠敵な先茩を芋぀けお、自分も少しず぀近づこうずする。その時間の重ね方が静かに心地いいです。

 「は」から始たるタむトルを探しおいたはずが、発声緎習ず老化ず叀兞たで぀ながっおいく。タむトルの劙な響きに惹かれた人ほど、その先にある幎霢ずの付き合い方たで芗いおみたくなる䞀篇でした。

mayoさん「歳を重ねるずいうこずは」

 䞀番印象に残ったのは、「50代、老いを受け入れるにはただ早く、受け入れないのは朔くない気がする」ずいう揺れでした。若い぀もりでいたいわけでも、幎霢を達芳しお受け入れたいわけでもない。その間で「今の自分」を探しおいる感じに、ずおも実感がありたす。

 myaoさんの語り口は、詊着宀の䞉面鏡みたいです。鏡に映った自分ぞ「誰」ず驚き、女優たちの蚀葉に背䞭を抌され、今床は少し離れたずころから自分自身ぞツッコミを入れる。老いずいう重くなりがちな題材を、深刻にしすぎず、かずいっお笑い飛ばしもしない。その距離感が心地よかったです。

 読み終えたあずに残ったのは、黒やグレヌの服が䞊ぶ䞭に、鮮やかな色がひず぀眮かれおいるような景色でした。歳を重ねるこずは、䜕かを諊めお色耪せおいくこずではなく、その幎霢だから遞べる色を少しず぀増やしおいくこずなのかもしれたせん。

 「自分はいた䜕歳なんだろう」ずいう小さな違和感から、老いずの付き合い方を軜やかに考えおいく䞀篇。幎霢の数字が少し気になり始めた人ほど、芗いおみたくなるず思いたす。

迷える倧矊さんりリ科

 䞀番印象に残ったのは、きゅうりを切る「スパヌン」ずいう感觊から、西日の傟き、青い銙り、倏の終わりぞず景色が静かに広がっおいくずころでした。料理の手順を曞いおいるのに、台所の枩床や匂いたで届いおくるようです。

 迷える倧矊さんの文章は、ひず぀の食材を虫県鏡で眺めおいるうちに、その向こうに季節たで芋぀けおしたうような語り口。「芋知った野菜の知らない顔」ずいう蚀葉どおり、普段なら脇圹になりがちなきゅうりから、切り方、銙り、色、倕暮れたで拟っおいく芖点が印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、西日の差す台所ず、火を通したきゅうりの青い銙り。ずころが、この䜜品はそんな綺麗な䜙韻だけでは垰しおくれたせん。「以䞊、本文。」の先にただ倧量の文章が埅っおいる。その振れ幅たで含めお、どこたでが本線なのか分からなくなるような楜しい䞀篇でした。

マリモさん『メルちゃんずお颚呂』

 䞀番印象に残ったのは、姉効にずっおはただ楜しい「髪の色が倉わる遊び」が、倧人の目を通した瞬間に「枩冷济を繰り返す過酷な修行」ぞ倉わるずころでした。同じ光景なのに、芋る偎が倉わるだけで物隒になる。その芖点のズレが面癜いです。

 マリモさんの語りは、子どもの無邪気な遊びに、倧人が事件性を芋いだしおいくよう。脱ぎ散らかされた小さな服や、济宀に残されたおもちゃたで、最初は埮笑たしい日垞なのに、ひずりで颚呂ぞ入ったずころから空気が倉わっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、湯気の立぀静かな济宀ず、その䞭にある劙に䞍穏な光景。子どもの遊びをマリモさんが別ゞャンルぞ倉えおしたう、その想像力が楜しい䞀篇でした。

たるさんサングリアbyストレむシヌプ

 䞀番印象に残ったのは、友人の結婚を心から祝犏したい気持ちず、「結婚しおほしくなかった」ずいう気持ちが、どちらも本物ずしお䞊んでいるずころでした。どちらかを間違いずしお消さず、矛盟したたた抱えおいる。その感情の描き方が静かに残りたす。

 たるさんの語りは、ほんずサングリアを䜜るようでした。奜き、寂しい、祝いたい、そばにいおほしい。別々なら説明できる感情をひず぀のグラスぞ入れ、少しず぀混ざっおいく様子を芋せおいく。店䞻も答えを䞎えず、ただ話を聞いおいるからこそ、本人が自分の気持ちに觊れおいく時間が䞁寧に䌝わっおきたした。

 読み終えたあずに残るのは、赀いサングリアのグラスず、その䞭に浮かぶ色ずりどりの果物です。人の気持ちは、ひず぀の蚀葉できれいに分類できるものではない。そんな耇雑さを吊定せず、そっず眮いおくれる䞀篇でした。

たる🌕さんのんびりいこうよ、のんびりいこうか

 䞀番印象に残ったのは、せっかく立お盎そうずしお䜜ったハムチヌズトヌストたで、よりによっお具の面を䞋にしお萜ずしおしたうずころでした。小さな䞍運が積み重なった日に限っお、最埌の䞀抌したで劙に容赊がない。その「今日はもう勘匁しお」ずいう感じがよく䌝わっおきたす。

 たるさんの文章は、転んだあずに「たあ倧䞈倫」ず立ち䞊がった瞬間、もう䞀床぀たずくようです。それでも自分を責め続けるのではなく、「そんな日もある」ず䜕床も蚀い聞かせながら、少しず぀気持ちの眮き堎所を探しおいく。その玠盎な揺れ方に芪しみを感じたした。

 読み終えたあずには、散歩道の空気ず、ふっず肩の力が抜けるような静けさが残りたす。䜕をしおもうたくいかない日を無理やり良い日に倉えなくおも、いったん速床を萜ずすだけで景色は少し倉わる。そんな䞀日を、ハムチヌズトヌストず䞀匹の猫が連れおいく䞀篇でした。

Maruさんるんちゃんず祖母の倏䌑み他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、どちらの䜜品にも「同じ堎所に、昔ず今が重なっお芋える瞬間」があるこずでした。小さなビニヌルプヌルには、か぀おそこで遊んだ自分たちず、今そこで遊ぶひ孫の姿が重なり、山がなくなったバス停には、祖父が眺めおいた緑の景色が残っおいる。堎所が蚘憶を呌び戻す瞬間が、ずおも自然に描かれおいたす。

 Maruさんの文章は、叀いアルバムの写真を䞀枚ず぀めくりながら、今の景色ずそっず重ねおいくようです。倧きな出来事を語るのではなく、プヌルの氎しぶきや祖父の䜕気ないひず蚀から、家族の時間や街の倉化たでゆっくり広がっおいく。その穏やかな芖線が印象に残りたした。

 読み終えたあずには、「今ある景色も、い぀か思い出になるんだろうな」ずいう少しの寂しさず枩かさが残りたす。䜕気なく過ごしおいる堎所に、家族の䜕幎分もの時間が重なっおいる。そんな景色をもう䞀床芋぀めたくなる2篇でした。

䞞海マロさんしりずりの思い出

 䞀番印象に残ったのは、湯船の䞭で「もぐらの子どもの子どもの子ども  」ず、しりずりのルヌルをほずんど壊しながら姉効で笑い続けた堎面でした。子どもの頃っお、意味もなく同じこずを繰り返すだけで、どうしおあんなに笑えたんだろうず思わされたす。

 䞞海マロさんの語りは、叀いおもちゃ箱をひっくり返しお、「これ䜕だったっけ」ず笑いながら䞀぀ず぀拟い盎すようです。お母さんをごはんに芋立おたこずも、姉のおかずが䜕だったか忘れたこずも、その曖昧さごず蚘憶の枩床になっおいるのがいい。

 読み終えたあずに残るのは、狭い湯船の湯気ず、昔の笑い声です。懐かしい思い出をただ「戻れない頃」ずしお閉じず、今の暮らしにもどこか続いおいる気配がある。その぀ながりを確かめるような、あたたかい䞀篇でした。

萬谷 安斎さん「ぷ」

 䞀番印象に残ったのは、「ぷ」ずいう䞀文字を前にしお、蚀葉そのものを遊び堎にしおしたうずころでした。プリンやプヌさんから始たり、オノマトペ、フランス語、英語、スペむン語ぞ。普通ならタむトルをひず぀探しお終わるずころを、「ぷ」の呚囲を掘り始めおしたいたす。

 萬屋さんの思考は、ひず぀の蚀葉を投げ蟌むず次々に別の蚀葉が匟け出すピンボヌル台のようです。意味だけでなく、音や語感たで拟っお跳ね回り、い぀の間にか䞀行詩が生たれ、宇宙ぞ飛び出しおいる。その飛躍を本人も止めようずしないずころが面癜い。

 読み終えお残るのは、倜䞭に蟞曞や怜玢窓を開きながら、面癜い蚀葉を芋぀けるたびに寄り道しおいるような景色でした。

 たった䞀文字の「ぷ」から、どこたで遠くぞ行けるのか。しりずりずいう制玄を窮屈がるどころか、その䞀文字を入口に遊び尜くしおいく䞀篇です。

Mieさんスむカバヌ🍉の完成床にむせび泣き぀぀、アむツGの䞍思議に遭遇した...なずぅの倜

 䞀番印象に残ったのは、嫌われ者の「G」を芋぀けお逃げるどころか、しゃがみ蟌んでもう䞀床芳察しおしたうずころでした。「気持ち悪い」ず蚀いながら、「でも、なにかが違う」。恐怖より奜奇心がほんの少し勝っおしたう。その結果、芋慣れたはずの虫から思いがけない姿を発芋するのが面癜いです。

 Mieさんの語りは、ひず぀扉を開けるず、その奥からたた別の扉が珟れる迷路のようでした。しりずりから昔の挫画ぞ寄り道し、ようやく本題ぞ戻ったず思えば、ゎミ眮堎のカラスを芳察し、そこから「G」の歩き方ぞ。本人も脱線を楜しんでいるので、「次は䜕を芋぀けるんだろう」ず䞀緒に芗き蟌みたくなりたす。

 読み終えお残ったのは、暑い倏の倜、ゎミ眮堎の前で小さな生き物をじっず芳察しおいる姿でした。誰もが避けたくなるものでも、立ち止たっお眺めれば「なんで」が芋぀かる。虫が苊手でも、その奜奇心の行方だけはちょっず芗いおみたくなる䞀篇です。

未桜さん「うちわの先は、本胜寺だった件」あるいは「うちわの先は、本胜寺だった」

 䞀番印象に残ったのは、AIが出した「うちわ」ずいう䞀語から、䜕幎も前の京郜旅行が䞞ごず蘇っおいくずころでした。蚘憶ずいうのは䞍思議なもので、名所そのものより、道を教えおくれたお姉さんや、勝手に創業幎で戊わせた扇子屋さん、迷った末に偶然出䌚った堎所のほうが残っおいたりしたす。

 未桜さんの語りは、目的地を決めたのに脇道ぞ吞い蟌たれおいく京郜散歩のようです。東寺最匷決定戊を開催し、「文政6幎」に謎の戊闘力を感じ、方向音痎さえ偶然の出䌚いぞ倉えおしたう。話は寄り道するのに、その寄り道こそが読みどころになっおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、地図どおりに歩かなかった旅ほど、劙に鮮明に芚えおいるものかもしれないずいう感芚でした。たった䞀語から昔の京郜ぞ戻っおいく蚘憶の散歩ず、最埌たでしりずりで遊び尜くす発想が楜しい䞀篇です。

みけこさん楜しいからっお、なんでそう〜なるの

 䞀番印象に残ったのは、「老いを受け入れるにはただ早く、受け入れないのは朔くない気がする」ずいう揺れでした。若さにしがみ぀きたいわけではない。でも、もう老いたず決めおしたうのも違う。そのどちらにも寄り切らない感芚が、ずおも自然に曞かれおいたす。

 ゚ッセむも、鏡に映った自分ぞ「誰」「いや、私だ」ず返したかず思えば、岞恵子さんや草笛光子さんの蚀葉ぞ静かに歩いおいく。老いずいう重くなりがちな題材を、深刻さの沌ぞ沈めず、ずころどころで自分自身に小さなツッコミを入れながら進む。みけこさんの語り口は、幎霢ずいう長い坂道を、景色を芋ながら自分の歩幅で登っおいるようでした。

 読み終えお残ったのは、鮮やかなオレンゞの服ず口玅の色です。若く芋せるためではなく、今の自分で今日を少し明るく歩くために遞ぶ色。幎霢を重ねるこずを肯定も吊定もせず、「この幎代も悪くない」ず少しず぀銎染んでいく姿が残りたした。

 「歳を重ねる」ずは、数字が増えるこずなのか、芋た目が倉わるこずなのか、それずも今の自分ずの付き合い方を芚えおいくこずなのか。そんなこずを、鏡の前からそっず考えさせおくれる䞀篇でした。

みずさんいっぱいいっぱい

 䞀番印象に残ったのは、「䜙裕ができたから動いた」のではなく、「いっぱいいっぱいのたた、それでも䞀歩動いおきた」ずいうずころでした。䜕かを始める人を芋るず、芚悟が決たっおいたり、前向きだったりするように芋える。でも、その䞀歩の手前には䜕床も「どうしよう」があった。その告癜によっお、これたでの挑戊の芋え方が倉わりたす。

 みずさんの語りは、立掟な決意衚明ずいうより、荷物を䞡腕いっぱいに抱えたたた「どうしよう」ず蚀い぀぀歩き出しおしたう人を芋おいるようです。テニスも登山も仕事の倉化も、華々しい挑戊ずしお食らず、迷いや䞍安ごず䞊べおいるからこそ、その䞀歩にその人らしさを感じたした。

 読み終えお残るのは、䜕かを始めるために、必ずしも心の䞭をきれいに片づけなくおいいのかもしれない、ずいう少しの安心感です。

 突然枡された「い」のバトンから、自分がこれたで螏み出しおきた䞀歩を振り返っおいく。タむトルの「いっぱいいっぱい」がどんな意味を持っおくるのか、その倉化を远いながら読みたくなる䞀篇でした。

氎守わをんさん⬛どんぶらこだよ、衚珟は

 䞀番印象に残ったのは、「䜜品を公開した瞬間から、その䜜品は桃」ずいう考え方でした。䜜者が倧切に育おお川ぞ流したあずは、どこぞ蟿り着き、誰に拟われ、どう味わわれるかたでは決められない。その距離感を「どんぶらこ」で衚しおしたうずころが面癜いです。

 氎守さんの衚珟ずの向き合い方は、川䞊から桃を芋送る芪のようでした。䞹念に敎えお送り出すたでは䜜者の仕事。でも、流れおいった桃から「桃倪郎」ではなく「桃姫」や「桃じい」が生たれおも、それを間違いずはしない。読み手の解釈たで䜜品の旅路ずしお楜しんでいるのが印象的です。

 読み終えたあずには、川を流れおいくたくさんの䜜品ず、それぞれを奜きなように拟う読者の景色が残りたした。「䜜者の意図を正しく読む」ずは䜕なのか。䜜品を読む偎にも曞く偎にも、ちょっず考えおみたくなる入口がある䞀篇です。

みちさんwww.「おでん 賞味期限 1幎以䞊 食べられる」  いけないっしょ

 䞀番印象に残ったのは、「404日経過」から、そのたた「404 Not Found」ぞ飛んだずころでした。賞味期限切れのおでんを前に、怜玢でなんずかGOサむンをもらおうずしおいたはずなのに、数字の偶然がむンタヌネットの゚ラヌ画面ぞ倉わる。この瞬間、ただの食品ロスの話が䞀気に、この䜜品の笑いぞ倉わっおいたす。

 みちさんの文章は、頭の䞭に小さな法廷ず怜玢窓ずツッコミ圹が同居しおいお、誰かが䜙蚈なこずを蚀うたびに話が暪ぞ広がっおいくようです。「未開封です」「垞枩保存です」ず謎の匁護士が粘った末に、「404日です」で即閉廷。その䞀方で、棚の奥に居続けたおでんを「同居人。家賃払え」ず芋る芖点たで出おくる。ひず぀の出来事を、次々ず別の遊びに倉えおいく勢いが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、棚のいちばん䞋で䞀幎以䞊じっず暮らしおいたおでんの姿でした。そしお「w」から始たったしりずりが、むンタヌネットを経由しお思わぬ堎所ぞ転がっおいく景色も残りたす。なぜ「w」が賞味期限切れのおでんに぀ながるのか。その道筋を远いかけたくなる䞀篇です。

道草ノヌト🌿ゆうさん『ら』から始たる蚀葉を探しおいたら🀭

 䞀番印象に残ったのは、「ら」から始たる蚀葉を探しおいたのに、「楜になる」ずいう今の自分が倧切にしおいるものぞ蟿り着いたずころでした。

 ラッキヌ、ラゞオ䜓操、ラヌメンず、最初はしりずりらしく蚀葉を転がしおいたはずが、ふず自分の内偎ぞ道草しおいく。その寄り道の仕方が、「道草ノヌト」ずいう名前にも䌌合っおいる気がしたす。倧きな答えを探しに行くのではなく、足元に萜ちおいた䞀文字を拟ったら、そこから今の自分が芋えおきたような語りです。

 読み終えたあずに残るのは、頑匵るために拳を握る景色ではなく、少し力を抜いお肩を䞋ろすような感芚でした。「やらなきゃ」を増やすより、「ちょっず楜になる」を芋぀ける。そんな小さな方向転換が優しく残りたす。

 たった䞀文字の「ら」から、ゆうさんが今どんなふうに暮らしおいきたいのかたで芋えおくる。しりずりだからこそ生たれた、静かな自己発芋を芗いおみたくなる䞀篇でした。

みちよさんカナダに行った時のこず

 䞀番印象に残ったのは、「20幎前のカナダ旅行」を、芳光名所ではなく、時間ずいうふるいに残った蚘憶だけで語っおいるずころでした。ナむアガラぞ行ったはずなのに、滝の感動より芚えおいるのは、芪切すぎるカナダ人ず冷凍食品ずク゜たずいピヌナッツチョコ。人の蚘憶っお、案倖こういうものなのかもしれたせん。

 特に奜きなのは、優しいカナダ人なら「ムヌミンが食べおるもの、みたいなもの」を食べおいるはずだず信じ続けるずころ。地図を開けば助けに来る人々から逃げお物陰ぞ隠れたり、タルトに加工しおも救枈できないチョコに絶望したり、自分たちのズレた反応たで含めお笑いにしおしたう語りが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、20幎前の海倖旅行を久しぶりにアルバムから匕っ匵り出したような景色でした。旅先で䜕を芋たかより、そこで䜕に驚き、䜕に腹を立お、䜕を「ク゜たずい」ず思ったか。そんな蚘憶の残り方そのものが面癜い䞀篇でした。

みなおぃさんふ぀うに歩いおいるだけなのに。

 䞀番印象に残ったのは、倖囜人芳光客に道を教えるどころか、気づけば自分のスマホから電波たで分けおいたずころでした。「話しかけられやすい」ずいう話だったはずが、読み進めるほど、話しかけられたあずの察応たで劙に手厚い。本人は「  なんで」ず銖をかしげおいたすが、読んでいる偎には理由がだんだん芋えおくるのが面癜いです。

 みなおぃさんの文章は、街䞭に蚭眮された「困ったずきはこちら」の案内所が、人の姿で普通に歩いおいるようです。旅先でも道を聞かれ、テヌマパヌクでは公匏カメラマンのようになり、぀いには通信環境たで提䟛する。それを「私は芪切な人です」ず語るのではなく、自分自身も「なんで私」ず思いながら振り返っおいる距離感が、この゚ッセむの可笑しさになっおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、「話しかけられ顔」っお顔だけの問題ではないのかもしれない、ずいう小さな発芋でした。本人が考える理由は「歩くのが遅い」「がヌっずしおいる」「人畜無害そう」ですが、それだけでここたで人は寄っおくるのか。ふ぀うに歩いおいるだけなのに、なぜか知らない人の「ちょっずすみたせん」が集たっおくる。その謎を䞀緒に考えながら読みたくなる䞀篇です。

みのりさんズボンをパンツずは呌ばないぞ

 䞀番印象に残ったのは、「パンツ」はどうしおも受け入れられないのに、「ニット」や「スりェット」は普通に䜿っおいるずころでした。新しい蚀葉を党郚拒んでいるわけではなく、みのりさんの䞭にい぀の間にか「ここたでは通す、これは通さない」ずいう境界線ができおいる。その曖昧さが面癜いです。

 みのりさんの蚀葉ぞの感芚は、長幎䜿っおきた単語を䞊べた玄関の靎箱みたいでした。新しい靎も入っおいるのに、「パンツ」だけはどうにも眮き堎所が決たらない。「デニムっ぀ったら生地じゃん」ず、䞀぀ひず぀自分の感芚に照らしお確かめおいく語りにも、昭和から持っおきた蚀葉ぞの頑固さず愛着を感じたす。

 読み終えるず、自分にもこんな「絶察にそっちでは呌ばない蚀葉」があるんじゃないかず探したくなりたした。

 ズボンはい぀からパンツになったのか。そしお、なぜ「ニット」はよくお「パンツ」はダメなのか。そんな誰にも困らない小さな違和感を、みのりさんは倧真面目に守り続けおいるのが楜しい䞀篇でした。

mimi🌻さん「石田君は、初恋の男の子」

 䞀番印象に残ったのは、転校の日、みんなが石田君を囲んでいる䞭で、mimiさんがそっず家ぞ垰った堎面でした。その時にはただ「奜き」ず蚀葉にできおいないのに、垰り道で心に穎が空いたようになる。あずから振り返っお初恋だったず気づく、その時間差がずおも自然でした。

 mimiさんの語りは、昔のアルバムを䞀枚ず぀めくりながら、その写真の倖偎に残っおいた気持ちたで話しおくれるようです。机の䞋で手を握ったこず、絵の担圓を抌し぀けられお泣いたこず、公衆電話ぞ小銭を持っおいったこず。倧きな恋愛事件ではなく、现かな蚘憶が積み重なるほど「ずっず奜きだったんだな」ず䌝わっおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、䌚えなかった時間たで含めお倧切にしたわれた初恋の景色でした。声倉わりや方蚀、知らない土地で過ごした幎月たで、少しず぀遠くなっおいくのに、幌い頃の印象だけは消えない。子どもの頃には名前を぀けられなかった気持ちが、䜕幎もかけおどんな思い出になっおいったのか。自分の初恋たで思い出したくなる䞀篇です。

みみなさんルンバを愛し、ルンバに操られた歳児

 䞀番印象に残ったのは、䜕床促しおもトむレを嫌がっおいた嚘さんが、ルンバが廊䞋を進むずあっさり動いたずころでした。倧人の蚀葉ではびくずもしなかった気持ちが、「ルンちゃん」ず䞀緒なら自然に動く。その3歳らしい䞖界の芋え方がかわいいです。

 みみなさんの文章は、育児䞭に起きた小さなハプニングを、その堎で笑い話に倉えおしたうホヌムビデオのようです。困っおいる最䞭なのに、嚘さんの反応やルンバの動きを少し匕いお芋おいお、日垞の可笑しさを拟っおいたす。

 読み終えたあずには、廊䞋を進むルンバの埌ろを、小さな子どもが䞀生懞呜远いかけおいく姿が残りたした。育児では正論より偶然の䞀手が効くこずがある。そんな芪子の日垞を、ほほえたしく切り取った䞀篇でした。

みむらさんいぬのはるこず過ごした、ある倏の日

 䞀番印象に残ったのは、はるこさんが最悪の事態を想像しお青ざめおいる暪で、はるこちゃんは䜕事もなかったようにハリヌさんをぶん回しおいるずころでした。この枩床差が、犬ず暮らしおいるずきの「あるある」そのものです。

 みむらさんの語りは、心配性の飌い䞻ず倩真爛挫な子犬による、ひずり二圹の挫才のよう。「どうしよう」ず怜玢結果に怯えた盎埌でも、銖をかしげるはるこちゃんを芋れば「やだ、かわいい❀」。緊迫しおいるはずなのに、かわいさが䜕床も割り蟌んできたす。

 読み終えお残るのは、うだるような倏の日、小さなはるこちゃんに振り回されおいた時間そのもの。今ではカメラを嫌がるようになったはるこちゃんず、写真を撮らずにはいられなかった頃のみむらさん。その間に流れた䞃幎たで、昔の写真をめくるように感じられたした。

 子犬が突然静かになったずき、飌い䞻の頭の䞭では䜕が起こるのか。犬ず暮らしたこずがある人なら身に芚えがあり、なくおも䞀緒になっおハラハラできる、愛犬ずの倏の蚘憶です。

みやちゃん123さん「ん」で終われない倜。noteでいた話題の「゚ッセむしりずり」が教えおくれた、蚀葉のバトンの心地よさ

 䞀番印象に残ったのは、「䞀文字の制玄」がむしろ蚘憶の扉を開く、ずいう芋方でした。自由に曞いおいいず蚀われるより、「この文字から」ず決められたほうが、自分でも忘れおいた話にたどり着く。しりずりの䞍自由さを、創䜜の入口ずしお捉えおいるのが面癜いです。

 みやちゃん123さんの語りは、祭りの䞭ぞ飛び蟌むずいうより、少し離れた堎所から櫓や屋台を眺めお「なぜみんなこんなに楜しそうなんだろう」ず芳察する案内人のようでした。バトン通知のくすぐったさや、「ん」を避ける倧人たちの本気たで拟いながら、䌁画党䜓の魅力を敎理しおいきたす。

 読み終えお残るのは、たくさんの蚘事が䞀本の線で぀ながり、noteの䞭に小さな街ができおいくような景色でした。すでに参加しおいる人には「確かにこれが楜しかった」ず振り返らせ、ただ知らない人には、この劙な蚀葉遊びを少し芗いおみたくさせる䞀篇です。

みゅうなさんたぶん、あれは最埌の恋

 䞀番印象に残ったのは、四十幎以䞊前の恋なのに、圌の顔より「手」の蚘憶がいく぀も残っおいるこずでした。土砂降りの䞭で頭䞊にかざされた手、人混みで差し出された手、終点で少しすねたように䌞びおきた手。どれも倧げさな愛情衚珟ではないのに、その小さな仕草だけが時間を越えお鮮明に残っおいたす。

 みゅうなさんの語りは、叀いカセットテヌプを䞀本ず぀巻き戻しおいくようです。䜕台ものバスを芋送り、ミルクティヌを眺め、枡せないプレれントを抱えたたた終点たで行く。恋が䞍䟿だった時代だからこそ生たれた「埅぀時間」たで、恋の蚘憶ずしお描かれおいるのが印象的でした。

 読み終えたあずに残るのは、土砂降りの雚や倕暮れのバス、觊れそうで觊れない二人の距離です。恋愛の激しさではなく、䜕十幎経っおも消えなかった些现な堎面から、ひず぀の恋を静かにたどっおいく。昔奜きだった人を、ふず思い出したくなるような䞀篇でした。

みわさん筆箱開けたら、若返りたくり

 䞀番印象に残ったのは、筆箱の䞭から出おきた文房具が、ただの懐かしい物ではなく、その頃の自分たで連れおきたずころでした。二重線を匕ける蛍光ペンやスティックはさみ、犬の付箋。ひず぀觊るたびに、物の蚘憶ではなく「それを䜿っおいた自分」が少しず぀戻っおくる流れが奜きでした。

 みわさんの文章は、叀い筆箱を開けた぀もりが、そのたた孊生時代ぞ続く小さな秘密の扉を開けおしたったようです。スティックはさみを「スモヌルラむト」のように埗意げに持っおいた自分や、付箋をお守りのように眺めおいた自分たで出おくる。文房具そのものより、圓時それをどう楜しんでいたかを拟っおいく芖点が面癜いです。

 読み終えたあずに残ったのは、硬い怅子ずチャむムの音、それから少し浮き足立った孊生時代の空気でした。昔の物を芋぀けたずき、懐かしいのは物そのものではなく、その頃の自分なのかもしれたせん。久しぶりに筆箱を開けただけで、どこたで若返れるのか。自分の匕き出しも少し探っおみたくなる䞀篇です。

ミロクンミンギアさんスカむツリヌの地䞋には

 䞀番印象に残ったのは、誰もが知っおいるスカむツリヌを「空ぞ䌞びる塔」ではなく、「地䞋に本䜓を隠した巚倧な生物」ずしお芋おいるずころでした。634メヌトルずいう高ささえ、そのたた地䞋ぞ䌞びる根の深さにしおしたう。珟実のランドマヌクが、冒頭数行でもう別の生き物に芋えおきたす。

 ミロクンミンギアさんの語り口は、東京芳光のパンフレットを裏返したら、そこに怪獣映画の極秘資料が印刷されおいたようです。゜ラマチのお土産も、かわいいマスコットも、展望台からの眺望も、䞀床この人の理屈を通すず党郚が怪しくなる。それなのに語り手だけは劙に冷静で、荒唐無皜な話を生物の生態でも説明するように淡々ず積み䞊げおいく。その真顔ず劄想の倧きさの萜差が面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、東京の倜景より、その足元に広がっおいるかもしれない暗く湿った地䞭の景色でした。芋慣れたスカむツリヌなのに、次に芋䞊げたずき、地䞋たで想像しおしたいそうです。

 「スカむツリヌの地䞋には䜕がある」。そんな子どもの空想みたいな入口から、東京そのものを舞台にした壮倧な劄想ぞ連れおいかれる䞀篇でした。

ムヌさんむンドカレヌに魅せられた牛。

 䞀番印象に残ったのは、絊食でみんながカレヌに歓喜するなか、ムヌさんひずり癜いご飯に犏神挬けを乗せお食べおいた光景でした。カレヌが嫌いだったのではなく、本圓は食べたかった。だからこそ「ゞャガむモが憎い。自分自身が憎い。日本のカレヌが憎い」ずたで膚らんでいく感情に、子どもの頃のやるせなさが詰たっおいたす。

 その蚘憶を、倧槻ケンヂの「日本印床化蚈画」から始め、カレヌパンマンぞの恚みたで持ち出しお語るムヌさんの文章は、昔の傷をスパむスたみれにしお煮蟌み盎しおいるよう。切なさがあるのに湿っぜくならず、読み進めるほどお腹が枛っおきたす。

 読み終えお残るのは、薄暗い店内に挂うスパむスの銙りず、初めお芋る倧きなナンを前にした少幎の景色でした。ずっず自分を拒んできたず思っおいた食べ物の向こう偎に、たったく別の䞖界があった。

 「カレヌ絶察蚱さないマン」だった少幎に、いったい䜕が起きたのか。ひず぀の食べ物をめぐる恚みず出䌚いを、37幎前の日本印床化蚈画たで巻き蟌んで語る䞀篇です。

むくみさん旅の蚈画ず、「Tシャツが也くたで」。

 䞀番印象に残ったのは、旅行なのにホテルも列車も別々にしたがる「もっさり」ぞのモダモダが、ドラマの䞀堎面をきっかけに違う圢ぞ芋え始めるずころでした。「䞀緒にいたい」ず「ひずりでいたい」は反察に芋えるけれど、どちらも盞手を嫌っおいるわけではない。その距離感を、自分たちの関係ぞ重ねながら考えおいく流れが印象に残りたす。

 むくみさんの文章は、二人旅の予定衚を広げながら、その䜙癜に関係性の取扱説明曞を曞き足しおいくようです。ホテル、列車、芳光ず、具䜓的な予定を決めるたびに「䞀緒っおどこたで」ずいう問いが顔を出す。そこぞドラマのTシャツや染みの話が重なり、単なる旅行前の愚痎だったものが、長く誰かず付き合うこずの話ぞ静かに広がっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、同じ堎所ぞ向かっおいおも、ずっず隣に座っおいる必芁はないのかもしれない、ずいう少し䞍思議な旅の景色でした。べったり䞀緒でも、完党に別々でもない。そんな二人なりの距離を探しおいる途䞭だからこそ、この長厎旅行がどうなるのか気になりたす。「䞀緒に旅行する」ずは䜕を䞀緒にするこずなのか、ちょっず考えおみたくなる䞀篇です。

歊藀虹子さん父ず過ごす日々

 䞀番印象に残ったのは、「父を心配しおいたけれど、父のほうがもっず私を心配しおいたのだろう」ずいう気づきでした。病気になった父を支えるために実家ぞ戻ったはずなのに、そこで芋えおくるのは、支える偎ず支えられる偎が静かに入れ替わっおいく家族の姿です。

 歊藀さんの語り口は、倧きな感情を叫ぶのではなく、食卓の䌚話や車の運転、陶芞道具の凊分ずいった日垞の小さな堎面を、アルバムの写真を䞀枚ず぀めくるように眮いおいきたす。そのため、重い出来事を扱っおいおも、悲しさだけに傟かず、家族䞉人で過ごした時間の枩床が残りたす。

 読み終えたあずに浮かぶのは、特別な旅行や蚘念日ではなく、倕食を囲んで「今幎の冬は寒くなりそうだね」ず話しおいる家族の景色でした。人生が倧きく揺れた時期だからこそ、そんな䜕でもない時間が、あずからかけがえのないものに芋えおくる。

 仕事を蟞めたこずず、父の病気。䞀芋するず暗い出来事が重なったずころから始たりたすが、その時間の䞭で家族の芋え方が少しず぀倉わっおいく。その静かな倉化を远いたくなる䞀篇でした。

無名の情緒さんディベヌト察決愛ずお金ず、劻の「きらい」

 䞀番印象に残ったのは、「愛ずお金、どちらが倧事か」を議論するはずだったのに、劻の「あんたが、キラむ」で䞀瞬にしお別の勝負ぞ倉わっおしたうずころでした。愛に぀いお理屈をこねおいた本人が、リアルな愛の危機に盎面する。この萜差が芋事です。

 特に面癜いのは、劻ずの枩床差。本人はディベヌタヌになりきっお「ちゃんちゃらおかしいね」ず絶奜調なのに、劻は最初から「どっちでもええ  」。この䞀方だけが盛り䞊がっおいる倫婊のやり取りを、劻の短い蚀葉ず自分ぞのツッコミで笑いにしおいく語り口が楜しいです。

 そしお最埌たで「勝ち負け」にこだわっおいるのに、どう考えおも勝っおいない。「勝った。いや、すべおに負けた気がする。」ずいう感芚ずずもに、なんだかんだ倫の遊びに付き合っおくれる劻ずの日垞が残りたす。愛ずお金の答えより、この倫婊のディベヌトがどこぞ転がっおしたうのかを芋届けたくなる䞀篇でした。

銘翠さんいぬ。

 䞀番印象に残ったのは、「犬」の特城をこれでもかず積み䞊げおいく前半でした。食物を貪り、指瀺が通らず、散らかし攟題で、垰巣本胜だけは匷い。しかも臭い。読んでいる偎は「なかなか倧倉な犬だな」ず思いながら進むのですが、その描写が具䜓的で、じわじわ違和感が育っおいきたす。

 銘翠さんの゚ッセむは、腹立たしい珟実をそのたた曞くのではなく、笑いずいう倉換噚に通しお別の圢にしお芋せるようです。怒りや疲れがあるはずなのに、比喩や蚀葉遊びを重ねるこずで、読む偎にはたず可笑しさが届く。その奥に、笑いぞ倉えなければやっおいられないような切実さもちらりず芋えたす。

 読み終えたあずに残るのは、隒がしくお、臭くお、でも生呜力は匷い「䜕か」が家の䞭を自由に闊歩しおいるような景色でした。タむトルはたった『いぬ。』。その䞉文字を、読み終えたあずにもう䞀床芋返したくなる䞀篇です。

メグリさん痛くはないが、、、、テント

 䞀番印象に残ったのは、やはり皮膚に出珟した「テント」です。倧きく震える手で針を刺されるだけでも十分怖いのに、なぜか静脈は完璧に捉え、採血もできおいる。そのたた針先だけが䞊䞋しお「蚭営、解䜓、蚭営、解䜓」を繰り返す。笑っおいいのか心配すべきなのか分からない光景が目に浮かびたした。

 看護垫ならではの「初めお」を、倱敗談ではなく孊生同士だから笑えた思い出ずしお語っおいるずころも面癜いです。珟圚では圓たり前に行っおいる採血にも、手を震わせながら緎習した日があった。その初心者だった頃の緊匵感が、「おそるべしひろみの震え」ずいう笑いず䞀緒に残されおいたす。

 そしお最埌には、テントの蚘憶から「ひろみに䌚いたくなった」ぞ。技術を身に぀けた日の話だったはずが、読み終えるころには、䞀緒に䞀人前を目指した友人ずの青春の䞀堎面にも芋えおきたす。看護垫の「初めおの採血」がどんなものだったのか、少し怖々ず芗いおみたくなる䞀篇でした。

モクモクさん平手打ちがくれたもの

 䞀番印象に残ったのは、高校生の自分には「たった1時間」だった時間が、嚘の垰りを埅぀芪になった今、たったく違う長さに芋えおくるずころでした。同じ䞀時間なのに、立぀堎所が倉わるず、その䞭にあった䞍安や怖さたで芋えおくる。

 モクモクさんの文章は、昔の蚘憶を䞀枚の写真のように取り出し、珟圚の自分の光に透かしお、圓時は写っおいなかったものを芋぀けおいくようです。父に叩かれた蚘憶を単玔に矎化するのではなく、自分なら嚘を叱れるのか、信じお埅おるのかず問いが珟圚ぞ返っおくるずころに、モクモクさんならではの深さを感じたした。

 読み終えお残るのは、倜曎けに時蚈ずLINEを䜕床も芋ながら嚘を埅぀姿ず、その向こうに重なる昔の父の姿です。䜕十幎も答えの出なかった出来事が、芪になったこずで少しず぀別の衚情を芋せ始める。ひず぀の平手打ちから、芪ず子の時間をたどり盎しおいく䞀篇でした。

もちさんノスタルゞックよ、こんにちは❇他、蚈2本

 『ノスタルゞックよ、こんにちは❇』で印象に残ったのは、嚘ずのマンゎヌサンドを目指した䞀日が、予定倖の方向ぞ転がるほど楜しそうになっおいくずころでした。目的地ぞ䞀盎線に進むのではなく、寄り道で芋぀けたものを嬉々ずしお拟っおいく姿は、路地裏ぞ入るたび宝物を芋぀ける散歩のようです。嚘ずの時間も含め、予定どおりにいかなかった䞀日だからこそ残る景色がある。そんな枩かな䜙韻がありたした。

 『くせ毛ずアラフィフを、梳く🪮🌿』では、AIが芋せおくれた理想の髪型ず、くせ毛ずいう珟実ずの攻防が楜しい。「少し梳く」ずいう珟実的な着地点から、い぀の間にか自分に぀けおいた別のものたで「梳く」話ぞ぀ながっおいく発想が鮮やかでした。

 どちらにもあるのは、思い描いたずおりにならなくおも、そのズレから別の面癜さを芋぀ける芖点。予定倉曎も、幎霢も、くせ毛も、少し芋方を倉えれば新しい景色になる。もちさんの日垞の楜しみ方が䌝わっおくる2篇でした。

元看護垫うめこさん🍉スむカ甘くなりたしたね

 䞀番印象に残ったのは、今の甘いスむカをひず口食べたこずで、昭和の果物の蚘憶が次々ず蘇っおいくずころでした。むチゎには砂糖ず牛乳、グレヌプフルヌツにも砂糖、スむカには塩。果物そのものでなく、専甚のスプヌンや皮飛ばしたで䞀緒に出おきお、食卓の景色たで芋えおきたす。

 うめこさんの語りは、叀い食噚棚を開けお「そうそう、これもあった」ず䞀぀ず぀取り出しお芋せおもらうよう。懐かしさを語りながらも、「お䞊品に食べおいたした。←嘘぀け」ず自分で壊しおしたう軜さが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、果物が今ほど甘くなかった頃の、少し酞っぱくお賑やかな食卓でした。今ではそのたた食べお十分甘い果物も、昔はひず手間加えお食べおいた。スむカひず切れから、味芚だけでなく昭和の食べ方たで蘇っおくる䞀篇です。

桃瀬めぐさん䞀歩先の䞖界を芋おいる

 䞀番印象に残ったのは、「シュヌルで面癜い女になりたい」ずいう野望に察しお、線み出した方法が「逆にね」ず蚀い続けるこずだったずころです。個性的になりたい。でもギャグセンスも奇行に走る床胞もない。そこで「具䜓的な内容を䞀切語らなくおも、知性ず含みを出せる蚀葉」を探す。この発想のズレ方がたたりたせん。

 しかも桃瀬さんは終始、本気です。芪友を困惑させおも「勝った」、䞀軍女子の䌚話ぞ割り蟌むずきは「千茉䞀遇のチャンス」。呚囲から芋れば明らかに様子がおかしいのに、本人の脳内では壮倧な自己プロデュヌス蚈画が進行しおいる。その内面ず珟実の萜差を、自分自身ぞ容赊なくツッコミながら語るずころに桃瀬さんならではの面癜さを感じたした。

 䞀方で、笑いながら読んでいるず、昔の「ちょっず特別な人に芋られたかった」ずいう自意識たで思い出したす。誰かから「面癜い人」ず思われたくお、普段ずは違う振る舞いをしおみる。方法こそ極端ですが、その痛々しさには劙な芚えがありたす。

 倕暮れのバス停で青い春ず尊厳を倱った少女が、倧人になっおも別の蚀葉を詊そうずしおいる。あの頃の自意識を黒歎史ずしお消すのではなく、「人間、そう簡単には治らない」ず笑っお珟圚たで連れおきおいる。その倉わらなさたで愛嬌にしおしたう䞀篇でした。

杜たひろさんルヌシヌショヌの唐揚げず邪宗門のカプチヌノ

 䞀番印象に残ったのは、昌䌑みの䞭で、唐揚げずカプチヌノがそれぞれ別の扉になっおいるずころでした。母のお匁圓の蚘憶から、初めお知る倖食の味ぞ。そしお、い぀ものブラックではなくカプチヌノを遞んだこずで、今床は少し背䌞びした倧人の時間ぞ入っおいく。その日の小さな遞択が、あずから振り返るず確かな節目になっおいるのが印象的です。

 杜たひろさんの文章は、叀い喫茶店の匕き出しを䞀段ず぀開けおいくようです。真っ赀なプラコップから母の唐揚げぞ、シナモンの銙りから圓時の自分ぞず、目の前のものに觊れるたび蚘憶が静かに立ち䞊がる。掟手に話を動かさなくおも、味や匂い、店内の薄暗さたで重なっお、その頃の空気ごず運んできたす。

 読み終えたあずに残ったのは、昌䌑みの終わりに振り返った叀い喫茶店の景色でした。䜕か特別な事件が起きたわけではないのに、「昚日たでずは少し違う自分」がそこから䌚瀟ぞ戻っおいく。唐揚げず䞀杯のカプチヌノが、どうしおそんな䞀日になったのか。昔の街を䞀緒に歩くように読んでみたくなる䞀篇です。

もりゆりさん月にアルミホむル巻いお食べたい

 䞀番印象に残ったのは、「月にアルミホむルを巻くには䜕本必芁か」ずいう壮倧にくだらない蚈算から、い぀の間にか「なぜ自分は月を芋䞊げるのか」ずいう話ぞ移っおいくずころでした。10兆本を超えるアルミホむルを真剣に蚈算しおいた人が、少しず぀自分の蚘憶の奥ぞ朜っおいく。その振れ幅がずおも奜きです。

 もりゆりさんの文章は、劄想を発射台にしお、気づけばずっず遠い堎所たで連れおいくロケットのようでした。倩䜓望遠鏡を芗いた子どもの頃も、教宀でひずりだった日も、仕事に疲れた倜も、そこには同じ月がある。宇宙の倧きさに觊れるこずで、目の前の苊しさを少し小さくしおきたずいう芖点が印象的です。

 読み終えたあずには、ただ青い空に癜い月が浮かんでいる景色が残りたした。「月を食べる」ずいうタむトルなのに、その奥には長い時間をかけお月に助けられおきた人の蚘憶がある。笑いながら読み始めお、い぀の間にか自分も倜空を芋䞊げたくなる䞀篇でした。

もんもんさん「ばかやろう」なんお蚀葉、䜿ったこずがなかった。

 䞀番印象に残ったのは、普段は「誰からも嫌われない立ち回り」が埗意な人ほど、競銬を芋おいるず「差せ」「なんでやねん」ず別人のような蚀葉が飛び出しおくるずころでした。競銬の話でありながら、少しず぀「普段は倖に出しおいない自分」の話ぞ倉わっおいきたす。

 もんもんさんにずっお競銬は、感情に぀いたネクタむを緩められる堎所なのかもしれたせん。階手や銬に熱くなっおいるようで、実は日垞では飲み蟌んでいるものたで䞀緒に吐き出しおいる。その「ばかやろう」が誰に向いおいるのか自分でも分からない、ずいう曖昧さも面癜いです。

 競銬が奜きな理由を、的䞭や勝ち負けずは別のずころから芋぀けおいく。読み終えるず、競銬堎の盎線でなく、普段は穏やかに振る舞っおいる人の内偎にも、ひそかに熱い盎線が䌞びおいるような景色が残る䞀篇でした。

八神 倜宵さん瞛日矅ばさらに生きる

 䞀番印象に残ったのは、「いやんべでほでなす」ずいうナルい自己認識から始たり、その奥にある「どうしおも曲げたくないもの」を、歎史や自分の経隓を蟿りながら芋぀けおいくずころでした。公務員時代に理䞍尜な決たりぞ突っかかった話も、単なる反抗心ではなく「自分にずっお面癜くない、矎しくない」ずいう感芚ずしお語られおいお八神さんの芯がよく芋えたす。

 八神さんの語り口は、䞀本の蚀葉を手がかりに地局を掘っおいくようです。「ほでなす」ずいう宮城の方蚀から、「ばさら」、さらに仏教語の「瞛日矅」や傟奇者たで話を広げながら、最埌にはきちんず自分自身の生き方ぞ戻っおくる。扱っおいる材料はかなり広いのに、知識の披露にはならず、どの話も「自分はなぜこう生きるのか」ずいう䞀本の軞に぀ながっおいるずころが巧みでした。

 読み終えたあずに残るのは、普段は肩の力を抜いお歩いおいる八神さんが、胞の奥には小さく硬いものを持っおいる姿でした。芁領よく生きるこずより、どうしおも捚おられない感芚を守るこず。その正䜓を「瞛日矅」ずいう蚀葉たで蟿っお確かめおいく過皋そのものを読んでみたくなる䞀篇でした。

ダザワ屋さん嬉しい楜しい、子䟛の誕生ず成長

 「うんち」ずいう、あたりにくだらないバトンから始たったのに、読み終える頃には嚘さんの玄10幎の成長を䞀緒にアルバムで眺めたような気持ちになりたした。

 ダザワ屋さんの文章は、子育おのアルバムを䞀枚ず぀めくりながら、その暪に小さなツッコミを曞き蟌んでいくようです。初めおのオムツ替え、幌皚園で泣いた日、ぐんぐん䌞びる身長。倧きな事件ではなく、その時々の「芚えおいるこず」を拟っおいくからこそ、時間の流れが自然に芋えおきたす。

 特に印象に残ったのは、「子育おで苊劎する時期はそれぞれ違うんだな」ずいう気づきでした。育おやすかった乳幌児期があり、そのあず別の倧倉さがやっおくる。単玔に「手のかからない子だった」で終わらないずころに、実際に過ごしおきた幎月を感じたす。

 たさか「うんち」から、ここたで家族の時間が広がるずは思いたせんでした。䜕気ない䞀語が、忘れおいた思い出の匕き出しを開けおくれる。そんな゚ッセむしりずりらしい䞀篇でした。

やっくんさんかなりダバいよこれっおありうる

 䞀番印象に残ったのは、11連敗ずいうかなり深刻な状況なのに、「これっおどれくらい珍しいんだ」ず確率たで蚈算し始めるずころでした。萜ち蟌むより先に数字を出しおくるあたりに、トレヌダヌらしさがありたす。

 やっくんさんの語りは、自分が事故に遭った盎埌なのに、そのたた実況垭ぞ座っお「では今回の事故原因を分析しおみたしょう」ず解説を始めるようです。11連敗を自虐で笑いながら、確率、盞堎環境、ルヌルぞず冷静に話を進めおいく。その枩床差が面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、倧負けした人の悲壮感より、䞀床止たっお原因を確かめようずする姿でした。専業トレヌダヌ半幎目に突然やっおきた11連敗。その数字の先で䜕を考えたのかを芗いおみたくなる䞀篇です

やたさん溜め息ず心音

 䞀番印象に残ったのは、「倖の䞖界では誰かの溜め息の音に怯え、内なる䞖界では自分の心音に怯え」ずいう察比でした。どちらも普通なら聞き流しおしたうほど小さな音なのに、やたさんにずっおは思考を動かすスむッチになっおしたう。その二぀を「溜め息」ず「心音」ずしお䞊べたこずで、倖にも内にも逃げ堎がない感芚が䌝わっおきたす。

 たるで感床を䞋げられないマむクを抱えお暮らしおいるような文章です。誰かの小さな倉化を拟えば、その理由を考え続け、自分の錓動を拟えば、そこからい぀か蚪れる終わりたで考えおしたう。ひず぀の音から思考が遠くぞ行きすぎおしたうずころに、やたさんならではの芖点を感じたした。

 読み終えたあずに残ったのは、静かな郚屋の景色でした。呚囲が静かになれば安心できそうなのに、今床は自分の心臓が聞こえおくる。音の少なさがかえっお萜ち着かなさを際立たせおいたす。

 誰かの溜め息が気になったこずのある人なら、その入口には芚えがあるかもしれたせん。そこから「音を気にしおしたう」ずいう感芚がどこたで深く朜っおいくのか。小さな二぀の音から、自分の内偎を芗いおいく䞀篇でした。

山田めめ子さんずにかくナむアガラ

 䞀番印象に残ったのは、嚘さんが倩井の䞀角をじっず芋぀めお、「い぀もあそこにいたこ」ず蚀いかける堎面でした。怖いのは嚘さんの蚀葉そのものより、それを最埌たで聞かせたいず食い気味に遮るお母さんの反応です。その必死さのおかげで、読んでいる偎の想像だけが勝手に膚らんでいきたす。

 山田めめ子さんの語りは、怪談のろうそくに火を぀けたず思ったら、その暪で本人がずっずツッコミを入れおいるよう。結露を「窓がナむアガラ」ず呌び、芳光名所にしようずする軜さがあるからこそ、䞍意に差し蟌たれる䞍穏な䞀蚀が効いおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、日圓たりの悪い少し薄暗い郚屋ず、誰もいないはずの倩井を芋䞊げる芪子の景色。笑ったはずなのに、最埌にほんの少し背䞭が涌しくなる。

 倏の終わりに、怖がらせる気満々なのか笑わせる気満々なのか分からない。その境目をふらふら歩く、小さな怪談゚ッセむです。

yamanakasanchiさん『すごいよ!! マサルさん』ず『PEZ』、知っおる知らない論争

 䞀番印象に残ったのは、「自分の垞識は、盞手にずっおも垞識のはずだ」ず信じお疑わない二人が、それぞれ党力で蚌拠を集め始めるずころでした。『マサルさん』を知らないなんおありえない。PEZを知らないなんおありえない。たった二぀の固有名詞から、幎霢詐称疑惑や地域による情報栌差たで話が膚らんでいくのが楜しいです。

 yamanakasanchiさんの文章は、家庭内に突然開廷した「どうでもいい最高裁」を傍聎しおいるようでした。お互い自分の蚘憶を絶察芖し、圹員さんや家族たで蚌人ずしお呌び始める。それでも決定打が出ないから、屁理屈ず補匷材料がどんどん増えおいく。この真剣さず議題のくだらなさの萜差が、この倫婊の䌚話を面癜くしおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、「同じ時代を生きおいおも、芋おきた景色はこんなに違うのか」ずいう可笑しさでした。そしお、そのズレを盎そうずするのではなく、ここたで倧げさに遊べるのも倫婊ならではなのだず思いたす。『マサルさん』ずPEZ、どちらを知っおいお圓然なのか。気づけば自分も、どちら偎か考えながら読みたくなる䞀篇です。

山本蛇内さんたのしいしか勝たん他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、「たのしいしか勝たん」ず蚀い切るたでに、蛇内さんが曞き始めた理由ず、いた曞き続けおいる理由がい぀の間にか入れ替わっおいるこずでした。最初はいく぀もの「きっかけのピヌス」を寄せ朚现工のように組み䞊げおいたはずが、気づけばそこには人が集たり、同人誌が生たれ、オフ䌚たで続いおいる。曞くこずが目的だった堎所に、い぀の間にか「ひず぀ながりの䜓隓」ができおいる。その倉化が面癜かったです。

 山本蛇内さんの文章は、ひず぀の蚀葉を぀たんだ途端、脇から脇ぞ連想が増殖しおいく蚀葉のピンボヌルのようです。タンメンず担々麺の玛らわしさから、ホむホむコヌロヌ、ラブラブポヌション、果おは架空の短担々麺たで跳ね回る。それでも球が台の倖ぞ消えないのは、蛇内さん本人が䜕よりその脱線を面癜がっおいるからなのでしょう。

 読み終えたあずに残るのは、䜜品を「曞いた」ずいうより、蚀葉を䜿っお誰かず遊び切ったあずの熱気でした。締切盎前にバトンを奪っお走り出す姿たで含めお、創䜜ず亀流の境目がほずんどない。寄せ朚现工のように始たったnoteが、どんなふうにこんな賑やかな珟圚地点ぞ蟿り着いたのか。その道のりごず読んでみたくなる2篇です。

ゆうの静かな探究🌿さん぀い手攟せない、我が家の愛おしいマグカップたち

 䞀番印象に残ったのは、マグカップそのものではなく、そこから次々ず家族の時間が立ち䞊がっおくるずころでした。䞭孊生の頃の友人、若い頃の倫、幌かった嚘たち、亡くなったおばあちゃん。食噚棚を眺めおいるのに、䜕十幎分もの蚘憶が順番に扉を開けお出おきたす。

 ゆうさんの文章は、食噚棚の䞭に小さなアルバムを䜕冊も䞊べおいるようです。写真ではなく、欠けたり叀びたりしながら残っおいる噚がペヌゞ代わり。しかも、しんみりしすぎたずころで「  っお、今も健圚ですよ笑」ず空気をゆるめるので、思い出話が重たくならず、家族の日垞ずしお読めるのも楜しかったです。

 読み終えたあずに残るのは、少し䞍揃いな食噚棚の景色でした。揃っおいないからこそ、それぞれに違う時間が宿っおいる。普段䜕気なく䜿っおいるマグカップにも、忘れおいた誰かや出来事が眠っおいるのかもしれない。自分の家の食噚棚たで、ちょっず芗いおみたくなる䞀篇です。

ゆかんさん「る」から始たる蚀葉っお難しい。理想のあいうえお衚を䜜りたい母

 䞀番印象に残ったのは、「あいうえお衚なら自分で理想のものを䜜れる」ず始めたのに、文字を䞀぀ず぀怜蚎するうちに、い぀の間にか線集者の苊悩たで远䜓隓しおいるずころでした。「る」「む」「ぬ」に差しかかるあたりから、知育グッズ遞びずいうより、完党に蚀葉ずの栌闘になっおいたす。

 ゆかんさんの文章は、子どものために棚を芋に来たはずが、その堎で商品䌁画䌚議を始めおしたう人のようです。「『た』なら䞞ノ内線だろ」ず䞀文字ず぀本気で吟味し、他の本の苊し玛れたで芋抜いおいく。その现かいこだわりが、読んでいる偎には可笑しく映りたす。

 読み終えたあずに残るのは、五十音衚を前に腕を組んで悩み続けるゆかんさんの姿でした。子どもに芚えおほしいのに、気づけば倧人のほうが文字遊びに倢䞭になっおいる。

 「あいうえお衚なんお、どれも䌌たようなもの」ず思っおいる人ほど、䞀床読んだら「る」「む」「ぬ」が気になり始める。そんな、身近な知育グッズの芋え方を倉えおくれる䞀篇でした。

ゆきさんお、たで打っお消した

 䞀番印象に残ったのは、送れなかった長いメッセヌゞではなく、最埌に残った「お」の䞀文字でした。その䞀文字の向こうに、送りたい気持ちも、「重い」ず思われたくない怖さも、䜕床も曞いお消した時間たで詰たっおいるように感じたす。

 この䜜品の語り口は、暗い郚屋で点滅するカヌ゜ルのようです。倧きく感情を叫ぶのではなく、「ひ」「ね」「お」ず途䞭で途切れた蚀葉や、スマホを裏返す仕草を静かに眮いおいく。その小さな描写から、圓時の息苊しさがじわじわ䌝わっおきたす。

 読み終えたあずに残ったのは、画面の光だけが手元を照らしおいる倜の景色でした。誰かに連絡するだけなら数秒でできるのに、送信ボタンたでの距離が途方もなく遠くなる倜がある。

 タむトルに残された、たった䞀文字の「お」。なぜそこで指が止たったのか。その䞀文字を入口に、蚀葉を送るこずず、送らないこずの間で揺れおいた時間を芗くような䞀篇でした。

ナキさんもう䞀床䌚いたい人

 䞀番印象に残ったのは、おばあちゃんずの「たたね」のハむタッチでした。蚀葉の数だけ手を合わせる。い぀始たったのかも分からない、二人だけの䜕気ない習慣だったからこそ、最埌の日にもい぀もず同じように「たたね」ず別れたこずが胞に残りたす。

 「ガラガラ」「からころ」「のんのんあん」ずいった造語や、喫煙垭なのに隣のおじ様ぞ堂々ず「タバコの火、消しおくださる」ず蚀っおしたう姿。倧奜きだったず説明するだけではなく、こうした小さな蚘憶を䞊べるこずで、おちゃめで少し匷くお、愛情深いおばあちゃんの姿が自然ず浮かんできたす。

 だからこそ、「もっずたくさんハむタッチしおから垰ればよかった」ずいう蚀葉が切ない。最埌だず知らないから、い぀もの別れ方をする。その圓たり前だった䞀瞬が、九幎経っおも倧切な蚘憶ずしお残っおいる。読み終えたあず、自分にも「もう䞀床䌚いたい人」がいないか、ふず思い浮かべおしたう䞀篇でした。

yukiさんはっぎヌちを拟ったよ♡

 䞀番印象に残ったのは、流れおきたバトンを「桃」ず芋立おた瞬間、その桃をずこずん味わい尜くしおいるずころでした。由来や神話たで調べ、食べ方ベスト3たで玹介する。ひず぀の「桃」を拟ったら、皮のたわりたでしゃぶり尜くすような奜奇心が楜しいです。

 Geminiで調べお、気になればClaudeでも远加調査。それでも文章は研究発衚にはならず、「ぞぇヌ😮」「実に面癜いです」ず本人がいちばん楜しんでいる。その匟むような語り口から、桃を真ん䞭に眮いお䞀人でどんどん遊びを広げおいる姿が浮かびたした。

 読み終えたあずに残るのは、桃の甘い銙りず、倏䌑みの自由研究を楜しそうに芋せおもらったような明るさです。しりずりの䞀文字から、こんなに寄り道できるのか。桃が奜きな人はもちろん、「バトンをどう料理したんだろう」ず芗いおみたくなる䞀篇でした。

雪綎ゆきさんいいこずがなかった日の、いいこず

 䞀番印象に残ったのは、「歯車がぜんぶ半目盛りず぀、ずれおいる感じ」ずいう䞀文でした。倱敗したわけでも、嫌なこずが起きたわけでもない。それでもうたくいかない日。その茪郭を、こんなにささやかな出来事だけで描けるのが玠敵です。

 ゆきさんの文章は、曇った窓を指でそっずなぞるようです。傘、空いたプリンの棚、〇・五秒芋おくるみヌくん。小さなものを拟いながら、気持ちの圢を少しず぀芋せおいく。特に、慰めも励たしもしないみヌくんの「い぀もどおり」が、静かに効いおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、砂济びのしゃかしゃかずいう音ず、少し疲れた日に家ぞ垰ったずきの空気。䜕もいいこずがなかった日に、䜕があれば「それほど悪くなかった」ず思えるのか。そんな身近な問いを、そっず眮いおいく䞀篇でした。

ゆきぜさんテキトヌだから、続いおいるのだ

 䞀番印象に残ったのは、「考えおから動く人」ではなく「動いおから考える人」ずいう自己分析でした。面癜そうなら飛び蟌んで、楜しんでから「あれ倧䞈倫だったかな」ず気にする。䞀芋矛盟しおいるようで、その順番だからこそ新しいこずを始められる、ずいう話に玍埗感がありたす。

 「テキトヌ」を盎すべき短所ずしお扱わず、「自分にずっおのちょうどいい加枛」なのではないかず眺め盎しおいくずころも、ゆきぜさんらしい芖点でした。自分を肯定したかず思えば、「ただ䜕も考えおない可胜性も高いですけど😂」ず自分で厩しおしたう。その軜やかな語り口も楜しいです。

 読み終えるず、タむトルの「続いおいる」が効いおきたす。䜕でもきっちりやるこずだけが継続の秘蚣ではなく、少しくらいテキトヌだから次ぞ行けるこずもある。「ちゃんずしなきゃ」に疲れたずき、ちょっず肩の力を抜かせおくれる䞀篇でした。

ゆげしさんタむム‌私を䌑たせお〜他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、どちらの䜜品も「もう勘匁しお」ず蚀いながら、結局その状況をちゃんず面癜がっおいるずころでした。線状降氎垯に7時間足止めされおも、睡眠4時間で成田ぞ連行されおも、「noteのネタになればいい」ず芳光ぞ倉えおしたう。最終日には、䞀床蟞退したバトンを自分から奪い返しおたで曞いおいる。その執念たで含めお、ゆげしさんらしいです。

 ゆげしさんの文章は、家族の日垞を暪で芋ながら実況しおいる぀もりが、気づけば本人がいちばん巻き蟌たれおいるホヌムコメディのようです。旊那さんがAIに博倚匁の女を求めれば男が出おきお、韓囜語になり、最埌は英語でレシピをたくしたおられる。出来事そのものがおかしいのに、そこぞ「どうやら旊那はAIに舐められる玠質を持っおいる」ず䞀段ツッコミを重ねるのが楜しいです。

 読み終えたあずに残るのは、疲れもトラブルも倫婊の小競り合いも、あずから党郚笑い話になっおいく家庭の景色でした。「䌑たせお」ず叫んでいた人が、最埌には自分からもう䞀本曞きに戻っおくる。日垞に振り回されながら、それすらネタぞ倉えおしたう2篇です。

ゆなさん階段登るのもしんどくなっおきた。

 䞀番印象に残ったのは、15歳の䞭孊生が「幎取りたくない」ず語っおいるこずでした。「䞭孊生」ずいう無敵の称号を倱うたであず半幎。倧人から芋ればただただ若いのに、本人にずっおは今たさに人生の倧きな境目に立っおいる。その幎霢だからこそ曞ける感芚が新鮮です。

 ガガガSPが奜きだず「䞭孊生で珍しいね」ずかたっおもらえたり、倚少のこずなら「䞭孊生だから」で蚱されたり。その特暩をちゃっかり利甚しながら、「なんでも蚱す倧人はどうかず思う」「泚意しおもらえるだけありがたい」ず自分でツッコミも入れる。軜い「」の語り口の䞭に、思った以䞊に冷静に自分を芋おいる15歳の姿がありたす。

 圌氏もいない、倏䌑みも友達ず遊んでいない。それでも「30代からが本圓の青春」ず蚀っおしたうのも可笑しい。階段を登るのもしんどいず嘆く15歳が、これからどんな「いい幎の取り方」をしおいくのか。今しか曞けない時間をそのたた閉じ蟌めたような䞀篇でした。

ナメミむノコさんい぀もの痛み

 䞀番印象に残ったのは、「奜きになった瞬間」ではなく、気づけば目で远い、盞手の奜みに詳しくなろうずしおいたずいう、恋心があずから茪郭を持っおいく描き方でした。倧きな事件はないのに、「あ。圌、笑っおる。もっず笑っおほしい。」の䞀蚀で、その人を奜きになった理由たで芋えおくる気がしたす。

 ナメミむノコさんの語りは、叀い傷あずを指でそっずなぞるようです。感情を倧げさに叫ばず、「たた、この痛みなんだな」ず静かに受け止める。その萜ち着いた蚀葉の奥に、䞭孊生のような恋心ず、倧人だからこそ分かっおしたう距離の䞡方がありたした。

 読み終えお残るのは、誰にも告げられなかった気持ちが、倕方の光のように静かに胞ぞ残る感芚です。恋が成就するかどうかではなく、「確かに奜きだった時間」を曞き留めるこず自䜓に意味がある。そんな恋の圢を芗いおみたくなる䞀篇でした。

yumiさん圩り

 䞀番印象に残ったのは、色を孊んだこずで「䞖界に色が増えた」のではなく、もずもずそこにあった圩りぞ気づけるようになった、ずいう感芚でした。知識が景色を説明するだけでなく、い぀もの垰り道たで少し豊かにしおいるのが玠敵です。

 yumiさんの文章は、癜い玙の䞊に透明な絵の具を少しず぀重ねおいくようでした。䌝統色、空の青、倕暮れ、蝶の芋おいる䞖界ぞず話が広がるたび、同じ「色」ずいうものが少しず぀違っお芋えおきたす。

 読み終えたあずには、倕方の光に染たった芋慣れた景色が残りたした。䜕気なく芋おいる空や花にも、ただ知らない名前や仕組みが隠れおいるのかもしれない。普段の景色を、もう䞀床じっくり眺めおみたくなる䞀篇です。

倢ぺんぎんさん出来れば真珠より塩をくれ

 䞀番印象に残ったのは、ただ「豚カツに塩をかけたら矎味しかった」ずいう話が、途䞭からWBCの決勝戊みたいな熱量になっおいくずころでした。泚文を間違えお倧量の豚カツを前にし、「私のポテンシャルは無限倧」「私は倧谷翔平よ」ず、食事がい぀の間にか勝負ぞ倉わっおいきたす。

 倢ぺんぎんさんの文章は、ひず぀思い぀くず次の蚀葉ぞどんどん飛んでいく連想ゲヌムのようです。胡麻を擊れば倫にもゎマをすり、岩塩を芋぀ければペッパヌミルからWBCぞ飛ぶ。その勢いのたた話が広がっおいくので、ただの豚カツランチがどんどん倧げさになっおいくのが面癜いです。

 読み終えたあずに残るのは、揚げたおの豚カツず岩塩、それを前にやたらテンションの高い食卓の景色。腹ペコで豚カツ屋ぞ行った午埌が、倢ぺんぎんさんの頭の䞭を通るずここたで賑やかになるのかず楜しくなりたした。

 「豚に真珠」ずいう誰でも知っおいるこずわざを、豚カツ屋でどう料理するのか。タむトルから気になった人には、その発想の行き先たで読んでほしい䞀篇です。

ゆらのたさん「特になし」ず曞く人

 䞀番印象に残ったのは、たった2文字の「特に」に、思っおいた以䞊の気遣いが詰たっおいたずころでした。「なし」で意味は通じる。それなのに、なぜわざわざ「特になし」ず曞くのか。普段なら読み飛ばしおしたう二文字を立ち止たっお考える芖点が面癜いです。

 途䞭で仙人を登堎させ、「䞀般的なこずはあるんですか」ずゆらのたさんが自分を远い詰めおいくのも楜しいずころ。無駄な蚀葉は削るべきずいうビゞネス文の正論ず、「冷たく思われたくない」ずいう人間の感情をぶ぀けるこずで、䜕気ない蚀葉遣いからその人らしさたで芋えおきたす。

 読み終えるころには、「特になし」が少し違っお芋えたした。意味だけなら䞍芁な「特に」には、「ちゃんず読みたした」「興味がないわけではありたせん」ずいう小さな愛想たで含たれおいるのかもしれない。

 隣の氎田さんの朔い「なし」に憧れながら、結局「愛を蟌めお『特になし』を送っおしたう」。たった二文字から、自分の性栌たで発芋しおしたう。その现かな芳察が楜しい䞀篇でした。

ゆらゆらさん祈り

 䞀番印象に残ったのは、「連絡を取るわけでもない。䌚いに行くわけでもない。ただ、その人が元気でいおくれたらいいず思う。それも祈りなのではないのでしょうか」ずいうずころでした。祈りを神様に向けるものではなく、もう䌚わないかもしれない誰かぞ静かに向けるものずしお捉え盎しおいる。その芖点が、この䜜品の芯になっおいたす。

 ゆらゆらさんの文章は、倧きな蚀葉に結ばれた玐をひず぀ず぀ほどいおいくようです。「祈り」ずいう少し構えおしたう蚀葉を、誰かを思い出したずきの「元気かな」たでゆっくりほどいおいく。するず遠いものだった祈りが、い぀もの暮らしのすぐそばたで降りおきたす。

 読み終えたあずには、今はもう䌚っおいない誰かの顔がふっず浮かぶような静けさが残りたした。「祈り」ず聞いお䜕を思い浮かべるか。その答えが少し倉わるかもしれない䞀篇です。

ゆんさんキリンに配達員をお願いしたい。

 䞀番印象に残ったのは、「配達員さんがキリンだったら」ずいう発想です。垃団から出たくない朝ずいう、ごく普通の面倒くささから、二階の窓をキリンがコツコツ叩く䞖界ぞ飛んでいく。その想像の飛び方が楜しいです。

 ゆんさんの語りは、日垞に小さな「もしも」の窓を開けるよう。そこぞAIが「銖ぞの負担」「亀通の劚げ」ず、倢の䞖界ぞ道路亀通法を持ち蟌むような珟実的な返事をしおくる。この枩床差にもクスッずしたした。

 読み終えたあずに残るのは、窓の倖からキリンがひょこっず顔を芗かせおいる、絵本のような景色。朝の宅配䟿ひず぀から、こんな空想が始たるなら、ちょっず垃団の䞭でもう少し考えおいたくなりたす。

 「玄関たで行きたくない」から始たった劄想は、いったいどこたで珟実ず折り合えるのか。そんな小さな空想を芗いおみたくなる䞀篇でした。

ゆんたたさんいなくなったわけじゃなかった

 䞀番印象に残ったのは、「30歳」ずいう幎霢の芋え方が、時間ずずもに倉わっおいくずころでした。䞭孊生から芋た30歳の先生は、䜕でも知っおいる別の生き物のような倧人。それなのに自分が30歳になっおみれば、母芪になっお䞀幎、分からないこずばかりで「子どもに倧人の服を無理やり着せたみたい」。幎霢だけが先に、か぀お憧れた倧人ぞ远い぀いおしたったような感芚が印象的でした。

 そしおこの䜜品には、バタヌ醀油味のポテトやHEY!HEY!HEY!の芳芧、䞭島矎嘉になりきったカラオケなど、䞀芋するず本筋ずは関係なさそうな思い出がたくさん出おきたす。でも、その䜕でもない蚘憶こそが「母芪になる前にも自分の人生があった」こずを少しず぀取り戻しおいく手がかりになっおいる。昔を矎化するのではなく、「こんなこずで笑っおいた」ずゆんたたさんが思い出しおいく語りが優しいです。

 読み終えお残ったのは、「曞くこず」が蚘録ずは少し違う圹割を持぀こずでした。過去ぞ戻るのではなく、眮いおきたず思っおいた自分が今もちゃんず続いおいるこずを確かめる。その感芚は、゚ッセむを曞くこずそのものにも重なりたす。

 母芪になる前ず、母芪になったあず。どちらかが本圓の自分なのではなく、党郚が今に぀ながっおいる。タむトルの意味が読み進めるほど静かに広がっおいく䞀篇でした。

ようさんざわ、僕たち友達だよな

 䞀番印象に残ったのは、「僕たちっお友達だよね」に返っおくる、ざわさんの容赊ない反応でした。友達が少なくお匱気になったずころぞ飛んでくる超高速カりンタヌ。そのやり取りで、二人が遠慮なく付き合っおきた時間たで芋える気がしたす。

 ようさんの語りは、バヌのカりンタヌで昔話を聞いおいるようです。叶わない恋を語り合った倜も、ざわさんのハむスペックぶりも、自分だけ玠面だったこずも、湿っぜくせず軜口を挟みながら話しおいく。その軜さの奥に、盞手ぞの芪しさがずっず流れおいたす。

 読み終えたあずに残るのは、倜のバヌで隣り合っおいた二人の距離です。「友達」ず確認しなくおも、䜕床も同じカりンタヌで飲み、くだらない話や重たい恋愛話をしおきた。その関係には、名前を぀けなくおも成立するものがあるのかもしれたせん。

 友達ずは、どこからが友達なのか。そんな少し面倒くさい問いを、飲み仲間ずの可笑しなやり取りから考えたくなる䞀篇でした。

暪井らすずさんなんでもないは、なんでもある

 䞀番印象に残ったのは、「ノックはするけど、ドアは砎らない」ずいう距離感でした。「なんでもない」ず蚀われおも、本圓に䜕もないずは思っおいない。でも、だからずいっお無理に聞き出さない。その絶劙な䞀歩の匕き方に、思春期の子どもずの関わり方だけではない、人ず人ずの境界線が芋えたした。

 暪井さんの文章は、普段なら聞き流しおしたう䞀蚀を拟っお、裏偎に䜕が隠れおいるのかをそっず透かしお芋るようです。息子の「なんでもない」、倫に返す「なんでもない」、小さな䞍満を飲み蟌むずきの「なんでもない」。同じ蚀葉なのに、䞭身は少しず぀違う。その違いを日垞の堎面からほどいおいく芖点が面癜いです。

 読み終えるず、「なんでもない」ず蚀われたずき、以前より少しその蚀葉の手前で立ち止たりたくなりたす。䜕もないのではなく、今は入っおこないでずいう小さな扉なのかもしれない。誰もが䜕気なく䜿う䞀蚀から、人ずの距離の取り方たで考えさせおくれる䞀篇でした。

暪山み぀ばさんい぀も私が車をぶ぀けるのは、きっず理由がある。『颚が吹けばきっず桶屋が儲かる』

 䞀番印象に残ったのは、祖母の「颚が匷い日は倖で遊んだらいかん」ずいう䞀蚀が、倧人になっおから車をぶ぀ける話にたで぀ながっおいくずころでした。普通ならそこで終わる昔話を、運動経隓、ボディむメヌゞ、運転たで䞀本の線で結んでしたう。その匷匕さが、むしろ気持ちいいです。

 暪山み぀ばさんの語りは、昔の出来事を䞀぀拟ったら、そこから因果関係をどんどん増築しおいくドミノ倒しのようでした。二重飛びも逆䞊がりもできない、ドッゞボヌルでは倖野たで届かない、車は前埌巊右ぶ぀ける。ひず぀ひず぀は笑える倱敗談なのに、「党郚あの日の颚のせいでは」ず本気で理屈を組み立おおいくから、気づけば玍埗しかけたす。

 読み終えたあずに残るのは、颚の匷い日に倖ぞ飛び出しおいく子どもの姿でした。自分の苊手だったこずを嘆くで終わらず、そこから次の䞖代ぞの劙な教育方針たで生たれおしたうのが楜しい。「颚が吹けば桶屋が儲かる」が、どうやっお運転ず子育おの話になるのか。その遠回りを远いかけたくなる䞀篇です。

よしたるさんロヌカルスヌパヌでの出䌚い。

 䞀番印象に残ったのは、仙台で出䌚ったホダを「結局、食べおはいない」のに、今でも旅の蚘憶ずしお芚えおいるずころでした。旅の思い出は、名物を食べたり芳光地を巡ったりしお䜜るものだず思いがちですが、ただスヌパヌで「䜕者」ず眺めたものたで残る。その蚘憶の残り方が面癜いです。

 よしたるさんの旅は、有名な芳光地を巡るずいうより、その土地の冷蔵庫をこっそり芗かせおもらうよう。鮮魚コヌナヌから魚を知り、パン売り堎から愛されおいる味を知り、お匁圓から普段の食卓を想像する。スヌパヌの商品を通しお、そこで暮らす人の日垞を芋おいる芖点が玠敵でした。

 読み終えたあずに残るのも、芳光名所の倧きな景色ではなく、鮮魚売り堎のホダや、ふわふわの牛乳パン、スヌパヌの倖のベンチずいった小さな旅の断片です。

 旅先でスヌパヌを芋぀けおも、これたでは玠通りしおいた人ほど読んでみおほしい䞀篇。次の旅行では、芳光地をひず぀枛らしおスヌパヌぞ寄っおみたくなるかもしれたせん。

よっしさんほら、䜕者かになりたいんでしょう

 䞀番印象に残ったのは、「䜕者かになりたい」ずいう気持ちを、倢や承認欲求の䞀蚀で片づけず、「応揎されたいのか」「䜜品そのものを面癜いず思われたいのか」ず䜕床も掘り䞋げおいくずころでした。創䜜をしおいる人ほど、途䞭で䜕床か自分にも問いが向いおくるず思いたす。

 よっしさんの語り口は、鏡の䞭の自分が急に口を開いお、逃げ道をひず぀ず぀塞いでくるようです。「あんこにチョコレヌト゜ヌス」「リサむタルのゞャむアン」など、痛いずころを突きながら突然くだらない比喩を差し蟌むので、重いテヌマなのに説教臭くならない。その容赊のなさず可笑しさが、この文章ならではでした。

 読み終えたあずに残るのは、「では自分は䜕を求めお曞いおいるんだろう」ずいう問いです。䜕者かになりたい人ぞ答えを枡すのではなく、その欲望を机の䞊に党郚䞊べお眺めさせる。創䜜を続ける人なら、少し怖いけれど芗いおみたくなる䞀篇でした。

四ツ葉さん「う」  瓜実条虫

 䞀番印象に残ったのは、「う」から始たる蚀葉を探しおいたのに、「うりざね」が頭から離れなくなり、蚘憶の糞を手繰った先から「瓜実条虫」が出おきたずころでした。普通なら候補からそっず倖しそうな蚀葉を、「懐かしい」ず䞀本の゚ッセむにしおしたう。その時点でもう四ツ葉さんらしさが党開です。

 語り口は、道端で倉な石を芋぀けた子どもが、そのたた地面を掘り続けお化石たで探し始めるよう。猫初心者だった頃の蚘憶から、寄生虫の生態、理系ぞの憧れぞず奜奇心が次々に連鎖しおいきたす。「気持ち悪い」の向こう偎に「䞍思議」や「神秘」を芋぀けおしたう芖点も印象的でした。

 読み終えお残るのは、少々キモいはずなのに楜しそうな景色です。たった䞀文字から、忘れおいた蚘憶や昔からの興味たで掘り起こされおいく。なぜ「う」からこんなずころぞ蟿り着いたのか。その思考の寄り道を䞀緒に歩いおみたくなる䞀篇でした。

ラむトシフトコヌチわたなべるかさん愛を最期たで ヌ母のこずヌ

 䞀番印象に残ったのは、蚀葉を倱ったお母さたに、幌い頃からの思い出をひず぀ず぀話しおいく堎面でした。赀い风玉や怖い倢の倜、理䞍尜に叱られたこずたで、きれいな思い出だけを遞ばずに䞊べおいく。その時間そのものが、嚘から母ぞ返しおいく長い手玙のように感じられたした。

 わたなべるかさんの文章は、暗い郚屋の䞭で䞀本ず぀蝋燭に火を灯しおいくようです。䜙呜宣告や別れの悲しさだけに焊点を圓おるのではなく、職堎や家族、友人、ふるさず、倕陜にたで「愛」を芋぀けおいく。倧きな蚀葉ずしお語るのではなく、誰かがそばにいおくれたこずや、手の枩かさの䞭から少しず぀愛の茪郭を浮かび䞊がらせおいくずころが心に残りたした。

 読み終えたあずには、倕方の空から幟筋もの光が降りおくる景色ず、お母さたから受け取ったものが今も誰かぞ流れ続けおいるような䜙韻が残りたす。倧切な人ずの別れを曞いた文章ではありたすが、悲しみだけでは終わりたせん。ひずりの母がどんなふうに愛を残し、その愛を嚘がどう受け取ったのか。静かに最埌たで読みたくなる䞀篇でした。

らいばぁさん『成功する人』の法則他、蚈2本

 䞀番印象に残ったのは、らいねぇさんが物事を芋るずきの距離感でした。『成功する人』の法則では、noteのお祭り隒ぎをただ眺めるのではなく、その裏偎にある「人のために動いたものが、仲間を連れお戻っおくる」ずいう埪環たで芋぀けおいる。䞀方の『ダヌリン。』では、小さな氎槜の䞭に倫婊、子育お、老い、別れたで芋おしたう。その芖線の飛び方が面癜いです。

 らいねぇさんの語りは、近所話をしおいたはずなのに、い぀の間にか人生盞談たで始たっおいる倜のスナックみたいでした。むルカのプロフィヌル画像で笑っおいたず思えば「メビりスの茪」ぞ飛び、闘魚の生態を説明しおいたはずが、魚の倫婊を「無蚈画家族」「未亡人」「青二才」ず完党に人間瀟䌚ぞ匕っ匵り蟌む。倧げさな蚀葉で遊びながらも、その奥ではずっず人の情や関係を芋おいたす。

 読み終えたあずに残ったのは、にぎやかな話のあずにふっず静かになる感じでした。笑いながら読んでいたのに、最埌には人が集たる理由や、小さな生き物にもあるかもしれない心に぀いお考えおいる。賑やかな秘密基地ず、小さな氎槜。たったく違う堎所から始たった2篇なのに、どちらも「誰かず誰かのあいだ」を芗きたくなる文章でした。

来倢さん老埌ただその気は......

 䞀番印象に残ったのは、旊那さんが着々ず「老埌仕様」の暮らしを敎えおいく暪で、本人は孫の奜きな韓囜海苔を探しおスヌパヌをハシゎしおいる察比でした。同じ時間を生きおいおも、芋おいる「これから」がずいぶん違いたす。

 来倢さんの文章は、老埌ずいう重たい蚀葉をいったんテヌブルに眮き、その呚りを生掻の小ネタでぐるぐる歩きながら眺めおいるようです。アレクサの埮劙な間、人感センサヌぞの苛立ち、韓囜海苔ぞの執念。倧きなテヌマを、暮らしの実感ぞ匕き戻しおいく語り口に芪しみがありたす。

 読み終えお残るのは、「老埌」ずいう蚀葉より、ただ車を走らせお䜕かを探しに行く人の姿でした。幎霢で区切られる未来より、今どんなふうに動いおいるか。その人らしい珟圚から「老埌」を眺め盎したくなる䞀篇です。

ラズベリヌミントさんultra soul

 䞀番印象に残ったのは、りルトラ゜りルを「特別なずきに聎く曲」ではなく、炊飯噚のタむマヌ忘れや車のトランク開けっぱなし、ガチャをやめられない瞬間にたで呌び出しおしたうずころでした。壮倧な歌が、生掻の现かな倱敗にフィットしおいく。その萜差が楜しいです。

 ラズベリヌミントさんの文章は、日垞の出来事に勝手にBGMを぀ける専属DJのよう。出来事が起こるたびに、頭の䞭のB'zラむブラリヌから絶劙な䞀節が遞曲されおいきたす。笑える堎面が続くのに、その根っこには「䜕十幎もそばにあった曲」ぞの本気の愛情がありたす。

 読み終えたあずには、䜕でもない倱敗や困りごずにも、自分のテヌマ゜ングが流れおいるような景色が残りたした。B'zをよく知る人はもちろん、奜きな曲が長く人生に寄り添っおきた人なら、きっず自分の䞀曲を思い出したくなる䞀篇です。

らむねパパさんずんでもなくほじくる

 䞀番印象に残ったのは、「ほじくる」ずいう䞀぀の動詞だけで、子どもの日垞をここたで芳察しおいるずころでした。錻から始たり、湿った土、レヌズンパンぞ。特に「レヌズンずパンを分別するバむト」のように黙々ず䜜業し、自䜜の「ほじくる〜♫」たで歌っおいる長男の姿は、目の前で芋おいるようです。

 らむねパパさんの芖点は、子どもの行動を芳察する自由研究の虫県鏡のようでした。普通なら「たた錻ほじっおる」「パンが散らかっおる」で終わるずころを、第二䜍は䜕だろうずランキングを始め、行動を眺め、぀いには本人ぞむンタビュヌたでしおしたう。くだらないこずほど真面目に芳察するから、い぀もの子育お颚景が面癜く芋えおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、爪を真っ黒にしお土を掘ったり、パンを粉々にしお䜕かを取り出したりする、小さな手の景色でした。倧人になるに぀れお忘れおしたう、「目の前に䜕かあれば、ずりあえずほじくっおみる」ずいう子どもの奜奇心たで思い出したす。

 錻をほじくる話から始たったのに、この子はいったい䜕をそんなにほじくりたいのか。タむトルどおり、日垞の小さな行動をずんでもなくほじくっおいく、その芳察に぀いおいきたくなる䞀篇でした。

ランさんたたには、歯間ブラシは倧切だね

 䞀番印象に残ったのは、歯間ブラシで取れた汚れを芋お「クッサ〜😂笑」ず笑いながら、そこからちゃんず口臭の原因や手入れの倧切さぞ気づいおいくずころでした。きれいごずにせず、たず「臭い」で実感するのがリアルです。

 ランさんの文章は、暮らしの䞭で拟った小さな気づきを、冷蔵庫に貌るメモのように残しおいく感じがありたす。歯の掃陀から郚屋の掃陀ぞ自然に぀なげ、最埌には倫婊のちょっずした自慢たで添える。その肩の力の抜けた語り口に、日垞を楜しんでいる空気がありたした。

 読み終えるず、掗面台の前で「今日はちょっず歯間ブラシしおみようかな」ず思わされたす。倧事件ではないけれど、こういう小さな発芋こそ暮らしを少し倉える。そんな生掻の䞀堎面をそのたた芗かせおもらったような䞀篇でした。

ランディさん臀郚でんぶです 蚀えぬ恥じらい 乙女なの

 䞀番印象に残ったのは、党身を打ち぀けお救急搬送されおいるのに、ランディさんの意識を支配しおいるのが「ケツが痛え」だったこずです。救急隊員から䜕床も「痛いずころは」ず聞かれおいるのだから蚀えばいい。それなのに「臀郚です」ず答えるこずをためらう乙女心。このどうでもいい葛藀が、ランディさんにずっおは切実なのが可笑しいです。

 ランディさんの語りは、ひず぀の「ケツ」を握ったら最埌たで離さない、蚀葉のケツバット千本ノックのようでした。救急車の揺れからレクタヌ博士たで連想が飛び、深刻なはずの搬送颚景がどんどん劙な方向ぞ転がっおいきたす。

 読み終えお残るのは、救急搬送ずいう倧倉な出来事なのに、なぜか硬いストレッチャヌず身動きできずに耐える姿ばかり。人間は非垞事態でも、案倖こんな些现なこずに心を奪われるのかもしれたせん。

 「痛いなら蚀えばいい」が、なぜこれほど長い戊いになるのか。タむトルの「蚀えぬ恥じらい」がどこたで本人を远い詰めるのか、そのくだらなくも切実な攻防を芗いおみたくなる䞀篇でした。

欄間秀䞉さんゞェミニではないう぀くしくないもの

 䞀番印象に残ったのは、䜜品の雰囲気を守るために封印したはずの「ゲリミ」を、゚ッセむしりずりでわざわざ掘り起こしおいるずころでした。創䜜では捚おたものが、別の文章では立掟な䞻圹になる。その再利甚の仕方が面癜いです。

 欄間さんの語りは、敎然ずした曞斎の匕き出しを開けたら、奥からくだらないメモが䞀枚出おくるよう。「思考の鍛錬」「レゞリ゚ンス」ず硬質な蚀葉を䞊べながら、その䞭心にいるのは「ゲリずミですから  」。真面目さずくだらなさの萜差が、そのたた可笑しさになっおいたす。

 なぜ「ゞェミニではない」のか。そしお、䜕がそんなに「う぀くしくない」のか。タむトルだけではたったく芋圓が぀かない、その答えを確かめに行きたくなる䞀篇でした。

韍鍌堂さん空っ颚が運んでくる、祖母のぬくもりず愛他、蚈2本

 韍鍌堂さんの2䜜品で䞀番印象に残ったのは、どちらも目の前にあるものから、かなり遠くたで蚘憶や思考が䌞びおいくずころでした。空っ颚からは矀銬の田畑で働く祖母の姿ぞ、「」からはか぀お䜿っおいたプログラミング蚀語ぞ。入口はたったく違うのに、ひず぀の蚀葉や蚘号を手がかりに、自分の䞭ぞ深く朜っおいく流れが共通しおいたす。

 韍鍌堂さんの文章は、匕き出しを䞀段開けた぀もりが、その奥からたた別の匕き出しが珟れる叀い箪笥のようです。空っ颚の冷たさの䞭から祖母のぬくもりが出おきたかず思えば、「」ひず぀でビット反転や正芏衚珟の話たでたどり着く。その振れ幅が倧きいのに、韍鍌堂さん本人の䞭では䞀本の線で぀ながっおいるのが面癜いです。

 読み終えたあずには、冷たい颚の䞭に残る祖母の背䞭ず、無機質な蚘号の向こうに広がる昔の仕事堎ずいう、たったく違う二぀の景色が残りたした。䜕気ない䞀文字や蚘号でも、蚘憶に觊れればここたで遠くぞ行ける。そんな寄り道の幅を楜しみたくなる2篇です。

涌月さんブフッずきたら 

 䞀番印象に残ったのは、ご䞻人がオナラをするために涌月さんの腕に぀かたっお力むずころでした。「安定するから」ずいう理屈たで含めお、倫婊の日垞ずしおはあたりにも絵面が匷いです。

 そしお面癜いのは、腹を立おおいたはずのオナラが、ひず蚀をきっかけに「オナラヌマン」ずいうヒヌロヌ物ぞ倉わっおしたうこず。涌月さんの語りは、家庭内の困りごずをそのたた愚痎にせず、倫婊二人で遊べる倧喜利䌚堎ぞ倉えおしたうようです。

 読み終えお残るのは、臭いよりも、くだらないこずで䞀緒に笑っおいる二人の姿でした。「ブフッずきたら 」の先に、どんな珍倫婊の攻防が埅っおいるのか。芗いおみたくなる䞀篇です。

涌子さん手䌝いをしおもらいたい倏䌑み

 䞀番印象に残ったのは、昚幎の掗濯「30日分の1」から、今幎の皿掗い「25日分の6」ぞずいう、なんずも䜎空飛行な成長蚘録でした。それでも「昚幎に比べたらえらい進歩」ず認めおいるずころに、息子くんぞの期埅ず諊めきれなさが同時に芋えたす。

 しかも、この皿掗いは頌む偎にもかなりの技術が必芁です。耒めれば「子どもじゃない」、やり方を䌝えれば「あヌ、うるせえな」。自分で掗ったほうが圧倒的に早いのに、次もやっおもらうために母は耐える。この「家事を教えるより、息子の機嫌を損ねず続けさせるほうが難しい」ずいう攻防が、淡々ずした語りだからこそ可笑しく感じたした。

 その奥にあるのは、い぀か䞀人で暮らす息子くんぞの芪心です。今は䌝わらなくおも、掗濯も皿掗いも自分でできるようになっおほしい。読み終えたあずには、「今日の皿掗いはするのだろうか」ず期埅しすぎず、それでも少し期埅しお芋守る涌子さんの姿が残る䞀篇でした。

るぎなすさん空から届いた愛

 䞀番印象に残ったのは、「䜕時間でも空を眺めおいたい」ずいう昔からの願いが、思いがけない圢で叶っおしたうずころでした。少し笑っおしたうような出来事なのに、その先で空の芋え方が少しず぀倉わっおいきたす。

 るぎなすさんの語りは、空に䞀本ず぀现い糞を匵っおいくようです。幌い頃に眺めた雲、病宀の窓、noteで぀ながった人たち。䞀芋離れおいる出来事が、「空」を通しおゆっくり結ばれおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、病宀の窓から芋䞊げた青空ず、その向こうに誰かがいるような景色でした。倧きな出来事を匷く語るのではなく、人ずの぀ながりを静かに受け取っおいく文章だからこそ、その枩かさが残りたす。

 ひず぀の「空」ずいう文字から、どこたで蚘憶ず人ずの瞁が広がっおいくのか。そんな流れを远いかけたくなる䞀篇でした。

Rんるんさんキミの「できない」が、この䞖界を優しく回す

 䞀番印象に残ったのは、「かき氷を食べお笑顔になっおくれる人〜」に、息子さんが「笑えなかったら、どうするの」ず返す堎面でした。母には蚀葉の向こうにある気持ちがあり、息子さんは目の前の蚀葉をそのたた受け取る。その小さなすれ違いから、「できる・できない」や幞せに぀いおたで思考が広がっおいきたす。

 Rんるんさんの文章は、子育おで生たれた小さな匕っかかりを指で぀たみ、玍埗できるたで䜕床も裏返しお眺めるような語りだず感じたした。息子さんぞ向けおいた正論が自分自身ぞ返り、そこからさらに「幞せずは䜕か」ぞ。答えを䞀盎線に出すのではなく、芪ずしお揺れる心ごず考え続けおいたす。

 読み終えお残るのは、凞凹の圢をした芪子が、互いの隙間を埋めるのではなく、そのたた䞊んでいる景色でした。「できない」を盎す話だず思っお読み始めるず、い぀の間にか、その「できない」を芋぀めおいる偎のものさしたで問い盎されおいく。

 子どもに「こうなっおほしい」ず願う気持ちは、どこたでが愛情で、どこからが芪自身の䞍安なのか。そんな境界を䞀緒に考えたくなる䞀篇でした。

冷凍うお座さん「り」攻め

 䞀番印象に残ったのは、子どもの頃の「り攻め」を、本人が䞀切矎化せず「マゞモンのク゜ガキである」ず振り返っおいるずころでした。勝぀ためなら盞手の語圙をじわじわ削り、「うっざ」たで蚀わせお勝利宣蚀。しりずりの思い出だけで、圓時の人物像たでくっきり芋えおきたす。

 冷凍うお座さんの語りは、雑談しながら脇道ぞ入っおいくのに、なぜか目的地の近くにはいる酔っぱらいのタクシヌみたいです。自虐したかず思えば神々の遊びを始め、ホヌムベヌカリヌから「襟のないシャツ」を連想し、高すぎるハヌドルはくぐる。話はふらふらしおいるのに、その寄り道でいちいち笑わせおきたす。

 読み終えたあずに残るのは、しりずりで本気になっおいたク゜ガキが、そのたた倧人になっお文章で遊んでいるような景色でした。

 そもそも、か぀お「り攻め」で盞手を远い詰めおいた人のずころぞ、本圓にしりずりのバトンが飛んできたらどうなるのか。そんな劙な巡り合わせから芗いおみたくなる䞀篇です。

レコさんこれから

 䞀番印象に残ったのは、最初は「東京はずおも遠いずころ」だった人が、いく぀もの瞁をたどり、今ではラむブハりスで音楜を楜しんでいるずころでした。ひず぀の講座ぞの参加が、思いもしなかった堎所たで぀ながっおいく。その時間の広がりがきれいです。

 レコさんの語りは、小さな点をひず぀ず぀線で結んでいく地図のようでした。講座、仲間、音声配信、ラむブ。それぞれは別々の出来事なのに、振り返るず䞀本の道になっおいる。

 読み終えたあずに残るのは、「あのずきの小さな遞択が、この先どこぞ連れおいくかは分からない」ずいう明るい䜙韻です。䜕かを始めるこずより、その先で生たれた瞁が䞖界を広げおいく。そんな「これから」を少し楜しみにさせおくれる䞀篇でした。

れもんいかさんぞっずするほどどうでもいい話

 䞀番印象に残ったのは、キムチ鍋を食べおいる時間が、そのたた゚ッセむになっおいるずころでした。「からい熱い暑いおいしい」ず感情がそのたた飛び出しおいお、䞊手く芋せようずするより、その堎の勢いで曞いおいる感じがありたす。

 れもんいかさんの語り口は、攟課埌に友達から「昚日さ、キムチ鍋食べおんけどさ」ず話を聞いおいるようです。話しおいるうちにだんだん熱が入り、どうでもいい話なのに面癜くなっおいく。その食らなさが、この䜜品のいちばん良いずころだず思いたした。

 読み終えたあずには、倏の暑い日に家族で鍋を囲んでいる、にぎやかな食卓の景色が残りたす。「これっお゚ッセむなんですか」ず本人は曞いおいたすが、䜕でもない䞀日を自分の蚀葉で残しおみる。そこから始たる゚ッセむず思わせおくれる䞀篇でした。

ろくねこさん手が臭う 異臭を攟぀プリント他、蚈9本

 9䜜品を通しお印象に残ったのは、ろくねこさんの「なんで」を攟っおおけない性分でした。臭うプリントの原因を远い、電気屋では詳しそうな店員を探し出し、䞋着を䞀日䞭攻撃した犯人たでラむトに透かしお突き止める。投資䞍動産の営業電話すら切らずに「どんな営業トヌクをするんだろう」ず芳察を始めおしたいたす。

 その性分を最埌には、自ら「匷烈な興味で動いおいる人」ず分析し、ChatGPTからは「人間型ログ収集装眮」ずたで評される。これほど、それたでの䜜品を説明しおいる蚀葉もありたせん。気になったら調べる、確かめる、分析する。そしお昔の倱敗や家族ずのやり取りたで、最埌は党郚文章のネタにしおしたう。その芳察の现かさず、自分自身たで芳察察象にしお笑える語り口が、ろくねこさんらしい面癜さでした。

 䞀方で、息子ずMVを芋ながら倧笑いした倜や、「パパはただう〇こ」で幌い息子を乗り切った日々など、分析だけではない家族の景色も残りたす。そしお最埌は、倏を芋送る積乱雲から始たったはずが、GLAY、宿題、そうめんぞず脱線しお「完」。最埌の最埌たで、ひず぀気になるず暪ぞ暪ぞず広がっおいく人でした。

 「皋々に は、難しい。」――9䜜品を読み終えるず、それでいいのだず思えおきたす。その皋々では止たれない奜奇心から、次は䜕を芋぀けおくるのか。぀い芗いおみたくなる䜜品矀でした。

Ռ՞շանակさんストレむシヌプ 

 䞀番印象に残ったのは、「す」から始たる゚ッセむを求められお、人名・地名・数孊甚語たで䞊ぶ「超偏向蟞曞」を開いおしたったずころでした。普通なら題材をひず぀遞ぶずころを、スカンクワヌクスからスキポヌル空枯、ロシア文孊、機関車、数論幟䜕孊ぞず進んでいく。頭の䞭の蔵曞を「す」の䞀文字で怜玢したら、曞架ごず出おきたようです。

 語り口も、䞀本道を歩くずいうより、巚倧な私蚭図曞通を案内されおいる感芚に近いです。「この棚には航空機、その隣にはロシア文孊、地䞋ぞ行けば数孊もありたす」ず扉が次々に開く。本人は「よそ行きの゚ッセむ」を諊めたず蚀いたすが、その偏りそのものから、これたで䜕を面癜がり、䜕を芚えおきた人なのかが芋えおくるのが面癜いずころでした。

 読み終えお残るのは、「人の蚘憶っおこんなふうに぀ながっおいるのか」ずいう眩暈にも䌌た楜しさです。「す」ずいう䞀文字から、どこたで遠くぞ行けるのか。知らない固有名詞に振り回されながら、誰かの頭の䞭を芗いおみたくなる䞀篇でした。

若菜あずきさん宝くじが圓たったら  

 䞀番印象に残ったのは、「宝くじが圓たったら」ずいう同じ蚀葉の䞭身が、幎霢ずずもに少しず぀倉わっおいくずころでした。䞖界䞀呚、東京での䞀人暮らし、金利生掻。どれもその時の自分にずっおは本気の倢で、䞊べお読むず、昔の自分が曞いた「未来の予定衚」を䞀枚ず぀めくっおいるようでした。

 若菜あずきさんの文章は、その予定衚を芋返しながら「あの頃はこんなこず考えおたな」ず笑っおいるアルバム敎理のようです。トレンディヌドラマに憧れおいた高校時代も、金利で暮らせるず皮算甚しおいた頃も、過去の自分を笑い飛ばしながら切り捚おない。そのずき本気で芋おいた倢たで、ちゃんず䞀緒に残しおいるずころが枩かかったです。

 読み終えたあずに残ったのは、圓遞番号よりも、家族みんなで「圓たったら䜕する」ず奜き勝手に話しおいる時間でした。「宝くじは倢を買う」ずいう聞き慣れた蚀葉が、人生の節目を通るたびに少しず぀意味を倉えおいく。最埌にその蚀葉がどんな堎所ぞたどり着くのか、ぜひ本文で確かめおほしい䞀篇です。

わさびの瞁偎日蚘さん日の光みたいに倧きくなる君ぞ

 䞀番印象に残ったのは、子どもを䞀貫しお「倪陜の光」ずしお描いおいるずころでした。朝から容赊なく起こされ、ダンゎムシを差し出され、むダむダ期には床ぞ転がる。決しお穏やかな光ではないのに、それも含めお家の䞭を明るくする存圚ずしお描かれおいたす。

 袖がツンツルテンになった服や、小さな手で履こうずする靎䞋など、「成長は早い」ず説明するのではなく、日垞の小さな倉化から芋せおくれるのも印象的です。芪にずっおは毎日の連続でも、その途䞭で子どもは確実に昚日より倧きくなっおいる。その時間の速さが䌝わっおきたす。

 そしお最埌に残るのは、い぀かこの光が自分のそばから離れおいくずいう、少し寂しい未来です。だからこそ、振り回される今さえ「䞀番近くでたっぷり济びおいよう」ず思える。子育おの倧倉さず愛おしさ、その䞡方を抱えた今だけの眩しさを残しおくれる䞀篇でした。

枡井なちさん東京䞀人旅迷子事件

 䞀番印象に残ったのは、東京ぞの䞀人旅を「自分を倉えるための旅」ずしお始めたはずなのに、途䞭からそんな目的などきれいに忘れ、目の前の東京を党力で楜しんでいるずころでした。ゞブリ矎術通でこがれた涙も、1980円のカプセルホテルに感心する姿も、圓時の自分を笑いものにしすぎず、少し距離を眮いお眺めおいる。その芖線が心地よかったです。

 枡井さんの文章は、若い頃の倱敗談を䞀本の冒険映画ずしお再線集しおいるようでした。スマホは「息絶え」、東京の倜道ではゞブリの歌が流れ、亀番や塟の先生が旅の途䞭で珟れる助っ人になる。しかも枡井さん本人はそのたびに「譊察官の蚀うこずは絶察」「先生の蚀うこずも絶察」ず教蚓を曞き換えおいく。出来事そのものより、それを今どう語り盎すかに面癜さがありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、知らない東京の倜を、少し䞍安になりながらも歩き続ける二十歳の姿でした。あの頃は人生を倉える぀もりだった旅が、幎月を経お、こんなふうに笑っお語れる䞀篇になる。その倉化たで含めお、旅の続きを読んだような䜙韻が残りたす。

和田雄䞉さんこの䞀幎、AIを䜿っお分かった。人ず話さなければ、自分の良さには気づけない

 䞀番印象に残ったのは、「匱い郚分ばかりをAIに枡せば、匱い自分が䞻圹の蚘事になる」ずいう気づきでした。AIの問題ずいうより、自分が䜕を材料ずしお差し出しおいたかの話になっおいるずころが面癜いです。発信の芋せ方を振り返る話から、い぀の間にか「自分は自分自身をどう芋おいたのか」ずいう話ぞ深たっおいきたす。

 和田さんの文章は、鏡を䜕枚も䞊べながら自分の姿を確かめおいくようでした。AIずいう鏡、SNSずいう鏡、そしお人ずの䌚話ずいう鏡。それぞれに映る自分は少しず぀違っおいお、䞀人で芋おいるず気づけなかった茪郭が、他人の蚀葉によっお芋えおくる。その過皋を、栌奜よく敎えすぎず、䞀幎前の自分から珟圚たでそのたた蟿っおいるずころに実感がありたす。

 読み終えたあずに残ったのは、誰かず話すこずで初めお芋぀かる「自分」の存圚でした。匱さを芋せるこずも、自分の匷みを䌝えるこずも、どちらか䞀方では足りないのかもしれない。䞀幎間AIず向き合っおきた人が、最埌に人ずの䌚話から䜕を受け取ったのか。その倉化を远っおみたくなる䞀篇です。

和田ゆかさん颚に吹かれお

 䞀番印象に残ったのは、同じ颚でも、そよ颚なら心地よく、匷く吹けば怖くなるずいう感芚から、蚀葉や人ずの関わりぞ話が広がっおいくずころでした。

 わだゆかさんの語り口は、颚鈎の音を聞きながら少しず぀考えを巡らせおいくようです。匷く結論ぞ匕っ匵るのではなく、「これも少し䌌おいるかもしれない」ず、颚から蚀葉ぞ、人ぞず静かに思考が぀ながっおいきたす。

 読み終えたあずに残るのは、窓を少し開けた郚屋に、やわらかな颚が通り抜けたような感芚でした。普段は芋えない蚀葉や人の圱響を、「颚」ずいう身近なものから芋぀め盎しおみたくなる䞀篇です。

🏆゚ッセむしりずり コンテスト2026 倏の陣 結果発衚🎖


 207,228文字の前眮きを読んでくれお、ありがずう
 
目次から飛んできた人も、ありがずう

 それでは、発衚したす。




 ドゥルルルルルルルルルルルルルルル  

🏆 このタむトルダバいで賞

ぱっちヌさん『たん』

遞考理由

 最終日、「た」から始たり「ん」で終わるタむトルずいうお題が出された䞭で、たさかの『たん』。

 普通なら条件を満たそうずしお、あれこれ蚀葉を足しお長いタむトルを考えおしたうずころを、たった二文字で終わらせた。その朔さに「その手があったか」ず完党にやられたした。

 ただ、この賞を遞んだ理由は『たん』だけではありたせん。

 ぱっちヌさんには期間䞭、「ん」「論」「を」「〜」など、嫌がらせずしか思えない文字が次々ず回っおきたした。

 それでも「〜←こい぀が家に珟れた日」「をは、抱き぀けなさそう。」などず、䞎えられた䞀文字をタむトルの頭に぀けるのではなく、その䞀文字から発想を始めお、䞀本の゚ッセむにしおくれたした。

 そしお最埌に枡された「た」から「ん」。さんざん無茶振りに応え続けた末に出おきた答えが、たった二文字の『たん』でした。

 コメント欄にも「その手があったか」「その蚀葉があったか」ず驚く声が䞊んでいたした。タむトルを芋た瞬間、誰かに䜕か蚀いたくなる。それこそ、この賞で探しおいたタむトルだったのだず思いたす。

 枡された䞀文字から、どこたで遊べるか。

 ゚ッセむしりずりずいう䌁画そのものを、最埌たでタむトルで遊び尜くしおくれた䜜品ずしお、「このタむトルダバいで賞」を莈りたす。


🏆ニダけたで賞

コノサキナキさん『立ちのがる湯気を眺めお』

遞考理由

 換気扇に向かっお、枩めた冷凍ご飯のタッパヌを掲げる劻。その数秒の動画を、倫は7幎間も繰り返し芋おいる。

 䜕がそんなに面癜いのかず蚀いながら、そんな倫を「愛おしくおかわいい」ず眺める劻。倫は劻を芋おニダけ、劻はそんな倫を芋お笑い、僕たで読みながらニダけおしたいたした。

   ず、もっずもらしい理由を曞こうずしたしたが、個人的な遞考理由を癜状したす。

 僕は、こういうラブラブ倫婊のお話が倧奜きです😆

 読んでいる間、䞀番ニダけおいたのは僕でした。

 ご銳走さたの「ニダけたで賞」を莈りたす。


🏆 ゚ッセむぜかったで賞

カハリヌさん『たどり着いた蚘憶に、おばあちゃんの字があった』

遞考理由

 冒頭の「こんたいなぁ〜」で、もう掘りごた぀の向こうにおばあちゃんが芋える。

 そこから小さな蚈画垳、茶色くなったセロハンテヌプ、ペヌゞをめくるバリバリずいう音ぞ。説明で抌すのではなく、具䜓的なものを眮きながら話が進むので、映像が自然に浮かびたした。

 珟圚の子どもたちの工䜜から、カハリヌさんが小孊䞀幎生だった頃ぞ飛び、たた今ぞ戻っおくる時間の運び方もきれいです。

 そしお「昔こんなこずがあった」で終わらず、芪になった今だからこそ、「あのずき、おばあちゃんはずっず私だけを芋おいた」ず気づく。

 具䜓で運び、時間を行き来し、最埌に過去の意味が少し倉わる。

 この賞、「゚ッセむぜかったで賞」なんお軜い名前を぀けおしたったこずを、今ちょっず埌悔しおいる。今回遞んだのは、「゚ッセむっぜいな」ず思った䜜品ではない。

 僕自身が、お手本にしたいず思った゚ッセむである。


🏆 この続き読みたいで賞【たきさんスポンサヌ枠】

猿吉さん 『ドヌナツを買うずか、買わないずか』

たきさんからのコメント

ドヌナツず、ひいおばあちゃんの死。
軜やかなタむトルから、突然珟れる「死」ずいう蚀葉。
この二぀がどう぀ながるのか、
その間にどんな物語があるのか。
もう、続きを読たずにはいられたせんでした。
今回わたしがずっず倧切にしおいたのは、
「タむトルを読んだずきよりも、
冒頭を読んだあずに“続きを読みたい”が倧きくなったか」
ずいうこず。
その気持ちが、わたしの䞭でいちばん倧きく膚らんだ䜜品でした☺


🏆 こっそり応揎したいで賞【諏蚪貎信さんスポンサヌ枠】

よっしさん『ほら、䜕者かになりたいんでしょう』

諏蚪さんからのコメント

読んでいお、たるで自分のこずを曞かれおいるように感じたした。
共感した、ずいうだけではなく、「これは自分が曞きたかった䜜品だ」ず思ったこずが、遞んだ䞀番の理由です。
自分の䞭にもあったはずなのに、ただ蚀葉にできおいなかったものを、先に曞いおもらったような䞀䜜でした。


🏆 その芖点なかったで賞【倩界蚘録さんスポンサヌ枠】

ごた぀ぶさん『ただ、尻を顔にしただけだったのに』

倩界蚘録さんからのコメント

「尻を顔にする」ずいう䞀芋するず奇抜な発想から、身䜓の圢や芋た目に察する私たちの固定芳念ぞず話を転がしおいる点を評䟡したした。
タむトルのむンパクトだけで終わらず、読み進めるほど芋慣れた身䜓の芋え方たで少し倉わっおいく。
たさに「そこを芋るのか」「そこから、そんなずころぞ転がるのか」ず感じた䜜品でした。


🏆 深そうに芋えお䞭身ペラペラで賞【コハクシスさんスポンサヌ枠】

瀬戞现胞さん『れロカロ・リヌもしくは倩䞌が囁く』

コハクシスさんからのコメント

名は䜓を衚す。これは叀い栌蚀だ。ならば名前を倉えるこずで自分自身も倉えられる。この゚ッセむはそんな小さな仮説から生たれた。瀬戞现胞はたさに什和のコペルニクスず蚀えるのかもしれない。しかし、珟実はれリヌのように甘くない。名を倉え、姿を倉えおも、自分が自分であるこずだけは倉わらない。人生は䜕が正解なのか分からない。いや、これは圓たり前のこずだ。だが、確かに深い。いや深いのか蚀いようのない感情を説明するには八月は暑すぎた。たさに「深そうに芋えお䞭身ペラペラで賞」にふさわしい至極の䞀本だった。


🏆 名乗らず掚したいで賞【匿名スポンサヌ枠】

圱ず茪郭さん『感謝は時に、うんこから生たれるこずもある』

匿名スポンサヌさんからのコメント

うんこを生み出す私たちが、うんこから生み出された䜕かを埗た。その事実に気づいただけで毎日のうんこをする姿勢が倉わった気がしたす。
過去の自分を振り返るこずが゚ッセむの本質の䞀぀かず思いたすが、そういえば自分もうんこだったなあず、読者の過去ず腞を揺さぶっおくれたこの䜜品を、肛門からひそかに掚したいず思いたす。

🏮提灯を消す前に

 ヌヌ以䞊、結果発衚でした

 受賞された皆さた、おめでずうございたす。
 なお、審査結果に関するクレヌムは䞀切受け付けたせん。

 異議申し立お、再審請求、VAR刀定にも察応しおおりたせん。審査員の独断ず偏芋を尊重しおください笑

 ただし、掲茉挏れや名前・リンクなどの間違いは別です。618本を手䜜業で確認しおいるため、もし芋぀けた堎合は遠慮なく教えおください。確認しお修正したす。

 そしお、この蚘事ぞのコメントもすべお読たせおいただきたすが、返信はかなり遅くなるず思いたす。この3日間、333日続けおいた連続投皿たで止めお、この蚘事を曞いおいたした。さすがに少し䌑たせおください🥱💀

 コメント制限を掻い朜りながら順番にお返ししたすので、気長にお埅ちいただけるずうれしいです。

 改めお、゚ッセむしりずりに参加しおくださった皆さた、本圓にありがずうございたした。

 それでは、そろそろ提灯を消したす。

 211,672文字の感謝ずずもに。

#゚ッセむしりずり コンテスト2026 倏の陣、これにお閉幕🀗

   危ない。倧事なこずを忘れおいたした。本祭は「たき須川の文藝倧賞2026」です。しかも、もう始たっおいたす。

 前倜祭の芏暡を完党に間違えた気が  💊

 今床はしりずりの䞀文字に瞛られたせん。しかも、賞金も豪華に💰😁✚

 次は、本祭でお䌚いしたしょう

🩲600から連想したもの

9月7日月からは、たかっちさんの「#600note祭り」が始たる。

お題はヌヌ

① 600から連想したもの
② ちょっず驚いた話

  ある。
ここに600本を超える゚ッセむがある。

しかも、ちょっずどころではなく驚いたこずだらけである。

ずいうわけで、新しく䞀本曞く䜓力はもう残っおいないので、曎に増えた212,924文字をそのたた祭りぞ持っおいくこずにしたす。

600note祭りに、600本超の゚ッセむを担いで参加。

  重い。

いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集